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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

邑久光明園  中村七鶯さん


ランプの灯


盲になった私にも

色々な思い出があるのだから

夜になったら もう一度ランプの灯を

つけておくれよ

それは慾ばりでしょうか

ランプの灯には

妹が生れたよろこびの日の思い出がある

ランプの灯には

母を亡くした日の悲しい記憶がある

ランプの灯には

楽しく学校に通った少年の日の希望が残っている

私を慰めて呉れるランプが

いつも郷愁の中にともっている

思い出がふかいランプの灯を

盲の私にもつけておくれよ





放心したとき


郭公よ俺を呼んでくれるな

俺は起きたくはないのだ

なんにも見えない俺だから

何時迄もこうして寝ていたいのだ

カナリヤよ俺を慰めるために

お前は歌を唄っているのか

俺は聞きたくもない

そして唄いたくもないのだ

ただ静かに

何時迄もこうして座っていたいのだ

俺の側に来て座して居る梟よ

お前と話をすることは真平御免だ

だから俺は知らないふりをする

俺はその人の声音から

性を知ることさえも出来るのに

人生の断崖を見つめて

放心した時の俺自身のことだけは

なんにもわからなくなるのだ

だから何時迄もこうして座って

居たいのだ

このまま静かに寝ていたいのだ

誰れも訪れない静かな処で

たった一人でもう何んにも

考えたくないのだ





盆踊り


癩者は白鳥になる夢をもっている

栗の毬は手に触れがたいが

一皮はげば中から薄桃色の

美しい実がころげ出る

癩者の盆踊りを誰かが鬼が踊っていると

云った

外面すごく醜悪に見える病者にも

内面に美しい夢があり希望をもって生きている

苦しみも悲しみも打忘れ踊っている様は

灯を求めて飛び交う鳥に似ている

癩者は白鳥になる夢をもっている

踊っている鬼ではなく

あこがれに湖上を狂わんばかり

踊っている様だ





夕虹


一しきり夕立が降ったあと

暮れいく空には夢の様な虹が残っている

いまあなたは眼球の痛みにきっと

耐えかねているであろうか

あなたを囲む人々の口からは

どんな慰さめの言葉や祈りがあっても

いまのあなたには

その痛みはどうすることも出来ないかも知れない

暗いくらいかなしみのどん底の世界

黒一色にぬりつぶされた色彩のない世界

そこでなんの術もなく

しんぎんしているかも知れないが

そこからまたあたらしいあなたの道を

きり開いていかねば

私は一人しずかにここからはげましている

そんな祈りのうちに

夕虹はもう私の眼前で美しく

淡く消えそうになりながら

なおも七色に最後の名残をとどめている


2030年 農業の旅→
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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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