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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  森岡康行さん


森岡康行遺歌集


杖を握りゐたる形にわが指は器の如く硬直しをり





俄雨より点字新聞まもらむとこころ急ぎてわが配りゆく




留守多き君の居室のリラの木をわが覚へとし点字誌入れぬ





点字誌を配りてゆけば足たたぬ君は部屋より声かけくるる




癩ゆえにその族らのつひに来ず君の葬りに吾らのはべる





身を病まぬ一日がほし医者いらずといふ草一葉今日もらひくる





裸木となりてはじめてぶなの木の枝張る様をつぶさに知りぬ




ひととせの成長終えし安らぎを持てるかの如し冬のけやきは





痲痺とれし耳敏感に北風を小鳥のこゑを受けとめくるる





聞きなれし島のもの音わが耳に聞き分けながら歩む楽しさ





杖に触るる草木もろもろを手に探る新芽の茨柔らかにして





見えぬ目を空に向くれば空が見ゆ夜明の前の空と思へり





年年に生くる願ひの小さくなる己さぶしみ寒椿買ふ





押入れの引戸軽きを喜びて手萎えの妻のこゑがはずめり




顔の皮膚なでさすりつつ看護婦は我を慰撫する言葉選るらし





君逝きて競売となる盆栽に値札の下る寒風のなか




ななかまど芽の吹くさまは北国の君の言葉となりてよみがへる





ポリタンクのこの水すべて故里の井戸より姉の汲みてきしもの





ふるさとの井戸の水にて顔洗ふ四十五年の涙を洗ふ



森岡康行さんの過去記事


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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