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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

仕分作業台に想う

  
 
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出荷仲間がこんな仕分作業台を作ってくれた。

何かの話のはずみで、仕分はどこでしているかという話になり、軽四の荷台でしているが、オクラの仕分の時に腰が痛いと話したら、軽四の上に何か台を置いて高さを調節したらいいのにと言われたが、その時はそれで終わっていた。

それでも何か気になっていたのか、その次の出荷で会った時、「ホームセンターでそんなものを売っとるじゃろうか」と聞いたら、「作りゃあええが」という答えが返ってきて、「よう作らん」と言ったら、「作ってあげる」と言う。

ということでトントン拍子に話が進み、出来上がったものを次の出荷の日に持ってきてくれた。1時間ほどでできたと言い、材料代だけでいいと言う。
  
    
      

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作業台の幅は80センチで新聞紙を広げた大きさである。奥行きは90センチ。高さは15センチ。幅と奥行きはすぐに決まったが、高さに迷い、とりあえず15センチにしてもらった。

今まではこの作業台がない状態で「22年近くも」、仕分作業をしてきた。直売所に出すようになってから仕分時間は90分ほどかかっている。しかも、ワンパック宅配ほど種類は多くないので1種類の仕分にかかる時間が比較的長く、オクラの仕分の時に初めて「腰が痛い」と感じた。

仕分に90分かかっても、多種類の仕分があって、短時間で作業が移行するなら、荷台が低くても、そんなに腰は痛くならない。

秋冬作は今のところオクラのような細かい作業はない。しいて言えばキクイモだが、袋数は毎回13~15袋だから時間的には短い。

それでもせっかく作ってもらったのだから、次回の出荷から使ってみる。軽い材料でしてもらったので上げ下げは軽い。作業台(荷台)の上に新聞紙を敷くのは以前と同じで、量りで新聞紙を押さえて風で飛ばないようにするのも同じ。量りの上に発泡スチロールの箱を置くとちょうど50gになり、野菜を量るのに便利である。その右の黄色のコンテナの中には量る素材が入っている。


ちょっとしたことだが、「軽四の荷台に仕分作業台を置いて腰が痛くならないようにする」という一工夫が自分にはできなかった。「まあいいか」、「苦手だから仕方がない」、「ちょっと我慢すればいい」、「作れない」という思考が頭の中で堂々巡りをしているうちに、すぐにそんなことも考えなくなり、いつの間にか22年近く「その状況が固定」してしまっていた。

今年、2倍以上増やしたオクラの仕分がなかったら、仕分作業台が日の目を見ることはなかった。

聞いたら、仕分は椅子に腰かけてするという人もいた。納屋や倉庫に仕分場を持っている人もいる。

ボクにはそんな発想は思いもつかない。農業を始めて出荷というものを始めたその日から、軽四の荷台で仕分をして、その状態が22年近く続いてきた。その間、腰を掛けてするとか、軽四の上に仕分作業台を置いて腰に負担がかからないようにするとかの、ちょっとした創意工夫は一切できなかった(進まなかった)。

他の農作業でもほとんどそうだと思う。この方面の著しい能力欠如と思うが、深く意識したことはない。とにかく自分のできることだけを、前だけを見て歩を進めてきた。

作ってもらった仕分作業台を前にして、感慨が深い。

他の人にとって「たったこれだけのこと、1~2時間で作れる」ものかも知れないが、自分には22年ほどの年月がかかり、しかも自分では現況を変えることができなかった(作れなかった)。

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断捨離

     
 断捨離・・・誰が言い始めた言葉か知らないが、漢字をそのまま読めば、断固捨てる、断固離れるという意味か。

ネットで検索したら、『断捨離とは、物理的・精神的な意味で、自分にとって不要な対象を切り捨てて身軽になって、シンプルなライフスタイルを目指すこと』とあった。
 
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草刈の役にも立たず、ヤギ乳も飲めず、糞尿(堆肥)も取れず、飼う意味がないが断捨離はできない。手離すことは死を意味する。飼った以上、最後まで責任を持つしかない。

癒し効果や風景効果は「負担」と相殺になっている。残るは観光効果だが、今は忙しすぎてできない。

例えは極めて悪いがヤギはヘレンケラー。自分がサリバン先生になって活路を見い出すしかない。


今日は1日かかって田んぼの片付けをした。11月上旬に数人の来客があるし、11月13日は池の土手の草刈りがあって、集落の人が田んぼのそばの道を通る。というわけで11月5日頃を目標に田んぼの大片付けをすることにした。


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多年草のハーブの通路が草山になっていたので、1時間半ほどかかって草抜きをした。初霜(11月23日頃)までに、ステビア、レモンバーベナ、レモングラス、ルバーブの株元に枯草か籾殻を置いて保温する。

レモンバーム、タイム類、ミント類、セイジ、ローズマリーには防寒の必要はない。


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鳥小屋や放牧場に持ち込んだキクイモの茎葉の食べ残し(太い茎)は、ヤギの食べ残した雑木の幹などと一緒に、ある程度たまったら放牧場の一角で焼く。


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簡易鳥小屋だったキーウイの木の下は、将来の巣箱置き場にする。もしここで分蜂したら、分蜂群は山へは行かずキーウイの太い幹に蜂球を作る可能性が高く、捕まえやすいと言われた。


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放牧場の下の田んぼに桑の木を8本植えた。ここは太陽の上る位置の関係で春夏作しかできないが、電柵の区域外なので、もう野菜は作れない。

結局、桑の木は合計で45本ほど植えた。


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キンリョウヘンは物置の北側に移した。この場所は太陽が1日に2~3時間あたるだけである。初霜の頃には小屋の中へ移す。


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片付けていたら、草むらからいろんな物が出てきた。ちょっと仮に置いても、いったん置いたら、その場所に固定してしまう。そしていつのまにか草にまかれてしまい、どこに置いたかわからなくなる。 


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出荷する野菜がなくなった

  
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直売所近くの備前の海。家から山越えして17分で行ける。
11月からは月曜日だけの出荷にしてもらった。出荷できる野菜がキクイモとレタスくらいしかないから。

エンサイとツルムラサキは11月上旬には終わる。ニンジンは11月20日が過ぎてから出荷したい。シュンギクは連結ポット育苗がうまくいかず、少ししか定植できなかった。

ワンパックの出荷は少しあるが、月、水、金と出荷していた直売所の出荷が月曜日だけになったことは、ちょっと一息つける。


それにしても、ここ数年、アブラナ科野菜を「形にする」ことが、本当に難しいと感じるようになった。

元々、ワンパックではそうたくさん作る必要はなかったので、なんとか送ることはできた。しかし直売所へ出すには、ある程度まとまった量を作らないと、すぐ終わってしまう。

まとまった量を作った経験がない。

カブは1袋、ダイコンは2袋、ハクサイとキャベツはせいぜい200本ほどずつしか定植していなかった。だからこの作付量をそんなに逸脱できない。この秋、500本余り定植したキャベツは半分ほどしか育っていない。


ダイコンサルハムシ等の害虫のせいでアブラナ科野菜を作る自信がないなら、それ以外の作物をきちんと作らないと、来年以降も11月~2月の4ヵ月間、直売所へ出荷できる野菜はない。

考えたら、以下の3種類をきちんと作るしか、自分には秋冬野菜を出荷する術がない。

シュンギク・・・ハウスがなく年内しか出せないのだから、もう少し早く蒔く。

サトイモ・・・もっとたくさん作る。

ホウレンソウ・・・もう少し早くから蒔き、もう少し早くから定植場所の準備をしておく。 

  
       
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故郷の村と山。原子力災害により故郷を追われている人たちがいる。いくら札束を積まれても、故郷の空と大地と山河に代わるものはない。
 
なぜ、ドイツのような選択ができないのだろうか。これこそ民主主義の成熟度の歴然たる差である。


農業を始めてから、やっとアイデンティティが形作れるようになった。土から離れざるを得なくなったら、また自分のアイデンティティは浮遊してしまう。


大地に帰依した百姓という仕事は、大いなる自尊心につながっている。

ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな(石川啄木)

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キクイモが売れなくなった

 

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出荷仲間はすっかり秋冬野菜に衣替えしているのに、ボクはまだエンサイだ、ツルムラサキだという夏野菜をしぶとく出し続けている。出荷できる秋冬野菜があまりないから。

(今日の出荷)
キクイモ11袋、キュウリ1袋、オクラ3袋、インゲン3袋、レタス16袋、ツルムラサキ11袋、エンサイ14袋。全部売れても6千円ほどの荷。


月曜日に出荷したキクイモがほとんど売れ残っていた。掘って1日が経過すると表面(外観)が劣化するという悲しい宿命を背負った芋だと思う。

この芋のおいしさを大多数の消費者は知らない。

元々、家畜の餌用に作っているのだから、売れなくても他の作物のようなショックはない。ただ、選別に費やした時間が惜しい。 

 

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3時半頃に田んぼに出たら、ヤギが矢のような督促をするので走って放牧場へ行き、すぐそばの竹藪の竹につないだ。ニワトリには「表情」がないので、いつもヤギの後回しになって損をしている。 
 

多くの野菜が栄養失調のような様相になっている。メタン菌液肥だけでなく、15年ほど前に購入していたような「堆肥の購入」を視野に入れる必要があるかもしれない。近所の家庭菜園の人は数軒、町内の酪農家から2トン車で堆肥を運んでもらっている。

「ホウレンソウ」と「サラダミズナ」の苗はあがっているのに、肝心の定植場所の準備ができていない。22日の土曜日の夜7時前後に30分ほど降った、バケツをひっくり返したような雨がいまだに応えている。

作付は22アールでも、田んぼ全体の面積は45アールあり、結局45アールの世話が必要になっている。

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桑の定植

     
 
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仮植えしていた桑の木を15本定植した。今までのと合わせて30本ほどになった。

桑など植えずに、どうせなら果樹を植えたらいいのにと思われるかもしれませんが、リンゴやナシやモモは生るとは思えない(近所でもほとんど植えていない)し、ブドウは棚がいる。柿やイチジクは5本以上いらないし、ユズやハッサクも各3本ほどあれば足りる。たくさん植えても次の代が世話を「ようしない」ので植えても意味がない。

植えるスペースはまだ残っているし、何も植えなかったら草が生えるだけなので、「ヤギ用」と「カイコ用」に合計40本ほど植える予定である。
 


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セイタカアワダチソウは満開に近いが、この花を蜜源にしているミツバチは、昨日も今日もあまり見かけなかった。

11月13日には集落の出仕事である池の土手の草刈りがあるので、ミツバチには迷惑だが、見晴らしがよくなり、イノシシの隠れ場にもならないし、刈り草がヤギの食料になる。 


