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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

かわいいベイビー 

  
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かわいいベイビー ハイハイ

かわいいベイビー ハイハイ

かわいいベイビー と呼ぶのは

愛している からかしら

リトルリトルベイビー

かわいいベイビー 


いつもより30分早く7時半に田んぼに着くとすぐヤギ小屋に直行した。

そしてメスの尻を見た瞬間すべてを理解した。

急いで小屋の中をのぞくと、1頭と思っていたのに2頭も。

デジカメを忘れているのを気づき大急ぎで家に取りに戻った。


早朝に産まれたのだと思う。おしっこをする格好を見て1頭はすぐにオスとわかった。もう1頭は? 肛門付近を調べてもう1頭もオスとわかった。

メスだったら、福島県南会津市のOさんに送り
オスだったら、家から3キロの集落で引き取ってもらえる
 
南会津のOさんに新しい命を送りたかったが、残念だ。

しかしオス2頭だったので1頭の行き先が決まらない。


どうやら安産だったようだ。草場に連れ出す時には行きも帰りも走っていたし、日ごろよく運動ができているので、多分安産だろうと思っていた。 

今日は1日中何回も「鉱塩」という塩をなめていた。出産後は塩分が必要になるのかも知れない。

8時半頃にはすでに立って歩いた。ひょろついていたが、野生ならすぐに歩けないと天敵のエサになってしまう。


オスが蹴飛ばしたり踏みつけるなど、全く杞憂だった。「種の維持」からも、そんなことをするわけがない。

それどころか遠慮して、自分の小屋に足を踏み入れることすら今日は一度もなかった。後産を片づける時に子ヤギをオスの小屋に移してそのままにした。

出産も1メートル四角の小屋で十分対応できた。乳離れする5月末まで2か月間飼うことになるが、それまでこの小屋に置いても狭くはない。大人のヤギ2頭が入ると狭い。

先に出産した2人の先輩のヤギも早朝出産だったので、ヤギは朝方の出産が多いようだ。

以前、病気でよたよたしていたタヌキをハゲタカのようにカラスが狙っていたのを見て、カラスが危険と思ったが、子ヤギは母ヤギのそばからあまり離れないし、母ヤギも絶えず注意を払っているので全く問題ないと思った。2~3日後は放牧場の外につなぐ予定で、その時には子ヤギも連れていく。

   
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今日はオスにかまってやれず、メスと子ヤギに夢中になっていたら、やたらとちょっかいを出してくる。頭を何度も押し付けてきたり、片足をボクの膝や背中に置いてしきりに注意を引こうとする。激しい嫉妬を感じた。その後あきらめたのか、大岩の上でひとしきり過ごしていた。


子ヤギが2頭なので、乳はちょっと搾れそうにない。2ヶ月後からになるだろう。メスヤギを見た何人かの人に乳はあまり出ないだろうと言われている。この1年の状況を見て、コップ2杯も飲めないようなら、ザーネン種のメスに入れ替えたくなるかもしれない。

風景を作るとか、ブログの表紙(ネタ)よりも、ヤギの乳を飲みたいという欲求が最も大きいと気付いた。元々、ペット(癒し)という感覚は全くなかった。ペットを飼うような余裕は自分にはない。


ヤギの色は白。1頭は純白だが、もう1頭は普通の白。色はもう少し日時が経過しないとよくわからない。角も生える場合は1ヶ月ほどしてから生えてくるようだ。ただ母ヤギにもないし、種付けしてもらった父ヤギにもないので、多分生えないと思う。

子ヤギ2頭の最終サイズは、今いるオスヤギくらいだと思う。種付けしてもらったオスはザーネン種で比較的大きい方だが、母ヤギが小さいのでそう大きくはならないだろう。最終サイズはヤギを飼ううえで大きなポイントの一つと思う。

今はただ2ヶ月間無事に育てて、その間に残る1頭のオスを育ててくれる人を探したい。

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それでも原発しか仕事がない

   
 
