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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  志樹逸馬さん



五月


青葉にめざめる

さわやかな風をすって

ぬれたおもいが

清水のような意欲を噴きあげる


鮮かなひかりが

全身にふりそそぎ

かぞえきれない


手のひらで

すくっても すくっても

こぼれる

あゝ 五月

私も

地上に萌える生命です









露(二)




縁側で白いダリヤの花を

一枝もらった


数えきれないほどの

雨の滴りが

いっぱい光っている


淡いみどり色の

小さなくもがとまっている

葉の裏に

あずきほどのかたつむりが

じっとしている


そっとみていると

まだまだ私の知らない世界が

いくつも

かくされていそうだ








夕映え


夕映えの空に

うすもも色の雲は

じっと動こうともしない

ああだのに

もう・・・

山も 海も 人家も 樹木も

いつしか

うす暗い暮色の中に

沈んでいこうとする


夕映えよ

あした またあした

いいえ

━━これからさき

私がどのような環境におかれ

孤独と病苦に

汚れた体を

暗いベッドにすがらせるときも

きっと

この美しい素顔を見せておくれ


しずかな入江の桟橋にたって

私は

いつまでも生きていたいと思う








痴呆のごとく


こんなに

青い空の光りを食べているのに

どうして

私の肉体は

日日 朽木の如く 病み崩れてゆくのか


こんなに

菊の花の冷たい香りを 胸一杯吸いながら

どうして

手足はしびれを増し

うっ血に呆け

私は 石の如くうずくまろうとするのか








苦しみを踏み台として


苦しみを踏み台として

生きているもう一人の私がいる


病のため手足の力を失って

はれ ただれ

紫に変色した肉体をかかえて

重たい頭に

呆ける思念にいらだちながらも


はるかに宿命の暗雲のかなた

青空に愛をはばたかせてる

つばさがある


芋虫にも似たかの

ころころとのたうつ

ふがいない生営ではありながらも

天地を映すガラスでない瞳の深さ

ああ

この癩の苦しみをむさぼらなければ

生きないもう一人の私よ


妻の

梅の花の香りにも似て

明るく澄んだほほえみも

黒い土から延びてくる

みどりの清らかさ








曲った手で


曲った手で 水をすくう

こぼれても こぼれても

みたされる水の

はげしさに

いつも なみなみと

生命の水は手の中にある

指は曲っていても

天をさすには少しの不自由も感じない







神さまわたしを


神さま

わたしを捨てないでください

わたしは

この地上に四十一年を過しております

もうあとわずかで終りです

どうかしっかりわたしをとらえていてください



志樹逸馬さんの過去記事その1

志樹逸馬さんの過去記事その2

志樹逸馬さんの過去記事その3

志樹逸馬さんの過去記事その4

志樹逸馬さんの過去記事その5


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カレー


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昨日のポトフはカレールーを2個入れ、煮立ったら弱火にして15分煮て出来上がり。



ゴーヤとツナの苦くないサラダ

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ゴーヤ2本はスライスして塩もみし、10分おいて、熱湯で30秒茹でて冷水にとり、水気をしぼりながらボールに入れる。タマネギ1個はスライスして10分水にさらし、水気をしぼりながらボールに入れる。ツナ缶の油をよく切って入れ、マヨネーズとレモン果汁大さじ2で味付けして出来上がり。

ゴーヤとツナの苦くないサラダ」を参考にしている。


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栗生楽泉園  中島栄一さん



足を断って二十年



二十年前の今日

あのおそろしい大手術に

おれの足は断ち落された

背骨の脇に大きな

麻酔薬の注射がうち込まれた

刻々と迫る悲しみ

無心に時計が時をきざむ

全身がふるえる

手術台のまわりに光る

不気味に並んでいる

メス、鋸、数々の器具


看護婦が静かに

がまんしてねと体をしっかり

おさえる

では始めますと

医師

足もいよいよ最後だ

骨を引く鋸の音

ついに三キロの目方の骨と肉が

おれの体から永久に離れた

三時間のうちに手術が終った

風船のように軽く感じた足

丸太棒のようになって横たわる人間おれ


粘りついた汗が

ベットに沁みとおるほど出た

もうすべてあきらめた

泣けるだけ泣いた

そして今思う

あの大戦争だ

おれの足も戦争がなければ

切らずにすんだ

無理をした無理をした

毎日のように山へ行き

薪を取った畑も耕した

手足から血を流して

良い薬がない、手当がない

もうふたたび戻らない足に

大声で呼ぶ

かえってこいおれの足

だれのための戦争







手の指が欲しい


嘆いても

戻るまい

恐ろしいらい菌に噛み切られた指

でも

どこかであの指が

泣き叫んでいるようだ

血だらけになって

骨に抱かれて。

そうだ

探してみようさがせるだけ

呼べば帰るだろう

親からいただいた

貴い指

ああ働いてくれた指がかわいそう

社会が待っている

大声で呼んでいる

心は走っている

ハンドルを社会に向けて

整形した、拾い集めた、指でもよい

希望を掘るのだ

指がほしいこぶしのさきに。


中島栄一(中島英一)さんの略歴
1902年1月21日群馬県に生まれる。30代半ばで発病し、1941年9月2日栗生楽泉園に入所。1944年左足切断。「潮汐」会員。1978年12月1日死去。著書に歌集『杖の跡義肢の跡』(1976 短歌新聞社)。


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弱小群も無王群だった


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巣門を直角に向き合わせて1週間が来ても合同しないので、先生に強制合同を進められた。

まず弱小群の女王蜂を確認する作業から入ったが、巣を見て、女王蜂がいないと言われる。こんなに綺麗な巣(上の画像)ができているのに・・・道理で隣に置いた無王群が合同しないはずだ。