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自分の巣箱ではないし、セキュリティの問題からも、今度の巣箱置き場をオープンにしてもいいのかなという気はするが、画像でアップしていたら遅かれ早かれすぐわかる。

Aさんが選んだ場所はサクランボの木の下だった。ここは電柵で囲んだ田んぼの一角なので、山の中や池の土手の端よりも盗難の危険性は少ない。昼間に盗まれることはまずないだろうし、夜間だと電柵を切って入る必要があるし、ここに来るには集落の中の細い道を通る必要がある。

そして、日本ミツバチだから、盗んでもすぐに逃げ出すだろうから、盗むメリットがない。農業新聞に載っている盗難の大半は「西洋ミツバチ」である。

この場所は今春の分蜂期には置いていなかったが、来春には置く予定にして巣箱を2つすでに設置していた。 


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キーウイの棚の下にあった簡易鳥小屋を解体した。4年に1度、成鶏を淘汰してヒヨコを導入するが、そのヒヨコが大きくなって卵を産みだすまでの間、6羽ほどを簡易鳥小屋に移動させて飼っていたが、4年に1度、半年ほど使うだけであり、その間に草に覆われてしまうし、キーウイの収獲や剪定にとても不便を感じた。

その隣にあるミニ放牧場も、広い放牧場ができてから使わなくなったが、今は小さな物置として活用している。銀ちゃん、ラムちゃんの名前の由来は、ネットの待ち受けにしている本家の「アメショッス」から拝借したものである。

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キンリョウヘンの世話の難しさ


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他の人が育てたキンリョウヘンを隣に置いて比較した時、自分のキンリョウヘンの育ちの悪さがわかる。

葉の長さ、葉の色が全然違う。


 
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植え方も間違っていると言われた。この画像で見るとよくわかるが、ボクのは鉢の水平より上にバルブ(茎)があるが、紺色の鉢は、鉢の水平より下にバルブがある。

キンリョウヘンの世話にいくら手間暇をかけても、管理が悪かったら成育は全然悪い。

つくづく、能力の差というか、勉強の差を感じさせられた。

それでも10鉢のうち4鉢は来春、花が咲く可能性があると言ってくださり、残りの6鉢はAさんが、私が預かって少し手を加えて、再来年の春には花が咲くように仕向けてあげようといってくれた。


今日来られた目的はもう一つあり、それは近いうちに移動してくださる予定の巣箱置き場を決めてもらうことだった。

Aさんの自宅前は6群ですでにいっぱいであり、Aさんの第2ミツバチ圃場として、当地に活躍の場を与えてもらった。
 
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生きることは食べること


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食べ進んでから写した朝食。
2日前のサトイモ、昨晩のオクラの残り、小魚の干物。家人がいなかったので味噌汁はなかったが、これでも結構おいしい。

 
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木曜日に買ったパンジーと葉ボタンを鉢に植え替えた。土は去年と同じのを使った。去年の土をいったんシートに全部戻し、鉢に半分ほど土を入れてからメタン菌液肥を柄杓に半分ほど施し、籾殻をぱらぱらっとふり、土を鉢いっぱいに戻して植え付けた。

籾殻をふったのは何の意味も無く、ただ何となくそうしてみた。

液肥が多すぎたかなと後で思ったが、2~3日に1回は水やりをするので、根が液肥の場所まで伸びるまでには薄まるだろう。

  
 
  
  
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そして夕飯。誰もいなかったので自分で作った。昼は5食入り300円ほどのラーメンを食べたので、夜はちょっとまともな物を食べる必要があった。
 
(1)茹でる・・・オクラ、インゲン

(2)蒸す・・・・・ピーマン、インゲン

(3)炒める・・・ピーマン、タマネギ、ベーコン

(4)煮る・・・・・2日前の残り物(サトイモの煮物)
 
(5)その他・・・キュウリの塩もみ、サラダ菜

料理はあまり作らないので、よく知らないが、ごく単純なパターンで作った。時間をかけずに簡単にできるから。

オクラは毎日のように茹でて、ユズドレッシングか、削りぶしと醤油で食べる。残ったら朝食で再度食べる。

ピーマンは茹でるより蒸した方がいいと思う。

インゲンは茹でても蒸してもあまり変わらないように思う。

ベーコンがあると炒め物に使えて便利でる。

この5つのパターンさえきちんと押さえておけば、一人暮らしになっても、そう栄養失調にはならないだろう。

これができるのも新鮮な野菜がいつも手元にあるからであり、農業をしているおかげである。購入した野菜ではちょっとこういう料理はできない。


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食べようとしたら子供が市販の弁当を買って帰ってきた。480円のが半額引きで240円。

明日になると食べれないと思い、こっちを優先して食べた。 聞いたらザグザグで購入してきたと言う。薬屋?のザグザグでこういうものまで売り出したのか。

単なるチェーン店と思っていたが、ザグザグは中国銀行を抜いて、入りたい企業で県下トップの人気企業であるらしい。

ザグザグの隣にハローズがあって、その隣に百均の店がある。最近はこんなパターンが多い。

最近吸収合併された山陽マルナカでも、隣にザグザグがあって、その隣に百均の店がある。


240円の「きのこ御飯幕の内弁当」を残さず食べた後、ふと商品説明を見たら、原材料名として30種類ほどが載っていて、乳化剤、膨張剤、調味料(アミノ酸等)、酢酸、PH調整剤、酸味料、香料、増粘剤(増粘多糖類、加工デンプン)、酸化防止剤、カラメル色素、グリシン、ソルビット、リン酸塩・・・と書いてあった。

身体に入れてはいけないものを市販の一つの弁当からかなり取り込んでいる。しかし、「食品、添加物等の規格基準」で認められた許容範囲内のものばかり。

それでも、市販の惣菜は大いに助かる。一人暮らしになったら、上記の5つのパターンの野菜をとりつつ、市販の惣菜や弁当を利用して3食を組み立てていくしかないのだろう。

それとも、インターネットを利用して家庭料理を学ぶか。

家人の作ってくれたものをただ漫然と食べていたのでは、料理は何一つ覚えれない。

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サツマイモとエダマメ、徹底比較

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ホウレンソウの育苗がうまくいったのもあるが、うまくいかなかったのもある。発芽を揃えることは難しい。しかしこれができなかったら連結ポット育苗の意味はない。

連結ポット育苗は種代はかからないが、土代が結構かかる。

手前はサラダミズナ。アブラナ科野菜は発芽も早く、ロケットもナバナもサラダミズナも発芽率は9割を超えた。

10月に入ってから蒔き、厳寒期~早春どりならサラダミズナでも無農薬が可能ではなかろうか。
 
  
 

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キュウリがいつも地這い品種であるように、インゲンもいつもツルナシ品種を作っている。春作は4月23日頃に蒔き、夏作はニンジンと同じ日に8月20日頃に蒔く。

インゲンは毎年作っているのに、エダマメはこの20年間ほとんど作ってこなかった。エダマメはおかずにするというより一種の嗜好品だから、ワンパックには不必要と思っていた。そしてビールは飲まないのでエダマメをそんなに食べたいと思わなかった。

それが何でエダマメかというと、遊ばせている田んぼが多いので、何か田んぼをうめる作物はないかなあと考えていたら、エダマメが浮上してきた。

黒マルチをして6月10日頃にエダマメを蒔けば、9月10日頃にはその場所が空き、ダイコンを蒔いたり、キャベツやハクサイを定植するのにちょうどタイミングがよい。黒マルチを剥すだけで不耕起栽培ができる。この時期は天候不順のことが多く、耕運や畝立てのタイミングを逃すことが多いが、収穫後のエダマメの畝を利用できるならとても便利である。 
 

直売所ではエダマメは売れるだろうし、果たしてインゲンとエダマメのどちらにメリッ トが多いだろうか。

ツルナシインゲンは毎日もしくは1日おきに2~3週間収穫すると終わる。

エダマメは一括収穫である。収穫に要する時間はエダマメの方が圧倒的に短い。

収量と単価はどちらがいいのだろうか?

インゲンは病虫害は全く問題にならない(ほとんど発生しない)が、エダマメの場合、害虫被害はどうなんだろうか。これは種蒔きの時期によって違ってくるのかもしれない。


エダマメが1株で400円ほどになるなら、同じ頃に定植するサツマイモより、利益率もかなりいいのではなかろうか。

サツマイモはイノシシの餌つくりをしているようなものだし、畝が後作に利用できないし、当地の土質はサツマイモを作ってもおいしくない。 
 

サツマイモを作ると土がやせる。

エダマメを作ると土を肥やす。


サツマイモは葉が横に伸びるので面積がたくさん必要だが、エダマメは耕種基準一覧表では畝幅60センチの1条植えで株間25センチと出ていた。サツマイモの半分で足りるだろう。

収獲出荷においても、サツマイモよりエダマメの方がかなりスピーディにいくのではなかろうか。


サツマイモは「くず芋」も「葉」も「ツル」もニワトリやヤギの大変良い飼料となるが、エダマメの葉もニワトリやヤギの大好物である。

イノシシに狙われやすいので、サツマイモは120本ほどの挿し木にとどめ、エダマメを作ってみようと思う。


子供の頃には、稲作の畦(あぜ)にこのエダマメ(アゼマメ)がよく植えられていた。稲作では水が漏れないように畦に泥を塗りつけるので、その泥の中にエダマメの種を落として、その上にクン炭か籾殻をふっていた。

エダマメというよりダイズといった方が適切かも知れない。昔はどこの家でも自家用の味噌を作っていたので、少量の大豆は必須だった。そしてダイズの煮豆は田舎では「おふくろの味」でもあるように夕飯のおかずに時々登場した。

稲の畔に作るということは、それだけ水の要求量が多いということ。

サツマイモもエダマメも、どちらも肥料はあまり欲しがらない。

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TPPよりはるかに重要な害獣問題


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昨日、黒マルチを剥した田んぼの草焼きをして、さっそく耕運した。

この乗用トラクターは25年以上前に父が購入したものである。最も小型の乗用トラクターと思う。壊れたら次が買えないので、5年に1度ほど点検整備をしてもらっている。

草焼きをして5アールの田んぼを2回耕転し、その後4アールの田んぼを1回耕転し、ニワトリに餌を与え、水を入れ替え、草を持ち込み、卵を集め、ヤギを放牧場へ戻し、第3ゲート(鳥小屋の前)と第2ゲート(物置と竹藪の間)の戸締りをして、乗用トラクタの耕運爪にからみついた草や周囲の土を取り除き、井戸水を釣瓶で汲みあげ苗物に水をして、第1ゲート(上の画像)の外に出たら、すでに電柵がスイッチオンする(夕方5時15分頃)直前だった。

