2019年 8月18日の記事の再掲です。
2022年、タワマンの「大量廃墟化」が始まることをご存じですか 不動産業界では暗黙の常識(週刊現代)
タワーマンションには、いろんな問題があるんですね。この記事を読んで初めて知った。
タワーマンションという言葉を実感として自分の心に捉えたのは、7月17日の朝日新聞のトップニュース『「階級社会」へ日本の変質』(社会学者・橋本健二さんへのインタビュー記事)からだった。
年に1度、農閑期に大阪へ遊びに行くが、その時に、東大阪の永和駅前の高層ビルや放出駅前の高層ビルを目にして、かなり威圧感を感じていた。これはタワーマンションだったのだ。
こんな空中空間には怖くてぼくは住めないし、もちろんステイタスシンボルとかみじんも思わず、「こんなところによく住めるなあ」という気持ちが強い。
ここに住む多くの人は「仮の宿」と考え、「永住空間」とは考えていないのだろう。
人間が生きておれるのは80年ほどだから、どこに住んでもいいし、経済的なこともあって、誰もが望むような場所に住めるわけではないし、いったん住み始めたら、さらなる移住は簡単ではない。
転職を繰り返して、地元に帰り、また転職を繰り返し、結局、農業を始めたが、築68年の家に住んでいる。昨年の3月に屋根瓦だけ交換した。
家に関しては雨露がしのげたらいい。経済的にそれ以上のことは望まなかった。
集落には新築の立派な家も多いが、比較はしなかった。自分は会社に縛られることなく、自由な農業をしているのだから、それ以外のことに欲望を持たないようにした。
住宅事情は多くの人にとって大変な問題かも知れない。ただ、あのタワーマンションだけは、人間を疎外するような建物であり、空間である。
人間は大地(土)からあまり離され過ぎると、心身に不調をきたすように思う。
「土着性」という遺伝子は、今の世代では、まだ切り離すことができない本能的な拠り所と思う。