
直売所に1万円分出荷(平均単価100円×100袋)して、全部売れたとしても、自分の取り分は1万円×85%(売上手数料が15%)=8500円。全部売れることはないのでせいぜい7500円が自分の取り分である。
7500円はワンパックの3箱分に相当する。ワンパックは中味2400円+送料800円=3200円平均で送っているので、2400円×3箱=7200円
同じ7200~7500円ほどの収入を得るには、ワンパックの方がかなり楽である。
(1)ワンパックでは袋代はかからない。直売所なら100袋×平均2円=200円の袋代がそのつどかかる。
(2)往復時間もワンパックの方が半分以下である。他に直売所では野菜を並べたり同業者と話したりすることも多いので、トータルでワンパックの3倍ほどの時間がかかっている。
(3)ワンパックには「納品書の記入」、「送り状の記入」、「箱詰め」と3つの作業があるが、直売所では「電熱シーラーで袋を閉じる(一部)」、「単価シールを張る」という2つの作業があり、昨日の出荷の場合、2つの作業に40分もかかっている。その日の出荷量にもよるが30分では終わらない。この30~40分は3つのワンパックの箱詰め作業時間に該当する。
(4)ワンパックでは自分の価格設定ができるが、直売所では他の生産者の価格を参考にせざるをえない。
(5)直売所では無農薬、低農薬のメリットはない。野菜の外観が問われる。
いかなる場合でも、他に依存しない自分の販路「直接販売(顔の見える関係)」を持つ営業努力を欠かしてはならないと思う。
新潟県や福島県の人には申し訳ないが、今日2時~3時頃にかけて降った強い夕立はまことにありがたい雨だった。まるで生き返ったように見える畑作物。
ただ、今日の午後に夕立があるとは思いもせず、朝1時間余り、エンジンポンプを稼働してシャワー散水をした。畝幅135センチで、向こう岸まで36メートルほどの畝が8列あるだけなので、散水もそんなに時間がかかるわけではない。雨が降らなければ今後は、毎夕1時間ほどの散水が必要になる。
今年から田んぼのそばの水路から水が引けるようになったが、水を引くには水路掃除をして、他の方向に流れている水路をせき止めて、こちら側(山ぎわ)に流れるようにし、水が順調に田んぼに入っているかどうか、しばしば確認する必要があり、これではかえってエンジンポンプによる散水の方が簡単で早い。
作付が一定量を越えれば、水路から水を引き込む方が簡単だが、作付量がさほど多くなければ、エンジンポンプによる散水の方が早い。

画像はピーマンである。ピーマンは25本しか植えていないというと、笑いながら「御隠居農業」と言った同業者は、ボクの20倍の500本ほど定植しているらしい。これが普通だと言う。その同業者の出してくるピーマンは肉厚で大きく、スーパーに並んでいるのと同じようなピーマンである。いろんな販路があるのか500本あっても「はける」のがすごい。その内60本ほどはパプリカ(カラーピーマン)である。
25本しか定植していなくても、1日おきに15~20袋分は収穫できる。逆に自分の場合は、これ以上定植すると出荷先がない。

自分の場合は同業者が敬遠するような野菜でも作っていかないと、他の作物では到底たちうちできない。オクラはそのうちの一つと思っている。
オクラが敬遠されるのは、毎日収穫する必要があることと、他の野菜に比べて収穫量が少なく、時間もかかるからだと思う。
去年までオクラの「採算性」にあまり気づかなかったが、同面積の他作物と並べて植えて初めて、このことに気づいた。向こう岸まで同じ2列でもツルムラサキは1日おきに30袋が軽く、オクラは毎日収穫して2日間で30袋に満たず、1袋の単価もツルムラサキより安い。収獲に要する時間も2日間の合計でツルムラサキの3倍ほど。
それでもオクラは止めるわけにはいかない。さほど過当競争にならない作物と思うから。ただし、今作っているくらいが限度である。増やせば増やすほど採算性の悪さが拡大する。
昨日、秋ナスに向けて更新したナスビだが、更新して完了ではなく、更新して「水やり」をして完了である。更新しただけで水やりをしなかったら、新たな根動きはなく、そこで成長が止まったままである。朝、散水したのはそれも大きな理由だった。