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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

直売所対ワンパック

 
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直売所に1万円分出荷(平均単価100円×100袋)して、全部売れたとしても、自分の取り分は1万円×85%(売上手数料が15%)=8500円。全部売れることはないのでせいぜい7500円が自分の取り分である。
 
7500円はワンパックの3箱分に相当する。ワンパックは中味2400円+送料800円=3200円平均で送っているので、2400円×3箱=7200円

同じ7200~7500円ほどの収入を得るには、ワンパックの方がかなり楽である。
(1)ワンパックでは袋代はかからない。直売所なら100袋×平均2円=200円の袋代がそのつどかかる。 
(2)往復時間もワンパックの方が半分以下である。他に直売所では野菜を並べたり同業者と話したりすることも多いので、トータルでワンパックの3倍ほどの時間がかかっている。
(3)ワンパックには「納品書の記入」、「送り状の記入」、「箱詰め」と3つの作業があるが、直売所では「電熱シーラーで袋を閉じる(一部)」、「単価シールを張る」という2つの作業があり、昨日の出荷の場合、2つの作業に40分もかかっている。その日の出荷量にもよるが30分では終わらない。この30~40分は3つのワンパックの箱詰め作業時間に該当する。
(4)ワンパックでは自分の価格設定ができるが、直売所では他の生産者の価格を参考にせざるをえない。
(5)直売所では無農薬、低農薬のメリットはない。野菜の外観が問われる。 

いかなる場合でも、他に依存しない自分の販路「直接販売(顔の見える関係)」を持つ営業努力を欠かしてはならないと思う。


新潟県や福島県の人には申し訳ないが、今日2時~3時頃にかけて降った強い夕立はまことにありがたい雨だった。まるで生き返ったように見える畑作物。 

ただ、今日の午後に夕立があるとは思いもせず、朝1時間余り、エンジンポンプを稼働してシャワー散水をした。畝幅135センチで、向こう岸まで36メートルほどの畝が8列あるだけなので、散水もそんなに時間がかかるわけではない。雨が降らなければ今後は、毎夕1時間ほどの散水が必要になる。

今年から田んぼのそばの水路から水が引けるようになったが、水を引くには水路掃除をして、他の方向に流れている水路をせき止めて、こちら側(山ぎわ)に流れるようにし、水が順調に田んぼに入っているかどうか、しばしば確認する必要があり、これではかえってエンジンポンプによる散水の方が簡単で早い。

作付が一定量を越えれば、水路から水を引き込む方が簡単だが、作付量がさほど多くなければ、エンジンポンプによる散水の方が早い。 
 

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画像はピーマンである。ピーマンは25本しか植えていないというと、笑いながら「御隠居農業」と言った同業者は、ボクの20倍の500本ほど定植しているらしい。これが普通だと言う。その同業者の出してくるピーマンは肉厚で大きく、スーパーに並んでいるのと同じようなピーマンである。いろんな販路があるのか500本あっても「はける」のがすごい。その内60本ほどはパプリカ(カラーピーマン)である。

25本しか定植していなくても、1日おきに15~20袋分は収穫できる。逆に自分の場合は、これ以上定植すると出荷先がない。
 

  
 
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自分の場合は同業者が敬遠するような野菜でも作っていかないと、他の作物では到底たちうちできない。オクラはそのうちの一つと思っている。

オクラが敬遠されるのは、毎日収穫する必要があることと、他の野菜に比べて収穫量が少なく、時間もかかるからだと思う。

去年までオクラの「採算性」にあまり気づかなかったが、同面積の他作物と並べて植えて初めて、このことに気づいた。向こう岸まで同じ2列でもツルムラサキは1日おきに30袋が軽く、オクラは毎日収穫して2日間で30袋に満たず、1袋の単価もツルムラサキより安い。収獲に要する時間も2日間の合計でツルムラサキの3倍ほど。

それでもオクラは止めるわけにはいかない。さほど過当競争にならない作物と思うから。ただし、今作っているくらいが限度である。増やせば増やすほど採算性の悪さが拡大する。


昨日、秋ナスに向けて更新したナスビだが、更新して完了ではなく、更新して「水やり」をして完了である。更新しただけで水やりをしなかったら、新たな根動きはなく、そこで成長が止まったままである。朝、散水したのはそれも大きな理由だった。
 
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オクラ対ツルムラサキ

  
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天日乾燥が終わって、状態がよくないのをはねたら25個ほどあったので、いい状態の繭は結局250個ほどになった。

黄色6個、白10個の合わせて16個ずつあげたとしても、15人に配れる。ワンパックに入れたりして、これくらいならさばけるだろう。
 
蚕を飼うスペース、餌やりの手間、天日乾燥の手間、さばく手間等を考慮したら、やっぱり300~350頭が限界だと思った。そして年に2回飼うのは無理で、末永く楽しもうと思ったら年1回だけ飼うのが適切だと思った。

そして孵化予定日は今年より2週間遅らせて6月20日頃がいいと思った。天日乾燥をうまくするには7月15日頃に繭になるのがよい。繭を干すのは7月25日頃から。



エンサイとツルムラサキ

都市在住で非農家なら、エンサイとツルムラサキという夏の葉野菜は、あまり目にしたことがないかもしれません。農業をスタートした年に初めて作ったこれらの野菜は、成長のすごさと、収穫期間の長さと、害虫が来ないことと、加えて「おいしい」ことに、かなり衝撃を受けた。それまで、こんな野菜は見たことも食べたこともなかったから。

そして22年後の今でも、集落の家庭菜園でほとんど作られていないことが不思議でならない。

なぜこの2種類がメジャーに昇格しないだろうか。キュウリ、ナスビ、ピーマン、トマト、ナンキン等の果菜類が豊富にあるから、夏に葉野菜など不必要なのだろうか。それは明らかに「食べず嫌い」で、何回か食べれば「やみつき」になると思う。

エンサイかツルムラサキのどちらかを、我が家では夏の間、毎日のように食べている。「夏場のホウレンソウ」と言われ、栄養価も高い。

この2種類がなぜ害虫の被害を受けないのかも不思議である。盛夏でも農薬とは無縁であり、そして「初霜の頃まで」収穫が続くという、まさに驚異的な葉野菜である。

スーパーではあまり目にしなくても 、直売所ではすでにメジャーである。1日に少なくとも15~20袋は売れている。作りやすいので生産者の間ではすでに過当競争気味になっている。 


直売所は週に3回出荷しているが、1回の出荷目標は、
スイートバジル5袋
モロヘイヤ10袋
ピーマン15袋
エンサイ15袋
青シソ15袋
ツルムラサキ30袋
オクラ30袋(これだけは毎日収穫するので2日分)
合計で120袋

ツルムラサキとオクラでは、ツルムラサキの方が2倍以上も 利益率が高い。理由は、 
(1)作付面積は同じ
(2)収穫時間はオクラは20分×2日間=40分。ツルムラサキは1回で20分
(3)オクラ110円×30袋=3300円。ツルムラサキ120円×30袋=3600円
(4)オクラの収穫期間は10月中旬頃まで。ツルムラサキの収穫期間は11月上旬頃まで。
全部売れると仮定するならツルムラサキの方が2倍以上利益率が高い。つまりツルムラサキは30袋を20分内で収穫できるが、オクラは2日間で40分かかるから。加えてツルムラサキの方がオクラより半月以上収穫期間が長く、収穫の「ムラ」もなく、ツルムラサキは収穫期間を通してほぼ一定しているが、オクラは成育初期、成育最盛期、成育後期で収穫量のムラが大きい。仕分スピードはオクラもツルムラサキもあまり変わらない。

ただ、オクラは完売できるが、ツルムラサキは1~2割ほど売れ残ることもあり、生産者が、より簡単なツルムラサキに流れれば、値下げの要因になるし、出荷量が多くなって売れ残りも多くなる。


ピーマンとオクラに関しては利益率が同じくらいであるが、作付面積がピーマンはオクラの4分の1で足りる。そしてピーマンはオクラより1ヶ月も収穫期間が長い。加えてピーマンにはほとんど虫害はないが、オクラには時々発生する。



ナスビの更新

夕方、秋ナスに向けてナスビを更新した。太い茎は4分の1ほど切り戻し、側枝と葉はほとんど落とした。このための時間が18本で40分ほどかかった。

ナスビを無農薬で貫くなら、強剪定をして7月末~9月上旬頃までの40日間ほど休ませる必要があり、剪定の時間も要するので、ピーマンに比べて効率が悪く、定植本数は20本くらいまでにしている。

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1月~6月は直売所に出荷できる野菜がごく少ない

 
 
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からっと晴れない曇天が続き、「繭」も「梅干し」も天日乾燥のタイミングがなかなかとれなかったが、繭は今日で4回目なので乾燥はできたと思う。梅干しは3日3晩の天日干しというので、後2日間干す。

玄関先で天日乾燥していたが、ここは近所の猫の周回コースにあたるため、梅干しだけ屋根に移した。


ナンキン跡地を耕運していたら、おびただしい量のコオロギが蜂の巣をつついたような騒ぎで草むらから飛び出してきた。カエルやカマキリやツバメがコオロギを餌にしてくれているのだろう。

田んぼの上では、夏を山で過ごす「アキアカネ」というトンボが多数乱舞していた。毎年7月下旬のこの時期に田んぼで大群を目にするが、夏を、涼しい山の中で過ごすために移動する途中なのだろう。

アブがしつこく付きまとうのも耕している時に多い。

いつも外に出してくれる時間帯なのに、今日はまだ出してくれないと、柵に足をのせて、耕運しているこちらにずっと視線を送っている。銀ちゃん(オスヤギ)はいつも射るような視線で、人を思いのままに操る。 


直売所に出せる野菜は6月下旬~12月末頃の約半年間しかない。無理をすれば1月~6月中旬も出せないことはないが、それはとても採算が合わないので、出す気がしない。

何回シミュレーションしても、1月~6月中旬に直売所へ出せそうな野菜がない。2月末~4月中旬頃のナバナとか、5月上旬の早生タマネギやレタス類等、1~2種類あるだけで、他の野菜はどこか不得手な部分があり、たくさん作る気がしない。

半年間しか出せないなど、あまり直売所に向いている生産者とは思えない。

ワンパックなら3月、4月の2か月間は送れないが、他の月は出荷できる。
5月なら、早生タマネギ、エンドウ、グリンピース、スナップエンドウ、レタス類、春キャベツ、ルバーブ(ジャムにする)で何とか7種類になるし、エンドウとスナップエンドウを×3倍ほど入れ、早生タマネギを葉付きで×2倍ほど入れ、ハーブティ用ハーブを多めにサービス品として入れるなどしてワンパックの体裁を整える。