巣をチェックしただけで、女王蜂がいるかいないか判別できるのはさすがである。

どちらも女王蜂がいないのだから、弱小群を蜂数の多い無王群の方に移し(合同し)、山から持って下りて、田んぼの果樹園に置いている一群と合同させることにした。女王蜂のいない群をこのまま放置していたら消滅を待つだけだから。



  
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11時半頃に隣に設置して、夕方5時に内見したら、まだほとんど合同していない。2時半頃~3時過ぎまで時騒ぎ(新しく生まれた蜂が場所を覚えるためにする行動)があって、周囲をぶんぶん飛び回っていたので、これはてっきり合同かと思ったが、そうではなかった。しかし、取っ組み合いの喧嘩は一度も見なかったので、今度は3日間ほどで合同してくれるだろう。

早く合同し、最大の難所9月(稲の農薬散布が9月上旬頃にある)を乗り越えてほしい。




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片づけた弱小群の巣は、蜂の幼虫が入っている箇所はニワトリにやり、いい部分は食べることにした。

右の蜜は先生にもらった西洋ミツバチの蜜。週末だけしか世話ができないのに、自宅近くに日本ミツバチを2群、2キロ以上離れた場所に西洋ミツバチを3群飼育しておられる。

生物の先生の「カラー写真を添付した美しすぎる観察ノート」を拝見して、合同の手順を見学に来られていたオーナーも驚かれただろう。




ポトフ

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とりかかりが遅くなったので、短時間でできるポトフにした。タマネギはスライス、ピーマン、ナスビ、オクラは大き目に切った。

鍋に大さじ1のオリーブ油を入れ、ニンニク1片のみじん切り、中元でもらったベーコン、タマネギの順に炒め、残りの野菜全部を入れ、油が全体にまわったら4カップの水とコンソメ2個を入れ、煮立ったら弱火にして15分煮て、胡椒で味付けして出来上がり。

明日のリメイクを考え、水は少なめにした。





ポリポリキュウリ


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乱切りして塩もみをした。2時間以上置く必要があるので、続きは夜なべに。


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栗生楽泉園  桜井哲夫さん



津軽の子守唄



病室の廊下に盲目の老人は

背中を丸め日向ぼっこをしていた

枯葉が一枚老人の膝の上に駆け登った

老人は枯葉を掌に遊ばせ囁きを聞いた

木枯しが老人の掌から枯葉を奪った

枯葉の足音を追いかけながら

老人は古里津軽の子守唄を歌った

療養所夫婦の間に生まれ

標本室の棚で泣くわが子の声を木枯しの中で聞いた

26歳でその子の母は死んでしまった

老人はかすれた声で歌った

故郷津軽の子守唄を

泣くなよしよしねんねしな

泣けば山から蒙古来る







破戒


青森県北津軽群鶴田町妙堂崎

長峰利造 大正13年7月10日生まれ

父太兵衛 母はる

癩園への旅立ちの朝

顔を歪めて父は言った

たとえ口を裂かれるともこのことだけはけっして言うな

父の戒めを守って45年

俺は死んだ人のように口を開かなかった

だが6月25日ライを正しく理解する日が来るたびに思うのだ

俺が固く口を閉ざしていて誰に癩を正しく理解せよと言うのか

俺は戒めの口を開こう

俺は罪によって生まれたのでもなければ悪によって病人でいるのでもないのだから

父よあの朝あなたは許してくれと言った

そして今私はあなたに許してくださいと言う

すべての人に理解をもとめてあなたの戒めを破るのだから







残照

昭和61年7月10日

栗生盲人会50年史『湯けむりの園』が発刊された

静かにページを開いて下さい

ハンセン病を病み盲目となり

第二の目と言われる指さえ奪われた盲人たちの記録

顔をさすり唇をなめながら残された知覚を探した

点字用紙に舌先を当てた

何度も何度も繰り返し血の滲むまで

ついに点字の文字を舌先から読みあてる

そして短歌を詠み俳句を作り詩を書いた

『湯けむりの園』は盲人たちの生きた記録だ

ページを閉じ目を上げてごらん

藍色の空に光る残照

『湯けむりの園』は世の人々に送る俺たちの残照なのだ


桜井哲夫さんの過去記事その1

桜井哲夫さんの過去記事その2

桜井哲夫さんの過去記事その3

桜井哲夫さんの過去記事その4
 


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サンマ


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去年のサンマだろうが、味はどうかなあと思って買ったら、前回のより火の通りが早く、普通においしかった。今年のサンマは1匹でこの値段ほどする。



ピーマンのじゃこ煮

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ピーマンは細切りし、小魚は熱湯をかける。鍋にピーマン、小魚を入れ、醤油、砂糖、酒で味付けし、中火で5分ほど煮て水気がなくなれば出来上がり。




ニラ卵

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熱したフライパンに油を入れ、先にニラを炒め、溶き卵3個(醤油と砂糖で味付け)を入れて蓋をし、表面が焼けてきたら混ぜて出来上がり。


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多摩全生園  東條耿一さん


病床閑日


私はけふ 昼のひと時を

庭の芝生に下りてみた

陽はさんさんとそそぎ 近くの樹立に松蝉が鳴いていた

私は緑のやは草を踏みながら

踏みながらそのやはらかな感触を愛しんだ

不思議なほど 妖しいほど 私の心にときめくもの

一体この驚きは何だろう

思へ寝台の上にはやも幾旬━━

もうふたたび踏むことはあるまいと思っていた

この草 この緑 この大地

私の心は生まれたばかりの子羊のように新しい耳を立てる

新しい眼を瞠る そうして私は

私の心に流れ入る一つの声をはっきり聞いた

それは私を越え 自然を超えた

暖いもの 美しいもの

ああそれは私のいのち いのちの歌



東條耿一さんの略歴
1915年4月7日栃木県生まれ。1933年4月21日、全生病院入院。1942年9月4日死去。文芸活動は詩が中心で、唯一遺された小説は『ハンセン病に咲いた花 戦前編』(2002 皓星社)に収録されている。北條民雄の最も親しい友人であった。


