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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

今日のクイーン


https://www.youtube.com/watch?v=fxQHi1QXboo&index=82&list=PLeoBVKHKNsGriWnBb7u2FrwRC-izVytZg

いつもご訪問、ありがとうございます。
明日から2日ほど更新を休みます。またよろしくお願い致します。
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誰かの妄想・はてなブログ版

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長島愛生園  小泉雅二さん(14)


代筆

十年
以前まえには

十人の代筆をしました


五年以前には

五人の代筆をしました


三年以前には

三人の代筆をしました

『らいはなおる時代になりました

らい院ではお医者さまが退屈をし

お医者さまがいらなくなりました

社会復帰者は数を増し

日本のらい政策は終わりました

だから 国立らい院に

眼科医もおりません

眼科のお医者さまは

二週間に一度 らい院にやってきて

一日百五十人の患者を診察しておられます


らい政策の終ったらい院で

ぼくはだんだん光を失っております』


今 ぼくが

息づまる思いの 沈黙の

吐出すへどの代筆をしてもらっています




小泉雅二さんの略歴
1933年3月5日広島県に生まれる。1948年7月9日、工業高校を中退して長島愛生園に入所。1955年より詩作を始め、詩誌「杭」をつくる。その後、長島詩話会、「青い実」、「乾漠」などに参加。1958年には「裸形の会」
を結成、詩誌「裸形」を創刊。1964年「らい詩人集団」の結成に参加。1967年失明。1969年慢性腎炎、尿毒症にて死去。詩集『枯葉の童話』(1959 長島詩話会)、『白い内部で』(1962 裸形の会)、『小泉雅二詩集』(1971 現代詩工房)。


随分、年齢の開きがあるように感じたが、小泉雅二さんはぼくと20才しか違わず、健在なら今85才。

万博の1年前の1969年に36才で亡くなられている。

「夏子」や「志保子」の登場する詩が特に印象に残った。

ただ、ちょっと理解できない表現も多く、詩集「枯葉の童話」の多くは割愛した。


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長島愛生園  小泉雅二さん(13)


野菊


岩間に咲いて

忘れられ

あなたは素朴な愛の裸像を

嘆かずにいられるのでしょうか


私の心

私のベッド


岸壁

あなたは風波に・・・

鑿の深さに歯形を残して耐えている

・・・けれど

・・・やがて

私の鼓膜に

崩れているのはなんでしょう

すべては自然のままに

それが空の深さであり

祈りであり

世界の掟だと主張するのでしょうか


━━そのころ

私は日溜りを求めて歩き

そうしなければいられない

感傷を

どこかで殴りつけながら

泣きたいときには泣けばよいのだ と

女々しくなっていた


野菊の

小さな生命力

私の

岸壁のもろさ

白い蝶の

思考の果は・・・


あなたは

そんな私を知り

私の傷の癒し方をしっているというのでしょうか

ほんとうはなにもしりはしない癖に


白い蝶

海脈を縫って慾っするものは

孤独な影

野菊もなく

空を支える鉄柱もない

あなたも私とおなじ思索をしている


岸壁

私のベッド

私の涙は

野菊のようなあなたの裸像を

完璧に削り上げようと

白い蝶に見入って頬笑むけれど

そのことを誰もしりはしない




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長島愛生園  小泉雅二さん(12)



野兎



雪の真白な日が

心に積る

家に足跡は延びず

この寒い涙が

愛であろうか・・・と

あの人はひょっこり

酒臭い熱さで

私の雪をとかしてしまう


たしかに

たしかに私は

一匹の野兎

あの人が獲物であるはずはなく

私が猟人であるはずもない


鋭い銃口は火を吹き

私ははねて

朱に染った

あの人はにこりともしないで

私を腰に吊るした


百舌が鳴いて飛び立つ

男はちらと私を見ただけで

広い頑丈な肩をゆすり

腰で血だらけの野兎を踊らせて

行きすぎていった









五月空


もつれる蝶の

青空に浸って寝転ぶぼくのそばで

健康な笑みの少女の顔に

あやめが乱れ咲いている

あまりにも明るく 手折りたくはない


━━少年の日のぼくが

赤土の道を転げるように走り

それから

息を詰めて話しながら少女にキャラメルをやる

少女はキャラキャラとあどけなく

花びらを空にふりまいて

  ぼくは後を追っていた


遠く 深く白いふたつよ


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ブリとダイコンの煮物


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 IMG_8646_201901191848023a3.jpg IMG_8650_201901191848021d1.jpg

