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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

多摩全生園(身延深敬園)  山川草木さん



飼ひ馴れし乳牛を今は手離して明日癩園に発たむと思ふ




育て来てやっと役立つ牛なれど癩やみて今手放さむとす




癩園の向ひの畑に青青と伸びゆく麦が日増しに目立つ




今日も亦治療具さげて傷を病む不自由の友を治療に廻る




プロミンもP54も効なく病ひ重りゆく吾が行く末は




粟粒に満たぬ程なる蟻でさへ餌を探して生きゐるものを




隠れ病む吾に代りて家支ふ妹も早年頃となれり




隠れゐる部屋の障子を細く開け遠きどんどの火をかいまみる




癩われのありて縁談の破れたる妹が食事の支度しくるる





くれぐれも身を労れと言ひ置きて帰りゆく父の復たふりむきぬ




母そはの作り給ひしやはらかき布団に吾は病む身養ふ




かた手間に時計修理す癩癒えて世に出る希みなほもすて得ず




から梅雨の暑さにあわてすだれあむ妻と二人の新しき部屋




バケツに植ゑて実れる稲ありて粥が一食分ありと友は言ふ




友のくれし金魚が小さき水鉢に浮きつ沈みつしてただ一尾




衣類買ふ時すら柵のへだてあり手をふれし物は買はねばならず




身の廻り整へて眉植毛の手術まつ君のいきいきと見ゆ




六十路なる母がいまなほ山畑に鍬をふるひて吾を待つとふ




金魚鉢泳ぎ廻れる出目金が鉢いっぱいに映るをりをり




足どりの軽く帰りゆく看護婦の一家の夕餉楽しかるべし




木を担ぐ吾に触れてもためらはず手伝ひくれし土方の一人


山川草木さんの略歴
身延深敬園。『陸の中の島』(1956年)『河鹿集』第三集(昭和33年)『河鹿集』第四集(昭和38年)


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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