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ナスの味噌煮


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弱小群と無王群の合同がほとんど進まない。

無王群の蜂数は1か月前に入居した時に比べ、かなり減っている。
 
   
   



白菜の種まき

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白菜は毎年8月28日に播いている。9月15~16日頃、早生品種と中生品種を合計200本定植する。

育苗培土は2種類を混合して使っている。 





タジン鍋

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ジャガイモ3個は薄切り、ニンニク12片は皮をむく。

タジン鍋に大さじ1と半のオリーブ油を入れ、ジャガイモ、ニンニク、ベーコン(中元でもらった)、ローズマリーの茎を置き、胡椒で味付けし、極弱火で25分、火を消して余熱5分で出来上がり。

ローズマリーを取り除き、さっくり混ぜ、ポン酢で食べる。「まるごとニンニクとポテトのオイル煮風」を参考にしている。




ナスの味噌煮

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鍋にごま油大さじ1を入れ、乱切りしたナスを炒め、水を1カップ半とダシの素を入れ(最近、ダシ汁を作っていない)、煮立ったら弱火にして10分煮て、味噌をみりんでのばして入れ、煮立たせないようにさらに5分煮て出来上がり。

朝や昼のおかずにもいい。




キュウリの酢の物とポリポリキュウリ  
     
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キュウリ3本はスライサーで薄切りして塩もみをし、同じくキュウリ3本は乱切りして塩もみをする。


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塩もみして10分置いたキュウリは水で洗って水気をしぼりながらボールに入れる。お椀に酢大さじ3、醤油大さじ1、砂糖大さじ1、レモン果汁小さじ1を入れて混ぜ、ミョウガの甘酢漬けのみじん切り、カニ蒲鉾2本をほぐしながらボールに入れ混ぜると出来上がり。


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容器に醤油大さじ2、ごま油小さじ1、胡椒、ニンニク1片のすりおろしを入れて混ぜ、乱切りして塩もみをし2時間以上おいたキュウリの水気をしぼりながら入れて混ぜると出来上がり。


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邑久光明園  杉山まさしさん



野路



暮色のたちこめた野路をかきわけて

むらさきの野分けが吹き抜けて行った

青竹の杖にすがった私の前を

母は黙って歩いてゆく

びんのほつれが痛ましい

押さえても押え切れぬ悲しみのあることを

私はこのときはじめて知った

みじかい啼声を夕空に散らして

小鳥のはばたきが頭上を越えた

ふる里が私に告げて呉れた

別れのことばのようだった

それっきり 何も聞えない

ただ跫音だけが

どこまでも跟いてくる


「達者で暮してな・・・帰る・・・」

母の声は最後まで聞きとれなかった

やつれた肩が激情にわななき

はり裂けるような嗚咽が

母の袂にくるまれた

わたしの胸に 今もなお

あの日の悲しみが 吹きしぶく


杉山まさしさんの略歴
1927年7月11日岐阜県に生まれる。1952年8月6日邑久光明園に入所、1967年退所。


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鯛アラとナスビの煮物

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先日買った鯛アラはまだ冷凍庫にあったので、ナスビと煮た。

鯛アラはトウガンの煮物にも合ったが、ナスビとも合った。

鯛アラは80度の湯で15秒湯通しする。鍋に水とダシの素を入れ、醤油、砂糖、酒、みりんで味付けし、煮立ったらナスビの乱切りを入れ、鯛アラを置き、落し蓋をし、水加減をみながら水を少し足し、中火で(火力が弱いと落し蓋の上まで煮汁が上がらない)13分煮て出来上がり。

味がしみるまで30分以上おいて食べた。鯛アラはスーパーに年中おいてあり、冬場に比べて夏場は安い。夏場は煮物に使う家が少ないからだろう。






ナンキンの煮物

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無水鍋に醤油、砂糖、酒、今回はダシの素も少し入れ、乱切りしたナンキンを置き(混ぜない)、弱火で25分、火を消して余熱5分で出来上がり。

ダシの素を入れた方がおいしい。
 
 




甘いハーブティ

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左からセイジ、レモンバーベナ、アップルミント、ステビアで、沸騰したら火を止めて入れ、3分蒸らして取り出し、ステビアだけ戻し、さらに30分ほど浸すと出来上がり。