6月上旬は5月と同様のワンパックとし、中旬にはジャガイモが掘れるので新ジャガイモとタマネギが中心のワンパックを組む。

1月、2月は、ハクサイ、キャベツ、ダイコン、カブ、ニンジン、サトイモ、ネギ、シュンギク、ホウレンソウ、秋ジャガイモ、ブロッコリー、キクイモという11月、12月のワンパックの延長線上にあるが、この中で、直売所へも出荷できそうなのは、ダイコン、ニンジン、サトイモ、キクイモの4種類だけであり、出せる量も少ない。ハクサイ、キャベツ、カブは虫害が多く、ネギは病気が多く、秋ジャガイモは天候の関係で作りづらい。
 
ワンパックが少なくなったから直売所を紹介してもらったが、直売所向きの生産者ではない。 

直売所の精鋭は、冬中、シュンギク、ホウレンソウ、コマツナの「稼げる3種類」をコンスタントに出荷し続けることができる人である。

ハウスはないので霜に弱いシュンギクは年明け後は出荷しづらく、ホウレンソウはワンパックに必要な量以外は作らず、コマツナの必要性は感じなかったので農業をスタートしてからほとんど作ったことがない。 

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木の名前は「リョウブ」だった

 
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先日の木の名前は「リョウブ」というコメントをまことにありがとうございました。

田んぼ周辺の山にはこの木が全くないので、名前がわからなかった。

一昨年の秋から備前市のスーパーの産直に出荷を始めたので、去年の今頃も往復の道中でこの木を見ていたはずなのに、去年は直売所出荷に慣れることに必死で、周囲の山の風景があまり記憶に残っていない。

木の名前がわかったので、「リョウブとミツバチ」で検索したら、この時期の重要な蜜源らしい。ただ少し標高の高い谷筋に多く成育しているので、木のほこらなどに住む野生のミツバチの蜜源になっているのだろう。

一見すると、5月末~6月上旬に咲く栗の花によく似ていたので、野生の栗の木が今頃咲いているのだろうかと思った。

それにしても、当地周辺(ミツバチの行動範囲である直線で2キロ内)に「リョウブ」の木が見られないのは惜しい。それともミツバチは咲いている場所を知っているのだろうか。

そのミツバチの巣箱を夕方になって内検したら、12日前に台座を交換したばかりなのに、早くも巣虫の幼虫が何匹も見えた。

もう一つの巣箱も内検しようと思ったが、こちらは強群で、あいかわらず巣門の出入口周辺にたくさんたむろしていて、今日は開ける勇気がわいてこなかった。しかし2週間に1度は内検をしておく必要があるので、日曜日までには何とか内検したい。



農業をしていたら、おかずらしいおかずがなくても、夕飯のおかずがそろう。今日は家人の帰りが遅いので一人早めにすませた。
☆朝の味噌汁の残り
☆ゆで卵
☆オクラを湯がして小口切りし、削り節と醤油で混ぜる
☆半分に切って蒸したピーマンに、ゆずぽんずをかける
☆冷えたトーフに青シソを刻んでのせ、醤油をかける
これだけで5品になる。ほとんど手を加えていない。

朝は寝すぎたら食べずに田んぼに行くが、早く起きれば、トマトを切ってソースをかけ、ご飯と納豆くらい。

昔は大家族だったので、母は夕飯の用意が大変だったろうと思う。世代で好みが違うし6~7人の夕飯の用意は本当に大変である。 


韓国カボチャは柔らかいので、硬い品種のナンキンよりニワトリがよく食べるし、ヤギも韓国カボチャを好む。未熟果の状態から完熟まで随時どりができるのもいいし、未熟果は6月中旬頃から収穫できるので、通常のナンキンより2週間ほど早くから収穫でき、他のナンキン品種より病気発生が遅かった。完熟果は長期間保存ができると思う。とにかく「多収」だから家畜の飼料としてもはずせない。

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継続性が途切れると、勘を取り戻すのが大変

            
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近くに目立つ花があっても、ミツバチの好みの花は、下の目立たない花。この花木は「ムラサキシキブ」といって10~11月に紫色の実を楽しむ低木だが、今この花が咲いていて、クマバチというミツバチが早朝6時過ぎから集団でやってきて、花にたかっている。1時間が過ぎてもまだ十数匹いた。

このミツバチは大型で目立つが、とても温和で、人間が近づいても悪さをしないことを知っているのかあまり逃げない。ただ日本ミツバチがこの花に来ているのを見たことがない。同じミツバチでもクマバチと日本ミツバチでは好みが違うのだろう。4月末頃に満開になる藤の花をクマバチは特に好む。


1週間ほど前にスーパーで買った梅漬け用の「赤シソ」を冷蔵庫に入れっぱなしで、もう使わなければ腐ってしまうと思い、冷蔵庫から取り出して洗い始めたが、どうも気乗りがせず、使わずに捨てた。

今年は赤シソを入れずに、塩漬けした梅だけを土用干しした「関東漬け」にしようと思う。

自家製の梅漬けを食べようと思えば、幾つかのハードルを越える必要がある。安易ではない。
(1)毎年の梅の木の剪定
(2)カイガラムシの防除(たくさんの発生を見たら農薬散布をしないと数年で木がだめになる)
(3)適期に梅を収穫して、一晩水につけてアク抜きをした後、塩漬けしておく。
(4)春夏作の苗が売り出される4月中下旬~5月上旬に、赤シソの苗を1~2本購入して定植しておく。梅漬けには苗が1本(60円)あれば足りるが、もう1本は花が咲いて種が落ちるまで放任しておくと、翌年からその付近で赤シソが雑草のようにはびこる。
(5)土用には3日ほど「土用干し」をする。

毎年漬けなくても、たくさん漬ければ4~5年の保存は可能なので、木がだめになったら近くの梅園で4キロほど購入して作り置きをしようと思う。  
   
       
       
集落の墓掃除が日曜日にあるのに、草が伸びっぱなしでは恥ずかしいし、近くの墓の迷惑にもなるので、夕方上がって草取りをした。祖先の供養というより自分の「体裁」のための草取り。かしこまって拝んだり参ったりしなくても、日々元気にすごせているなら、それが一番の供養。 


ブログでも何らかの状況により更新が滞ったら、書いてきたことの「継続性」が途切れて、カンを取り戻すのが大変である。
 
スポーツ選手なら、筋力作り等の「継続性」が途切れたら、選手生命の危機に直面するだろう。

新聞も、読み続けていた習慣が忙しすぎたりして中断すると、「政治の流れ」や「各新聞の意図」に対する勘が途切れて、取り戻すには中断した長さの2倍ほどの時間が必要となる場合もある。 

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この木、何の木?

 
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出荷の行き帰りに備前市へ抜ける林道で、今が盛りと咲いているのに、この木の名前がわからない。一枝折っていって出荷仲間に聞いたら即座に「アセビじゃあねん」と言う。

名前がわかったのでインターネットで「アセビ(馬酔木)」と入れて検索したら、似ているがどこか違うような気がする。アセビなら花期は3~4月。

どなたかこの木の名前をご存じありませんか。

当地にはこの木がない。標高が少し高い所を好むようで、峠の林道にたくさん咲いていて花が目立つ。3~4メートルの高木で、花はいい香りがする。

なぜこの木が気になったかというと、ミツバチの良い蜜源になりそうな気がしたから。もちろんここまでは我が家のミツバチは遠すぎて来ない。

   

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許すべきか、許さざるべきか。大事な桑の木の樹皮を食べるカミキリムシ。結局、許した。

樹皮をむかれると枯れるので、その部分より上はヤギに与えた。



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セミの抜け殻。アブラゼミかクマゼミと思う。


 
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ギンヤンマ。
 
   
 
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50年前はこの画像のセミの鳴き声がうるさいほどだったのに、現在はめだって少なくなっている。ニイニイと鳴くからニイニイゼミ。


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今、よく見かけるクモ。巣を張るのに電柵が都合がいいようだ。


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昨日、集落共有の田んぼの草刈りがあった。通学路の土手の草刈りが終わった後、2枚の共有田の草刈りをする。

今週の日曜日には集落墓の掃除があり、それが終わった後、13軒ほどが使っている簡易水道(山水)の掃除もある。

田舎の出仕事や行事は多い。
3月の彼岸前・・・集落の墓掃除
3月末・・・集落実行組合の寄合(会計報告等)
5月の連休の日曜日・・・春の農業祭
5月連休明けの日曜日・・・用水路の掃除
7月第一日曜日・・・クリーン作戦
7月末の日曜日・・・通学路の草刈り、集落共有田の草刈り
8月の盆前・・・集落の墓掃除、簡易水道の掃除(利用者のみ)
10月第3日曜日・・・秋の農業祭
11月中旬の日曜日・・・池の土手の草刈り

45軒ほどの集落だが、今日、大ゴヤ(迎え火、昔からの子供の行事)の集金に、お母さんと子供が一緒に来られたが、どこの家の親子かわからなかった。
集落の出仕事でも、どこの家の人かわからないことが時々ある。
   
      
   
土曜日に購入した一升炊きの炊飯器(いつも7合炊いている)だが、まる2日ほど経過していても、炊飯器の底にご飯がこびりつかず、スポンジで洗うと簡単に取れた。前の炊飯器では数時間は水にかしておかないと取れなかったので、こんな点に新しい炊飯器のメリットを感じた。

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農業にクライマックスを持ちたい

 
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ウリ類(韓国カボチャ、ナンキン、トウガン、スイカ)を今日片付けたが、韓国カボチャの収量はすごかった。韓国カボチャを売るには「料理法」を説明するしかない。収量の多さを活用して「ニワトリの餌」としても作り続けたい。

秋はすぐそこ。ウリ類の跡地を耕運すると、秋の田んぼの準備が進む。
   
   
   
トウモロコシとエダマメはなくても夏はすごせるが、スイカとトマトがなかったら夏はすごせない。出荷はしていない自給野菜だが、スイカとトマトだけは失敗したくない。どちらもカラスの防御が必要である。


スーパーの野菜の単価は、20年前からほとんど変わらない。だからボクの野菜単価も20年前と同じ。ここがサラリーマンの昇給と決定的に異なる。

新顔の野菜も少ない。メインの野菜はせいぜい15種類ほどしかない。
(春夏収穫)・・・タマネギ、ジャガイモ、キュウリ、ナスビ、ピーマン、ナンキン
(秋冬収穫)・・・ハクサイ、キャベツ、ダイコン、ニンジン、サトイモ、サツマイモ、ネギ、シュンギク、ホウレンソウ、レタス 

