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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

栗生楽泉園  近間 治さん



衰へゆく視力なげきて朝床に障子の桟を吾は数えつ




生きてまた逢い語る日のありやいなや六十五の父と癩古りし吾と




幾百の針あと硬化せる静脈にプロミン射ちつつ果つる命か




殺人用原子力研究は進めども未だ癩菌の培養ならず




社会保障費をへらして作りしジェット機か療舎の玻璃戸ふるわせてとぶ




見えぬ眼なら縫ってしまえと言われおり痛む眼の手当されつつ




忌み嫌はるる癩者に体売る女生きゆくためとさりげなく言ふ




手術后の眼を近づけてまじまじと病み崩えし手をみつめつつおり




わが死なば骨を包まむ白き布病室に入る所持品の一つ




ガリガリと足の腐骨を切除さるることにも馴れてなげきもわかず





弟も癩に侵されて死にしこと八年を経て吾は知りたり




癩の身になし得る抗議はただ一つ安保反対の署名あるのみ




知覚残る唇のあたりより汗垂りて濡れし点字書舌先に辛し




手術して視力僅かに蘇る眼に草の緑を飽かずみつむる





十年ぶりに読書の意欲湧きてきぬ点字五十音舌読し得て




広島原爆犠牲者に黙祷す舌読中の点字書ひざにおきて




癩と肺身に病みながら盲ひ吾れ死の灰の降る世に生きむとす


近間治さんの略歴
大正13年9月17日生まれ。昭和10年12月13日入園。「高原」短歌会。昭和52年没。『盲導鈴』(昭和32年)『山霧』(昭和41年)『ハンセン療養所歌人全集』(昭和63年)


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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