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大島青松園  苑部春樹さん



水平線



昼間の炎は
やや熱を失った

赤金色の夕焼け雲は

遥かな水平線上に低く靉く


太陽は大きく片取り

なごりの夕ばえの輝きは弱く


静かに打寄せる波のうねり

黒くこん盛と点在し

岩に投掛て居る


間もなく太陽は

私達の一日の仕合せを

夜のとばりに閉込めて行く

疑惑も 憎悪も

怨恨も 在郷も

なき夜の静けさの中に静思している

私の生涯に引かれた

水平線の暗黒の中に

稲妻の閃光

雷鳴轟き逆風荒び

さかまく怒濤にほんろうせられ

夢中に無電のキイを探りつつ

SOS━━

    ━━

打ち続けるのだ


苑部春樹さんの略歴
1934年4月15日高知県に生まれる。1953年大島青松園に入所。1955年より詩作を始める。


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栗生楽泉園  竹村 昇さん



僕の絵
━━白内障摘出 紅彩切除の開眼手術を受けて



じわりと明るさが沁みこんでくる

一枚一枚繃帯のとかれ

陽光に僕は近づく

最後の一枚を取りさった

押しこくるような勢いで

真昼の光が僕に差しこんだ

医師が光る 看護婦が光る

友だちが光る 僕が光る

きらきら光る 光りに僕は包まれた


僕の目の前に立ちはだかった

厚い鉄板

現在いまぶち抜かれ

堰をきったようにあふれる

光りを浴びて僕は立っている

闇からまったく解放されたのだ

黒よりなかった僕に

色がある

ここに僕がある

そこに友だちがある

太陽がある

道がある

大自然がある

日陰にも無限の光線が射しこんでいる

夜でもすばらしく明るいのだ


自分の姿を見詰める

痛いほどの明るさ

一睡もしない日が幾日となく続いた

強烈な光りを受け

闇に馴らされた僕の視神経は耐えられなかった

直射日光にあたった豆モヤシのように

十幾日でへし折れてしまい

二度まっくら闇に僕は覆われ

一層厚い鉄板が目の前にたちはだかった


光りがすぐそこにある

この目で確かめた

明るさが そこにあるのだ

まだ 僕には

どんな厚い鉄板でも突き通す

感が残っている

思いきりこの感をゆり動かして

僕は

光りに向って生き抜く

僕の絵を

描き続けるのだ

生涯僕の見詰める

真黒い鉄板に


竹村 昇さんの過去記事


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ゴーヤチャンプル

ラタトゥユのパスタ

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パスタ150gは袋表示の8分茹でて湯切りし、2皿に分け、冷蔵庫に入れていた昨日のラタトゥユをのせ、粉チーズを振って出来上がり。




焼きナスビ


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熱したフライパンに大さじ2の油を入れ、蓋をして中火で裏表3分ほどずつ焼いて皿に取り、醤油を回しかけて出来上がり。冷めてもおいしい





ゴーヤチャンプル

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ゴーヤ2本は小口切りして塩もみをして10分置き、熱湯で30秒茹でて冷水に取り、水気をよくしぼる。豚肉100gは80度の湯で15秒湯通しする。

熱したフライパンにごま油を少し入れ、豚肉、ゴーヤの順に炒め、ニンニク醤油で味付けして出来上がり。






キュウリの酢の物

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キュウリはスライサーで薄切りし塩もみをして10分置き、水で洗い流して水気をよくしぼりながらボールに入れる。お椀に酢大さじ3、醤油大さじ1、砂糖大さじ1、レモン果汁小さじ1を入れて混ぜ、キュウリに注ぐ。カニ蒲鉾2本をほぐし、ミョウガの甘酢漬け3個をみじん切りして入れ、混ぜて出来上がり。



ミツバチの合同

誤って群の異なる巣箱に入ると、通常は取っ組み合いの喧嘩になり殺されてしまうが、今回は巣箱の中にも巣箱の周囲にもミツバチの死骸はなく、無王群が砂糖水を給餌している弱小群の巣箱に入り、砂糖水を飲んでいるようである。しかし、無王群の大半はまだ移動していない。
 
なお、画像を見られた先生の指導により、無王群の巣門(出入口)を弱小群の巣門の方に向けて直角に置き直した。

高校の生物の先生(日本ミツバチの経験年数は同じ5年目であるが、雲泥の能力差がついてしまった)の話によると、合同が終わるのは今週末頃と言われる。
 
    


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邑久光明園  山川きよしさん



密かに捧ぐ花



私は自分の耳を疑って

何度も頭を振ってみたが

その出来ごとを打消すことが

出来なかった

6月某日午前八時


三日前のことだった

散歩のついでに

学校の工作室を覗いたら

電気コテを器用に動かし

ラジオの組立に一生懸命だった

何事にも熱中する君

痩身で面長の顔に

いつも微笑を湛えていた君と

私との距離は

無限の空間に犯されてしまった


高校に進学すると張りきっていた君

秀才と噂された君

ラジオの組立てが飯より好きだった君

十七歳の君を

園内の人皆が好感と期待に見守っていた

その期待をかき分けるように

なぜ自ら彼岸に泳ぎゆかねばならなかったのか


生きることは大きな業

無限の拡がりを包蔵しているのに

大きな輝かしい未来が待っていたのに

あじさいの紫が

紅にかわって

梅雨空が

紺碧と化しても

君は遂に還ってこなかった


小さな出来ごとの犠牲になって

大きな仕事を葬ってしまった

君の霊前に

遅咲きの百合を一本

私が献じたことを

誰にも知られたくない

勿論君にも




山川清さんの過去記事


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邑久光明園  山川夢草さん



姿なき生命



今竹箸で拾ったのは白骨だろうか

まだほのぼのとぬくい

おおこれこそ最後の愛情かも知れない

併しもう其処には愛憎も苦悩もない

ただ灰色の塊

ああこれがかつての友か

永い闘病のかげは何処へ行ったろう

夢もなまみもこんなにはかないのか

私は白骨とともにある

併しあの日の感激はもう湧かない

咽喉元すぎたあつさのように

もう何の反応も起らない

これでいいのかも知れない

運命なんて風のように消えてゆくものだ

そうだこの白骨こそ尊い人生の墓標


山川夢草さんの略歴
1911年9月10日大阪府生まれ。園の記録では1940年5月2日光明園に入所とある。入所後文芸活動を始め、保養院機関紙「外島タイムス」の編集にも関わる。風水害後は全生病院に委託。詩のほかに評論、俳句などを「楓」に発表。1950年4月10日死去。


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ラタトゥユ(夏野菜煮込み)


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中元でもらったベーコンを使い、ラタトゥユを作った。熱した無水鍋に大さじ1と半のオリーブ油を入れ、ニンニク1片のみじん切り、ベーコン、タマネギの順に炒め、残り野菜全部を入れ、油が全体にまわったらトマト缶を入れて混ぜ、弱火で10分煮て蓋を開け、煮え具合を見て、胡椒で味付けし、さらに3分ほど煮て出来上がり。




オクラを使った2品


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オクラは熱湯で1分茹でて冷水にとり、半分に切り、バターで炒め、醤油で味付けして出来上がり。残りは薄切りして鰹節と醤油で食べる。




ポリポリキュウリ(キュウリの即席漬け)

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キュウリ3本は乱切りして塩もみをし、2時間以上置く。容器に醤油大さじ2、ごま油小さじ1、胡椒、ニンニク1片のすりおろしを入れ、水気をしぼったキュウリを入れて混ぜると出来上がり。




