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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

星塚敬愛園  深川 徹さん


深川徹 遺歌集


療養所につれ行かるとも知らずして弟は汽車の旅をよろこぶ




偽名に戸惑ひしつつも弟はいつしか子等と馴染みゆくらし




船陰に裸体となりし弟の臀部の斑紋たしかめてゐつ




断種うけし友は終日黙し居つ時に荒あらしく新妻を叱る




癩家族の断種を行へと証言せし光田健輔こそ吾吾の敵だ




『癩患者野放し』新聞社よ我等を猛獣とでも思ってゐるのか




悪法とたたかふ我らを社会への恩知らずとでも君らは言ふのか




処女療より夫婦舎に移る妹に対へばとめどなく涙こぼれつ




妹の嫁ぎてゆきし夫婦舎のともしびが見ゆ吾が臥所より




癩ゆゑに診る医者もなくわが母は納戸の奥にて死にゆきにけり




いつの世にも我等癩者のよき理解者は神に仕ふる異国人なりき




外出許可証をもてどおどおどと夜汽車をえらび帰り来にけり




病む吾にひそかに自殺強ひたりし父を鬼の如く恐れゐたりき





母亡きあと癩病む吾に父はことさらやさしくなり給ひけり




癩者を罪人の如く扱ひし昔の警察ああ吾が母も命失ひし一人なり




癩病む吾を最も憎みし姉なりき自殺せよと荒縄を投げてよこししこともありけり




癩病む吾を最も憎みし姉なりき七年振りに会ひ優しき言葉かけくるる




自殺せむとレールの上に寝てゐたり哀れ癩病む十一歳の少年なりき




病む吾を憎み憎みし父なれど今は赦さむみ棺のなか




癩病むも生くるは楽しはるばると会ひに来てくれぬ津田治子
畑野むめ






吾が自転車の荷台に乗りし津田治子処女のごとき声にて歌ふ





無菌者となりたることのうれしくて野行き山行き一日遊びぬ





曲がりたるわが手を取りて涙流し夢の中の父はやさしかりけり




癩は遺伝と未だ信じて疑はぬ吾が村人は吾に優しも


深川徹さんの略歴
星塚敬愛園。『深川徹遺歌集』(昭和49年)

深川さんに関してこれだけの記述しかなかったが、歌から、母、弟、妹のうちの一人の4人が患者だったようだ。


2030年 農業の旅→ranking



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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