エンサイ、ツルムラサキ・・・20年前からあるが、いまだにスーパーでは見かけない。しかし直売所ではありふれた野菜になっている。

モロヘイヤ・・・種が売られるようになってまだ13年ほどにしかならないエジプト野菜。

ヤーコン・・・10年ほど前に脚光を浴びたが、さほど広がらずに衰退。

キクイモ
・・・昔は飼料として作られていたようだ。土手や河原などで雑草化しているのを時々見かける。ヤーコンより市場性があると思うが、出荷に手間がかかるので、出回る量はごく少ないだろう。おいしい芋だと思う。皮はむかなくても口に入れたとき皮離れがよい。味噌汁、煮物、おでん、炒めもの等料理のレパートリーも広い。

アイスプラント・・・3年ほど前から種が売られるようになった。

ニガウリ(ゴーヤ)・・・13年ほど前から突然脚光を浴びるようになったが、それ以前は沖縄で親しまれてきたローカル野菜。

オクラ・・・当地の家庭菜園ではほとんど見かけない。ボクも農業を始めるまで全く食べたことのない野菜だった。

トウモロコシ・・・家庭菜園ではあまり作られていない。カラスの防御が大変。

スナップエンドウ・・・13年ほど前に登場した新顔野菜。

トウガン・・・家庭菜園では全く見かけない。

エンサイ、ツルムラサキ、モロヘイヤ・・・当地の家庭菜園では全く見かけない。

ヤマイモ・・・当地の家庭菜園ではほとんど見かけない。

キクイモを作っている近所のおばさんに、「どうして葉を切ったん」と聞かれてはっとした。キクイモはたとえ台風で倒れて寝そべった状態になっても、かなり収量の多い野菜だということを忘れてしまっていた。畦岸の方に倒れたのだから、草刈ができないだけで他の野菜のじゃまにはさほどならなかったのに。
背が高くて起こせないので、近所のおばさんは倒れたままにしている。

ハーブ・・・家庭菜園では全く見かけない。ハーブティを飲む習慣がない。麦茶を作るのと全く同じ要領(沸騰したら火を止め、2~3種類のハーブを入れ、2~3分してきれいな草色がついたら出来上がり。ハーブを取り出して捨てる)。冷やして麦茶代わりに飲む。


第一線を退いて老境にさしかかった時、農業なら、どの時代を思い起こすだろうか。8年目、9年目の頃と、20年目、21年目の頃の2つの時代だろう。

8年目・9年目・・・ハーブを作り始め、イタリア料理店へ電話営業。身につかなかったがドラム缶炭焼き。百姓塾の開設と広告を入れ、新聞にも取り上げられた。井戸の完成。その後の農業に大きな影響を与えた人との出会い。

20年目、21年目・・・ヤギの導入。害獣の激しい進出により田んぼ全体を電柵で囲む。初めて直売所へ出荷。ミツバチゲット、蚕の飼育、新しい多くの出会い。


死の床に伏した時、全盛期の頃を思い起こすに違いない。職業を通して自己実現するしかないのだから、農業にそんなクライマックスを持ちたい。

サラリーマン生活は挫折の連続だったので、いい記憶がない。しかしその挫折が、想像もしなかった「農業」をひらめかせてくれた。
  
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オンドリがやさしくなった

  

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ブログでも農作業でも、いきなり始めればいいものを、ウオーミングアップみたいなものがどうしても必要になる。ブログではお気に入りのペットブログや料理飲食店ブログを見てからでないと自分のブログに進めれない。農作業においても同じようなことが多い。

つまり、始める前の心の準備に15~20分ほどかかってしまう。


凶暴だった方のオスを引き取ってもらい、メスも8羽減らして19羽(オス1羽、メス18羽)になってから、残ったオスが以前に比べて随分と穏やかになり、他のメスもあまりばたばたしなくなった。さほど広くない鶏舎(4坪半)にオスが2羽というのは、勝ち負けがどうしても発生するが、それに煽られるようにメスもばたばたすることが多い。決闘(闘鶏)もしばしば目にしてきたが、現在のニワトリに関しては目にしていない。しかし決闘で決着がついていたから一方がいつも逃げていたのだろう。ただ、ボクに対して凶暴だったのは、いつも逃げている方のニワトリだった。

オンドリの決闘(闘鶏)はすさまじく、まさに「血みどろ」の戦いをして、それが原因で死に至ることもあった。

オスを1羽だけにすると、成鶏になるまでに死ぬこともあり、そうなると有精卵でなくなる。加えて、毎回30羽余り導入していたが、メス30羽に対してオス1羽ではオスが少なすぎるような気がした。そのため、飼い始めてからずっとオスは2羽以上だったが、今後のヒヨコの導入は10羽減らして20羽前後にする予定なので、オスも1羽だけにする。


銀ちゃん(ヤギのオス)は「アブ」を怖がる。「アブ」が近くを飛び出すと小屋の中に逃げ込む。あれだけ毛があってもアブは刺すし、蚊がとまったくらいでもヤギはわかり、しっぽで払いのけようとする。なお人間も服の上からアブにはよく刺されるが、アブに刺されて痛いのは一瞬であり、ミツバチに刺された時のように1~2日も続くことはない。


炊飯器が壊れて、ご飯がうまく炊けなくなったので、ヤマダ電機へ炊飯器を買いに行った。3万円ほどと決めて行ったので、それより高い機種にも安い機種にもあまり目移りはせず、3万円前後の機種の中から、その年に出た新製品ではないのを購入した。しかし、「炊き上がった米の味の違いがわからない」。家人も同じことを言う。こんなことではとても「料理人」にはなれないと思った。


他の農業者は「冷房の効いた仕分場」があったり、「納屋」があって、そこで野菜の選別や袋詰め作業をしているのだろうと思う。我が家にも、田んぼには物置があり、家には納屋もあるが、どちらも「物」がいっぱいで、とても野菜の選別や袋詰めをするスペースはない。収穫した当日に軽四の上でしているが、竹藪がいい日陰を作ってくれる。雨の日は家に持ち帰り軽四の車庫でしている。
 
物置は農業をスタートして1年後に建てたが、農具を置くためにどうしても必要と思っただけで、仕分場しては全くイメージしなかった。仕分は軽四の上でするというリズムが、スタートして出荷するようになるとすぐにできあがった。だから仕分場としての物置や納屋は必要に迫られなかった。農業の技術力が進歩しなかった(向上しなかった)のも、必要に迫られなかった(十分間に合った)からだと思う。その後、必要と思うことに何度か遭遇したが、その方向に身体が動いてくれなかった。逆に今は、あまり必要と思っていない。自分にできることを精いっぱいやって、オンリーワンをめざしたい。


草刈機は鎌の5~10倍の仕事量をこなし、管理機は鍬や四爪の5~10倍の仕事量をこなしてくれるので、鎌や鍬しかなかった時代の5~10倍の時間の余裕が生まれるはずだが、現実はそれとは逆に、忙しさが倍増している。


雇用農業は農業とは言わない。農業は独立自営業だから農業である。雇用農業は何らサラリーマンと変わらない。


農業の世界で全く太刀打ちできない人が多く、そんな人がほとんどだが、自分を卑下したり、後悔したり、嫉妬したり、若さをうらやましがったりはしない。人のやっていることは意外と参考にならない。吸収できる能力のある人しか、参考にすることはできない。


人間の成熟、未成熟、農業年数の長い、短いに関係なく、それぞれに需要はあると思う。その年代にはその年代でしか残せない言葉があるし、頭に浮かんだ一瞬の言葉はすぐにメモでもしない限り、5分も経過しないうちに多くは忘れてしまう。だから突然浮かんだ言葉は軽四に走ってメモ書きし、その日のうちにブログに残すようにしている。
 
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出荷8種類の合計面積は4アール

 
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夏野菜は8種類だけを出荷しているので、厚紙に目方を書いて覚え書きにしている。容器の重さが50gほどあるので、実際の目方はこれから50gを引いた数値。

8種類の合計面積は4アールほどであり、夏野菜は少ない面積で足りる。面積比率は、
ナスビ、ピーマン・・・・・・・・・・・1列
オクラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2列
エンサイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1列
ツルムラサキ・・・・・・・・・・・・・・2列
モロヘイヤ、バジル、青シソ・・・1列

つまり、畝幅135cm×7列で、1列は35メートルほど。 

たったこれだけの面積(収穫物)なのに、忙しくてアップアップしている。忙しすぎるから何回も何回も春夏秋冬の野菜をシミュレーションして、どこに問題があるのか考え続ける。

予冷オクラを今日初めて出荷した。鮮度に関しても別に問題はないと思う。


巣門付近にスズメバチが飛来しても、ミツバチは羽を振るわせて集団で威嚇行動をとるので、なかなか近づけない。今はまだいいが、お盆頃から本格的に増えてくるので、その時にどうなるかが問題。


冷凍庫から繭を出し、昨日からまた天日乾燥を始めた。


バックにニワトリとヤギが控えているので、ナンキン等の作付が少々多くても問題はない。春夏作は出荷からあふれたものを与えるが、逆に秋冬作では、1月、2月のために家畜用の青菜を作る必要がある。なぜなら厳寒期はほとんど草が伸びず、家畜に与える青菜がなくなるから。ヤギは青菜がなくても雑木をやればいいが、山へ雑木を切りに行く手間を考えれば、青菜を作る方が簡単である。青菜の代表は大型野菜になるハクサイとキャベツで、これはニワトリとヤギ両方の好物である。結球野菜は例年1月下旬に飛来する渡り鳥のヒヨドリがあまりつつかないが、結球しない他の菜っ葉では、ヒヨドリの餌になってしまう。



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カミキリムシの交尾。こんな場面に遭遇することはめったにない。

 

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ヤギの草場はヤギ小屋(放牧場)から近い方が連れ出すにも便利である。涼しくなる夕方2時間ほどたっぷり雑草を食べさせればそれで十分。好みの草しか食べないので、草刈効果はゼロ。

地這いキュウリの4回目を25日までには蒔く必要がある。

8月14日か15日にキャベツとブロッコリーの種を連結ポットに蒔き、8月20日までにニンジンとツルナシインゲンの種を蒔く。

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オクラの収穫

 
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義兄はトウガンやハクサイ、キャベツを大規模に作っているが、今はトウガンの出荷最盛期である。軽四のタイヤがへこむほどのトウガンをのせていた。

