ホウレンソウの育苗がうまくいったのもあるが、うまくいかなかったのもある。発芽を揃えることは難しい。しかしこれができなかったら連結ポット育苗の意味はない。
連結ポット育苗は種代はかからないが、土代が結構かかる。
手前はサラダミズナ。アブラナ科野菜は発芽も早く、ロケットもナバナもサラダミズナも発芽率は9割を超えた。
10月に入ってから蒔き、厳寒期~早春どりならサラダミズナでも無農薬が可能ではなかろうか。
キュウリがいつも地這い品種であるように、インゲンもいつもツルナシ品種を作っている。春作は4月23日頃に蒔き、夏作はニンジンと同じ日に8月20日頃に蒔く。
インゲンは毎年作っているのに、エダマメはこの20年間ほとんど作ってこなかった。エダマメはおかずにするというより一種の嗜好品だから、ワンパックには不必要と思っていた。そしてビールは飲まないのでエダマメをそんなに食べたいと思わなかった。
それが何でエダマメかというと、遊ばせている田んぼが多いので、何か田んぼをうめる作物はないかなあと考えていたら、エダマメが浮上してきた。
黒マルチをして6月10日頃にエダマメを蒔けば、9月10日頃にはその場所が空き、ダイコンを蒔いたり、キャベツやハクサイを定植するのにちょうどタイミングがよい。黒マルチを剥すだけで不耕起栽培ができる。この時期は天候不順のことが多く、耕運や畝立てのタイミングを逃すことが多いが、収穫後のエダマメの畝を利用できるならとても便利である。
直売所ではエダマメは売れるだろうし、果たしてインゲンとエダマメのどちらにメリッ トが多いだろうか。
ツルナシインゲンは毎日もしくは1日おきに2~3週間収穫すると終わる。
エダマメは一括収穫である。収穫に要する時間はエダマメの方が圧倒的に短い。
収量と単価はどちらがいいのだろうか?
インゲンは病虫害は全く問題にならない(ほとんど発生しない)が、エダマメの場合、害虫被害はどうなんだろうか。これは種蒔きの時期によって違ってくるのかもしれない。
エダマメが1株で400円ほどになるなら、同じ頃に定植するサツマイモより、利益率もかなりいいのではなかろうか。
サツマイモはイノシシの餌つくりをしているようなものだし、畝が後作に利用できないし、当地の土質はサツマイモを作ってもおいしくない。
サツマイモを作ると土がやせる。
エダマメを作ると土を肥やす。
サツマイモは葉が横に伸びるので面積がたくさん必要だが、エダマメは耕種基準一覧表では畝幅60センチの1条植えで株間25センチと出ていた。サツマイモの半分で足りるだろう。
収獲出荷においても、サツマイモよりエダマメの方がかなりスピーディにいくのではなかろうか。
サツマイモは「くず芋」も「葉」も「ツル」もニワトリやヤギの大変良い飼料となるが、エダマメの葉もニワトリやヤギの大好物である。
イノシシに狙われやすいので、サツマイモは120本ほどの挿し木にとどめ、エダマメを作ってみようと思う。
子供の頃には、稲作の畦(あぜ)にこのエダマメ(アゼマメ)がよく植えられていた。稲作では水が漏れないように畦に泥を塗りつけるので、その泥の中にエダマメの種を落として、その上にクン炭か籾殻をふっていた。
エダマメというよりダイズといった方が適切かも知れない。昔はどこの家でも自家用の味噌を作っていたので、少量の大豆は必須だった。そしてダイズの煮豆は田舎では「おふくろの味」でもあるように夕飯のおかずに時々登場した。
稲の畔に作るということは、それだけ水の要求量が多いということ。
サツマイモもエダマメも、どちらも肥料はあまり欲しがらない。
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夕方、9月13日蒔きのダイコンの草取りをした。浸水と害虫の影響からやっと回復の兆しが見られだした。間引きはもう少し先になるが、1ヶ所2本立ちにしようと思う。
ハクサイも少し大きくなった。
田んぼが草山になっている。左はハーブだが、ハーブは主に多年草なので、自動的に「不耕起栽培」となる。