ニラ卵

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ボールに卵3個を溶き、醤油と砂糖で味付けする。

油を少し入れてニラを炒め、ボールの卵を流し入れ、蓋をして表面が乾いたら全体を混ぜて出来上がり。 
 


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邑久光明園  高沢道雄さん



そよ風に想う



そよ風はどこからともなくやってくる

油壺のような島の入江をたゆらし

山の中腹の果樹園の葉なみをゆるがし

静寂と沈黙にあぐむ赤屋根にやってきて

柳 松 楓 無花果

そよ風は緑にすいた葉うらをかえす

いま入園間もなき若者が装いなく

病棟の窓辺に凭っていた

故郷からする揶揄と軽蔑

身の内の熱と癩菌

その為に若者の心魂はそこね

疫されて無感覚な膚を湿して

そよ風のまにまにおのれの想いをゆだねていた


彼がまだ少年であった頃

そよ風の拠ってくる源泉を

彼は不可思議の心で誰れ彼れなしにきいてみた

「えゝなあ」「えゝなあ・・・」と頷いて

けれども大人達は ただ

陽焼した膚をそよ風にしめすだけだった


また或酷暑の午後

彼は遊泳の黒潮につかれ

「黒いぞ」「俺の方が本焼だ・・・」と

友と膏ぎる腕をなべて見遣った

さてもその時ふいと浮ぶ小判型の白斑紋

彼は狼狽してシャツで秘密を包んだ

それから幾度暑が逝ったろう・・・

彼は決して人の前で膚を顕わさなかった


あてどもなく どこからともなく

夏の万物に渡って行く

そよ風よ

お前は孔夫子の

「周して比せず」という得を兼ねもち

そしてお前のさざめきは

ジュール・ロマンの「善意の人々」の情ある

世界意志のいぶきとも言えるであろう

かさんだ病者の膚をうるおし

悩むもの苦しむものの

心 こころをなごませ

宇宙の造化主の真心をそのまま

夏の酷暑の地表に

そよいで行く


高沢道雄さんの略歴
1931年2月1日香川県に生まれる。観音寺商業学校卒業後、天理教教会にて布教活動をしていたが発病。1954年5月5日邑久光明園に入所。「楓」に毎号投稿していた。1968年12月14日死去。


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多摩全生園  深山裕子さん



無意味な争い



宇宙は無限の展開

その片隅に

ポツンと存在する

まるい地球。


ここには

蒼い空があり

碧い海があり

緑の大地がある。


そして、この大地には

智能の働らきを与えられた人間の

社会があり

道徳が施かれ

法律がつくられて

人間同志のバランスを

求めあっている。


地球と、太陽のように

月と星のように。


だが

あまりにも傲慢な

人間の世界。

どんな社会道徳も、法律も

宙に浮いたプラカードのよう。


もしも

太陽と地球が

人間同志のように

絶えず
いが み合ったとしたらどうだろう。


人間は

正しい営みを忘れ

すべてを破壊してしまうものだろうか。


国家が

国家を

破壊し

人間が、人間を

殺戮し

世の終りを急ぐ。


深山裕子さんの略歴
1953年頃多摩全生園に在籍していた。詩を「多摩」などに発表している。没年不詳。


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無王群と弱小群の合併


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上が無王群で、下は弱小群であるが女王蜂がいる。画像でみるとよくわかる。

昨日のブログを見て下さった生物の先生から昼過ぎに電話があり、合併の方法を教えて頂いた。




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無王群を弱小群の隣に、巣門(出入口)の方向を90度変えて置く。



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女王蜂のいる弱小群の方にトレーで給餌(300㏄の水に300gの砂糖を溶かす)し、両方の巣門に霧吹き(バニラエッセンスを数滴落とす)を3~4回する。



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動かした無王群の置場には待受箱を置き、出払っていた(今日、取り込めなかった)働き蜂の受け皿とし、明日から3日間ほど夕方遅くに弱小群の傍らに置くを繰返す。


他の方法も教えてもらったが、最初はこの方法でやってみる。

ただ、違う群の蜂が入ってくると殺し合いになることも多いので、うまくいくかどうかわからない。

女王蜂が欲しい無王群と、働き蜂が欲しい弱小群の思いがドッキングして、うまく合流してくれればよいが・・・。今日は曇天、雨天で動きが少なく、15分ほど待機していたが何も生じなかった。


  

ニンジンの発芽
   
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発芽までに5日間かかるニンジンは、他の秋冬野菜より3週間早く、残暑厳しい8月中下旬に播く必要があるという点が難しい。

まき直しは身体にこたえるので、発芽成功はことのほかうれしい。



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ニンジンと同じ日に播いたつるなしインゲンも発芽した。



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13本定植した地這いキュウリは5本枯れ8本しか生育していない。根元に枯草を置いて高温障害を防ぐという一手間が後手にまわってしまった。 
 



昨日と同じ、無水鍋で野菜炒め

 
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一人分でよかったので気合いがのらず、昨日と同じようなおかずになった。

違う点は、ナスビの代わりにタマネギを入れ、中元でもらっていたベーコンを少し加えた。

熱した無水鍋に大さじ1と半のオリーブ油を入れ、弱火にして野菜全部を入れ(混ぜない)、ベーコンを置き、10分蒸して蓋を開け、強火にして全体を混ぜ合わせ、ニンニク醤油で味付けして出来上がり。

どちらかといえば野菜炒めに近いが、この方法だと野菜を小さく切る必要がない。


満中陰志のカタログで注文した製品の「お粗末さ」はひどいものがあるが、ハム等の中元商品も値段は高いはずなのに、本人が確認できず先方に渡るため、「品質の悪さ」は顕著と思う。そんな経験はございませんか。


