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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

邑久光明園 藤本トシさん 地面の底がぬけたんです(10)


藤本トシさんの『地面の底がぬけたんです』の中に、北條民雄さんのエピソードがある。藤本さんは大阪の外島保養院におられたが、昭和9年9月21日の第一室戸台風で外島保養院は壊滅し、出身地にある多摩全生園に委託患者として4年間預けられ、その時、北條さんに出会った。

藤本トシ 明治34年生まれ 1987年死去 享年87才

北條民雄 大正3年生まれ 1937年死去 享年23才


『地面の底が抜けたんです』の一部抜粋


 北條民雄さんて御存知でしょう。あの方と全生園で一緒の時期がありましてね、結核病棟におられましたけど、何度かお見舞いに行きました。というのは、あたしたちは委託患者ですから、時々全員が集まっていろんな話があるわけなんです、その委託患者の代表さんから。例えば、注意とか、しなければならないこととか。そうした折に、病室には必ず時々はお見舞いに行ってくれ、あたしたちはこうやってお世話になってるんだから、ということでしたから、何人かずつ病室を見舞うのです。
 北條民雄さんは、本病は軽いお方でしたよ。なんですか、声をかけても返事もしない人で・・・。ベッドのそばにまいりますと、上をむいて目をあけておられるから、いかがですかとかって伺うでしょ。すると、クルッと背中をむけて、むこうむいてしまいなさる。
 ある時、やはりお見舞いに行った時でしたが、ちょうどお医者さんが診察なさっていたことがありましててね、北條さんに小言を言ってなさってでしたよ。
 あんたは確かに文学者としては優れた人だ、文章も立派な腕をもっている、だけど人間としてはゼロだぞって。まあ、あたしにはどうこう言えませんけど、とにかく、とりつく島がない人でした。頭の中は文章のことでいっぱいで、他のことで口をきくのは、もうめんどうくさいってことだったのでしょうか。何か、いつも考えてられたんでしょうねえ。


2030年 農業の旅→ranking

 
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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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