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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

栗生楽泉園  越 一人さん


復活祭の日に
復活祭の日に

かすかな

樟脳のにおう着物の奥襟をなおさせ

お前は 教会に行った


昨夜十二時過ぎても眠れなかった

そのことしか言わない

平均寿命の歳に近いお前

教会では どんな神の御業みわざを聞いているのだろうか

もしかすると

眠れなかった時間の行方を尋ねてしまうのかも知れない

つらい眠気をこらえながら

何も祈らず

何も聞かず

軒下にころがっている石ころのように

ただ そこにいて

聞きおぼえの聖歌を口ずさんでいるのだろう


そうだ

それでいいのだ

歳老いた妻よ

今日はお前にとってどんな一日なのか

着飾ったかすかな香りが

漂っているだけのようだ

それが無信心のオレを

包みこんでくるのだ







新年


すこし硬い黒豆をつまみながら

ぼくは

ただ笑いこけているテレビを見ていた

豆のつぎは

芋の煮っころがしへ箸をうごかしていく

そんなぼくに

ふいっ と

お前は 花芽が赤くなってきた と

カニの足のような

シャボテンの一鉢を見せ

日射しの溢れる廊下に出ていった

何かぶつぶつ言っている

花の言葉のようだ

ゆらぐ日射しにふりむくと

とことこ歩いている

花の言葉に絡みついて

新年の

日射しの中を行き来している

お前の

少しうつむいている姿

ライの 長い旅の乾いた音を呑みこんで

何か大切なものを

育てているようだ






ゲート・ボール


ほんのすこし打つだけだのに

全身を硬くさせ

長年たくわえてきたものを

吐きだすかのようにボールを叩いた

ボールはため息を引きずるようにころがった

わずかに

そのわずかなことにはしゃいで

人はスチックを立て

そっと 時間の重さを置いた

なんともいいようのない風が吹き抜け

みんな一様に苦しみ耐え

みんな一様に歳を経た

それだけにちょっとしたことが

おもしろくてたまらないのだ


コツン と音たて

ボールは低いゲートをくぐり

また

つぎの朝にころがっていく



2030年 農業の旅→ranking

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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