家庭菜園ではしばしば不耕起栽培が見られる。広くても2アールほどで、畝と通路が固定している。つまり、前作が終わると畝をちょっとヨツメで打つくらいで後作を植え付ける。
ボクが考える不耕起栽培とは、耕さないというのではなく、畝が固定していて、新たに畝立てはしないという意味で、畝自体は少しは耕す。
キクイモとサトイモをかなり掘り進んだ。黒マルチをしていない所は、画像のように草山になっている。こんな状態ではとても不耕起栽培に移行できるような状態ではない。
不耕起栽培をするには作付面積が広すぎる。
春夏作でも11~12アールほど、秋冬作でも11~12アールほどと、他の農業者に比べてかなり作付面積は少ない。しかし不耕起栽培にするには、もっと面積を縮小する必要がある。
キクイモやサトイモを不耕起栽培にするには、掘った分だけすぐに、崩れた畝を元通りに戻す作業が必要である。
しかし黒マルチをしていると、掘って崩れた畝をすぐには元に戻しづらい。だから稲わらマルチや麦わらマルチや草マルチにした方がよい。
しかし作物によっては黒マルチもうまく活用しないと、すぐに草山になり、不耕起栽培は続かなくなるだろう。
いずれにしても、サトイモには黒マルチは適さないと思った。土寄せができないし、「肥え食い」のサトイモに追肥をやりづらいから。どちらもしなかった今年のサトイモは、水路から水を引く畝間潅水を6回もしたにもかかわらず、収量は極めて悪い。サトイモは「水肥え」と言われるが、肥料もかなり必要なことを痛感した。
オクラの足元にエンドウ類を蒔くが、オクラを支柱にするには、冬に枯れたオクラが風で倒れないようにマイカ線等でくくっておく必要があるようだ。後作にエンドウ類の種を蒔くことを視野に入れて、夏に、台風対策として倒れないようにしておけば一挙両得。
田んぼに着くと決まって銀ちゃんが、耳を水平にしてこんなポーズでこちらを見続ける。
忙しいので、かまってはやれない。無視、無視。それでも無視はできず、手を何回かふって「わかっている」という合図だけは送る。
昨日に続いて今日もキクイモと豚肉の煮物。家人もキクイモを好む。
現在のキンリョウヘンの状況。葉数と葉の長さで「花芽」がつくかどうかが決まると教えてもらった。さっぱりだめだ。
ミツバチがいないと何も学べない。7ヶ月ものブランクは大きすぎる。勘が鈍るし、来春の分蜂期に捕まえれる保証もない。
もしAさんに当地の山を「第2ミツバチ圃場」として利用してもらえるなら、うれしい。イオンに吸収合併された山陽マルナカのように新しい活路を開きたい。
そのAさんからメールをもらった。
『日も短くなり、涼しい毎日が続いています。キンリョウヘンのバルブも成熟してきました。
写真のように昨年のバルブの1.5倍の大きさです。花芽も1㎝くらいになりました。
この時期に肥料を与える方もおられますが、肥料で花芽ができることはありません。
夏の成長期に肥料を効かせ、今は水も少なめに充実させるとよいです。
9月中旬にゲットした営巣群の巣枠です。写真のように、上部1/3が貯蔵蜜、中1/3が蜜と花粉、下1/3が
育児域です。産卵は下から2/3くらいで行われます。
このような巣枠が2枚くらい、あと3枚くらいは蜜と花粉で育児域は少ないです。
しかし、あと1か月くらいで1000~2000は蜂が増えると思います。
今、4000くらいなので6000くらいで冬が越せればOKです。
来春には、1万を超えて人工分封できるでしょう。
写真の育児域を拡大しました。先日の働き蜂産卵と比較してみてください。
働き蜂の色が黒っぽくないのも分かると思います。
さて、メールでいただいた第2蜂場の件ですが、こちらも是非お願いしたいところです。
また、キンリョウヘンをお預かりして育成させていただければとも思っています。
最近、ことに蜜源が増えている感じです。腹パンパンで蜂が帰ってきます。それに
スズメバチが来なくなりました。自然界に蜜やエサがあるのでしょう。実家の畑の
