づけづけと看護婦に小言言はるるとき平たくなりて吾は臥しをり
ネブタ祭の録音ききて故郷に吾が踊る夢再び見たり
臥す吾に起ちて歩めと山中神父はパウロの書翰読み終へて云ふ
清野勇君
しまひおきし皺のなき札を献金に包みて友はミサに出でゆく
病む吾に聞かせむと友は鶯をさげて来にけり元旦の朝
躄吾れ地車に乗りて曳かれゆく風荒ければ頬かぶりして
真日照らふ山の上にをればおのづから盲ひの吾の心開くる
枕辺に小包解きてもらひたれば広辞苑のインク著しく匂ふ
亡き父の声にも似たり録音に収めし吾と吾が声きけば
Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
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