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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

菊池恵楓園  石川 孝さん


檜の陰の聖父


木枯の音にまじりて聞え来る夕の友のともらひの鐘




湯たんぼを抱きたるままにはかなくも昨夜の寒さに友逝きにけり





つつましくマスクかけたる看護婦を寂しく思ふ朝もありけり




金送る父を思へばほそぼそと我れ何時までも生きるべからず




いくらかの金のほしさに故郷の叔母に書きたる手紙の長さ




今宵また我が病院の裏山に人焼く煙たちのぼるなり




秋の日の窓に向ひて臥しながら昨日とおなじ思にふける




さすたけの君が見舞の文がらは枕の下にしきて臥し居り




病み臥して寝台に五年あらがねの土をふまざる我が足あはれ





霜の夜の厠の廊下ゐざりつついゆきかへらひかなしくなりぬ





たらちねの懐ぞ恋ししみじみと湯たんぽだきて我れは臥しをり





隠すべき処も隠す気力失せて病む身けだるく起き臥すあはれ




しびれたる我の腕に昼の蚊はみるみるうちに腹を太めし




今日も亦空灰色にくれむすと聖主のみ名を幾度となへし


石川 孝さんの略歴
明治39年熊本県人吉町生まれ。小学校卒業頃から兆候が現れ大正12年10月28日九州療養所入所。大正13年4月頃から内田守人に師事。失明、気管切開。昭和4年5月アララギ入会。土屋文明に師事。カトリック教徒。昭和5年4月9日没。享年25。『檜の影』第一集(大正15年)『檜の影』第二集(昭和4年)『檜の陰の聖父』(昭和10年)『九州療養所アララギ故人歌集』(昭和15年)『三つの門』(昭和45年)『ハンセン病療養所歌人全集』(昭和63年)


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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