産地の農業は全然違う。規模といい、大型機械を駆使することといい、まるで違った土俵で相撲を取っている。


ミツバチが飼えるのは、
(1)巣箱を作ってくれる人がいる。
(2)近くに詳しい人が何人かいる。
この2つが両輪となって飼うことができている。何においても先駆者は苦労が多かったと思うが、ミツバチに関してもインターネットが果たした役割は大きかったのではなかろうか。インターネットによって情報がたくさん出回り、飼い方も「標準化」されている。つまり、インターネットの普及とともにミツバチ飼育者は爆発的に増えていると思う。2年前にはまだ「春の分蜂」や「分蜂前にいったん蜂球を作る」ことなど全く知らなかった。

巣箱が雨風に打たれて大分いい感じになってきた。巣箱を注文するのはどうしても直前になりがちだが、半年~1年前から準備した方がいい。

8ヶ月後の「来春の分蜂期」にゲットできるかどうかは、今頃にもう結果が出ているのではなかろうか。それくらい準備が必要と思う。
(1)キンリョウヘンは去年より成育が随分といいし、
(2)巣箱置き場も、見回りのたびにイメージしているし、
(3)3メートルほどの古竹3本を「いかだ状」にして、ミツバチが入っている巣箱の近くに設置する(つまり分蜂板を作る)予定だし、
(4)去年のように大火を燃やし続けたり、大木を切り倒すことを控えるつもり。
 少なくとも今年よりいい結果になるはず。


ナスビとピーマンは合計で50本以内と書いたが、具体的にはピーマン30本、ナスビ20本である。ピーマンの方が10本多いのは、
(1)ピーマンにはほとんど虫害がない。
(2)秋ナスに向けて更新(強剪定)するナスビは7月下旬~9月上旬の40日間ほど収穫ができないが、ピーマンは連続して続く。
(3)ピーマンの方がナスビの3倍近い袋数が出荷できる。


ダイコンサルハムシの防除のために「カブ」を犠牲にして「ダイコン」を生かすようにしているが、できればカブも収穫にこぎつけたいので、毎年蒔く「耐病ひかり」を、今年は「赤カブ」に変えた。品種が違えば虫害も違ってくるはず。


7時~11時半頃まで、出荷に4時間半かかる。この時間を農作業にあてたら随分と仕事が前に進む。同じ出荷先に毎日出荷している若い同業者が何人かいるが、いつ農作業をしているのだろうと思う。
ただ、自分の場合の7時前から収穫を始めるのは、農業者として失格。たいていの農業者は今頃の時期だと5時には起きて5時半頃から収穫を始める。オクラの収穫が始まったのでボクも1時間早めて、少なくとも6時前には収穫を始める必要がある。

今日は出荷はしなかったが、オクラは収穫する必要があるので、朝一番に15分ほどかかって収穫した。昼前に家に帰り、袋詰めした後、袋を閉じ、家庭用冷蔵庫に入れ予冷した。直売所出荷はこういうやり方ができても、ワンパックの場合は先方に届くまでに一昼夜かかる(クール宅急便は使ったことがない)ので、当日の朝どりしかできない。 

一定数以上作付を増やすと、以前のやり方では間に合わない(よくない)ことも生じてくる。オクラの「予冷」は初めての経験だが、作付が一定数を超えると毎日収穫する必要があるのでこうなった。少々大きくなっても、去年までは出荷当日しか収穫していなかった。 

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あなたが悪いのではなく直売所が悪い

  
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台風は全然、問題ではなかった。考えてみれば、台風が直撃して困る作物はすでに作ることを止めているか、もしくは作付を減らしている。

エンサイ、ツルムラサキ、モロヘイヤ・・・台風には滅法強い。

スイートバジル、青シソ・・・台風には滅法強い。

キュウリ・・・地這品種を作っている。

インゲン・・・つるなし品種を作っている。

ハーブ類・・・台風には滅法強い。

ナスビ、ピーマン・・・台風の影響は大きいが、合計50本までにしている。

サツマイモ・・・台風には滅法強い。

サトイモ・・・大型台風には影響を受けるが、中小型台風は問題ない。

オクラ・・・台風が来る時期によっては影響を受けるので、倒れないように防御した方がよい。

ナンキン、トウガン・・・台風には滅法強い。

ニガウリ・・・キュウリと異なり、台風には強い。

ヤーコン・・・最近は少ししか作っていない。

キクイモ・・・たくさん作るようになってから台風の直撃を受けておらず、うっかりしていた。今後は50株ほどに減らし、減らした分はサトイモに切り替える。19羽のニワトリの飼料には30株ほどあればよい。


つまり、台風が来てもさほど困らない作付をしている。ハウスもないのでビニールが破れる心配もない。

直売所で会った同業者に「台風の被害はなかったかな」と尋ねたが、ほとんど被害はなかったようだ。大半のキクイモが倒れ、ナスビとピーマンも倒れたと話すと、台風が向かってきているのに「台風対策はしなかったん?」と聞かれ、普通はそうするんだと思った。

ボクの台風対策は、台風に弱い作物は作らない、もしくは必要最低限だけ作る。だから台風対策などすることがない。

農薬もそうである。病虫害の多い作物は作らない、もしくは必要最低限だけ作る。だから農薬を使うことはごく少なくてすむ。

農薬を使っているのは、
(1)秋のアブラナ科野菜の種蒔きや定植後に1~2回(ダイコンサルハムシ防除)。
(2)春夏野菜の定植時に植え穴に少量散布(ネキリムシ防除)。
収穫が始まる1ヶ月ほど前~収穫期間中に農薬を使うことは全くない。


自分が作りやすい野菜だけを少し多めに作る。それだけで手がいっぱいになるはずだから、不得意作物を克服する努力など無駄である。直売所ではほとんど完売御礼となるトマトとキュウリであるが、自分の場合はトマトは自給用だけ、キュウリは地這い品種を数本×年4回作るだけである。

トマトとキュウリは稼げる作物かも知れない。それでもボクは作る気がしない。自分にとって稼ぎ安い野菜で稼ぐ。他の農業者に比べ収入がかなり劣っても、それは仕方がない。嫉妬もしないし、羨望もしないし、できない自分に失望もしていない。それは単なる個性である。

確かに、稼げるにこしたことはない。しかし独立自営業の場合、「能力差」はいかんともしがたいものがある。しかし「鶏口となるも牛後となるなかれ」。

自分にとってあまり労せず作れる野菜を、愚直に出荷し続けるしかないのだ。上を見てもきりがない、下を見ても?きりがない。

大事なことは、農業の世界で自分の稼げる金額を早く悟ることだと思う。

農業はそれでなくとも忙しい。苦手を克服する努力など徒労に終わるだろう。それよりもっと単刀直入に農業を会得する道は、自分にとってあまり労せず作れる野菜だけで手がいっぱいの状態に早く持っていくことだと思う。


現実には作ることよリ売ることの方が大事である。

自分がぎりぎり譲歩できる価格で、ほとんど完売できるような直売所でないなら、あなたが悪いのではなく、直売所が悪い。そんな直売所はさっさと止めて他の直売所を探した方がよい。

もしそんな直売所が近くにないなら、直売所出荷は止めて他の出荷方法(ワンパック等)を模索するしかない。

作ることには能力差が明らかにあると思うが、売ることに関してまで「能力差」を持ち込んではいけない。売ることは、料理店ブログ等を見て手当り次第に電話を入れることから始まる。個人客の場合、ボクは軽四で近くの団地を「引き売り」しながらワンパックの顧客を探したが、都会宅配に関しては、友人や知人に紹介を依頼することから始め、その後は少しずつ「口コミ」で増えていった。

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台風が接近


台風が近づいていたので、巣箱が倒れるのを防ぐために、軽い方の巣箱の上にはレンガの代わりにブロックを置き、もう一つの巣箱はメッシュ(鉄柵)を左右に置き、メッシュとメッシュをマイカセンで縛った。

そんなに強風が吹いたように思わなかったが、朝、田んぼに着いたら、キクイモがほとんど横倒しになっていた。2メートルを超えていたから、ちょっとした風でも倒れる。230株ほどのキクイモを1メートル以下に剪定するのに1時間ほどかかった。低くしないと起こせない。

ここ3年ほど台風がきていなかったので、キクイモは台風ですぐに倒れるという意識が薄れていた。まだ7月だから脇芽が伸びて繁ると思うが、収量への影響は大きいだろう。

ナスビとピーマンも3分の1ほどが倒れていた。120センチの杭を1本たてかけているだけだから、強い風が吹けばすぐに倒れるが、倒れた方が傷みは少ない。この2種類は台風が来るのを前提に10年以上前から合計50本以上は定植していない。50本までなら倒れてもすぐに起こせる。

 
道普請をしてもらった道が、雨でぬかるんで軽四が立ち往生。4駆なら問題ないが、自分の軽四は2駆なのでこういう事態に直面する。平坦でなく多少の下り坂になっているのでギヤをバックに入れたまま、車の前面を力任せに押すと動き出した。

オクラだけは毎日収穫しないと、2日に1度では大きくなりすぎる。それでも毎日出荷するのは大変なので、家庭用の冷蔵庫で「予冷」しようと思う。オクラ以外は2日に1回収穫すれば十分である。

出荷の往復に35分ほどかかり、野菜を並べたりするのに少なくとも10分はかかるのでそれだけで45分かかり、ガソリン代もかかる。今日ガソリンを入れたら1リットルが141円だった。

ワンパックなら出荷できても、直売所出荷なら、「外観」、「単価」、「他の出荷者との競合」というハードルが結構高い。市場出荷(農協出荷)などボクの野菜では相手にされない。
 
収穫コンテナ(1箱が498円)を6個購入した。今の時期はジャガイモを収穫コンテナに入れて重ね上げているし、ナンキンや韓国カボチャを収穫コンテナに入れて重ねているし、ミツバチの巣箱の置き台にも使っているので、足らなくなった。

野菜の葉に皮膚が直接触れるとかゆくなることもあるので、たいていの農業者は長袖を着用しているが、「手おい(腕カバー)」をすれば半袖でも用を足せる。今はあまり「手おい」というのを目にしないが、1世代前の農業者には必須だった。田植えや葉タバコ栽培では、たいてい「黒い手おい」をつけていた。

 
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搾った乳は大地に捨てるのに

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画像を見て、今までと違った点にお気づきですか。実はこの道をトラクターで耕してくれて、道の中央部の少し高くなっていた場所がなくなった。軽四で通る所だけがタイヤの大きさだけ5センチほど低くなり、最近はとても走りづらく、この冬には2トン車一台分の土を購入して、低くなった場所に置く必要があると思っていたが、集落の墓へ通じる山ぎわの道普請のついでに、この農道(といっても通るのはほとんど自分だけ)もついでに直してもらえた。


