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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

大島青松園  赤沢正美さん



患者地区職員地区に分れをり小さき島の小さき社会




欠落を埋める如く降る雨の音の世界の中に眠りぬ





考えてみても仕方のなきことを振り切る如く煙草を喫へり




切切と命もやして鳴く蝉の夏華やかに照り盛るなり





うらうらと陽を浴びてをりたんぽぽの咲く野を駆けし少年老いて





人と人は会ふことのある歓びに島の晩夏の夕べはなやぐ





残暑去りし雨あとの草木匂ふ夜を湧き出でしごと虫鳴き始む





怒りでも淋しさでもなし混沌と老の私語われの私語泡立てり





新発生患者なきいまらい園は虹のごとあえかに老いほろびをり





黙黙と通夜の酒を飲むほどに生きゐるわれの髄液凍る





らい園の療養ながき父の遺骨持ち帰る子も六十歳近し





またひとりひとりが泛かび戦時下に逝きたる君らうつつに若し




ふつふつと湧き上りくるどの顔も切なし一人ひとり逝きたり





骨堂の棚に並びて君も君も臓腑なしらいの悲しみもなし





草原の草に立つ風秋めきて日暮るるときにこころ飢ゑゆく





はばからず競ひ合ふ声みちみちて夜の庭先は虫たちのもの





近道をこころみて見事迷ひたる白杖に冬の砂やはらかし





寒菊はまだ咲かぬらし匂ひなき庭の真昼の一切の空





寒菊の花咲き初めて暮れはやき夕庭の冷え香りをもてり





確かなる生と思ふな朽ちるもの朽ちさせて冬の大地は無言





冬木木の乾きにしみて降る雨の音なき昼を癒やされてゐる





波の音松風の音をわがものとなさねば島の冬堪えがたし





らいは癒えながら癩園に住むわれの命の襞を鳴らす風あり



赤沢正美さんの過去記事その1

赤沢正美さんの過去記事その2

赤沢正美さんの過去記事その3


2030年 農業の旅→ranking



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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