乱切りしたダイコンを鍋に入れ、水とダシの素を入れ、醤油(今日は味噌味にするので少量)、砂糖、酒、みりんを入れ、煮立ったら弱火にして5分煮て、15秒湯通ししたブリのアラを置き、落し蓋をして10分ほど煮て、味噌を溶き入れ、ユズ1個の皮をすりおろして出来上がり。


リメイクしてカレー

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 IMG_8647_20190119184801faa.jpg IMG_8652_20190119184803ac5.jpg

昨日の肉ジャガの残りは別の鍋に移し、1カップの水を入れ、ルーを1個入れ、煮立ったら弱火にして5分ほど煮て出来上がり。    
 


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今日のクイーン

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営業せきやんの憂鬱

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長島愛生園  小泉雅二さん(11)


わらう


指のない手をわらう


知覚マヒの

変形の

食器をたしかめる爪の音


盲の新米はどうして転ぶのだろう


コップが落ちてこわれる

わらうと芝居じみて


真面目になる

なおわらえてくる

めくらのちどり足を

わらう


恥じらいにつきあたり

はねかえって

両眼をつきさす


わらい


指のない手をあわれみ 眼球に恋をする


ぼくをわらう


日々人々はわらいの葬儀をしている









めくら犬


部屋の中では四つん這いである


失った指や

歪んだ指があるので

握りこぶしの四つん這いである


ぼくは唇でまさぐり

コップをさぐりあててお茶を飲む

食器をさぐりあてて飯をくう


犬よりも劣って下品な食事をとる


ぼくの二本の手は

昆虫の触覚をうらやましく思っている



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長島愛生園  小泉雅二さん(10)



失明



眼圧六十六の痛みが

鉄筋コンクリートに額をぶっつけさせて

ぼくの大切な眼球をうち砕いてしまった

眼から ひとすじ

赤い血が頬をつたい

ぼくには見えない赤い血が頬をつたい流れていました


国立療養所の

眼科診察室には

お医者さまが不在で

らい菌培養に成功の知らせが

どこか遠い国の出来ごとのようにつたえられておりました









生きていること


生きていることが虚しくなります


生きていることは汚れることです


生きていることは惨めに思えることです


生きていることは

道に迷って

崖から落ちることです


生きていることはなかなか死ねないことです









嘘つき


絶叫したい心をわらう自分がおります

泣きたくもないのに

痛む眼球からこぼれる涙を

芝居じみていると思うことがあります


そうして 一日がずいぶん退屈で

死にたいと思う自分を

嘘つきだと思う自分がおります



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長島愛生園  小泉雅二さん(9)



異常な温室


花という花は咲くのに

ここには

胡蝶が来なかった


今年も

りゅうぜつ蘭は

黒い花を咲かせた



だれも見向きはしない


つぼみは

ひらかぬさきに枯れてゆき

花びらは

みのらぬさきに

散ってしまったりする


けれど

他目には

さほど異常な温室だとは

想わないらしい

━━ぼくが狂人なのだろうか━━


 胡蝶を待つ身体に

 棘がはえそうだ


外は

季節の風が吹いているのに・・・








注射



固い光の先が

皮肉を突きぬけて

いやに にごった血を吸いこむ瞬時

ぼくは顔をしかめる


 けれど それは

 今日から明日への危うげな期待と

 苦悩の集積


重く押し入る薬液の

息詰まるほどのながさは

線香花火の

もえつきた後に残された

眸穴の幻映


ぼくは

唇に意味の無い笑いをひろげる









流星



みとめられなかった 生命が

華々しい仲間たちに

さびしい微笑の別れを

わずかな秒数にきざんでは燃える


真暗い世界に生きて

その生命の終りに

やっと 身を摩擦した輝きは

たとえ地上に亡骸が残らなくとも

 燃える生命と

 擦り減る生命を

誰れかが知っていただろう


夜毎永遠の美を誇る仲間たちよ

ぼくは

あなたたちのような偉大さを知らなかったが

それでも燃えたのだ



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肉ジャガ

  
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熱した無水鍋にバターを入れ、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、グリンピースを置き、15秒湯通しした豚肉100gを置き、ニンニク1片の薄切りを置き、醤油、砂糖、酒、みりんで味付けし、4分ほどで煮立ったら極弱火にして25分、火を消して余熱5分で蓋を開け、混ぜて出来上がり。