第1ゲートの戸締りをして帰途につく。まさに囲いの中でする農業である。TPPなど全く困らない。困るのは害獣であり、少しの油断もできない。
 


ワンパックを一つ、宅急便の営業所へ持参し、そのそばにあるコメリによってボードン8号袋とパンジーの苗を8本買い(817円)、そのすぐそばの山陽マルナカによって食料品と日用品の買い物(4768円)をし、ガソリンスタンドによって軽四を満タン(3025円)にし、ホームセンターによって紅白の葉ボタン(296円)を買ったら、あっという間に1万円札が飛んでいく。

毎年この時期には、パンジーの苗8本と紅白の葉ボタンを買うのが恒例になっている。パンジーは花の咲く期間が長く、殺風景な玄関先の飾りに少しなるし、葉ボタンは正月用。



TPPには賛成である。反対しているのは、農協や生協やそれに関わる団体等の既得権益を守ろうとしている組織である。

遅かれ早かれ時代の流れとしてそうなるのだから、最初から加わっておいた方がよい。

大規模農家や大規模農業法人がこの国の農業を支えているのではなく、本来、この国の農業を底辺で支えているのは家庭菜園型農業である。家庭菜園型農業こそが環境問題や自給力の源である。

農業は少数の大規模集中型ではなく、多数の小規模分散型でないと結局支えることはできない。

そして小規模分散型の農業にとってはTPPの影響などほとんどない。逆に既得権益打破の効果の方が大きい。

TPPによって安い外国産が押し寄せてきたら、ワンパック型や直売所出荷型の農業にとって、顔の見える関係や地元産が見直される結果となり、チャンスが広がる。

大多数の消費者も選択肢が広がる。 

TPPよりはるかに重要なのは害獣問題であり、農業補助金のインターネット公開(欧州連合では随分前からインターネットで全ての農業補助金が公開されている)である。

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黒マルチに安易に依存



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黒マルチは産業廃棄物である。使い古しは納屋に山積みしているが、1年分となるとかなりの量になる。購入先では引き取り日が決まっていて1キロ50円で引き取ってくれるが、その指定日に行けれなければ廃棄物業者まで持参することになる。

黒マルチは1作でなく連続して2作使うと、2作目が終わったらすぐに剥がさないと、放っておいたら草が生えて剥す時に一苦労する。画像の田んぼの黒マルチを7枚剥すのが半日仕事になった。

黒マルチに安易に依存しているが、エンサイやツルムラサキやオクラを黒マルチなしで作ることはすでにイメージできなくなっている。冒険もなかなか冒せない。

黒マルチをしていると追肥はしづらいが、後作では草が生えていないので、マルチを剥がしてメタン菌液肥を施した後、すぐ次の作付けができる。 

以前、生分解性マルチ(土に戻るマルチ)を使ったこともあるが、1年使っただけだった。

 

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秋冬野菜がまだこんな状態。今の時期に、コマツナやサラダミズナの出荷は難しくても、虫害の少ないシュンギクやホウレンソウは出荷に持ち込めるはず。

春夏作より秋冬作の方が稼げると出荷仲間はいうが、そのためには、
(1)ホウレンソウ
(2)シュンギク(この野菜のみハウスが必要)
(3)コマツナ
(4)サラダミズナ
という、軟弱野菜4種類で徹底して稼ぐのだろう。 
    
    
    
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イノシシに入られた後、芋づるだけ伸びていたがそれを片付け、キクイモと共にニワトリに与えた。キクイモは茎を持って引き抜いて、葉も芋も「土」も全草をニワトリに与える。



昨晩、夢の中で「あまり忙しくてしてはいけない」という話が出てきた。

しかし、11アールは最低限の作付けでこれ以上減らせない。

春夏作(合計11アール)
4a→エンサイ、ツルムラサキ、オクラ、ナス、ピーマン等
3a→キュウリ、ナンキン、韓国カボチャ、スイカ
4a→サツマイモ、サトイモ、キクイモ、ヤーコン、ジャガイモ

秋冬作(合計11アール)
3a→キュウリ、インゲン、ニンジン、ネギ
2a→ハクサイ、キャベツ、ダイコン、カブ、ブロッコリー
2a→ホウレンソウ、ロケット、シュンギク、レタス類
4a→ナバナ、タマネギ、春キャベツ、エンドウ類

この作付を基準に増減を考える。


作付は年間合計22アールでも、田んぼの総面積は45アールほどあり、これらの草刈があり、池の土手に通じる道も自分で草刈をする必要がある。

総面積(45アール)の内訳
2a→物置、鳥小屋、井戸周辺
2a→ハーブ
3a→ヤギ放牧場
3a→ヤギ草地
3a→遊休地
10a→果樹
22a→春夏作11a、秋冬作11a
  



(今日の出荷野菜)
インゲン→5袋×120円=600円
オクラ→1袋×110円=110円
キュウリ→2袋×120円=240円
サラダ菜→16袋×80円=1280円
ツルムラサキ→17袋×120円=2040円
スイートバジル→12袋×100円=1200円
ジャガイモ→18袋×90円=1620円
タマネギ→15袋×110円=1650円
キクイモ→17袋×100円=1700円 
合計、10440円 

キクイモ12袋、ツルムラサキ19袋を含む月曜日の出荷野菜は完売だった。本当にありがたい。こんな直売所はごく少ない。ボク以外の若い生産者のレベルが高い。 

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キクイモの出荷と外観について

  
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金曜日のキクイモ34袋のうち6袋売れ残っていた。1日平均9袋売れている。

もっと売れてもいい、おいしい芋だが、たった1日のことで外観が劣化する。掘り上げて日数が経過したみたいに茶色の線が等高線状に入り、芽の所が紫色がかる。
 
洗ってもいないのに、こんなに短期間で外観が劣化するようでは、直売所ではなかなか売れない。この芋はやはり「ワンパック」と「家畜の餌用」と「家庭菜園」の3通りしか生き残る道はないのかも知れない。

ツルムラサキ21袋、エンサイ10袋を含め、他の野菜は完売だった。秋冬野菜が高いので、終わりが近い春夏野菜でもよく売れる。


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ニンニク(ワンパックのサービス品用)、ラッキョ(自給用)、ワケギを植えた。いずれも軽四の車庫に吊り下げて保存していた。 


  
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手前の地這いキュウリは2度にわたる浸水にもかかわらず、9月5日頃から40日ほどよく生った。インゲンは3~4割しか成育しなかった。

(今日の出荷)
サトイモ5袋×200円=1000円
キクイモ12袋×100円=1200円
キュウリ8袋×120円=960円
オクラ4袋×110円=440円
インゲン8袋×120円=960円
ツルムラサキ19袋×120円=2280円
合計6840円

サトイモやキクイモは、ツルムラサキやエンサイに比べて、収穫出荷に4~5倍の手間がかかる。それでも、ワンパックと家畜用(キクイモ)と自給用にどうしても必要な芋だから必ず作る。その残りを出荷するのだから採算が悪くてもあまり気にならない。ただし、出荷用にたくさん作ると「採算割れ」がはなはだしい。

このうえサトイモやキクイモを洗う必要があるなら、ボクは直売所への出荷はしない。

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新しい選択をした山陽マルナカに追随

 
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夕方、9月13日蒔きのダイコンの草取りをした。浸水と害虫の影響からやっと回復の兆しが見られだした。間引きはもう少し先になるが、1ヶ所2本立ちにしようと思う。


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ハクサイも少し大きくなった。

 
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田んぼが草山になっている。左はハーブだが、ハーブは主に多年草なので、自動的に「不耕起栽培」となる。

家庭菜園ではしばしば不耕起栽培が見られる。広くても2アールほどで、畝と通路が固定している。つまり、前作が終わると畝をちょっとヨツメで打つくらいで後作を植え付ける。
ボクが考える不耕起栽培とは、耕さないというのではなく、畝が固定していて、新たに畝立てはしないという意味で、畝自体は少しは耕す。


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キクイモとサトイモをかなり掘り進んだ。黒マルチをしていない所は、画像のように草山になっている。こんな状態ではとても不耕起栽培に移行できるような状態ではない。

不耕起栽培をするには作付面積が広すぎる。

春夏作でも11~12アールほど、秋冬作でも11~12アールほどと、他の農業者に比べてかなり作付面積は少ない。しかし不耕起栽培にするには、もっと面積を縮小する必要がある。

キクイモやサトイモを不耕起栽培にするには、掘った分だけすぐに、崩れた畝を元通りに戻す作業が必要である。

しかし黒マルチをしていると、掘って崩れた畝をすぐには元に戻しづらい。だから稲わらマルチや麦わらマルチや草マルチにした方がよい。
 
しかし作物によっては黒マルチもうまく活用しないと、すぐに草山になり、不耕起栽培は続かなくなるだろう。

いずれにしても、サトイモには黒マルチは適さないと思った。土寄せができないし、「肥え食い」のサトイモに追肥をやりづらいから。どちらもしなかった今年のサトイモは、水路から水を引く畝間潅水を6回もしたにもかかわらず、収量は極めて悪い。サトイモは「水肥え」と言われるが、肥料もかなり必要なことを痛感した。
  

   
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オクラの足元にエンドウ類を蒔くが、オクラを支柱にするには、冬に枯れたオクラが風で倒れないようにマイカ線等でくくっておく必要があるようだ。後作にエンドウ類の種を蒔くことを視野に入れて、夏に、台風対策として倒れないようにしておけば一挙両得。



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田んぼに着くと決まって銀ちゃんが、耳を水平にしてこんなポーズでこちらを見続ける。

忙しいので、かまってはやれない。無視、無視。それでも無視はできず、手を何回かふって「わかっている」という合図だけは送る。
 

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昨日に続いて今日もキクイモと豚肉の煮物。家人もキクイモを好む。



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現在のキンリョウヘンの状況。葉数と葉の長さで「花芽」がつくかどうかが決まると教えてもらった。さっぱりだめだ。

ミツバチがいないと何も学べない。7ヶ月ものブランクは大きすぎる。勘が鈍るし、来春の分蜂期に捕まえれる保証もない。

もしAさんに当地の山を「第2ミツバチ圃場」として利用してもらえるなら、うれしい。イオンに吸収合併された山陽マルナカのように新しい活路を開きたい。

そのAさんからメールをもらった。 

『日も短くなり、涼しい毎日が続いています。キンリョウヘンのバルブも成熟してきました。
写真のように昨年のバルブの1.5倍の大きさです。花芽も1㎝くらいになりました。
 