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震災復興の4つの財源
(1)子ども手当
(2)高速道路無料化
(3)高校の授業料無料化
(4)農家の戸別所得補償
これら4つのバラマキ施策をやめれば、必要な財源の半分程度を確保できるだろう。(朝日新聞 経済気象台)


それでも原発しか仕事がない

『365日、東電から仕事をもらってきた。次の仕事をもらうためには、被爆するかもしれない制限区域での仕事でも、行かなければならない』

『廃炉になっても放射線を出し続けるのだから、管理する仕事は残る。仮設住宅がどこにできるかわからないが、40代の今、避難先に仕事があるのか・・・』

『東電の孫請け会社に勤める、第1原発の近くで生まれ育った40代男性は、避難所で会社からの呼び出しを待つ。ここは原発以外に働くところがないから』

(朝日新聞3月29日)



農業情報研究所主催 北林寿信

地震ハザードマップに原発分布図を重ねた英国ガーディアン紙の世界地図が目に飛び込んできた。最高の地震危険度を示す真っ赤に塗られた日本列島には、原発の所在を示す黒点が隙間もなく並んでいる。こんな国はどこにもない。原発の数が104で世界一の米国でも、赤塗りの地域にあるのはカリフォルニアの2つだけだ。59で第2位のフランスには、赤塗りの地域がそもそもない。最高危険地域が全土を覆う日本は、既に世界第3位、55もの原発を作り上げてしまった。
 私は慄然とした。これでは日本は、ボタンがいつ押されるかもわからない何百もの原爆を乗せているようなものではないか。日本はいずれ破滅する。原発のない日本はあり得るのか。そういう社会、農業・農村とはどんなものなのか。私の調査研究活動の大目標が見えてきたのかもしれない。(農業新聞3月24日)



関電、原発重視を強調


関西電力の八木誠社長は28日、定例会見で、原子力発電は「エネルギーの安定供給や地球温暖化対策の切り札だ」として必要性を改めて強調し、原発重視の従来方針からの大きな転換には否定的な考えを示した。一方で、東日本大震災後に新たな組織を立ち上げて大規模災害の対策見直しを検討。同社の原発が安全上、想定している津波の高さを見直す可能性も示唆した。
(朝日新聞3月29日) 

国も原発被害を賠償するという国営企業のような方針をとるから、こういう発言をするトップが出てくる。「想定外」の自然災害は地球温暖化の現在、発生頻度はますます多くなる。
 
ただ、原発は官民一体で進めてきたのだから国が負担するのはやむをえないのか。



ドイツ、原発停止求め25万人デモ 

ドイツは17基の原発を抱えるが、反原発を唱えてきた環境政党「緑の党」が政権参加したシュレーダー前政権は、段階的に全廃をめざす「脱原発」政策を推進した。
 それに対し、メルケル現政権は昨秋、政策を転換。すべての原発の運転期間を延長することを決めた。反発が強まっていたところに、福島の事故が起きた。独シュテルン誌によると、14日の世論調査で「即座、または5年以内にすべての原発を止めるべきだ」との意見が63%を占めた。

隣国オーストリアは、もともと反原発政策が国是。政府は22日、欧州全体の脱原発化をめざす「反原子力行動計画」を発表した。

イタリアはチェルノブイリ事故後の1987年の国民投票の結果を受けて、すべての原発を閉鎖している。その再開を改めて問う国民投票を今年6月に控えており、論議が高まりそうだ。

フランス、ロシア、米国・・・安全強化に力。
中国、インド・・・様子見。
(朝日新聞3月28日)  
 


大江健三郎さん 米誌で原発批判

ノーベル賞作家の大江健三郎さんが、米誌「ニューヨーカー」の最新号に福島第一原発の事故に関連して「歴史は繰り返す」と題する文章を寄稿し、「広島の原爆犠牲者に対する最悪の形の裏切り」などと原発批判を展開した。大江さんは「日本は広島の原発から何を学んだのか」と問いかけ、原発事故は遠くにあるものではなく、常に身近にあると指摘。「現在の惨事から教訓を導き出せるかは、同じ過ちを繰り返さないと決意できるかにかかっている」とした。
(朝日新聞3月23日)