ヤーコン炒め

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熱したフライパンに油を入れ、短冊切りしたヤーコンを炒め、醤油とカレー粉で味付けして出来上がり。



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今日のクイーン

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ウィンザー通信

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長島愛生園  小泉雅二さん(8)



精神病院での会話

━━らい院外出(その一)



精神病院の門柱をくぐって

金網と

鉄格子を意識する

病棟から出てきた男が

いぶかしい顔でぼくをみる

「おまえはどこからきたのか?」

と言い

「ここはらい病院じゃあない!」

と拒絶する


視点の狂った男の眼がぼくを圧迫している


狂った患者を凝視めるらい患者と

らい患者を追い出そうとする狂った患者と

どちらもが

正常さを求めているのだ


金網の 奥の

泣いたり 笑ったり 喚いたり

のなかで


看護婦は言うのだ

「正常にみえても みんなどこかが狂っているのです━━」


ぼくは、ぺこりとうなずいてみせたが

・・・? ・・・?

「狂っているということはどういうことですか?」








非常ということは

Sが喀血したぞ

Sが喀血したぞ!

Sが喀血したぞ‼

<らい・肺>の二重の病気なんて非常だネ


・・・・・・・・うるさい‼

静かにしろ!

らい病の熱発で 肺病の喀血で そのうえ

胃ケイレンに眼球痛のしている奴はざらにいる


化物のようなかおでもくやし涙が出れば幸福だよ



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長島愛生園  小泉雅二さん(7)



焦燥
━━眼球結節焼切手術



地球が視点を病んでいる


手術室に

焼灼が発火する らいの眼球だ


恋人よ

言葉はいらない

まして白杖は叩き折れ

俺に石油をぶっかければよい


<宿命>の火葬だ

たとえ 爪弾かれるギターの曲が

紋白蝶の軽やかさであっても

暗い海底に沈む泣きぬれたものでも

らい院に正常な眼球はない

どれ程の感動もありはしない

たとえ たとえだ

わが子の産声をきいたとしても

瞬時に

裏腹になる

喜びの深部で化石する罪


らいの断種を迫るなら女を殺せ

らいのしばり首はお笑い種になる


らいの理性は人間の死骸だ

眼球が欲しい 眼球が欲しい

眼球が欲しい

千里むこうのみえる

眼球を売る奴はいないか


恋人よ

失しなわれゆく視力の

俺の眼球ふたつと

おまえの病まない性を天秤にかけるか⁉


それでもらいは治る








砂の上の家で


「砂の上に家を建ててみたいの」

「ナマ殺しにされてもか」

洗濯機がまわって

俎がリズムづいている

朝っぱらから・・・と

それでも

泉のようなどん欲を握りつぶせるものか


障子のすき間から青緑の陽光がもれる

透明な柱

透明な瓦

透明な二人の家

窓から ぼくのプラトニック・ラブが呻めき

志保子は

来るべき暴風が来たのだ と目を閉じる


━━未来のモラルを誕生させるのよ


雨上りのアスファルトに

医局行きのサン・グラスをさがす

ぼくに

「お昼なにが食べたい?」

いそいそと買物籠をさげてついてくる志保子


━━男子独身寮に女の子が居ても不思議じゃないわ


「女王蜂だなあ 志保子」

「いやーだ だってね さっき洗濯物ないって言ったら みんな両手でかかえてきたのよ あれ 一日中かかっても処理出来やしないわ こんな女王蜂っているかしら」


さて それから ぼくは

買物籠に入れられて帰ってくる

志保子は

うたいながら洗濯機のスイッチをいれ

ジャガイモをむく

包丁をすべらせながら

うれしくなり

らい院には信じきってもいい人間がいる



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長島愛生園  小泉雅二さん(6)