茶の花にスズメバチが来て蜜を吸っています。
生き物の姿はいつ見ても楽しいものです。
それではまた、メールします。』
量目を減らして単価を120円から100円に下げた。去年は、400g→120円だったが、今年は300g→100円にした。
120円だったら手が出ないが、100円だったら一度買ってみようという人もいる。この20円はかなり微妙な数値だと思う。「95円」も考えたが「100円」にした。
袋はボードン9号から8号に変え、閉じ方も電熱シーラーからバックシーラーに変えた。芋類の場合は電熱シーラーで閉めると破れやすい。
もちろん洗わなかった。洗う手間が必要なら出荷したくない。洗うのは去年で懲りた。だから去年のように遅くまで出荷するのではなく、土離れがよい11月中下旬をめどに、出荷の日は毎回出したい。
10月はまだ収量が少ないが、出荷の手間を考えたら早く出荷を始めた方がよい。
毎回出荷していたら、さばける袋数もわかってくる。キクイモを出す生産者は自分だけだから。
単価シールには生産者名は入っていないが、生産者番号が入っているので、消費者はへんなものをつかまされたら、よく覚えていて、次回からその生産者番号の野菜を買ってくれない。
ここのスーパーの直売所は精鋭9名の若い生産者集団であり、ボクが平均年齢を引き上げているが、平均年齢45才くらいと思う。紹介で入らせてもらった。
ワンパック型ではなく、スペシャリスト型の生産者が多く、多種類の野菜を生産している人は4人ほどである。
だから、たとえばオクラを出荷する人は4人いるが、たくさん出荷する人は2人であり、2人で1日に40~50袋は売れていると思う。
実質2人だからといって、単価を談合で決めたりはしない。単価は異なる。単価が同じ野菜でも、量目が異なる。
エンサイやツルムラサキの生産者は2~3人であり、競争率が低いからボクのも売れる。これらの野菜で5人以上の競争相手がいたら、出す量を減らすか、思い切って単価を下げるかしないと、売れないのではないかと思う。
つまり、どこの直売所でもそうだと思うが、その地域の人口やその店の顧客数によって、オクラの売れる袋数は1日いくらで、エンサイはいくらで、ツルムラサキはいくらというふうに大体決まってくると思う。1日おきに出荷していてもそれがだんだんわかってくる。
だからオクラの売れる個数が1日50袋なのに、多くの生産者がいて70~80袋も出せば、毎日20~30袋は売れ残る。
このように、競争相手が少ないことは自分にとっては非常にありがたい。それでも生産者が少ないから生産者番号も顧客が覚えやすく、1袋たりとも「緊張の糸の切れた野菜」を出荷することはないし、単価も「ぎりぎり譲歩できる価格」を付けている。
いい直売所に巡り合えたからといって、安住はしていない。状況は刻々と変化するものだし、このスーパーの直売所もいつどのように形態が変わるかもわからない。
ただ、ワンパック宅配は顧客数が前もってだいたい決まっているので、生産量も増やせないが、今の直売所の場合、アブラナ科野菜などはかなり作付を増やしても十分にはける。
今日出荷したニンジンの間引き菜は、前回よりかなり大きくなっていたので、葉が硬くなっていないか随分迷った。昨晩、味噌和えで食べたときは十分いけると思ったが、今朝、味噌汁に入っていたのを食べたら硬かった。
前回に出荷した時はエンサイを入れる「長物3号」という袋に十分収まったのに、今回は葉が3~4センチほど袋の上に出た。
今日の出荷は、
キクイモ・・・・・・・12袋×100円=1200円
キュウリ・・・・・・・・ 5袋×120円=600円
オクラ・・・・・・・・・・ 6袋×110円=660円
間引き菜・・・・・・・45袋×120円=5400円
合計7860円
今日の夕飯(サンマ、切り干し大根の煮物、キュウリ)
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