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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

栗生楽泉園  香山末子さん



唐辛子のある風景



私の古里は わら屋根ばかり

秋になると わら屋根に

真赤な唐辛子が干される

どの家の屋根も

秋空のもとに唐辛子が映えて

眼に痛い程だった

日本の屋根には

真赤な梅干が

かごに詰まって土用干しされている

私は発熱のたびに

あの赤い梅干を口にする

韓国のあの真赤な景色は

今どうなっているだろうか?

眼に浮んで消えない熱のある日








まっしろいサンダル


昔は床が板で 看護婦さんが歩けば

ビシビシ音がした

今は部屋の中も廊下もみんなコンクリート壁が高くて ひとつも聞こえない

雨の音も聞こえない

私の頭の中は何も聞こえない闇の世界

自分の病気のことだけ考えている

看護婦のまっしろいサンダル 音がかわいい

カランコロンカランコロン

暗闇の中が明るくなる

ふっくらとした手足

ふっくらとしたかわいい顔を思い浮かべる

ときたま、バタバタ、ガタガタ、ガッーと走って行く

「おお どうしたかな」と言うと

明るく笑う声で

「走っただけだ」と答える

その時の走る姿を考えて また笑う

若い笑い

いいなあ、私はあんなに笑ったことがない

うらやましい

あの笑う声が








真赤な火の粉


私の好きな原稿

いくら好きでもいっぺんで出来あがらん

何回も直すうちに

頭の気が揉めて

腹が立って

手の中でしっかり揉みくちゃにして

灰皿にマッチ一本

真赤な火の粉

燃えて

真白い煙がもうもうと立ち上がる

灰もいくつかちぎられて

たちまち空へ立っていって

白い雲黒い雲

どっちになるのかなあと思いながら

いつまでも眺めている

おろおろと丸い喋々のようだ








鶏と犬


春の陽を受けた縁側には

鶏と犬

いつも一緒

餌を食べ終えた鶏

私の周りで羽根をバタバタさせて大騒ぎ

残したごはんを箸ごとやると

振り回して尻尾を空に向け

一粒一粒拾って食べる

向う側には

肩高くして座っているおとなしいワン公

私を見ると

ワンワンと声を張り上げる

残り物の魚の頭とごはんを皿に盛ってゆけば

魚の頭を食べている間

鶏が来てワン公のごはんを食べてしまう

鶏の雛がワン公の背中に並んで止まっている

大きい赤い犬に黄色い雛鳥

花が咲いたようだ

いつも仲のよい犬と鶏

私の古里

韓国

田舎の家はでっかくて庭も広い

横には鶏小屋

前は大きな畑

真青な野菜畑

人間も食べ鶏も自由に突ついて食べ

野菜の芯が棒のようにおっ立っている

豚小屋 牛小屋が並び

餌が遅いと屋根がぶっ飛びそうな

ごっつい豚の鳴き声

牛は尻尾を振り目を細くして

居眠りばかり

いまはなつかしい私の古里


香山末子さんの過去記事 


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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