海壁

海がある

むこうに幸福の灯がみえる

すくなくとも幸福の灯がみえる

灯がみえる

海を渡らねば幸福がない

渡らねばならない

海がある

壁がある

海に壁がある

部厚い壁があるのだ


━━海


少年は五月空の鯉のぼりとなり

少女は脈動する柔肌を黄昏に沈める


おだやかな

殺人鬼の貌ではない


永い日々を

歩き続けることを教え

黙することを教え

岸に佇つことを教え

嘆き

うろたえ

絶叫させたのは誰か


らしん盤を失い

主軸を失い

それでも北極星に希いをこめる


━━難破船


沈まずに居ることに

どうにか生きのびようと

おなじところを行ったり来たり

そして立ち止って顔をあげ

海面を眺めて溜息する

この生命に喜びが得られるか

と己れをおもい

何時か海が檻になる

海が鉄格子になる 金網になる

己れは囚人になり 猿になり

熊になり 猫になる


━━海壁


海に壁のあるはずはなく

海に壁のあろうはずもない


船が難破する

人々が砕ける 狂って波しぶきになる

立ちはだかる壁を

崩さねば人々の栄えはない

少年の無心な海に壁がある

少女の歓喜する海に壁がある


しずかな海に壁がある


越えねばならぬ

破らねば幸福がない

檻がある

金網がある

人間が猫に劣る

壁がある

海に壁がある


海壁がある



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豆腐の蒸し煮


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タジン鍋に、重石をして水切りした豆腐を置き、生姜1片をすりおろし、ニンニク醤油をかけ、まわりにネギを置き、煮立ったら極弱火にして15分、火を消して余熱5分で出来上がり。


味噌汁

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ダイコンとニンジンの千切りを鍋に入れ、水とダシの素と削り節を入れ、煮立ったらざく切りしたハクサイを入れ、再度煮立ったら弱火にして7分ほど煮て、味噌を溶き入れ、ネギとシュンギクをふって出来上がり。



カブの甘酢漬け

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カブは薄切りして塩を多めにふってもみ、しんなりするまで1時間以上置く。

1カップ余りの水を沸騰させ、火を止めて削り節を入れ15分ほど置いて、茶こしで濾すと出し汁の出来上がり。酢を120CCと砂糖を50g入れて溶かし、ユズ1個の皮をすりおろす(生姜1片でもよい)。

カブはさっと水洗いして塩分を落し、水気をしぼりながら瓶に入れ、冷めた甘酢を注ぐと出来上がり。

前回、色付けに入れた梅と梅シソは、色はつかなかった。



真タラのアラのバター醤油

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熱したフライパンにバターを入れ、15秒湯通しした真タラに片栗粉をつけて入れ、蓋をして弱火で裏表5分ずつ焼いて皿にとり、醤油をかけて出来上がり。


卵とホウレンソウ

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定番です。


ダイコンおろし

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今日のクイーン

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私のエッジから観ている風景

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長島愛生園  小泉雅二さん(5)


鏡のぼくと波飛沫しぶきの志保子


昼間は働く 高校二年生の 志保子



春の 青空に 街路の にせあかしやの白い花びらが 一斉に飛び散ると 宣伝カーの中で みぞおちの深くに 海の白波をかきたてていた


空と 海の 十六歳の青さ


らい園を訪れる志保子


ひと月に一度はやってきた にせあかしやの花が好きだといった 沢山の詩を書いて一冊だけの詩集をだしたいと言い そんな考えは子供かしら・・・と言う


ぼくに追いつき 追い越すのだ! とはしゃぐ


━━ある日 帰りの桟橋に急ぎながら

「わたし患者さんと恋をしてはいけない?」

と つぶやく 視線が答えを待っていた

「らいに苦しんでいるのは人間だよ」

ぼくに

志保子はこっくりとうなずいてみせた


志保子はぼくを鏡にした


らいに育くまれているぼくが鏡だ


鏡をみがいているのはらい菌だ

らいが鏡だ


鏡のまえでうろたえる志保子 鏡をくだけ!


桟橋を離れる船上で 斜陽にはねかえる 波飛沫になっていた

━━志保子









告白する志保子


あなたがゆかいにわらうのに

わたしのわらいはひきつっていました


あなたといるとき

どこの街に居ても

ウインドーがらい院になっていました


その怖えの正体に勝てない

わたしは

あなたについてゆけない

でも ついてゆきたいのです


わたしの心はもうらいを病んでいます


(1965・4・12)


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長島愛生園  小泉雅二さん(4)