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長島愛生園  近藤宏一さん






子供がたれかを描いたという。

足が馬鹿に細長いのでこれでは歩けそうに見えない。

腕は短かすぎて手の指が二、三本足りない、鼻が低い。

口が横についている。

耳朶が肩のあたりまでぶら下っている。

その上眉毛を描くことを忘れたらしい。

これではまるでお化のようである。


でも人間であることは確だ。

胸に手を当て

眼を伏せ

頭を深く垂れて

何かしきりに考えこんでいるから。


近藤宏一さんの過去記事


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邑久光明園  上丸春生子さん



春愁



五月の雨が晴れて

木々の枝先に

草々の葉先に

雨滴が光り

芍薬の花は

燃えるような夕焼けに染り

松の芯はまっすぐに

天を指している

それなのに

私の心の片すみを閉す

重苦しいゆううつ

それはきまって此の季節にやってくる

うすずみ色の

栗毬のようなものだ

それがある時は

重りいく病いと

又ある時は郷愁と結びついて

奈落の底へ私を誘う


そんな時

ぼんやり海岸に佇んでいると

はるかの水平線が

私の眼へとんで来ることがある

今日も昏れいく海岸に

たった今が

過去となっていくことを忘れて

それを堪え受けていた━━











あれもこれも離れていき

これもあれも離れていく

ペンは手をはなれて

机の上に位置をかえ

手とペンは無限のへだたりを生じる

右手と左手のあいだに

秋の野は横たわり

よそおいた木の葉は力なく

樹の枝を見放す

記憶は雲の浮遊と共に移り去り

凡てのものが

風景の中に離散した











二ひきの黒揚羽が

くつぬぎ石に止っている

風雨にうたれたのだろう

はねが破れている

だが

とびたつ心は押えきれない

みどりの草原を夢見る心も


黒い蝶の黒い羽ばたき

黒い翳を落して

一瞬蝶は

一足の靴になった











めぐり会えるこの日のいのち

かつての冬の曠野

時雨の枯路も消え去り

なごやかな陽光を

たたえて木々は芽ぐみ

呪われた病いも

新らしい薬によって

癒える夢を育て

活き活きとして

希望に満つ

生きていることの嬉しさを

真実悟らしめる春よ


更に

世のすべての病めるものに

あまねく新らしい光と

こよなき倖のあらんことを

私は願う


上丸春生子さんの過去記事


上丸春生子(上丸たけを・上丸武夫)さんの略歴
1912年3月17日富山県に生まれる。1940年7月9日、光明園に入所。詩作会会員としてよりも、卯の花俳句会会員としての活動が長い。俳句は戦後に始め、「ホトトギス」「玉藻」などの結社に所属。自治会役員も長期務めた。1983年3月18日死去。


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蒸し野菜のニンニク醤油炒め


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熱した無水鍋に大さじ1と半のオリーブ油を入れ、適当に切ったピーマン、ナスビ、オクラ、シカクマメを入れ(混ぜない)、弱火で10分蒸して蓋を開け、強火にして全体を混ぜるように炒め、ニンニク醤油で味付けして出来上がり。



トウガンのカレー煮 
  
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トウガンの4分の1を使い、皮を厚めに向いて乱切りする。鍋に水と市販の出しの素(だし汁を最近作っていない)を入れ、醤油、砂糖、酒、みりんで味付けし、トウガンを入れ、煮立ったら弱火にしてカレー粉(小さじ1)を入れ10分煮て出来上がり。

めんつゆで簡単☆冬瓜のカレー煮」を参考にした。カレー煮というより、水を入れ過ぎてカレースープになったが、夏のカレー味は食欲が出る。



ポリポリキュウリ(即席漬け)

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ポリポリした食感になるからポリポリキュウリというレシピだろう。

キュウリは乱切りして塩もみをして2時間以上おく。容器に醤油大さじ2、ごま油小さじ1、胡椒、ニンニク1片のすりおろしを入れ、水気をしぼったキュウリを入れて混ぜると出来上がり。冷やして食べるとおいしい。 


 

ヤギのいる風景

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3アールの放牧場に日陰は少ないが、午後からは鶏小屋の東の、このスペースが日陰になり、2頭仲良くここでうつらうつらしている。



ミツバチ3群+無王群1


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山のこの一群は順調で、この一群だけでも「越冬」してほしい。  



田んぼの果樹の根元の一群
   
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6月中旬頃に蜂数が突然減ったが、その原因が「夏分蜂」だったのか、ネオニコチノイド系農薬によるものか、よくわからなかった。

6月上旬頃の蜂数には戻っていないが、8月に入ってまた勢いを取り戻しつつあり、時騒ぎ(生まれた働き蜂が巣箱を覚える行動)を何回か見るようになった。


8月に入ってゲットした一群は女王蜂はいると思うが蜂数が少なく、もう一群は無王群に見えるが蜂数は多い。この2つが合同できたらいいのだが・・・。


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大島青松園  足立孝人さん



音信



囹圄の一死刑囚から

或る日

一通の便りが届けられた


割切った気持ちで

彼は 私を

逆に慰めて呉れた


割切れない気持で

私は

ありふれた返事を

彼へ送った


過去と未来との切点にある

彼と私


彼の悟道の諦観裡に

相互未知の間柄乍ら

私は自分の真姿を改めて再認した








人生


或る細雨そぼ降る朝

私の脳裏に焼き付けられた

あのいまわしいイマージュ

其処には神は無かった


あれから

二十五年

日毎 夜毎

嫌悪とミゼールと愛憎の

想い出と繰返しに

今も尚

私は生存を継続しなければならない

刻の流れに

一片の希望を託して

未完成だった私の歴史の完成を

ひたすらお前に求める今の私








面影に生きる


まるで生き写しなのです

その瞳

そっくりそのままなのです

あの声音が


誰に・・・

十九の春を

喜びと希望に乗せ

心を寄せて歌い合った

忘れ得ない

古へのかつてのリーベ


返らぬ夢の調べを

秘やかに掻き撫でる琴線の響が

酢っぱい私の気持を

ほんのりと温めて呉れる

今日此の頃です



足立孝人さんの略歴
1912年7月17日京都府に生まれる。1930年京都桃山中学卒業。1942年7月3日大島青松園に入所。1954年頃から詩作を始めた。1991年10月11日死去。