明日の台風に備えて、ピーマンは少し小さいものまで収穫して身軽にし、ナスビは丸く「盆栽仕立て」に切り戻した。こうすると台風には少し強いと思う。

今朝はすでに雨だったし、台風が過ぎ去るまで天気の回復はないので、マユをまた冷凍庫に入れた。中途半端にしていたら蛹から脱皮してしまう。 
 

インスタントコーヒー中毒をヤギ乳に変えたいと思ったが、これは挫折した。

あんぱん中毒を、ルバーブのジャムを頻繁に作って、こっちに変えたいと思うが、その一手間がとれない。ルバーブは5月上旬~11月下旬頃まで収穫が続く。

麦茶など家で作ればいいのに、その一手間がとれなくて、市販のペットボトルの麦茶を購入することもある。

ハーブティ用ハーブがいくらでもあるのだから、麦茶の代わりにハーブティを作って冷やし、麦茶がわりに飲めばリラックス効果や安眠効果や健康にもよいのに、ハーブティを作る一手間がなかなかとれない。
 
田んぼへ持っていく飲み水は、簡易水道の山水をペットボトルに入れてそれを持参している。ハーブを作り始めた頃はずっと、夜中にハーブティを作り、それを朝、ジョウゴでペットボトルに入れ、水筒がわりに持って行ったが、いつのまにか山水になった。

ハーブティにはステビア(砂糖の200倍の甘さ)を入れれば「甘味のあるハーブティ」になるが、それもしていない。


スイカはカラスの防御をしなければと毎日のように気になりながら、手が取れず、久しぶりに見に行ったら病気で枯れかかっており、防御の手間が省けた。丼ほどのスイカが30個ほど収穫できたが、鎌で切って食べたら意外とおいしく、家に持ち帰った。

ニガウリは支柱を立てる手間が取れず、結局、草刈機で刈り飛ばした。

トマトも支柱を立てる手間が取れず、地這いトマトになったが、これが結果的に功を奏し、葉が重なり合って赤い実が隠れたようになり、カラスの被害がなく、毎日少しずつ口に入れることができている。
 
不得意なことは後回し後回しになり、結局手遅れになってしまうことが多い。

地這いキュウリは取り遅れて「バットキュウリ」にしばしばなるが、家で食べるにはどういうことはない。太くなりすぎれば皮をむき、中のズを取り除けば、シロウリよりおいしく食べれる。ワンパックにはキュウリは欠かせないが、ワンパックの送付の間隔が開くと、どうしても取り遅れてしまう。


今日スーパーへ買い物に行ったら「赤シソ」が目についたので、梅漬け用に購入した。いつも近所でもらっていたが今年はなく、ボクは赤シソは作っていない。

韓国カボチャの収量の多いのには驚いた。このカボチャは味が淡泊なので、カボチャのコロッケやカボチャのスープに利用した方がいいと思う。我が家は普通のナンキンと同じように煮て食べている。

ズッキーニ風に食べる若どりをはじめ、随時どりができるナンキンだが、「保存性」はどうなんだろうか。若どりの韓国カボチャは直売所ではほとんど売れなかったが、「ニワトリの餌」としての効果は高い。コゴメがもらえなくなったので、「ジャガイモくず」、「ナンキン」、「キクイモ」は貴重なニワトリの飼料になる。飼料のために作ってもいいと思えるほど韓国カボチャの収量は多いし、他のナンキンより病気に強かった。


今日スーパーでオクラの単価を見たら、10個入りで128円だった。どういうわけか最近、野菜の値段が高い。今年は3回もオクラを蒔き直したが、やっと収穫が始まった。10個100円で売るつもり。ワンパックをスタートした22年前からこの価格で売っている。直売所でも10個100円で売る。

ワンパックの野菜はそれぞれ、22年前のスタート時点の価格と現在の価格は全く同じである。スーパーの野菜価格も22年前と現在ではほとんど同一価格で、あまり変動していないと思う。そういう意味では野菜は物価の優等生というか、低く安定するように、不足すれば即輸入の体制が敷かれている。


明日は梅に赤シソを入れる予定だが、スーパーで購入した赤シソは群馬県産で300gが248円だった。今ふと、福島県との距離が頭をよぎった。

袋には「シソジュース」の作り方が書いてあった。シソジュースはまだ1回も作ったことがない。赤シソの方が色がきれいだが青シソでも作れる。

身体に良い物をたくさん作っているのに、それがうまく利用できていない。ステビアもハーブティ用ハーブもルバーブも青シソも。


ヤギ乳もコップ半分ほどは出ているような気がするが、バケツに受けることはしていない。毎日バケツを洗って持参する手間はとれないし、搾らせてもらえる時間はせいぜい1分間ほど。それ以上になるとヤギがとても嫌がる。

搾り始めると1回だけ「メエ~」と鳴く。子ヤギを思い出しての鳴き声だと思う。しかしもう乳房を子ヤギが吸ってくれることはない。ボクはただ、最初で最後の乳搾りの経験を後1ヶ月は続けたいと思うだけ。そして搾った乳は平然と大地に捨てている。

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こんなお客様

 
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イチジクの葉にこんなお客様が来ていた。


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ブラックベリーの葉にこんなお客様が来ていた。
  

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桑の葉にこんなお客様が来ていた。 


  
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午後6時の田んぼ。やっと日が陰り始める5時過ぎから6時半頃までの1時間半ほどヤギを外に連れ出す(つなぐ)。 

夕方には、ニワトリにジャガイモくずや雑草を与え、水を入れ替え、ヤギの出し入れ、ミツバチの見回り、キンリョウヘンの水やり等をしていたら、あっという間に時間が経過する。そして肝心の農作業は前に進まない。

1日に何回、何十回となく、野菜の作付や出荷のシミュレーションを繰り返している。バランスが崩れると自分の農業はまわらなくなってしまう。

大半は「友の会」の会員になっているタキイ種苗の通信販売を利用しているが、ハーブのロケットは「サカタのタネ」の方がかなり安いし、ナバナ(三陸つぼみ菜・のらぼう菜の2種類)もサカタのタネで購入している。

今年は三陸つぼみ菜を150本、のらぼう菜を150本の合わせて300本ほどの定植に減らそうと思う。理由は、
(1)たくさん作ると、渡り鳥のヒヨドリ防御が大変になる。
(2)これ以上作付しても、直売所1ヶ所では、はけれない。 
     

 
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池の土手の端には5つの待ち受け箱を置いている。11月には土手に蜜源のセイタカアワダチソウがたくさん咲くが、今年から土手の草刈りは11月にしてもらえることになった。イノシシ等の隠れ場になるので、土手の草刈りを稲秋の終わる11月にしてほしいと集落の会合で依頼したのは自分だが、その時にはセイタカアワダチソウにまで気がまわらなかった。

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「まゆ」の回収作業

   
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繭の回収作業をした。乾し繭にするには繭になって10日目と書いてあったが、火曜日頃から雨天の予報なので、7日目の今日に早めた。

白い繭が171個、黄色い繭が107個だった。合計278個。繭を作り始める1週間ほど前に数えた時には316頭いたので、今日までに38頭の命が途絶えた。桑の葉が足らなくなったり、大雨があったりで、繭作り直前にアクシデントが多かったわりには、かなりの回収と思う。

 
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繭を固定していた糸も捨てずに保存しておくことにした。
 
   

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繭は画像のような海苔の瓶に入れて天日乾燥を始めたが、確認の意味でもう一度「大日本蚕糸会」のホームページを見たら、乾燥の前に1日冷凍すると書いてあり、あわてて冷凍庫に収納した。天日乾燥だけでは中の蛹が「きちんと死なない」のだろう。

蚕の状態でも蛹の状態でも、命を頂くことに変わりはない。 


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蚕を飼っていた苗箱も片付けた。36穴の連結ポットは10枚でたった180円なので、糸をとったり洗ったりする手間より、捨てて、来年新しいのをまた買った方が手っ取り早いが、今年は保管することにした。

飼ってみて、300頭という数字はとても適切だった。子供でも楽しく飼える数だと思う。繭が1個30円、300個で9000円ほどになれば、蚕を飼う励みになると思うが、売れなくても、1人につき20個ほど「インテリアや顔マッサージ用」としてプレゼントすれば15人ほどにプレゼントできる。これくらないなら十分はける量である。ワンパックに入れたり、親しい人に使ってもらおうと思う。

黄緑色で目立つ桑の葉は新緑に映える

桑の葉を収穫する楽しさ

桑の葉を蚕にあげる楽しさ

桑の葉を食べて蚕がどんどん成長する楽しさ

繭作りが見える楽しさ

これで、繭を利用する楽しさが見つかれば申し分ない 

販路が開拓できないなら、年に1回だけ楽しむのが関の山

 


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蜂球が台座近くまでせまっていても、実際の巣は一段(一箱)上のあたりでとどまっていることが多いらしい。

今日、見に来て下さった人が、息をふきかけて蜂球の蜂を少しどかせて、実際に巣がどこまで来ているか確認してくれたが、すでに巣も蜂球と同じくらい伸びており、とにかく一段だけは継ぎ箱をした方がいいと言われ、手伝ってもらってさっそく継ぎ箱をした。
 
その人が言われるには越冬より越夏の方が難しく、逆に言えば、越夏がうまくいけば自動的に越冬できると言われる。


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継ぎ箱をする時に、台座と、巣門のついた2分の1の高さの巣箱も新しいのと交換した。こちらは巣虫の被害はさほどなかったが、6月14日にゲットした逃去群の方は、2週間前と比べて巣虫がかなり発生しており、こちらの方も台座と巣門のついた2分の1の高さの巣箱を新しいのと変えた。

巣虫にかなりやられてからだったら台座は使えなくなるが、継ぎ箱の時を利用して同時に台座と巣門のついた箱を交換するようにすれば、あまり傷まず、洗って何度も使える。

天日乾燥だけでは巣虫は死なず、材木のつなぎめ等に沸騰した湯をかけてから天日乾燥するようにと教えられた。 


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久しぶりにペットボトルの捕獲器を3個仕掛けた。

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ヤギ導入は「青春の誤り」だった

  
 
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ヤギは「青春の誤り」の一つだった。今後の人生はその誤りを背負って生きていくことになる。

でも58才という年齢だから背負っていくこともできる。もっと若かったら、とても背負いきれず、処分を依頼しただろう。

ミツバチ、カイコ、ニワトリという他の3種類の家畜なら処分は簡単だが、現実問題としてヤギの処分は簡単ではない。

ヤギは激しい感情と個性と気性を持っている。2年半ほど飼ってきて、それがひしひしと伝わってくる。それはペットとしての機能をかなり保持していることにつながるが、犬や猫ほどの賢さはない。