夢の中にいればよかったのに


らいを知らずにいれば らいの苦しみを知らずにすんだ


らいは酷い

らいは怖い

らいは惨めすぎる

らいは悲しい


らいにそっぽをむけて通り過ぎればよかった


志保子


描きつづけていたロマンへ

突きさされた刃がにくい 志保子

他人の不幸事にかかわらなければ

いつも苦しみを知らずにいられるだろうか

氷のような世のなかを逃げまわってさえいれば幸福だろうか


「志保子に現実を突きつける 残酷な一枚の鏡があなただ」

「あなたにえぐられた心は 堅く閉じて 犯罪者のように惨めだ」

「あなたを慰さめようとした 志保子の優越感がきりきりとうずく」

「あなたは夢のなかにいればよかったのに」

十六歳の気どりを泣き崩した 志保子



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長島愛生園  小泉雅二さん(3)



不在者の詩



霧のある日 渡し船から身軽く ぴょんと らい園の桟橋に飛び移った スラックスにセーターの少女がいた


少女はらいを知りはしなかった


ただ一人で瀬戸内海の 一月の寒風を断ち切った少女


赤いネッカチーフの 十六歳の冒険だ


カモシカのような 少年のような強靭さがあって 明るく ほがらかな笑いが 潮風にのって らい園を包んだ


少女はらいを怖がりはしなかった


それで らい園の若者たちは 少女の周囲に群がった

語り合い 唄った けれど みんな

らいの本当の怖さを知られたくなかった 少女もそれは怖かった


少女は唄うように一篇の詩をそらんじた

ぼくは それがぼくの詩であることにおどろいた

少女がそれを誰のものかとたずねたが

みんな知りはしなかった


少女がぼくに会いたいと言うので ぼくは 少女のために大声でぼくをさがしてやった

みんなが ぼくの道化をうれしがり 少女は やっとぼくに気づいてはしゃいだ が

ぼくがじっとみつめたら 恥ずかしそうに きれいな十本の指で顔を覆った


指間から きらりと瞳が覗いていた


ぼくの視線にはらい菌がいた

少女の視線はそれをみた


「わたし志保子です」 と少女は戸惑いの眼を笑ませて会釈した ぼくはぼくの身体の何処かで凍てつく音を聞いていた


少女の会いたいと願っていた たくましい美男の詩人は不在であった


うろたえをかくすように ぼくに笑顔をふるまいながら

少女は 再び ぼくの詩にリズムをつけた。



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コンニャクの乾煎り



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コンニャクを洗って手でちぎり、熱したフライパンに入れ、強火~弱火で4分ほど炒め、ニンニク醤油で味付けして出来上がり。



ダイコンおろし

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ホウレンソウのおひたし
   
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ホウレンソウと卵
 
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熱したフライパンに小さじ1の油を入れ、卵2個をおとし、ホウレンソウのおひたしを置き、弱火で4~5分、火を消して余熱2分で出来上がり。醤油と胡椒で味付け。



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今日のクイーン

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Hikaruの井戸端放送局

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長島愛生園  小泉雅二さん(2)


ぼくらその人柱か
隔りにむかうぼくら


ぼくらその人柱か

ぼくら深海の魚族か


ぼくらの住家は狭過ぎる

それは隔てられる故だ

柵があったり

カーテンがあったり

格子があったり

壁があったり

ぼくらの前には障害物が多過ぎる

人と人との間に隔りがあるなんてのは

愚の骨頂だ


だから ぼくら

その隔りの上にたってやろう

そこから内と外とに

「やあ! こんにちわ 内がどっちで外はどっちなんですか」

笑顔で言ったら

壁を崩すつるはし

格子を破るのこぎり

カーテンを切り裂く刃物

柵を倒すハンマーなのだ


ぼくらいいかげんな狭い住家をさよなるするのだよ

誰にも広い世界がもてるはずだから

手を叩いて

大声あげてはしゃぎながら

内から外へ走ってやる

そしたらぼくら

自らが燃えなければならない深海魚の世界も広くなる


ぼくらその掛橋

ぼくらその人柱になりたくないが

ぼくらその人柱か









逆立ち


逆立ちしているのは

ぼくじゃない


逆立ちした風景ばかりがあって

逆立ちした人間ばかりがいて

息苦しくなったら

誰にも遠慮することはない

大地をけって

己れを確かめてみることだ


ほらっ

生きている 生きている

らいにゆがんだ指でも

やっぱり地球は重いぞ━



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長島愛生園 小泉雅二さん(1)



夏子


夏子!