この時期に肥料を与える方もおられますが、肥料で花芽ができることはありません。
夏の成長期に肥料を効かせ、今は水も少なめに充実させるとよいです。
 
9月中旬にゲットした営巣群の巣枠です。写真のように、上部1/3が貯蔵蜜、中1/3が蜜と花粉、下1/3が
育児域です。産卵は下から2/3くらいで行われます。
 
このような巣枠が2枚くらい、あと3枚くらいは蜜と花粉で育児域は少ないです。
しかし、あと1か月くらいで1000~2000は蜂が増えると思います。
 
今、4000くらいなので6000くらいで冬が越せればOKです。
来春には、1万を超えて人工分封できるでしょう。
 
写真の育児域を拡大しました。先日の働き蜂産卵と比較してみてください。
働き蜂の色が黒っぽくないのも分かると思います。
 
さて、メールでいただいた第2蜂場の件ですが、こちらも是非お願いしたいところです。
また、キンリョウヘンをお預かりして育成させていただければとも思っています。
 
最近、ことに蜜源が増えている感じです。腹パンパンで蜂が帰ってきます。それに
スズメバチが来なくなりました。自然界に蜜やエサがあるのでしょう。実家の畑の
茶の花にスズメバチが来て蜜を吸っています。
 
生き物の姿はいつ見ても楽しいものです。
それではまた、メールします。』

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キクイモと豚肉の煮物


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季節の恵み、ユズ。収穫にはまだ少し早いが「ユズ茶」がおいしい。


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昨晩、イノシシが第1ゲートのすぐそばの畔を掘り返していた。今、イノシシの波が来ている。だから帰る前に電柵を一周(300メートルほど)して漏電をチェックした。

サツマイモは8月末にイノシシに入られて全滅したので、今年は「ふかし芋」が食べれない。毎年8月末が危ないというのはわかっていたはずなのに、草刈が遅れて漏電した。
  
  


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今日は出荷はなかったが、キクイモを4株ほど茎をもって引き抜き、芋の部分はニワトリに、茎葉の部分はヤギに与えた。


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キクイモの煮物。豚肉と煮るとおいしい。皮は向く必要はない。

昨日、金曜日の出荷は、
サトイモ7袋×200円=1400円
ジャガイモ28袋×90円=2520円
キクイモ30袋×100円=3000円
オクラ10袋×110円=1100円
インゲン5袋×120円=600円
ピーマン6袋×100円=600円
キュウリ4袋×120円=480円
エンサイ10袋×100円=1000円
ツルムラサキ21袋×120円=2520円
合計13220円

ところが、水曜日に出荷した野菜のうちキクイモ(14袋出荷)だけが4袋売れ残っていた。そのまま置いて帰ったので、金曜日のと合わせて34袋。

このスーパーの直売所では、キクイモは1日平均5~6袋しか売れないのが現実か。次回出荷の月曜日に判明する。
 
   

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ポット育苗の種蒔きは全天候型なので、田んぼがじるくて(ぬかるんで)農作業ができなくても、シートを敷いて、市販の育苗土を連結ポットに入れ、ちょっとした時間の空きがあれば2ケースくらい蒔ける。 

   
   
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春夏作の青シソ(穂シソ)の後作に、ニンニク、ラッキョ、ワケギの3種類を植えるために、メタン菌液肥を一荷、担いだ。穂シソの地上部を鋸で切り、黒マルチを取り除き、少しヨツメで打った後、液肥を担ぎ、もう一度ヨツメで表面をならすようにして液肥を土に馴染ます。20日までに植えたい。

前作の地下部(根の部分)は生かして(掘り上げず)、後作を植え付ける。これは不耕起栽培。そして今後、
エンサイの後に→春キャベツの定植
ツルムラサキの後に→タマネギの定植
オクラの後に→エンドウ、スナップ、グリンピースの種蒔き

ここまでは例年通りであるが、不耕起栽培を続けるには冬の間に、キャベツやタマネギやエンドウ類の畝や畝間に草を伸び放題にすることなく、畝間には稲ワラや枯れ草、落ち葉等を敷いて、草がはびこらないようにする。

そして、この後作が特に大切で、時期的な問題から、これらの後作には下記のような野菜しかない。
(1)5月20日蒔き(2回目)のキュウリの定植→6月3日頃
(2)サツマイモ苗の定植→6月1日~6月20日頃
まだ畝があいておれば他に何か作って、畝をあけないことが大切。


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野ねずみ瓦版

 
 
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早春の頃、ブログを見たといって来られた酪農家が、今日は「四角豆」と「パプリカ」と「牛乳」を手土産にくださった。

来訪されたのは、
(1)不耕起栽培について
(2)作られている乳酸菌堆肥のサンプル使用について
(3)9月1日からブログ(野ねずみ瓦版)を始められたこと


四角豆は初めて実物を見て、そして初めて食べた。パプリカも久しぶりに食べた。 四角豆はさっと茹でてマヨネーズで、パプリカは蒸してユズドレッシングで食べた。

おいしかったので、さっそくタキイの野菜ガイドで四角豆を調べたら、4月中旬に蒔くと7月中旬から10月末頃まで3か月半も生り続けるような暦が出ていた。来春は作ってみたい。歯ごたえがよく茹でると緑が濃くなった。


ブログ名が「野ねずみ瓦版」だったので、何で野ねずみなんですかと聞いたら、田舎者という意味らしいが、当人はハイカラな人である。
 
乳酸菌を利用した牛糞堆肥作りは岡山県では成本さんだけらしい。9月24日のブログには、
『乳酸菌の堆肥作りでは、水分70%前後の高水分で堆積発酵させます。できあがった堆肥も水分が多いため、畑に散布したり流通には不便です。発酵温度は40度前後と低いですが、高温発酵(60度以上)になると菌(タンパク質)は熱変を起こして死滅します。低温発酵の場合は、乳酸菌だけでなく、放線菌、酵母菌など有効微生物が増殖し、分解を続けていきます』と書かれていた。

不耕起栽培は今までに何回も話を聞いたことがあるが、今回、成本さんに話を聞かせてもらってまた、排水の悪い4アールほどの田んぼを不耕起栽培にしようとふと考えた。

成本さんの乳酸菌堆肥+メタン菌液肥+米ヌカを利用し、後は稲ワラや刈り草を畝の上に置いていき、草抑えをするやり方である。

成本さんは、取りに来られる方には、軽四一杯が千円の価格で乳酸菌堆肥を売られているようです。

夏にニワトリを引き取ってもらった時に赤磐市の友人からもらった飼料も「乳酸菌を利用した嫌気性発酵飼料」だった。


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肥料に関しては、ここ十年ほどメタン菌液肥を主体にしてきたが、タゴで担いで施すので春夏作、秋冬作ともに12アールほどが限度であり、13アールを超えると担ぐのがえらい。

液肥の欠点は他にも、
(1)かなり臭うので住宅地の近くでは使えない。
(2)水の便(たとえば井戸など)が近くにないと無理。
(3)雨で流亡しやすいので、黒マルチを使うことが多い。
(4)長雨や大雨の後ではしばらく使えない。
それにもかかわらず、ボクはこの液肥を使うのがなぜか好きである。いつも仕込みができていて、いつでも使える状態にあるのがよい。 


肥料に関しては幾多の変転を繰り返してきた。

(1)スタートした3年ほどは近くの酪農家から牛糞をもらい、稲わらや籾殻を利用して堆肥を作っていた。切り返しも必要で、重労働で続かなくなった。
(2)町内の酪農家から2トン車一杯が7千円の牛糞堆肥を3年ほど購入したこともある。
(3)ニワトリを飼っている友人に鶏糞をもらいに行っていたこともある。

9年目に井戸ができ、それがメタン菌液肥につながった。その数年前、赤磐市のKさんがメタガス発生装置を独力で考案された。

その時にメタン菌液肥をもらって以降は、タンクの液肥を半分使ったら、米ヌカとナタネカスを4対1ほどの割合で投入を続けるだけ。米ヌカは買うこともあるし、もらえることもある。ナタネカスは1袋が千円ほど。

その他の肥料としては、ニワトリ小屋の鶏糞(1年堆積するとかなりたまる)。主に冬に竹や木を燃やした時の消し炭(在庫が まだ50袋ほどある)。他にクン炭(焼きすくも)を2月末頃に1回作る。

化成肥料を全く使わなかった時代も10年余りあったが、ここ数年は年に1~2袋は購入している。天候や田んぼの状況でメタン菌液肥が使いづらいこともあるから。

「日本有機農業研究会」の会員であるが、農薬も化学肥料も「パーフェクトに使わない」という方法は取りたくなくなった。

有機無農薬の認証をとっている友人もいるし、農業仲間には農薬や化学肥料を一切使っていない人も10人以上いる。 

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記憶にとどめたい一節


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秋の一時期、たった2週間ほどの期間の失敗が、11月、12月、1月、2月の4ヵ月間に渡って、心と体にこたえる。
 
秋蒔き野菜の種蒔きや定植の適期は短い。

アブラナ科四天王のうち、ハクサイ、キャベツ、ダイコンの3種類はどんなことがあっても成功させる必要があったのに。

田んぼを見渡して見ても、青青とした菜っ葉が見当たらない。多少はできたとしても時期がぐんと遅れて12月にずれ込んでしまう。 
   

10月中旬のこの時期、
(1)ダイコン葉
(2)ホウレンソウ
(3)コマツナ
(4)サラダミズナ
(5)シュンギク
という菜っ葉類をきちんと出してくる出荷仲間がいる。今の時期には、これらの菜っ葉類は飛ぶように売れる。

9月上旬に蒔けば、菜っ葉なら1ヶ月ほどで出荷できる大きさになるので、害虫被害さえ免れれば、10月中旬には上記のような菜っ葉類が出せる。別段、早蒔きではなく、今の時期の「旬の野菜」といえる。

農家なら、これくらい出せれて当然なのに・・・情けない。  
 

農薬を使ったのに、アブラナ科野菜の出来が悪いというのは、まことに馬鹿げている。もっと細心の注意をはらい、用意周到に準備し、頭の中で何度もシミュレーションして、一人ではなく数人に害虫防除の方法を聞き、ずらし蒔きをするという、複合的な危機管理がないと、秋のアブラナ科野菜はできない。


直播きならともかく、連結ポット育苗で発芽が悪かったら話にならない。連結ポット育苗では覆土を一定にさせるために「ローラー」という数万円の器具があるらしい(宇野さんはそれを使われている)が、ボクはフルイで土をかぶせ、その上からクン炭(焼きすくも)をふっている。

覆土は一定しなくても、蒔いた連結ポットにポリをべた掛けして、その上にコモかムシロをかぶせておくという宇野さんの方法をとれば、2粒蒔きで90%ほどの発芽になるようである。2粒蒔きで2本生えないと、手でスポスポと抜けない。