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長島愛生園  小泉雅二さん


異常な温室



花という花は咲くのに

ここには

胡蝶が来なかった


今年も

りゅうぜつ蘭は

黒い花を咲かせた



だれも見向きはしない


つぼみは

ひらかぬさきに枯れてゆき

花びらは

みのらぬさきに

散ってしまったりする


けれど

他目には

さほど異常な温室だとは

想わないらしい

━━ぼくが狂人なのだろうか━━


 胡蝶を待つ身体に

 棘がはえそうだ


外は

季節の風が吹いているのに・・・








注射



固い光の先が

皮肉を突きぬけて

いやに にごった血を吸いこむ瞬時

ぼくは顔をしかめる


 けれど それは

 今日から明日への危うげな期待と

 苦悩の集積


重く押し入る薬液の

息詰まるほどのながさは

線香花火の

もえつきた後に残された

眸穴の幻映


ぼくは

唇に意味の無い笑いをひろげる









流星



みとめられなかった 生命が

華々しい仲間たちに

さびしい微笑の別れを

わずかな秒数にきざんでは燃える


真暗い世界に生きて

その生命の終りに

やっと 身を摩擦した輝きは

たとえ地上に亡骸が残らなくとも

 燃える生命と

 擦り減る生命を

誰れかが知っていただろう


夜毎永遠の美を誇る仲間たちよ

ぼくは

あなたたちのような偉大さを知らなかったが

それでも燃えたのだ



小泉雅二さんの略歴
1933年3月5日広島県に生まれる。1948年7月9日、工業高校を中退して長島愛生園に入所。1955年より詩作を始め、詩誌「杭」をつくる。その後、長島詩話会、「青い実」、「乾漠」などに参加。1958年には「裸形の会」
を結成、詩誌「裸形」を創刊。1964年「らい詩人集団」の結成に参加。1967年失明。1969年慢性腎炎、尿毒症にて死去。詩集『枯葉の童話』(1959 長島詩話会)、『白い内部で』(1962 裸形の会)、『小泉雅二詩集』(1971 現代詩工房)。


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焼きナスビ


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このフライパン(無水鍋の外蓋)では、輪切りした中小型ナスビ2本でいっぱいになる。ナスビは油食いなので、2本で大さじ2の油が必要であり、これが1人分で、2回焼く。

昨日の出荷ではまだ収穫できない状態だったが、「夜がにだえる」時期には夜昼大きくなり、今日は収穫できる大きさになっていた。




オクラを使った2品

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オクラは熱湯で1分茹でて冷水にとり、8割はバター醤油炒めに、2割は薄切りしてカツオブシをふり醤油をかけて食べる。



エゴマの葉の醤油漬け 

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皿に醤油半カップ、みりん大さじ2、ゴマ油小さじ1、ニンニク1片のすりおろし、一味唐辛子を入れて混ぜ、エゴマの葉の片面を浸し、容器に重ねて出来上がり。昼作ると夜には食べれる。冷蔵庫で1週間ほど保存可能。

エゴマの葉の醤油漬け」を参考にしているが、エゴマの葉はこれ以外の利用法がないので、来年も作るかどうかわからない。青シソの葉で代用できる。



キュウリの酢の物

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キュウリ3本はスライサーで薄切りして塩もみをして10分置く。水で洗い流し、水気をしぼりながらボールに入れる。ミョウガの甘酢漬け3個をみじん切りして入れ、カニ蒲鉾(冷凍しているが水で洗うとすぐ使える)2本をほぐしながら入れ、お椀に酢大さじ3、醤油大さじ1、砂糖大さじ1、レモン果汁大さじ1を入れて混ぜ、ボールに注いで混ぜると出来上がり。




秋ジャガイモの仮伏せ準備とレタス、シュンギクの種まき
  
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秋ジャガイモは今日、半分に切り、明日の仮伏せ準備に、雨避けのポリをべたがけした。

レタスとシュンギクの種(1回目)を直播した。20~25日育苗して定植する。ミニレタス(品種・マノア)もインゲン同様10月下旬の端境期に収穫できる貴重な野菜である。


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多摩全生園  今村義夫さん



ひばり



ひばりよ

高く舞うがよい

たとえ

強い風が吹こうとも

おまえは

うたいつづけるがよい


おまえのふるさと

一坪ほどの麦畠であろうとも

雲をつき抜け

光をあびて

高く大きく舞上るがよい


ひばりよ

おまえは おまえの世界を

声かぎり歌うがよい



今村義夫(冬敏之、深津俊博)さんの略歴
1935年2月10日、現在の愛知県豊田市に生まれる。父親がハンセン病を病んでいて、名古屋帝大医学部分院で家族全員が検診を受け、長兄、次兄とともに三男の冬もハンセン病と診断され、1942年9月多摩全生園に入所。1968年社会復帰、2002年2月26日死去。著書に『埋もれる日々』、『風花』、『ハンセン病療養所』、長編小説「藤本事件」、「『らい予防法』廃止への道」。2002年度多喜二・百合子賞受賞。