ぼくらは好きだ


夏子十九歳

もうじき二十歳

夏に生れたから


夏子


おちゃめで

やんちゃっ子で

看護衣を脱いで親しくなった

  <とてもとても・・・、十四、五歳にみえる>


けれど ほんとうは

「夏子! 患者と仲良くすると感染するかもしれないよ」

「俺が患者でなかったら、レプラをみたら逃げ出しているかもしれないのにね」

「夏子は患者の気持ちがよくわかって、板ばさみだ!」

どこまで

心が結ばれればよいのだろう


看護婦さんの夏子

患者のぼくら


夏子



ぼくら






夏子が頬笑み

ぼくらがわらい

夏子がぼくらのことを考え

ぼくらが夏子のことを心配する


夏子が駈けてくる

ぼくらが走ってゆく

こころがいっしょうけんめい

ひとつになりたがっている


距離を埋めようとする

ほがらかな夏子

ちょっぴりはにかみ屋の夏子

てれ笑いする夏子


健康な娘

ぼくらは好きだ

夏子!



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長島愛生園  島村静雨さん(7)

裸木になろう


ぼくらも苦い追憶のような

古い枯葉を すっかりふるい落して

裸木となろう。


やがて厳しい冬が襲って来て

北風がヒョウ ヒョウと

梢に鳴るだろう。


吹雪は激しく吹きつのり

激しい試練を与えるだろう。


雪は降りつむ

降りつむ

裸木に。


裸木は

古い枯葉を落して

この殺伐な冬を堪える。


忍従の

この悲しい季節の向うで

銀鈴を振って

銀鈴を振って

待っている季節があるのだ。


愛する者よ。








銃口



男は絶えず 透明な敵を意識した。


その無数の敵に向って 銃をむけ

照準を定めた。


だが

奇妙なことに

銃口はその男の胸をねらっている。











存在価値をなくした耳は

退化し始めた。


強い近視眼は

遠景に焦点が合わなくなった。


耳も 眼も真実をタッチする機能を

喪失したらしい。


口だけが異常に発達した。


二十世紀の貌。











戸棚に魚がのっている。


ぼくが机に向って読書をしていると

風のように 猫が入って来て

鼻をヒクヒクさせながら

しきりに戸棚の魚を気にしている。


ちょっとぼくが背を向けると

忍び足で魚に近づいてゆく。


振り向くと、

猫は姿勢をかがめ耳を後に折りたたんで

神妙に息を殺している。


再びぼくがもとの姿勢にかえると

魚をくわえて 猫は

もう垣根をくぐってゆく。


ぼくは

この習性をつくった猫の歴史を想うて 胸が疼痛んだ。


茫然と猫の悲哀と

猫の仕草に似た人間の悲しみを噛んでいた。



島村静雨(佐々木精一)さんの略歴
1919年9月19日三重県に生まれる。1944年5月6日長島愛生園に入所。患者自治会常務委員などを歴任。1993年8月27日死去。詩集に『冬の旅』『狂った季節の中で』(ともに1955 橘香社)、『島村静雨全作品集』(2002 晧星社)。


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ダイズの煮豆


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ダイズは一晩、水に浸しておく。

ダイズは戻し水を少し捨てて圧力鍋に入れる。ニンジン、ヤーコン、練り製品1枚の角切りを入れ、ダシの素を入れ、醤油、砂糖、酒、みりんで味付けし、強火で、おもりが勢いよく回り出したら極弱火にして20分、火を消して圧が抜けるまでそのまま放置して出来上がり。



サトイモの煮物

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乱切りしたサトイモを鍋に入れ、水とダシの素を入れ、醤油、砂糖、酒、みりんを入れ、削り節を入れ、煮立ったら弱火にして20分煮て出来上がり。



カブの甘酢漬け

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約500gのカブは薄切りして塩をふってもみ、カブがしんなりするまで1時間以上置く。

鍋に1カップ余りの水を入れ、煮立ったら火を消して削り節を入れ20分ほど置き、茶こしで濾すと出し汁(約180CC)の出来上がり。出し汁に酢を120CCと砂糖を50g入れ、火にかけて溶かし、生姜1片をすりおろす。

塩もみをしたカブはさっと水で洗い流し(多すぎる塩分を落とす)、水気をしぼりながら瓶に入れ、冷めた甘酢を注いで出来上がり。明朝には食べれる。

赤カブが手元になかったので、色付けに、小梅とシソを入れてみた。



ダイコンおろし
       
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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在65才、農業歴29年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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