ボクも「ヤギ飼育」という甘い誘惑に騙された一人である。それは「農業新聞」や「ヤギを飼っている農業者」や「ヤギを飼っている人のブログ」に、まんまと騙されたのである。

そして自分もブログによって、騙された以上に「多くの訪問者を結果的に騙した」かもしれない。

ヤギはメリットが少なく想像以上に手がかかる家畜である。このことを潜在意識下に感じたから、50代の後半になるまで飼えなかった。

メリットが少ないならまだしも、逆に「金銭的持ち出し」の多い家畜と思う。ヤギ小屋、ヤギグッズ、獣医さんへの依頼等。 


放牧的飼い方なら「ヤギの糞尿(堆肥)」はほとんど取れないし、小屋飼育をするなら「拘束している」という感情が飼育者につきまとうかも知れない。

ヤギは「草刈効果」どころか、放牧場の草も食べず、ボクが草刈機で刈っているのが現実である。ヤギは清潔好きで、自分の糞尿のかかった草は食べないし、食べる物が多ければ、好きな草しか食べないので、ヤギの除草効果はほとんどゼロと思った方がよい。

ペットなら、犬や猫のように人間に懐けばいいものを、なかなか言うことを聞かず、学習能力も低く、感情の起伏が大きいわりにバカな面も目立つ。

自給自足の要みたいに捉えられることもあるヤギだが、ヤギ代は無料だったにもかかわらず、軽く10万円を超える支出になっている。

「ブログ」や「ヤギのいる牧歌的風景」を見れば、誰でも騙される。ボクも本当にそうだった。物事には裏表両方があるのに「ヤギの否定的側面」を赤裸々に書いている人に出会えなかった。

(1)放牧的飼い方なら、ヤギの糞尿(堆肥)はとれない。

(2)ヤギは自給どころか、以外と持ち出し(支出)が多い。

(3)平均寿命が長く、飼い続けることが負担になることも多いと思える。

(4)ヤギのペット能力は低い。飼ってみてそれがよくわかる。

(5)除草目的で飼うのか、肥料(糞尿)をとるために飼うのか、ペット目的か、それともヤギ乳が目的か。能力はどれも乏しい。あるとすれば風景効果くらい。

(6)ヤギ乳を飲むには、ハードルを幾つも越える必要があり、ボクはその途中で挫折してしまった。
※ヤギ乳を飲むには大型のザーネン種が望ましい。

※大型だと戸外への連れ出し、連れ戻しが難しい場合も多い。

※種付け料も最低5千円はかかるだろうし、オスを連れてきてもらえば1万円はかかるだろう。

※妊娠や出産の過程で獣医さんに頼まなければならないことも出てくる。かなりの支出になるだろう。

※子ヤギが生まれても、独力で販路を見つけるのは難しい。つまり「望まれない出産」と捉えておいた方がいい。

※オスが生まれるかメスが生まれるか可能性は半々である。オスの場合は引き取り先を見つけるのがなお難しいだろう。

※売るにはオスの場合、除角や去勢が必要になることも多い。素人の場合、自分でするのは無理。

※除角や去勢は飼育者にも「つらい」ものであり、ヤギにはもっと大きい負担を伴う。

※そこまでしてやっとやっとヤギ乳が飲める状態にこぎつけれても、慣れるまでは乳搾りは難しいし、ヤギも嫌がるし、それに伴う「厖大な時間」も伴うが、それは全く収入につながるものではない。そんな牧歌的な時間があなたにとれますか。

その行程をひとつひとつ積み上げていかなければ「ヤギの何たるか」が自分にはつかめれなかった。頭ではうすうすわかっていても、現場で体験するまで実感として迫ってこなかった。

ヤギに振り回されて2年と6か月が来ようとしている。この間ほとんど出歩くこともできず、ゆっくりすることもできなかった。ヤギから離れたいと思っても、ヤギがいつもそばにいる。そしてこの状態はヤギの寿命がある限り続く。


ヤギ飼育という「青春の誤り」を背負いながら生きていく覚悟はできている。58才という年齢だからできる。もっと若ければヤギの処分をせざるをえなかっただろう。

ニワトリのような「くず野菜のリサイクル効果」も「卵が食べれる効果」も「鶏糞が取れる効果」もヤギにはないし、ニワトリのエサ代以上に、ヤギに関する諸々の支出は多い。

ヤギにあるのは風景効果くらい。癒し効果より負担の方が大きい。

そんなに否定すればヤギが悲しむ。でもその現実こそ、ブログの訪問者に伝えたい。 それでも、朝夕の村道の電柵の開閉と、朝夕のニワトリのエサやり(夕方1回だけの場合もある)もあるので、ヤギの負担は3分の1に軽減されている。

ヤギにエサ代はかからないし、暑い時期の今は、夕方の1~2時間だけ外に連れ出し、たっぷり青菜(雑草)を食べさせればそれで十分である。他の時間は3アールの放牧場の中で自由気ままに過ごしている。

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単価シールを入れるケース購入

  
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単価シールのバーコードの読み取りができないと店の人に指摘されて初めて、きちんと管理する必要があると反省した。

さっそく今日、出荷の帰りにコメリにより、16穴の連結ポット(10枚で198円)と、レターケース(698円)を購入し、連結ポットには、よく使用する80円、100円、120円の単価シールを入れ、その他の単価シールはレターケースに収納した。このように整理すると単価シールが使いやすいし、在庫がいくら残っているか一目瞭然である。

もっと早くこのように整理すればよかったのに、今までは全てをポリ袋に入れて、そのつど単価シールを探していた。

今年は1ヶ所だけにしぼったが、去年は5ヶ所の直売所へ出荷していたので、5つのポリ袋に入れていたが、そのなごりで、1直売所のシールは1つのポリ袋にごそっと入れていた。

現在の直売所以外は全て、単価シールが1枚1円したので、極力、単価シールの在庫を持たないようにしたが、現在の直売所は無料なのでつい、在庫を多くかかえてしまい、ポリ袋ごと軽四に入れていて太陽にあたったりしてバーコードが劣化してしまった。

4ヶ所の直売所はいずれも長くは続かなかった。理由は、
(1)片道30分近くかかる直売所があり、遠すぎて続かなかった。
(2)売れ残りが多く出て、途中で嫌気がさした。
直売所はできるだけ近く(片道20分以内)で、しかも売れ残りが少ないようでないと、続かなくなる。

そんな直売所が近くにないなら、直売所出荷でなく、他の出荷方法を考えた方がよい。   


 
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キンリョウヘンの葉色を毎日見るのが楽しみである。暑い日の9時~5時頃までは60%ほどの透光率の黒い寒冷紗で覆うが、他の時間帯は寒冷紗はとる。鉢にはナタネカスの固形肥料を5個ほど置き、週に1回は液肥を1000倍に薄めて施す。

ものすごく手間をかけているように見えるが、夕方に水やりをする時に寒冷紗を取り除き、翌朝、太陽が照りつけ出したら寒冷紗をかぶせるという1分もかからない作業を1日に2回するだけ。

ミツバチをゲットするには、分蜂時期にキンリョウヘンの花をきちんと咲かせることが最も大事だと思う。その次に大事なのが置き場所であり、ポイントと思える場所に2~3個の巣箱をかためておいているが、そんなポイントが8ヶ所ある。

 
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竹やぶのポイントには3個設置している。今は分蜂時期ではないが、分蜂時期の5~10%の確率と言われる「夏分蜂」やスズメバチに追われた「逃去群」をゲットするためのわずかな可能性にかけて、今でも2週間に1回は、空き巣箱の中に外敵が侵入していないか確認している。

ミツバチは分蜂時期の4月15日~5月15日頃の1ヵ月間だけが大切のように思われがちだが、実際には、日々の見回りとキンリョウヘンの水やりという365日の作業である。見回りは、蜘蛛の巣やカマキリ、スズメバチのチェックである。

週に1回2時間を費やすのではなく、毎日10~15分ほど楽しく見回り、楽しく水やりができるかどうかがポイント。

  
 
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イタリア料理店の顧客もあるので、ハーブも15種類ほど育てている。
(1)レモンバーム、レモンバーベナ、レモングラス
(2)タイム類、ミント類、セイジ
(3)ローズマリー、イタリアンパセリ、スイートバジル
秋冬作としてディルとチャービルとロケットを毎年蒔いていたが、直売所出荷を始めてから忙しくなり、ディルとチャービルの種蒔きは止め、ロケットだけ蒔いている。
他に、画像のルバーブ(茎をジャムにする。イチゴの何十倍もとれる)や、ステビア(砂糖の200倍の甘さ)も作っている。この2種類はワンパックには入れるが直売所には出していない。ポップ(商品説明)が面倒だから。 


 
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オクラの花がきれい。ぼつぼつ収穫が始まった。蒔き直しを2回したので合計3回蒔いたが、成育にさほど勝ち負けは生じず、何とか順調に育っている。

   
 

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「乾し繭の作り方」で検索したら、一番最初に「繭クラフト(大日本蚕糸会)」があり、大変参考になった。繭は10日経過してから天日乾燥するといいらしい。ペットボトルを利用した乾燥方法が載っていたが、ボクは海苔の瓶を使おうと思う。天候の具合にもよるが、来週19日から天日乾燥を始める。

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田んぼが「わやくそ」

  
  
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今年もキーウイが鈴なりになっている。キーウイには「表年」、「裏年」という「隔年結果」が無いように見える。カラスが狙わず、病害虫がほとんどなく、収穫後の長期保存がきくという3拍子揃った果樹であるが、この果樹には「棚」が必要である。苦手なので、棚は有料で作ってもらった。15年ほど前である。


オクラやエンサイやツルムラサキは、農業者の能力差があまり表面化しない野菜と思える。こんな野菜を主体に作っている。もちろん、直売所には競合する農業者もいるが、他の野菜を出荷する能力がない以上、自分に作れる野菜を出荷していくしかない。「一定数をコンスタントに出荷し続ける」ことが大事と思う。
 

「田んぼすっきり、頭もすっきり」というのが理想だが、田んぼが「わやくそ」だから、頭の中も「ごだくそ」。

こんな草山の田んぼを集落の人に見られたくないが、2週間後の7月24日に、田んぼのそばの「集落共有田」の草刈りがあり、大勢の人が来る。

だから今は、「集落共有田の草刈りの日までに、田んぼをきちんと片づけること」というひそかな目標を掲げている。

その一つとして、さっそく今日、2枚の田んぼを耕運した。草が「緑肥」に見えるほど伸び放題になっていたので、いきなり乗用トラクタでは耕運できず、草刈機で刈り、草を田んぼの外に出してから耕運した。