秋冬作はたった12アールほどなのに、日々の農作業と出荷に追われている。 
 
ワンパックは今はジリ貧になっているが、22年間続けてきて、自分なりの満足感はある。

直売所出荷は丸2年が来たが、初年度はイノシシの激しい襲来に遭遇して秋冬作をほとんど出荷できずに終わった。だから本格的に出荷を始めてまだ1年半ほど。やっと直売所出荷に慣れてきた状態である。

去年出荷していた4ヶ所の直売所は全然売れなかったのに、今の直売所はよく売れる。だから大切にしたい。青シソやモロヘイヤ、スイートバジルのような作物でも売れ残りがごく少なく(もちろん多量には出荷しないが)、キクイモも10袋ほどだが完売を続けている。

トマトやキュウリ、ホウレンソウ等の主要野菜を相当量出荷してくる生産者ももちろん必要だが、脇役の野菜を欠かさず出荷する生産者も必要である。それらが組み合わさってこそ、トータルの力でその直売所の野菜が売れる。脇役の野菜は「引き立て役」ではなく、他に出す人がいなければ貴重な出荷物となる。

今の直売所は自分が主に出荷する野菜に対して競争相手が少ないのも恵まれている。こんな直売所に恵まれる幸運は限りなく少ない。

優秀な生産者なら、どんな直売所でもすぐに頭角を現すだろうが、どこの直売所でも地域性や人口によって「売れる数」は限られている。 


今日の朝日新聞の天声人語の最後に、記憶にとどめたい一節があった。
『神は自然の中に色々な木を植えたように、人の中にも色々な才を配した、と言う。だから世界一立派な梨の木も、ごくありふれた林檎を実らせることはできないし、最も傑出した才能も、ほかのごくありふれた才能と同一の結果を産むことはできない(仏の文人ラ・ロシュフコー)。
そこで思う。われは本来何の木なりやと。凡庸な林檎さながらの小欄を顧みつつ、別の才もあらん、などと考えてみる。「本日の歴史」から、いつしか自分を励ます空想へ。時に思わぬ所へとコラムの結末は飛んでいく』  

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真似る力

   
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失敗したと話したら、出荷仲間がアイスプラントの苗を4本くれた。アイスプラントは「塩味」のサラダ野菜。

サラダ野菜は他に、
(1)レタス類
(2)ロケット(ごま風味)
(3)イタリアンパセリ(今年は作っていない)
(4)サラダシュンギク(これも失敗に近い)

サラダセットにアイスプラントが入れば、よく売れると思う。
(ミニレタス)+(ロケット)+(アイスプラント)

アイスプラントは育苗も成育も難しいらしい。
(1)発芽率は60%ほど。5センチポットに蒔く。
(2)畝幅120センチ、株間80センチほどで定植。
(3)雨にあてない。できればハウスで。なければポリのトンネルを雨の日はかぶせる。過湿を嫌う。



  
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新しいのを持っているからと、草焼きバーナーももらった。出番は来年の9月上旬。アブラナ科野菜でおびき出したダイコンサルハムシに使う。




(今日の出荷)
ジャガイモ13袋×90円=1170円
キクイモ14袋×100円=1400円
サトイモ8袋×200円=1600円
インゲン7袋×120円=840円
キュウリ7袋×120円=840円
オクラ8袋×110円=880円
合計6730円

月曜日に6袋残っていたニンジンの間引き菜も売れていた。キクイモも含めこの所、完売が続いている。よく売れる直売所なのでありがたい。  



宇野さんのブログはコンパクトで短く、参考になる記事が多いと思われます。ホウレンソウに関しても10月1日の画像で、密に生えそろっているのが見えます。

ボクの発芽率が悪かったのは「過湿」によるものだと指摘されました。蒔いた後でたっぷり散水したら、連結ポットをポリでべた掛けして覆い、その上からコモ(ムシロでもよい)をまたべた掛けしておけば乾燥せず、その後の水やりは不要で、4日後に発芽したら取り除いて太陽にあてる。

ブログの要点をしぼって、短く書くようにと勧められた。これは意外と難しい。宇野さんは毎日、早朝30分ほどで書かれるようだ。他に用事があるし、それ以上の時間をかけると農作業に支障が出ると言われる。夜は、現在はキュウリの袋詰め等の夜なべ仕事をされているらしい。

「真似ることは簡単だ」と電話で話されたが、「真似る力」は極めて高い能力の一つだとボクは思う。

そして、身近によき指導者がいても、受け入れる能力や聞き取る能力という当人の容量も必要と思う。

ボクは今、直売所仲間の「年齢でも農業歴でも後輩」の人に 、質問事項をメモしておいて、しばしば教えてもらっている。尋ねたことに即座に「なるほど」と思える回答を言ってくれる。

キュウリやトマトは儲かる作物らしいが、学ぼうとは思っていない。夏野菜は、エンサイ200株、ツルムラサキ160株、モロヘイヤ60株、スイートバジル130株、青シソ50株の葉野菜5種類と、ナスぴ20本、ピーマン25本、オクラ200株(3~4本立ち)の果菜類3種類ですでに手がいっぱいである。

ただ、秋冬作のアブラナ科野菜に関して、こんなに毎年失敗を繰り返してはいけないと痛感している。これは果菜類のような技術系の野菜ではなく、どんな農薬をいつ、どう使うかだけのことなので、「真似る力」でも「最低限の真似る力」があればいいのだから誰でもできる。 

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ホウレンソウは播種機、それとも定植

  
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ホウレンソウは「直播き」というのが常識なのかもしれません。

ハクサイやキャベツならともかく、ホウレンソウを定植するとは・・・。

それでも、直播きがうまくできないなら、他の方法でするしかない。

「定植」という人も意外と多いような気がする。


ホウレンソウは6株が普通は120円ですが、4株(大株にする)が120円としたら・・・

タマネギが1個50円ではなく40円だとしたら、3株(個)で120円。

ホウレンソウが4株で120円、タマネギが3株で120円としたら、定植に要する時間や、収獲までの日数や、出荷に要する時間を考えたら、ホウレンソウの方が採算がいい。

タマネギは定植が普通で、直播きはない。


ホウレンソウの畝立てをして直播きするという方法がどうもうまくできなくて、10年ほど前から「定植」という方法をとってきた。

それでも大量に定植するとなると、とても採算は合わず、播種機を使って蒔くのが常識だろうと思っていた。

ところが、美作市の宇野さんから「ホウレンソウは定植」というのを聞いて、「目からうろこ」であり、定植という方法に「お墨付き」をもらったような気がした。

ただ、同じ定植でも、ボクの方法は全く誤っていた。だから時間がかかっていた。

宇野さんは288穴の連結ポットにホウレンソウを100ケース以上蒔き、サラダミズナは30ケースほど蒔く。

ホウレンソウを引き抜いて左手の手のひらに20個ほど置き、右手で置いていくだけ(実際には右手の親指で根元を抑えつけるだけで土などかける必要なし)で、288穴の連結ポットの定植に30分もかからないと言われた。

今日、自分はロケット(ホウレンソウにそっくりなサラダ野菜)をその方法で定植したのだが、おもしろいように手で引き抜けて、左手に10個ほどのせ、右手の親指で土に押し付けるように植えていったら、288本の定植に30分もかからなかった。

宇野さんが言われるには、定植までは多少手間がかかっても、収穫と仕分作業で「播種機の方法」に追いつくので、トータルの時間はほとんど変わらないと言われる。


播種機を使うには、きちんとした畝立てをする必要があり、これが難しいと思う。

播種機は、「砂地」、「赤土」、「普通の土」のどんな性質の土にも対応できるのだろうか。特に「赤土」で播種機を使うのは難しいのではないだろうか。


ホウレンソウは量的にはそんなに必要でなかったので、播種機など必要とせず、手蒔きだったが、手蒔きではどうもホウレンソウがうまく作れず、仕方なく定植という方法を選択してきた。

その時、288穴ではなく144穴の発砲スチロールの連結ポットを利用していたので、ホウレンソウをポットからうまく引き抜くことができず、フォークを利用していたので、なおのこと手間がかかった。それを黒マルチに定植していたので、さらに手間がかかった。

ホウレンソウに黒マルチなど必要ないと言われた。

ポットが小さいと根が早く絡まり、ポットから抜きやすい。ボクは288穴の連結ポットがあることをつい最近まで知らなかった。

ただ、288穴の連結ポットで育苗するには、
(1)肥切れを起こすので、育苗途中から潅水時に市販の液肥を使った方がよい。
(2)コオロギに苗を食べられるから、これが要注意。コオロギには、
イ、家のかど先など、コオロギの少ない所で育苗する。
ロ、夜間は防虫ネットをかぶせる。
ハ、収穫コンテナに渡し板を置いて、少し高い所で育苗する。
二、 デナポンベイトという農薬で防ぐ。


ナバナやロケットのアブラナ科野菜は発芽率が良く、288穴の連結ポットの中で根がよく絡まって、おもしろいように手で引きぬけるが、どうもホウレンソウは根の絡みがそれほどでなく、発芽率もアブラナ科野菜に比べてかなり劣るような気がする。

昨日はホウレンソウを定植したが、今日のロケットのようには、スムーズに引き抜けなかった。発芽率が悪く、2粒蒔きしたのに欠株や1本の苗立ちが多く、それがうまく引き抜けなかった原因かもしれない。ナバナやロケットはほとんど発芽して2本立ちが多く、それで引き抜きやすかったのだろう。 

この点はまた宇野さんに聞いておきます。


宇野さんが言われる通り、定植という方法でも、播種機を使う方法と比べてあまり見劣りはしないのではないかと、今日、ロケットを定植しながら思った。

土の量は、144穴の連結ポット2ケースの土で288穴は3ケース蒔ける。


定植という方法は、収穫と仕分の段階で播種機に追いつき、草の管理がしやすいのがポイントと言われる。播種機の場合は草が問題になるが、定植では草はほとんど問題にならない。

ホウレンソウを定植など、ずっと「アウトサイダー」だと思っていたが、ボクとは桁違いの売上の宇野さんでもそうかと思うと、何か、背中を押されたような気がする。

同じく古希を迎えられた赤磐市のKさんも大変な実績の持ち主であり、秋冬作ではホウレンソウをメインにされているが、播種機は使われておらず、直播きだが、黒マルチに等間隔に穴をあけて、そこに種を落とすという方法をとられている。 

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草焼きバーナーとダイコンサルハムシ

  
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モロヘイヤを鋸で切りながら、ヤギとニワトリに与えている。最後を家畜に食べてもらってこそ、その野菜の起承転結が完結すると考える。だから、家畜の食べるものは全て鳥小屋や放牧場に持ち込む。

エンサイやツルムラサキも11月に入ったら、少しずつ家畜に与え始める。野菜残渣を持ち込むことは田んぼも片付くし、草を刈って与えるより手間もかからない(草より好む)。
 