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栗生楽泉園  加藤三郎さん


郷愁



目の見えない友 義足の友は

広々とした原っぱに座って

声を揃えて

どじょっコだのふなっコだの鬼コ来たなと思うべを唄って

唄って、疲れて

沈黙が続いた


四十男はとんきょうな声で

お母さん・・・と呼んだ

声は山から山にひびき渡って 返ってくる

誰も笑わない 笑えない


もう  一度 お母さん・・・と呼ぶ

みんなが一斉に

発破のあとの響のように谷谷の底に吸い込まれていった








共同墓地の前で



可愛い

オカッパの幸子が

私の脳裏に浮ぶ

私は抱きたい衝動になって 幸子・・・お前はなぜ生きていて呉れなかったんだ。


あの時は貧乏のドン底で 南瓜と豆腐のオカラばかり食べた時だから お前は栄養失調で死ななければならなかったんだ。

母ちゃんも乳が出なくなって お前もつらかったろ。だが お前は豆腐のオカラをうまいうまいと食ったんだってなア。

お前の母ちゃんは四人の子供を育てるために、朝の二時頃から夜の十時か十一時までも豆腐作りしなければならなかった。

借金があった。

病棟にいる父ちゃんのところに お前を背負った母ちゃんは まだ夜の明けないうちにマラリヤと癩病で入院している私を病棟の裏の下駄工場の軒下まで呼び出して

「いくら働いても生きていけそうでない、どうせ死ぬなら一緒に死にましょう」と云った。

父ちゃんは母ちゃんと泣けるだけ泣いて語った。


お父ちゃんもお母ちゃんも お前の兄ちゃん姉ちゃんを親無子にして 社会に残して死ぬ気にはなれなかったのだ。

生きれるだけ生きようと思った。

私は何のためらいもなく泣かせて貰った。

今は こう こんなに涙でビショビショだ。

療養所ではどんなに悲しくても 寄合所帯だから

思いきって泣けもしないんだよ。

幸 幸 お前は死んではいない。

身体はここに埋っているが、幸子 お前は死んではいない。

お前の霊は生きている。

私の心に生きている。



加藤三郎さんの過去記事


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栗生楽泉園  高野岩次郎さん


第一歩



追いつめられて

二進にっち三進さっちも出来なくなって

渇いて 干からびて

歪んでしまった心を持っている私に

あの人は

御仏を信じろと云うのです


西の涯の

太陽の沈む その向こうに
おわしまして

見たことのないものには姿さえも見せない

御仏を

皮肉に包まれた骸骨になった私に

どうして信じることが出来ましょう


御仏を信じる資格のない私は

せめて身近にいる人を

もっとも身近にいて

毎日お世話になっている人だけでも

信じたいと思うのです


看護婦さんだけでもよいから

医師だけでもよいから

隣ベッドの僚友だけでもよいから

信じられるようにして下さいと

私は

御仏に念ずるのです











柱にかけてある小さな鏡に

顔がひとつ写っていた

近寄って見ると

それは私の顔だった

脹れた瞼

歪んだ唇

僅か残っている睫毛や髯も

みんな私のものばかりだ

何ひとつとして他人のものはない

誇張もせず謙遜もせず

そのまま写している鏡を見ているうちに

私は鏡が欲しくなって来た

歪んだ唇は歪んだままに写している

この小さな鏡のように

心の写せる鏡が欲しかった

心のうちでどんなに感謝していても

表現出来なければなんにもならない

有難う

と云って見ても

口先ばかりと思われてしまえばそれまでだ

こんな時

言葉は頼りにならないから

心のうちを写して見せる

鏡が私は欲しかった









未完の孤独



温い手と冷たい手

白い眼と黒い眼

無数の手と無数の眼が

私の周囲で
うごめいている


他人を蔑視したがるのが

人間の習性だとしても

他人から蔑視された時ほど

憤りを感じることはない
 

むやみと同情したがるのが

それが善人の知恵だとしても

他人から同情された時ほど

切なさを感じることはない


蝕まれた歯には

温い湯も沁みる

冷たい水も沁みる


私は孤独になりたくなって

ある日、小室に移ったけれど

一人でなければならないトイレの中まで

群像は私に
いてくる



高野岩次郎(高野金剛)さんの過去記事


高野岩次郎(高野金剛)さんの略歴
1913年8月15日群馬県に生まれる。1957年8月2日、栗生楽泉園に入所。1987年9月5日死去。


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ナンキンの煮物


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無水鍋を熱して、醤油、砂糖、だし汁(昨日の鯛アラと冬瓜のスープを大さじ3入れた)を入れ、乱切りしたナンキンを入れ(混ぜない)、弱火で25分(いつもより5分長くした)、火を消して余熱5分で出来上がり。

無水鍋で煮たナンキンはおいしい。




ゴーヤとツナの苦くないサラダ


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タマネギ1個はスライスして水にさらし、ゴーヤは小口切りして塩もみをして10分おき、熱湯で30秒茹でて冷水にとる。どちらも水気をよくしぼりながらボールに入れ、油を切ったツナ缶をほぐしながら入れ、大さじ2のレモン果汁とマヨネーズで味付けして出来上がり。

ゴーヤとツナの苦くないサラダ」を参考にしている。




甘いハーブティ 
  
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左からステビア、レモンバーベナ、アップルミントで、沸騰したら火を止めて入れ、3分蒸らして取り出し、ステビアだけ戻してさらに30分浸すと出来上がり。ステビアはノンカロリーで、1茎入れるだけでかなり甘い。まるで雑草のように伸長し、5月末~10月末頃まで5か月間収穫が続く。冬には枯れるが春になるとまた元気よく芽が出てくる多年草である。




ゆで卵
 
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邑久光明園  和志見最堂さん



生命の神秘



湿気もない

光線もない

冷い押入の片隅に

永い間忘れられながら

玉葱よ

お前は

水々しい若芽を三寸も

伸ばしているではないか

恐しい程に力強い生命の

神秘

玉葱よ・・・ お前は

それを知っているのだろう

病室の一隅に

一つのベッドを天地として

日々施される二本の睡眠注射と

三服の睡眠剤とを唯一の伴侶として

睡眠をむさぼりながら五年を生きて来た

生命の謎を解いてくれないか


和志見最堂さんの略歴
1904年11月7日京都府に生まれる。1932年7月23日外保養院入院。自治会会長など、自治会での活動が多い。戦時下の「楓」に評論を多く発表している。戦後は失明の危機にあいながら自伝的長編小説「一河の流れ」を発表。1971年9月3日死去。



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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