もう1枚、ジャガイモの跡地も耕運した。

耕運は秋冬作の準備にもなる。35日後の8月17日~8月20日頃の間に、ニンジンと秋のインゲンを蒔くので、1ヶ月前の今頃には田んぼを耕運してその準備を始める必要がある。つまり、夏野菜の本格的出荷が始まる7月上旬にはもう秋蒔き野菜の準備をする必要がある。8月の盆明け頃はまだ酷暑だが、ニンジンとインゲンの種蒔きはこの時期が最適期の旬だから、それに従う。


農作業もあるので、週に3回の直売所出荷と、週に2回のワンパックの出荷は身体的にも精神的にもしんどい。出荷をどちらか一つにしぼった方がいいかも知れないが、直売所出荷は始めてまだ2年にもならず、自分の中で到達点に達しておらず、電熱シーラー(袋とじ)や販促シール(現在の直売所では使っていない)への投資もあり、小さい金額であるが、それがまだ減価償却できていない。

ワンパックは少なくなっているというものの、個人用も業務用も長年の顧客であり、簡単には止めたくない。20年以上続けてきたワンパックは自分の農業の原点だから。

2つの出荷方法を並行して続けるのはしんどい。直売所出荷だけなら、思い切って作物数をしぼることもできるが、ワンパックもあるのでそうもいかない。そんなこんなで、忙しさの「悪循環」に陥っている。

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今日の出荷

 
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画像の8コンテナ。これだけ収穫するのに1時間近くかかる。

エンサイ(200g)100円・・・・・・・・長物3号袋
ツルムラサキ(300g)120円・・・・ボードン11号袋
モロヘイヤ(120g)100円・・・・・・ボードン9号袋
青シソ(9本)80円・・・・・・・・・・・・・ボードン9号袋
スイートバジル(70g)100円・・・・ボードン11号袋
ナスビ(350g)120円・・・・・・・・・・ボードン11号袋
ピーマン(200g)100円・・・・・・・・ボードン8号袋
オクラ(10個)100円・・・・・・・・・・・ボードン8号袋


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青シソは第1節で収穫している。葉数は40枚以上ある。80円。


 
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ツルムラサキはたいてい2コンテナ収穫する。16袋できる。

 

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エンサイも2コンテナだけ収穫する。これも16袋になるように収穫する。

   
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モロヘイヤは14袋できた。週に3回出荷しているが、1回につき10袋までなら確実に売れる。


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ナスビもピーマンも各20本ほどしか定植していない。ナスビは12袋、ピーマンは19袋できた。
 

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軽四の上で単価シールを張っている。なお、袋を電熱シーラーで閉じるのは、ナスビ、ピーマン、オクラの果菜類は閉じるが、葉物はスイートバジル以外は閉じていない。注意点は、
(1)袋を閉じる場合に、作物が濡れている状態で閉めると中が曇るので注意する。果菜類は夜露がとれてから収穫している。
(2)単価シールのバーコードは感熱紙なので太陽にあたったり、高温になる場所には置かない方がよい。
(3)スイートバジルは晴天が続いている時に収穫しないと傷みが早い。雨中や雨あがりには収穫しない。

今日出荷したのは、
エンサイ14袋×100円=1400円
ツルムラサキ16袋×120円=1920円
モロヘイヤ14袋×100円=1400円
青シソ12袋×80円=960円
ナスビ12袋×120円=1440円
ピーマン19袋×100円=1900円
合計9020円。これくらいなら全部売れるはずだが、全部売れても9020×85%=7667円にしかならない。単価シールはこのスーパーは無料だが、ボードン袋代が、これだけの出荷で250円ほどかかっている。収穫、袋詰め、出荷、帰宅までに要した総時間は4時間半。オクラの収穫が始まれば、収穫に30分、袋詰めに30分、合わせて1時間増える。

ワンパックの出荷は直売所出荷と重なると重労働なので、直売所に出さない日にワンパックを出荷している。


  
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まだ3頭ほどが蚕の状態だが、残りは繭になった。

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食いつぶしながら生きる

  
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梅雨明け、ノウゼンカズラの花の季節。

梅雨あけ後の午後の田んぼは暑く、3時半頃からでないと出れないが、カイコを見て、ミツバチを見回ろうと思えば2時に田んぼに出るのも苦ではない。カイコは物置の中だし、巣箱は涼しい山の中だから。

その後、少々暑くても動けるのは百種類の仕事があるから。これといった専門作物がなく、ごちゃごちゃ作りなので、一つの作業はせいぜい15分ほどで、次から次に他の仕事をする。暑い時にはこういう仕事の進め方がいいと思う。


なんでも「途中やめ」にすることはいい意味にとられないが、考えてみれば人生も途中やめだし、ブログも途中やめの作文だし、職業も定年という途中やめで終わる。

「途中やめ」という言葉にはいいイメージがないが、「撤退の美学」といえば、悪いイメージどころか、かっこよく見える。

簡単にできると思った子ヤギの「除角作業」を手伝って衝撃を受け、「ヤギの出産」からの撤退を決めたが、冬の農閑期に休めなくなるから、山仕事からも撤退しようと思う。
 
今後の農閑期は、「第一線を退いたら何をするか」というテーマを見つけるために使いたい。


母の残した多少の生命保険金と、50才になって農業を止め工員として働き始めた父の残した多少の貯金(兄弟3人で平等に分けた)と、築60年ほどの母屋と、90アールほどの田んぼ(内70アールほどは稲作農家に委託し、長く小作料をもらってきた)を有効活用しながら(少しずつ食いつぶしながら)農業を続けてきた。自分の代で家をいらう必要がなかったことも幸運だった。農業をスタートする1年前に妻が定職についたことも農業転身への大きな後押しとなった。


2人の娘は農業に全く興味がなさそうなので、ボクには農業後継者がいない。それでも田んぼの維持だけは続けていく。
(1)第一線を退いても、道を隔てた21アールの借地は続けさせてもらうし
(2)竹藪からの竹の進出は竹の子をニワトリやヤギに与えて防ぐし
(3)田んぼのそばの細い水路の掃除は時期にはするし
(4) 1~2本ずつ多種多様な果樹を植えているし
(5)山にはミツバチの巣箱も置いているし
(6)ニワトリやヤギを飼うには絶好の場所であるし
(7)13年前に井戸を掘っているので、年中、水はあるし
(8)電柵で何とかシカとイノシシは防げているし
(9)観光農業をしようと思えばできるし
(10)森林セラピー(里山歩き)をしようと思えばできるし

いざという時、子供たちには、この好条件の田んぼを生かしながら食いつないでほしいと思う。ボクが親の残した家や農具や田んぼやごく少量の遺産を食いつぶしながら生きてきたように。

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袋詰め時間は収穫時間の2倍

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大半の蚕が糸を吐き始め、給餌作業はほとんど終わった。

笹は必要なかった。連結ポットの中か苗箱の隅に繭作りをしている。

ネズミの被害を心配したが、それは全くなかった。ただ、ムカデの被害が十数匹あった。蚕よりかなり小さいムカデだったが。

桑を好む害虫(白いウンカのような害虫)も桑の葉に結構ついていたが、それは蚕には問題なかったようだ。

雨でびしょぬれの桑の葉や、泥がついた桑の葉も与えざるをえなかったが、カイコはよく食べてくれた。ただ、繭になる直前に力尽きたカイコも数匹いた。

苗箱の底には穴が無数に開いており、空気の流通はよく、葉が濡れていても乾きは早かった。

繭が1個30円で300頭で9000円ほどになればカイコを飼う楽しみもあると思うが、1個30円どころか1個1円もしないのだろう。


 
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左上から①エンサイ、②ツルムラサキ、③モロヘイヤ、④スイートバジル、⑤青シソ


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左から⑥ピーマン、⑦ナスビ、⑧オクラ

以上の8種類だけを直売所に出荷している。スーパーの直売所なので売れ残りは少ない。逆に言えば、売れ残りの多い直売所は早晩、出荷したくなくなる。

それでも需要は自ずから限度があるので、売れる個数を頭に入れながら出荷する。

現在はまだオクラが収穫期に達していないので他の7種類を出荷している。7種類の収穫時間は1時間で終わらせるが、袋詰めに2時間近くかかり、家に帰ってから電熱シーラーで袋を閉じ、単価シールを張り、直売所まで持参するのに合計で1時間ほどかかり、トータルで4時間かかる。最短時間で並べて家に帰るまでに30分はかかる。

つまり、収穫時間は1時間で打ち切りにしないと、袋詰めが2時間で終わらなくなる。

オクラの収穫が始まったら毎日出荷するようになると思う。あまり頑張りたくないが頑張らざるをえない。自分の場合、1月、2月、3月、4月、5月、6月の半年間は直売所に出荷できる野菜が極めてく少なくなり、7月、8月、9月、10月、11月、12月の半年間で稼がなければ、稼げる時がない。そしてこの6か月間のうちでも比較的稼ぎ安い7月、8月、9月の3か月間は自分にとってはかきいれどき。つまりこの3ヶ月間に稼げなければ稼げる月がない。
  

  
  
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今年は今のところサトイモが快調。今年から池の水が田んぼに引けるようになったので、水さえ確保できれば何とかなるサトイモを増やす手立ても考えたが、サトイモの出荷は10月20日~年内の2か月間に集中するし、出荷を年明けにまわすとその頃からサトイモの味が急速に劣る。多分、寒さにあたったり、いらぬ水分を吸ったりしてそうなるのだろう。だから尚のこと年内に出してしまいたい。こうなると、ただでさえ忙しい11月、12月に手がまわらなくなる。

 
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10本ほど植えた韓国カボチャは直売所でほとんど売れず、半分はニワトリ行きとなった。ポップ(商品説明)に「ズッキーニ風に食べてください」とだけ書いたが、それがよくなかったかもしれない。
   
 

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2週間ほど前から、越冬巣箱が画像のような状態になっている。理由は、
(1)暑いから。
(2)巣が伸びて箱いっぱいになリ、ミツバチが外にあぶれ出した。

しかし何の支援もできない。ただ見つめるだけ。

母女王が5月1日に分蜂し、現在は長女が女王になっているはずだが、女王が変わってから産卵が多くなり強群に変身したようだ。採蜜はしなくても継ぎ箱を分蜂時期が終わる5月下旬にしておくべきだった。今となっては遅すぎる。

この巣箱は旧バージョン(昨年度)の巣箱なので、巣門は最下段の横穴の1ヶ所しかないが、新バーション(今年度)の巣箱には、重箱方式の各箱に縦穴も開いている。縦穴があればもっと涼しくなるはずだが。