農業をするなら、20~30羽ほどのニワトリは必須と思う。農業をスタートして1年後、鳥小屋が完成する前から家の軒先でヒヨコを飼い始めた。

ニワトリはヤギと違って手間もほとんどかからない。ヤギの4分の1ほど。

  
   
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劣化したタマネギを半分地中に埋めた。こうしておけば3月にタマネギの茎が食べれる。


今日の出荷

キクイモ11袋×100円=1100円
インゲン7袋×120円=840円
キュウリ5袋×120円=600円
ピーマン4袋×100円=400円
オクラ13袋×110円=1430円
サトイモ6袋×200円=1200円
ツルムラサキ19袋×120円=2280円
合計7850円

土曜日に出荷したキクイモ12袋は全部売れていたが、ニンジンの間引き菜45袋のうち6袋が売れ残っていた。傷んでいたら回収するつもりだったが残した。

コメントを頂いたキュウリは3本(350g)で120円です。今は世間相場が高いのでよく売れる。多分、夏だと500gで100円。

キュウリは一時期にたくさん出るが、それで終わってしまうので、地這いキュウリを20本×4回蒔けば、コンスタントに出荷できる。ワンパックの必須野菜だし、各5本定植するより各20本定植した方が失敗は少ない。135センチ幅の黒マルチを張り、株間80センチほどで植えれば地這いでも探しやすい。

 
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セイタカアワダチソウにはいろんな昆虫が集まっている。ただ、ミツバチの姿は見えなかった。 

移動実験をしていただく予定だった群が「無王群」であることが判明したため、移動は少し延期になりました。弱小だが女王が健在な群と合体を試みておられますが、まだどうなるかわかりません。 
 

草焼きバーナーとダイコンサルハムシ

出荷仲間から、使っていない「草焼きバーナー」がもらえることになった。草を焼くためではなく「第一世代のダイコンサルハムシ」を徹底して防除するため。

当地は山が隣接しているので、秋口にダイコンサルハムシが必ずやってくる。9月上旬にコマツナ類を蒔いて、そのダイコンサルハムシをおびき出し、草焼きバーナーで熱死させる。

「おびき出し作戦」を敢行して、第一世代を徹底してたたかなければ、繁殖を繰り返して手が付けれなくなる。

ずっと以前に赤磐市のKさんから指導を受けていたのだが、「沸騰した湯をかけて殺す」という作業がどうも面倒で、身体が動いてくれなかった。そんな時、出荷仲間が草焼きバーナーの話をしていたので、ダイコンサルハムシに使いたいと思った。

ダイコンサルハムシは黒光りする、ぞろぞろ這ってくる害虫で、触れると死んだふりをしてぽとんと地上に落ちる。飛んで逃げたりはしないので、草焼きバーナーで退治できると思う。 
 

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今日の夕飯(高野豆腐、サワラ、ひじき、シチュー)

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キクイモ出荷はボランティアか

 
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夕方、ナバナ2品種を定植した。三陸つぼみ菜は2月末頃から、のらぼう菜は3月中旬から収穫できるはず。

三陸つぼみ菜(早生品種)・・・169本
のらぼう菜(中生品種)・・・・・・150本  


自分の場合は1月~2月の2ヶ月間は直売所へ出せる野菜がほとんどなく、3月~4月中旬にナバナを出荷すると、4月中旬~6月中旬の2か月間はまた出せる野菜が少ない。

だから、正味8ヶ月間しか稼げない。手取り100万円にしようと思えば、農業経費が60万ほどかかるので、総売上げを160万にする必要がある。それには160万÷8ヶ月=20万。つまり通常月は月間売上が20万にならないと手取り100万にならない。

15%の販売手数料を引かれた直売所の月間売り上げが10万円を超えるには、週に3回出荷とすると1回につき1万円(1万円×85%=8500円)ほどの売上にする必要がある。8500円×週3回=25500円×4週=10万2千円。

10万円を超えても8ヶ月で80万であり、60万の経費を差し引くと、手取りは20万ということになる。 



キクイモ出荷はボランティアか

キクイモを掘り、キクイモを選別し、くずはニワトリに与え、茎葉は2株を抱えて(巨大なので2株しか持てない)、ヤギとニワトリに与えるために100メートル以上歩く。

堀り上げにサトイモの2倍以上の手間がかかり、選別にまたサトイモの2倍の手間がかかり、茎葉を片付けるためにサトイモにはない手数をかける。

自分の場合はキクイモの収穫、出荷、茎葉は家畜の餌になるという一連の工程を楽しんでいるが、採算や効率の観点から考えたら、キクイモ出荷はまさに「ボランティア出荷」と言えるかも知れない。 

だから、あまりたくさん作らないこと。50~100株くらいにとどめ、収獲を楽しみ、芋の状況が良い10月~11月中旬頃までに出荷を終わらせるようにするとよい。

収入をあげている人は利益率のよい野菜にこだわっているのだろうが、自分の場合は得手不得手が大きく、一般に利益率がよいといわれる作り方や作物が苦手である。   


   
 
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昨日、ホウレンソウを6ケース蒔いた。これで合計21ケース蒔いたことになる。目標の32ケースまで後11ケースを10月20日頃までに蒔きたい。

種蒔きが10月25日を過ぎると定植時期が11月末になってしまい、寒さで活着が悪くなる。




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今日の夕飯(トンカツ、キュウリ、オクラ)

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キクイモの初出荷

    
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量目を減らして単価を120円から100円に下げた。去年は、400g→120円だったが、今年は300g→100円にした。

120円だったら手が出ないが、100円だったら一度買ってみようという人もいる。この20円はかなり微妙な数値だと思う。「95円」も考えたが「100円」にした。

袋はボードン9号から8号に変え、閉じ方も電熱シーラーからバックシーラーに変えた。芋類の場合は電熱シーラーで閉めると破れやすい。

もちろん洗わなかった。洗う手間が必要なら出荷したくない。洗うのは去年で懲りた。だから去年のように遅くまで出荷するのではなく、土離れがよい11月中下旬をめどに、出荷の日は毎回出したい。

10月はまだ収量が少ないが、出荷の手間を考えたら早く出荷を始めた方がよい。

毎回出荷していたら、さばける袋数もわかってくる。キクイモを出す生産者は自分だけだから。

単価シールには生産者名は入っていないが、生産者番号が入っているので、消費者はへんなものをつかまされたら、よく覚えていて、次回からその生産者番号の野菜を買ってくれない。

ここのスーパーの直売所は精鋭9名の若い生産者集団であり、ボクが平均年齢を引き上げているが、平均年齢45才くらいと思う。紹介で入らせてもらった。

ワンパック型ではなく、スペシャリスト型の生産者が多く、多種類の野菜を生産している人は4人ほどである。

だから、たとえばオクラを出荷する人は4人いるが、たくさん出荷する人は2人であり、2人で1日に40~50袋は売れていると思う。

実質2人だからといって、単価を談合で決めたりはしない。単価は異なる。単価が同じ野菜でも、量目が異なる。

エンサイやツルムラサキの生産者は2~3人であり、競争率が低いからボクのも売れる。これらの野菜で5人以上の競争相手がいたら、出す量を減らすか、思い切って単価を下げるかしないと、売れないのではないかと思う。

つまり、どこの直売所でもそうだと思うが、その地域の人口やその店の顧客数によって、オクラの売れる袋数は1日いくらで、エンサイはいくらで、ツルムラサキはいくらというふうに大体決まってくると思う。1日おきに出荷していてもそれがだんだんわかってくる。

だからオクラの売れる個数が1日50袋なのに、多くの生産者がいて70~80袋も出せば、毎日20~30袋は売れ残る。

このように、競争相手が少ないことは自分にとっては非常にありがたい。それでも生産者が少ないから生産者番号も顧客が覚えやすく、1袋たりとも「緊張の糸の切れた野菜」を出荷することはないし、単価も「ぎりぎり譲歩できる価格」を付けている。

いい直売所に巡り合えたからといって、安住はしていない。状況は刻々と変化するものだし、このスーパーの直売所もいつどのように形態が変わるかもわからない。

ただ、ワンパック宅配は顧客数が前もってだいたい決まっているので、生産量も増やせないが、今の直売所の場合、アブラナ科野菜などはかなり作付を増やしても十分にはける。
   
     
     
 
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今日出荷したニンジンの間引き菜は、前回よりかなり大きくなっていたので、葉が硬くなっていないか随分迷った。昨晩、味噌和えで食べたときは十分いけると思ったが、今朝、味噌汁に入っていたのを食べたら硬かった。

前回に出荷した時はエンサイを入れる「長物3号」という袋に十分収まったのに、今回は葉が3~4センチほど袋の上に出た。

今日の出荷は、
キクイモ・・・・・・・12袋×100円=1200円
キュウリ・・・・・・・・ 5袋×120円=600円
オクラ・・・・・・・・・・ 6袋×110円=660円
間引き菜・・・・・・・45袋×120円=5400円
合計7860円
  
  
   
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今日の夕飯(サンマ、切り干し大根の煮物、キュウリ)

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キクイモの初掘り

  
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まだ早いかなと思ったが、結構入っていた。10月は出荷できる野菜が少ないので掘ってみた。

茎を持って引き抜くと画像のように芋もついてくる。その後、ヨツメで周辺をさぐって残りを掘り出す。3週間後の10月29日頃にはこの2倍の収量になるはず。


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出荷用とニワトリ行きを分けた。右はニワトリ行き。キクイモはニワトリの大好物で、根のようなものまで食べてしまう。

キクイモの最大の長所は土離れがよく、出荷時に洗わなくてもすむこと。ただしその状態は11月中旬頃までなので、できればその頃までに出荷を終わらせたい。

ジャガイモも収穫適期の1週間ほどはぴっかぴかで、皮がごく薄く、手でむけるが、キクイモも10月~11月中旬の頃はぴっかぴかである。 

キクイモは皮をむく必要がなく、そのままか乱切りして味噌汁、煮物、おでん等に使うと癖になるおいしさである。
 
収穫後、日数が経過して料理に使う時も皮はむかない。というか、こぶんこぶんしているので皮はむきづらい。むかなくても食べた時に口の中で皮離れが非常によい。
 
キクイモを初めて食べた人は必ずまた購入してくれる。


キクイモの育て方のおさらい

(1)春の出芽が早いので、3月中旬頃には植え付けるが、植え付けは親指の先ほどの芋1個で十分であり、それでも5~6の芽がついていてよく発芽する。

(2)乾燥に滅法つよいので、夏に潅水の必要は全くなし。逆に過湿に弱いのでよく乾く場所に植える。

(3)意外と病気発生が多いので、2ヶ所以上に分けて植えた方がよい。1列とか2列など列で病気が発生する。去年も今年もだった。病気が発生すると芋は全く入らない。

(4)背丈が50センチほどになったら、地上から30センチほどに切り戻す(中心の茎を切る)と側枝が伸びて、あまり高くならない。これをしなかったら、7月にはもう2メートルを超える高さになる。

