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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  北田由貴子さん


この島を


われとわがこの日日のたたかひに畳に落ちし箸をまさぐる




おのづから小さくなりて街をゆく萎えし双手をポケットに入れて





夕づきて福山城の階くだるわが靴に踏まれ木の実がにほふ





われもまたこの骨堂にいつの日か壺に収まり並び置かれむ





一夜にして二人逝きたる病棟に今朝は黙してわれら食事す




悲しませたくなく言へずゐるわれの眼の衰へを兄は知るらし




癩児絶えし学園は車庫に変貌し二宮金次郎像一つ立つ





わが生のありのままなる自らを曝し名づけし『死角の島』よ




病めるわれらを笑はせて挨拶したまへる水甕主幹に拍手鳴りやまず





見ゆるやと顔寄せ給ふ河合先生あたたかくほのかにビールが匂ふ





白き杖つかねばならぬ悲しみをまつはる猫に言ひ放ちたり




眼帯外し見ゆるやと問ふ先生のお顔おぼろに見えて頷く





開眼の成りしは夢にあらずやとかざすわが手のまぎれなく見ゆ





斯く見ゆるまでになりたるわれの眼か友みな老いて髪白くなりぬ





医師充員陳情はがきを夫は書きわれは夕餉の豌豆を剥く




開眼を祝ひて賜びし鏡面に軒の雀の飛びかふ映る





眼の癒えて鏡に映すわが顔の頬つたひくる涙が光る





わが夫と顔を見あわせ語りあふ幾年ぶりにわが眼の癒えて





夫に委ねてありし厨よ今日よりは眼癒えたるわがものとせむ





かへりたるわれの視界や朝風に楠の若葉のきらめきやまず



北田由貴子さんの過去記事


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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