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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

いま、地方で生きるということ

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熊手はさほど使わないが、鋸はしばしば、鎌とフゴは家畜に青菜を与えるため毎日使う。

農業を始めた頃には「稲わらで編んだフゴ」が家にあり、それを使っていたが、うっかり雨にあてたりして、、間もなく使えなくなり、その後は画像のような化繊のフゴを使うようになった。


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そのフゴを利用して今日は、前年の籾殻を片付けるために、果樹の根元などにふった。クン炭(焼きすくも)は今年の籾殻でないと焼けない。籾殻をふっておけば草が少し抑えれるし、生えても抜きやすい。この作業だけで今日は2キロほど歩いたと思う。

こういう作業をしなくても、青菜や餌(ニワトリ)や水を与えるために鳥小屋や放牧場まで1日に6~8往復はするので、それだけでも軽く1キロは歩くことになる。

ヤギには青菜と雑木と竹を与えるだけだから、餌代は1円もかからない。ヤギはまるでパンダのように竹の葉も好物である。
 


出荷が少ないと、農作業が大いにはかどる。全農作業時間の半分は出荷作業なので、その出荷が少ないということは出荷以外の農作業が大いに進む。出荷が少なければ収入が少なくなるが、いい方に解釈すればそれほど損失は大きくない。
 



地方で生きる

仕事は会社から、食べ物はスーパーから、水は上水道からしか得られないとしたら、もしそのチャンネルが駄目になった場合、生きてゆくこと自体が難しくなってしまう。会社から与えられなくても自分で仕事を得られるように、と思いながら辞めましたが、同じく、都市というシステムに頼り切っているのはまずいと感じていて。地方でも都会でも、おのおのが今自分のいる場所で、身近な関係の中で充実を図っていくことが大事だと思っています。『いま、地方で生きるということ』西村佳哲(働き方研究家)朝日新聞12月10日

農家の場合、上水道以外の仕事と食べ物はクリアーできている。我が家の場合は山水もあるので、上水道だけに依存はしていない。山水はペットボトルに入れて水筒がわりにしているし、家畜の飲み水に毎日持参しているし、野菜を洗う場合でも山水がないと、とても不便で高くつく。

今は田舎でも自給できるライフラインは「水(山水)」くらいしかなく、その「水」も自給できている人はかなり少なくなっているだろう。

そして種はほとんどの農家は種苗会社に依存し、F1種でない在来種を自家取りしている人はごく少ない。

現実問題として、ダイコン1本を作ることより、ダイコン1本を買う方が、3倍は安くつくだろう。定年後の農業においては、金持ちは作り、貧乏人は買うことを選択せざるをえないのが現実である。

というのは、ダイコン1本を作るには、1袋が500円ほどの種を購入し、肥料を施し、防虫ネットか農薬を購入し、水を与え、草をとり、間引き作業をして、60日間という時間の経過を待たなければならない。

水を与え、草をとり、間引き作業をして、時々見回りという時間を金銭に換算せずに、単純に必要だった「種代」と「肥料代」と「防虫ネットまたは農薬」の3項目の合計だけで、安く見積もっても2000円はかかる。週に1本(約130円)食べても11月~2月の4ヵ月間で16本ほどで2000円ですむ。

現実には、種を蒔く作業、肥料を散布する作業、防虫ネットや農薬を使用する作業、水を与える作業、草抜きをする作業、間引き作業、時々見回りをする作業、収穫して洗う作業という時間も、経済を論じる場合には金銭換算する必要があり、この時間を金銭に置き換えれば2000円×3倍=6000円内ではとても収まらない。

作ることは買うことに比べて3倍以上高くつく理由である。
  


55歳からのハローライフ(村上龍)

格差を伴った多様化によって、定年後を生き延びる戦略は個々に違ったものになる。定年後の人生は悠々自適層、中間層、貧窮層に分かれる。
定年後、どの層の人生も決して楽ではなく、ときに絶望にとらわれる。だがいずれにしろ、財政破綻寸前の国家に頼りきるリスクは大きく、サバイバルの戦略と方法は個人にゆだねられている。(山陽新聞12月9日)


妻が稼いでいるからといっても、財布は全く別である。どんぶり勘定にはしていない。それぞれが稼いだものはそれぞれの人のものである。少なくとも我が家では先代からそうだった。

だから、ボク自身の生活も甘くはない。しかし、長年の百姓生活で、少なく稼いで、少し使い、しかし充実した生活を送るという田舎暮らし術が身についている。生きていくための自分のランニングコストは限りなく少ない。だから自由度も大きい。
年間3万6千円ほどの掛け捨ての火災保険料。
年間2万円ほどの掛け捨ての生命保険料。
年間5万円ほどの固定資産税。
年間5万円ほどの交際接待費(親戚、集落)。
毎月のライフライン(割り勘で2万円×12ヶ月=24万円)。
毎月のスーパー等での買い物(1万5千円×12ヶ月=18万円)。
農業経費は農業収入から差し引かれる。
携帯電話は持っていない。
自分の小遣いは散髪代くらい。
交際費も多少あるが農業経費で落ちる交際費。
築60年の家屋だが、屋根瓦等の大きな修理がなければ費用はさほどかからない。

かかっていないようでも合計すれば60万円ほどかかっている。年金で賄える範囲と思うが、それは運よく病気をしないことが前提になる。

直売所出荷は厳しいだろうが、ワンパック宅配と観光農園で収入の道も残る。

2030年 農業の旅→ranking      


         
  

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コメント

一部の人と思いますが、「半農×○」とかいって他人に勧めて評論活動をしている人たちがいるようです。なんんとなく農に携わるのを素敵なことなんだと言ってます。私は、昔侍の時代から最近の「半年農業半年出稼ぎ」「カアチャン農業」いま「ジイチャンバアチャン農」とヅーット百姓は「半農」だったと思います。その人たちは日本は古代から「半農半漁」のすばらしい国だったと「半農×○」をPRしてますが、とんでもない「専業では飯が食えない。」からそうなっただけ。
最近でも「農民は米を作っても飯が食えない」と言われてきました。私は農というのは「百姓」と言うようにそれだけでは食っていけないことを知っていたからそう言ってると思ってきました。一部で「半農×○」と言ってるのを聞くとそして人に勧めてるのを見るとそんなに馬鹿にするなと言ってやりたくなります。

  • 2011/12/12(月) 07:27:52 |
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  • 柴とみつばち #-
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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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