(5)7月の台風で全て横倒しになり、他の作物のじゃまになるので、半分から上を切リ捨てたが、その状態からまた側枝が伸びて、現在、黄色の花が満開である。起こすこともできなかったので横倒しの状態のままだったが、それでも画像のような収量があった。

(6)とにかく、茎を持って引き抜けば芋がついてくる11月中旬頃までに出荷してしまった方がよく、寒さが増すにつれて芋の劣化も多くなり、収穫も手間がかかるようになるし、土離れが悪くなり、見た目も悪くなり、洗わざるをえないようになる。

(7)芋はどんな小さな芋も拾った方がよく、そうしなければ翌年雑草化するほど、発芽力が強い。だから、ニワトリがいないとキクイモのくずの捨て場に困る。

(8)ヤーコンよりキクイモの方が収量が多いし、出荷もしやすく、料理のレパートリーが広い。

(9)決して市場流通はしない芋である。こぶんこぶんして見栄えがとても悪いから。キクイモはワンパック宅配と地域の直売所でしか出回らない。

(10)ボードン9号袋に入れて単価120円で出荷する。目方はまだ決めていない。
   


     
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今日出荷は、
サトイモ     11袋×200円=2200円
ジャガイモ    12袋×90円=1080円
エンサイ      7袋×100円=700円
ツルムラサキ   7袋×120円=840円
スイートバジル  9袋×100円=900円
オクラ       12袋×110円=1320円
キュウリ      4袋×120円=480円
合計7520円 


3時過ぎからニンジンの最終間引きをした。2度の浸水で成長が止まったようになっていたが、水曜日の雨で施していた液肥の効果が出たのか、急に大きくなったので、例年より2週間遅れの最終間引きをした。

ニンジンの間引き菜は出荷しようという強い意志を持って間引きをしなかったら、出荷はできない。22年目にして初めて間引き菜が出荷できた。

間引き菜でも合計で1万円ほどになるのだから、安易に扱うことなかれ。明日は35単位×120円=4200円ほどの荷ができると思う。
 
前回の出荷時よりかなり大きな間引き菜であり、葉が硬くなっていないか味噌和えの料理で確認したら食べれたので出荷することにした。

ポイントは、鮮度を保つために朝か夕方に間引くこと。後は拾い集める手間だけ。出荷していなかった(出荷を思いつかなかった)時は全てニワトリに与えていた。

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直売所 vs ワンパック宅配

  
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これから定植したり、蒔いたものはいい感じで育っているが、ハクサイ、キャベツ、ダイコン、カブのアブラナ科四天王がうまくいかなったことが、身体にこたえる。

この4種類を「形にする」ことの難しさをここ数年、身にしみて感じている。

ハクサイ、キャベツ、ダイコンのうち、どれか一つでも失敗すると11月以降のワンパックが組みづらい。

その点、直売所なら1種類でも出荷しようと思えば出荷できる。

今の直売所では1万円の荷で90%は売れるので、15%の販売手数料を差し引いてもワンパック3個分より手取り収入は少し多い。

ワンパック宅配では、必須野菜のニンジンやサトイモを失敗しても送りづらくなるので、こうなると直売所出荷の方がメリットが多いように思えるが、そうでもない。

自分の家から比較的近く、しかも、自分が譲歩できるぎりぎりの価格で9割以上売れる直売所に巡り合えるのは容易ではない。

同じ価格で売っても、今の直売所以外の4つの直売所では5~7割ほどしか売れなかった。3割も売れ残ると、とても出荷する気がなくなる。

そして、出荷しようと思う直売所に優秀な生産者が多ければ、入り込める余地は少ない。

つまり、今の当人の実力で、売れる直売所に巡り合えることは、極めて難しいと思える。 

  

  
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サトイモの親芋は食べるが、子芋のくずを食べてくれるかどうかは明日になってみないとわからない。モロヘイヤも少しずつ片づけながら鳥小屋に持ち込んでいる。

穂ジソはニワトリもヤギも食べるが、ミョウガの葉をヤギが好んで食べた。



出荷の帰りにコメリに寄り、ニワトリの餌20キロ(1350円)と、ボードン8号(158円)、ボードン11号(198円)を購入した。

10日前の9月27日に購入した時は、ボードン8号が198円で、ボードン11号が278円だったので、その時より、8号が40円、11号が80円安くなっている。

このように、コメリのボードン袋は価格の乱高下が激しいので、コメリに立ち寄った時は価格をよくチェックして、安い時にまとめ買いをする。
 
なお、サトイモ用に他の店でちょっと品質のよい野菜袋を購入したら、11号が300円で、9号でも260円だった。こんなに高いとサトイモ以外には使えない。

袋代はばかにならない金額である。1回の出荷で100袋を出荷すると、1袋の袋代が平均2円とすると200円。それを週に3回出荷すると600円で、月間では2400円で、8ヶ月間出荷したとしても袋代だけで年間2万円ほどかかる。



ニワトリの餌も、卵を売っているわけではないので、かなり高くつく。1ヶ月に1袋半与えると年間で24000円ほどかかる。

卵を2週間に1回200円で購入すると、年間では4800円しかかからない。

ニワトリは1羽につき餌が1日100gと言われているから、19羽だと1日に約2キロの餌を食べることになり、20キロ袋が10日間で終わってしまうことになり、月に3袋も必要となる。年間では、今の価格だと1350円×3袋×12か月=48600円という驚異的な餌代となってしまう。

ボクの場合は、米ヌカやくず野菜を多投するので、餌代はその半分しかかかっていないが、半分でも24000円ほどかかるのだから、考えようによってはニワトリなど飼わない方がはるかにお得。
 
義父が今年から稲作を止め、コゴメがもらえなくなったので、30羽は無理で、20羽までしか飼えない。



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今日の夕飯(焼き飯、サトイモ、オクラ)

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「電熱シーラー」と「バックシーラー」

 
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土手のセイタカアワダチソウが咲き始めた。悪名高い、はびこる雑草だが、ミツバチにとっては大切な蜜源である。


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土手の端のこの場所に移動実験の巣箱を置く予定である。9月15日に蜂浪人になってから1ヶ月のブランクも経ないうちに、またミツバチを迎えることができる。 
 

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雨上がりの午後4時半。しきりに督促するので、30分だけヤギを外に出した。

ヤギの世話、ニワトリの世話、電柵を閉める世話があるので、夕方には必ず田んぼに行く必要がある。この3つは、出荷という第一線を退いても、人生の終末点まで続く。

1つの拘束も3つの拘束も、気持ちの上では、それほど差はない。





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左が電熱シーラーで、右がバックシーラー。どちらも袋を閉じる機器であるが、ジャガイモを電熱シーラーで閉じたら、閉じた箇所が3袋も破れたので、バックシーラーでやり直した。

出荷仲間に、サトイモやキクイモは電熱シーラーで閉じると破れやすいのでバックシーラーを使うようにと教えられていたが、ジャガイモも同じだった。

電熱シーラーで閉じると袋の中でジャガイモが動くが、バックシーラーで閉じると中でジャガイモが動きにくい。

サトイモに親芋を入れると重くなるので、コメリのボードン袋では破れやすいから、もう少し高い(よい)袋を使うようにとも言われていた。

500グラムまでならボードン袋でいいが、それ以上になると破れやすいようだ。そして、タマネギ、ジャガイモ、サトイモ、キクイモ、キュウリ等は葉物に比べて重くなるので、電熱シーラーで閉じると、閉じた下部ならいいが、閉じた上部を持たれるとどうしても破れやすくなる。

バックシーラーで閉じると、開ける時にハサミが必要になるが、電熱シーラーで閉じると手で開けれるし、袋も有効活用できると聞いたこともあるが、作物によりけりのようだ。

なお、袋いっぱい入れると電熱シーラーでは閉じれても、バックシーラーでは閉じにくくなり、もう一回り大きな(長い)袋を使う必要が出てくる。
 
    
    
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キャベツはまだこれくらいの大きさ。収獲できる大きさにいつなるだろうか。
 

    
  
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今日の夕飯(シズ、サトイモの煮物、オクラ)

子芋を食べる品種であり、親芋を食べる品種ではないが、子芋が小さいので親芋も入れて出荷している。だから味をチェックする意味でしばしば食べている。10月いっぱいなら親芋でも食べれると思う。

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播種機とハウス

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間引き菜を出荷した後、ニンジンが全然大きくならず、最終間引きができない。明日は雨の予報なので、先日施した液肥が効いてくれるとよいが。

やはり、首までつかった2回の浸水の影響が大きい。 



播種機を使うには「畝立て」をきちんとする必要がある。つまり、播種機は誰でも使えるが、畝立てが難しいので結局、播種機は誰でも使えない。

ハウスを持つなら「何を作り」、「どこへ出荷するか」を決めて立てる必要がある。つまり、応援してもらったり、頼んだりしてハウスは誰でも立てれるが、「何を作り」、「どこへ出荷するか」という問題があるので、結局ハウスは誰でもは持てない。

ハウスがあるといいのは、春夏作ではトマト、秋冬作ではシュンギクであるが、売り先を探すのが難しいと思う。



ワンパックの他に直売所にも出荷するようになったからといって、作付面積自体はあまり変わらない。オクラ、エンサイ、ツルムラサキは多少増えたが、他はほとんど変わらず、逆に、タマネギ、ジャガイモは従来の半分ほどに減らしたいと思っている。

「収獲出荷に要する時間」は限られているし、直売所の「売れる量」も限られているし、それに連動する作付面積だから、あまり増えていない。


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ナバナの黒マルチをした。通路を広くとっておかないと収穫時に通れなくなる。  
 

10月は出荷できる野菜が少ない。昨日の出荷は、キュウリ4袋、ピーマン8袋、ミョウガ3袋、オクラ8袋、ツルムラサキ7袋、スイートバジル12袋、サトイモ5袋で合計5530円の荷だった。 

荷が減っても、出荷にかかる時間はほとんど変わらない。
 
10月の端境期に出荷する予定だったツルナシインゲンは欠株が多く、レタスは浸水の影響で成育が遅れている。品揃えも必要なので協力しあってできるだけ多く出荷したいが、キクイモは10月25日頃にならないと出荷できず、サトイモを出すしかない。



出荷のない日は何かほっとする。ほっとする分、起きるのが1時間遅くなり、田んぼに出るのも1時間遅くなってしまう。出荷の日は緊張しているせいか6時過ぎには目が覚め、6時50分頃には田んぼに着いているので、早起きできて1時間得をしたと捉えるべきか。