画像のような状態ではスズメバチに対して全く無防備のように見えるが、強群だとスズメバチも近寄れない。近づきすぎるとミツバチの集団に囲まれて「熱死」させられることを知っているから。

巣門が最下段の1ヶ所だけだと、カマキリがそこに陣取ってミツバチを餌にすることもあるので、他にも出入りできる巣門が1ヶ所はあった方がいい。 

この巣箱をこのまま放置すると「夏分蜂」の危険性もあり、分蜂群は近親を避けるために遠くへ飛んで行ってしまう可能性が高く、この時期の分蜂ではオスバチに出会う機会も少なく、箱を引き継いだ次女女王が交尾できずに結局その群を維持できなくなる可能性も高いらしい。だから他所からやってくる夏分蜂やスズメバチに追われた逃去群は大歓迎だが、自分の所の群に夏分蜂されるのは避けた方がいいらしい。 

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繭作りが始まった

 
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やっとカイコの繭作りが始まった。今朝みたら1個だけできていた。夕方にはかなりのカイコが糸をを吐き始めていた。 

同時に飼い始めた一人は、すでに大半のカイコが繭になったと言われる。

316頭しかいないのに桑の葉の食べっぷりに日々、驚かされた。火曜日に軽四でかなりの量の桑をもらってきて、1枚の葉も粗末にしないように与えたが、今日までの3日間で全部たいらげてしまった。

 

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多分、明日朝には3分の1ほどのカイコが繭作りを始めていると思う。3日後の日曜日には大半のカイコが繭になっているだろう。明日からの桑の葉は少しで足りると思うので何とか間に合う。

「糞掃除」と「新しい桑の葉を与える」という10~15分ほどの作業だが、生き物に触れることは気持ちが安らぐ。


カイコの素晴らしい点は、「エサが完全自給」であることと、300頭ほど飼うなら何の設備投資もいらないという2点である。来年は桑の木の育ち具合を見てカイコの頭数を決めたい。

桑の葉が足らなくなった時、ニワトリに与えて少し「間引こう」と思ったが、「生き物」を餌にすることはできなかった。繭の中で「さなぎ」の状態になったら、命をもらうことにカイコの時ほど抵抗は感じないだろう。天日乾燥して「乾し繭」にしようと思っている。
 
   
   
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カイコの肌はひんやりして吸盤のように手にひっつく。稲の苗箱に30頭ずつというのがちょうど手頃だった。

右の画像のように、桑の葉を給餌したあと、竹の笹を置いた。4センチ角の連結ポットに入って繭作りをしてくれるカイコばかりではないので、他の選択肢も用意した。


ニワトリ飼育はすでに21年目であるが、カイコもヤギもミツバチも10年続ければ、「何か」がわかるだろう。カイコにはほとんど手間はかからない。ヤギも慣れれば手間は随分と少なくなる。ミツバチだけはどうしても時間がかかる。巣箱の見まわりだけであるが、ヤギの世話以上の時間がかかっている(かけている)。3日に1回くらいの見回りでも別に問題はないのに・・・。

カイコは古(いにしえ)からの生き物である。カイコを飼育することによって、古の人たちと同じような時間を共有できる。

その昔、シルクロード(絹の道)で世界史をリードし、戦前までは日本の輸出産業を支えた。教科書の中だけのカイコが、現実の姿となって田んぼの物置にいると、それだけで悠久の歴史を感じることができる。それもたった30日間ほど(正味は5齢の8日間のみ)、1日10~15分の世話だけで。

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桑の葉がまた足らなくなった

またしても桑の葉が足らなくなり、家から20分ほどの酪農家宅へ桑をもらいに行った。群馬県蚕糸技術センターから送ってもらった蚕は4人で分けたが、そのうち2人の蚕は昨日からすでに繭を作り始めているが、ボクのはまだその気配がない。  
    
 
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25頭ほどの牛を飼われてる。ジャージー種が1頭、白い牛が3頭、一般的なホルスタインが21頭。

  

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そのうち4頭は山の放牧場にいた。「おーい」と、若い酪農後継者が呼ぶと、向こうの林の中から4頭の牛が駆け足でやってきた。電柵の近くにエサをふりまくと競って食べるが、電柵に触れると4頭が同時にのけぞって後ずさりする。このようにして「電柵に触れると怖い」と学習させる。

1ヘクタール規模の放牧場だが牧草の再生には4頭ほどが限度なのだろう。小屋はなく、夜は林の中で寝る。


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酪農家はヤギも10頭ほど飼っている。小型のペット系ヤギがかわいい顔で出迎えてくれた。ネットを介して「ヤギの販売力」があるから、これだけの頭数が飼えるのだろう。

ただ、世話や食べる餌の量に関しては、ヤギ10頭が束になってかかっても牛1頭には及ばないだろう。重量的にも子ヤギ1頭平均10キロ×8頭=80キロ。親ヤギ1頭35キロ×2頭=70キロ。合わせて150キロほどだろうから牛の3分の1ほどの重さしかない。

 
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ミツバチも7群ほど飼われている。2年ほど前に酪農家宅でアマチュア養蜂家の「スロー人」さんと出会い、ミツバチを飼いたいというきっかけになった。

家の前の庭にある池のそばに置かれた「キンリョウヘン」は葉がよく伸びて鉢いっぱいにおごっていた。ただこの春、キンリョウヘンでミツバチをゲットできたのは1群だけで、残りは「蜂球」などを見つけて巣箱に収めたらしい。
 
  

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放牧場のそばに植えられていた桑の木をたくさんもらって帰り、中央の画像のようにたくさんの桑の葉を与え、残りはタゴに水を入れてその中に活けた。与える桑の葉の量が足らなくて、他の人より蚕の成長が遅れたが、明日には「繭作り」を始める蚕が数頭はいるだろう。


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だから夕方、4センチ角の36穴の連結ポットを3分割(12個ずつ)して、稲の苗箱にガムテープで留めた。苗箱1枚に蚕を30頭ずつ数えながら置いたら、合計で10箱半(316頭)いた。

楽しく飼うには300頭ほどが限度と思った。そして、たった300頭でも大量の桑の葉が必要になることを痛感した。それくらいよく食べる。

我が家の桑の葉はほとんどなくなったので、今季はこの1回転だけで終わる。


まだ30代半ばの若い酪農後継者は多角経営をされている。牛25頭、ヤギ10頭ほど、ミツバチ7群ほど、そして子供さんの夏の自由研究に蚕も。加えて畑作もジャガイモ、サトイモを中心に「ヘクタール規模」の作付をされている。

25頭の牛だけで手いっぱいと思うが、他によく手が回せると思う。野菜だけでもボクの規模をはるかに超えている。


自分らしさの追求

他人の農業はなかなか真似はできないものである。真似のできる人は、ちょっと見せてもらったり、やり方を教えてもらったりするだけで、すぐに自分の圃場で再現できる。農業だけで食べていける人はそんな人が多い。

農業をスタートした頃には他人の農場を見せてもらいに行くことも度々あったが、その後はあまり行かなくなった。見せてもらっても真似ができないから。

一口に農業といっても、農業者は千差万別である。とにかく自分のスタイルを持つこと。収入の多寡は関係ない。技術の高低もあまり関係ない。限りなく自分らしさを追求することだと思う。農業収入の多い人、農業技術の高い人は、年齢にかかわらず、近くに結構存在する。しかし彼らの「真似をすること」は本当に難しい。

生活がかかっているのだから最低限の収入は必要だが、何とか日々の生活がまわっていくなら、他人の農業に惑わされず、ひたすら「自分の農業の形」や「将来のテーマ」を追求した方がいいと思う。

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ニワトリを9羽、引き取ってもらった

   
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10日ほど前、急に高温になってから巣箱はこんな状態が続いている。

これでは巣門の開閉扉を開けて内検することができない。開けるには開閉扉周辺のミツバチがもう少し少なくなる必要があり、そのタイミングをずっと狙い続けていたら、昨日の朝やっと画像よりミツバチがかなり少なくなっていた。

このチャンスを逃してはいけないと最下段の開閉扉(2分の1箱)を開けたら、蜂球がすでに台座近くまで伸びていた。

暑さのせいで画像のように外にミツバチが出たと思っていたが、すでに巣箱がいっぱいで居場所がなくなったミツバチがこのように外にはみ出した可能性もある。

こうなると、もう一段の継ぎ箱をして5.5箱にするか、もしくは最上段の1箱を採蜜してから1箱を継ぎ箱して元通りにするか、あるいはこのままの状態で放置するかの3通りの選択が考えられるが、このままの状態で放置することにした。理由は、
(1)5.5箱だと巣箱の安定性に欠けるし、4箱を持ち上げてその下に継ぎ箱をするのは1人では大変な作業になる。

(2)去年の経験から採蜜はできれば避けた方がいいと思った。

(3)結果、このままの状態で放置することにした。

  
  
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6月14日に逃去してきた群は、18日に2箱を継ぎ箱しているのでスペース的にはまだかなり広く、暑いようなそぶりも見えない。

1群ではなく2群だと、やはり見回りのかいがある。


今日、9羽のニワトリを赤磐市の友人に引き取ってもらった。餌を与えつつ、最初に最も凶暴なオンドリを捕まえ、その後にメンドリを1羽ずつ捕まえたが、3羽捕まえた頃から、ニワトリが騒ぎ出し逃げ回るようになった。こうなると捕まえづらい。そしてすきをみせるともう1羽のオンドリが襲ってくる。それでも何とか5羽ほど捕まえ、合計9羽を持って行った。残りのニワトリはメス18羽、オス1羽の合計19羽。
義父が今年から稲作を止めたのでコゴメをもらえなくなり、20羽ほどが限界の羽数になった。ただし野菜の残渣処理には15羽は下らない方がよい。3割の産卵率を目標に後2年は飼いたいと思う。つまりヒヨコを導入してから丸4年飼って淘汰することにしている。

ニワトリはヤギのように感情をあらわにすることはないが、それでも状況を悟ると甲高い鳴き声を発しながら逃げ回る。小雨が降る中の格闘だった。家畜を飼う者の宿命である。
 
同じ日に購入して分けた友人の「岡崎おーはん(品種名)」は全く羽が抜けておらず色つやもよく、胴体も一回り大きく見えた。栄養が足りているのだろう。我が家のは何か原因があって羽が抜けている(共食い?)のだが、餌をバラエティに富ますことは、自分の現実では無理。

帰りに桑の木(葉)をたくさんもらった。我が家の桑の木はまだ幼木なので葉が足らなくなった。繭を作り始める前のすさまじい食欲には恐れ入る。
 
2030年 農業の旅→ranking




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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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