出荷は午前中の半日かかるので、出荷がなければ多くの農作業がはかどる。



ハウスも7棟ほど持ち、秋冬作の作付面積はボクの6~7倍(出荷もそれに比例した時間がかかる)もあるのに、夕方毎日、犬の散歩を20分ほどしているという出荷仲間がいる。一体、どんな身体の動かし方をしているのだろう。


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今年はコオロギの被害が特に目立つ。ハクサイもすでに3割ほどやられている。コオロギはダイコンサルハムシの農薬とは異なるので、使いだすときりがなくなる。

蒔き直したカブは発芽は良く揃っていたのに、今日見たらかなり消えていた。ダイコンサルハムシとコオロギの両方が原因と思う。

カブはまだしも、ダイコン、ハクサイ、キャベツの3種類はワンパックの必須アイテムなので、どれか一つでも欠けるとワンパックを送るのは厳しい。現段階では3種類とも微妙であり、収獲ができるとしても12月中旬からになるだろう。 

 
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今日の夕飯(焼き肉、ツルムラサキのおひたし、キュウリの塩もみ)

  
  
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10月20日頃と11月10日頃の2回仕込んだら、今季の液肥の仕込みは終了。気温が下がると熟成が進まないので1日1回攪拌している。
 
今日、春キャベツ2袋(4月どりの極早生と5月どりの早生)とネギの種を蒔いた。なお、先日蒔いたアイスプラントは発芽に失敗した。

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農業はブログにしやすい職業の断トツ


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台所へ入るなり、「今日、液肥を担いだん」と言う。米ヌカとナタネカスしか使っていないのに、なんでこんなに臭うのだろう。下肥のような臭い。手についた臭いもなかなかとれない。

だから外出がわかっている当日は液肥を使わない。 

ただ、自分はこの臭いがそれほど嫌いではない。

液肥は半分使ったら、米ヌカ1袋半、ナタネカス半袋ほどを補充して井戸水を9分目ほど入れ攪拌する。


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液肥を6荷担いだ後、冬に作った消し炭をふり、その後、米ヌカをふった。明日、三角鍬で蒲鉾型の畝上げをして黒マルチをすれば、ナバナの定植ができる。三陸つぼみ菜を150本、のらぼう菜を150本定植する。


昼寝から目覚めて2時半に田んぼに着くと、6時までの3時間半しか午後の農作業ができない。毎日、ライトを照らして帰宅する。

昼寝から目覚めた時に、農作業やブログ(更新記事)のいいアイデアが浮かぶことが多いので、忘れないうちにメモをする。メモをしなかったら、ものの30秒ほどで忘却してしまう。

そんなメモ書きの寄せ集めがその日のブログになっている。農作業中でも頭に何か浮かんだらすぐに軽四に走り、ボールペンでメモ書きする。
 
農業はブログにしやすい職業の断トツだと思う。

寝ても覚めても立居につけても、ブログの更新記事を考えているので、記事になりそうだと思ったらすぐにメモ書きする。

なんでそんなにブログのことを・・・?

「そこに山(ブログ)があるから」としか言いようがない。何かに狂いたい自分がいる。

突然の事故や死に至る病、経済問題、それまでの生き方や、運、不運もあって、進みたくても次のステージに進めない場合もある。だからこそ現在を大切にしたい。

悶々とする日々であっても、単調な日々の繰り返しであっても、どうしようもなく身動きが取れない日々であっても、明日が見えない日々であっても、今日のこの日に感じたことや思ったことや考えたことをブログに残す。それが自分の足跡であり、生きたあかし。


最初は野菜の顧客にミニコミを出す必要にせまられて

その後、手書きがワープロに代わって一時、書くことが急に楽しくなり

ワープロがウインドウズMEに代わって書くことがまた新鮮になり

ウインドウズMEがウインドウズXPに代わった時、驚くほどキーボードが打ち易くなり

ブログを始めて1週間後に、それまでのパソコンの使い方が「下書き清書入力」から「いきなりキーボード入力」という革命的変化になった。 


このように、作文を書くうえでも、折々の使用機器の変化が、次の段階へ進む後押しの役目をしてくれた。

井戸もそうである。9年目にできた井戸はメタン菌液肥の導入を生み出した。

ヤギは、「援農」や「直売所出荷」や「ミツバチ」に関係する『人との出会い』を劇的なほどまとめてセットしてくれた。 

20年ほど、井の中の蛙のような農業をしてきた。だから直売所出荷は新鮮だった。今の直売所では、出荷仲間が出してくる野菜を通して、いろいろ学ばせてもらっている。 


      
      
      
  


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「蜂浪人」のおかげ


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288穴の連結ポットに、ホウレンソウ4ケースとサラダミズナ4ケースを蒔いた。

サラダミズナは害虫の多いアブラナ科野菜だが、今日はもう10月2日であるし、定植は11月中旬頃になるだろうから、その頃にはダイコンサルハムシの勢いもかなり衰えている。

覆土はジブ(フルイ)を利用した。288穴もあるので手作業は無理だし、ジブを利用したらすぐに終わる。種が隠れる程度に覆土して、その上からクン炭(焼きすくも)をふっておけば、覆土が足らなくてもクン炭で隠れる。

今日蒔いたホウレンソウは、ぎりぎり年内収穫ができると思う。
   



あと1週間ほどで土手のセイタカアワダチソウが咲き始める。日本ミツバチにとって セイタカアワダチソウは重要な蜜源であり、この花の蜜だけで越冬できる量を蓄えれるらしい。

お借りする日本ミツバチは10月中旬頃にやってくる。移動できないと言われる日本ミツバチがもし居ついてくれたら画期的である。 

キャリアは同じ2年(ふた春経験)であるが、今までの観察記録を本にしたいと言われるAさんが「移動実験」の場にしてくださる。これは心ならずも「蜂浪人」のおかげ。
 

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昨日は全ての作業に優先して電柵周辺の草刈り(漏電防止)をした。近くの田んぼの何軒かがすでに被害にあい、今、当地周辺にイノシシが出没を繰り返しているから。


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何の匂いだろうと思ったらキンモクセイの香りだった。


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彼岸花は10月中旬頃には、気がつかないうちに路傍の雑草の谷間に沈んでいく。この畦岸を歩く人は、時代の経過とともに変わっていくが、彼岸花は変わることなく秋の入り口で顔をのぞけてくる。この次は誰がこの彼岸花に癒されるのだろうか。その人の顔は知らない。

          
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1ヶ月間ほど毎日10個は収穫できて、喉を潤してくれるイチジク。今年はまだカラスがイチジクに気づいていないのが不思議である。

食べているところをカラスに見られるとやられるので、カラスがいないかどうかよく見回してから食べに行く。



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先日蒔き直したカブが発芽した。
ダイコンとカブの農薬散布は発芽してからでは手遅れで、播種と同時にしなければ意味がないと言われたが、まさにその通りだった。


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今日の夕飯(マーボ豆腐、オクラ、キュウリの酢の物)の一部。他に市販の惣菜少々。

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ヤギの発情期

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放牧場の中の草は伸び放題。年に3回は草刈機で刈っている。もうそろそろ刈らなければ。

草を食べてもらうための放牧場なのに、放牧場の草は食べないという矛盾。

家畜には簡単に伝染するのに、すぐ近くにいるイノシシやシカには全く伝染しない口蹄疫の矛盾。

ニワトリには簡単に伝染するのに、野鳥への伝染は少なく、大量死の現場もほとんどないという矛盾。

これらの理由を報道しない行政やマスコミの体質。それどころか逆に「ヤギの草刈り効果」など、誤った事実を報道し続けている。
 


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ユズの木のカマキリ。今日は不思議なほど多くのカマキリに出くわした。子孫を残すための交尾の時期が今なのだろうか。

カマキリは飛べるのに、草刈機が近づいてものけてくれないので、目につくと手で追い払いながら、草刈機を使った。

カマキリは田んぼの大切な益虫なので、むざむざ草刈機の刃にひっかけるわけにはいかない。カマキリ1匹で害虫を1日に数百匹以上食べてくれる。

  
 

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失敗を繰り返してオクラは3回蒔き直したが、くじけずに蒔き直しておいて本当によかった。今日もこれだけ収穫できた。

ワンパックだけの時は今の半分より少ない90株ほどだったが、1日おきに収穫し、土曜、日曜の2日間あけて収穫することもあり、「バットキュウリ」ならぬ「巨大オクラ」を平気で出荷していたこともあった。

オクラの専業農家は、キュウリの専業農家と同じく、朝夕の2回収穫をする。1日1回では大きくなりすぎるらしい。

以前は90株で現在は200株という、定植数が少し増えただけで、学べることも大きく違った。
(1)種の品種の問題
(2)種まきの時期や方法(定植か直播きか)
(3)盛夏における水の要求量
(4)収獲間隔の問題
(5)台風防御の問題
(6)オクラの成育期における窒素、リン酸、カリの構成比
(7)出荷日でない日に収穫するオクラの保存の問題

定植数が200株を越えたら、また新たなことが学べて、新たな問題も発生するだろうが、あいにく自分は200株が限度である。

200株を越えたら新たな出荷先も必要になる。

野菜は定植数の違いによって、何もかも大きく違ってくる。ボクの場合は、ある一定数を超えると途端に壁に突き当たってしまう。だから少量多種類という作り方しかできない。


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デジカメの画像がなぜか回転してしまう。マクロ(花のマーク)と照明の加減だと思うが直し方がわからない。

今日の夕飯はサンマとタマネギとピーマンの煮物。サンマの上に散らしているのは穂ジソ、明日は出荷できる野菜が少ないので、穂ジソを15袋(単価60円)ほど出荷する予定。

穂ジソはヤギに食べてもらおうと放牧場に持ち込んでいたものを家人が少し持ち帰っていた。

今日は休日なのでヤギを見に来たが、亡くなった1頭の子ヤギを思うと涙が出ると言う。今まで書かなかったが、子ヤギは8月20日に亡くなった。広い放牧場もあり、こんなにいい環境の場所に貰われていく子ヤギは幸せだと思っていたので、死んだことはショックだった。

うちで飼っていたら4頭で元気に暮らしていただろうと言うので、世話は2頭が限界だったのだから仕方がないと返答した。

まもなくヤギの発情期を迎える。しかしもう種付けをすることはない。1頭の子ヤギの除角作業と、もらわれていった子ヤギの死は、新たな命の誕生を迎えてはいけないということを身をもって教えてくれた。

ヤギの草刈り効果はゼロ。当初の目的だった乳も飲めなかった。

ヤギを飼う目的意識はすでに何もなくなった。

ただ、飼った以上、12~14年という天授を全うしてもらいたい。

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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