震災で発現したペットと家畜の格差

いっしょに避難できない家畜はつながれたまま、もしくはケージの中で「蛾死」したのだろうか。

たとえ犯罪になろうとも自分だったら、ヤギ2頭は山に逃し、ニワトリ29羽も同じく山に放ってから避難するだろう。頭数(羽数)が少なければこうすることも可能。



原発誘致 悔いる町議

 これといった産業がなく「出稼ぎの町」だった双葉町にとって、原発は金の卵を産むニワトリだった。
 町は原発立地自治体に払われる交付金などを見込んで90年代にハコモノを乱発。借金返済に追われ、早期健全化団体に転落するほど、一時は切迫していた。7、8号機の増設凍結を解除すると、その見返りに毎年9億8千万円の初期対策交付金が町に入った。
 だが、町に住民をとどめるため誘致した原発のせいで、いまは町に住民が近づくこともできない。
(3月29日朝日新聞、一部抜粋)

なお、町税19億1400万円のうち15億2500万円は固定資産税で、うち約9割は原発関連という。

これを読んでいたら、水俣病とチッソの関係に似ていると思った。多くの水俣市民がチッソ関連の仕事で生活をしていたという構図。 

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復興財源は国債の増発ではなく予算の組み替えで

  
 
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昨日は物置に寝かせたが、今日はまた放牧場へ戻した。夕方5時~翌朝8時まで15時間も物置の3畳に閉じ込めるのはよくないと感じた。

結局、放牧場の1メートル四角の小屋で産ませることにした。メスがそれを望んでいるようだから。



オピニオン 上野泰也さん(エコノミスト)


「国債を大量に増発してもいいから、大規模な補正予算を組め。そうすれば復興需要が膨らむ」などという人がいますが、冷静さを欠いている。

国債の増発は、できる限り避けなければならない。後の世代が、膨大な債務返済の負担を背負うことになります。増え続ける「国債残高」と、減る傾向にある「家計の金融資産」が、肩を並べる日は遠くないとみられるのですから。

その結果、国債の消化を海外投資家に頼るようになれば、低金利では買い手がつかず、金利の急上昇、ひいては債務負担の急増につながりかねない。

できる限り新年度予算を大胆に組み替えることで、復興財源をひねり出すべきだと思います。子ども手当の増額や法人減税などは、いずれも中止は避けられない。一時的ですが、社会保障費の抑制や、所得税などの増税といった措置も必要です。
(朝日新聞3月22日、一部抜粋)


戸別所得補償を含む農業補助金も全て復興財源にまわすべきだと思う。もともと農業補助金は費用対効果の観点からもほとんど意味がない。

「復興財源は国債の増発ではなく予算の組み替えで!」。もしここで国債の増発という手段を選択するなら、日本経済は奈落の底に突き進むだろう。

ただ、予算の組み替えには、それぞれの族議員を擁する農協のような既得権益集団や野党のすさまじい抵抗にあうだろう。

いかなる抵抗にあおうとも、国債の増発という手段は絶対に避けるべき。


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原発賠償 国は負担するな

  
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夕方、急に思いついて物置(分娩房)に移した。明日にしようと思ったが、粘液が出だしたように感じたから。

ここは放牧場ができるまではメスヤギの小屋(オスの去勢が終わっていなかったので別々に飼っていた)だったので、それもあってここを分娩房にした。

思いついてから山に上がり、晩秋に刈っていた枯草を集めて束にし4束持って下りた。小屋は1坪半(3畳)なので、これだけあれば十分。

メスをここに移してからしばらくオスが鳴き叫んでいたが、岩の上からはっきりメスが見えるので、それで安心したのか騒がなくなった。

メスはすぐにこの物置(分娩房)を受け入れてくれた。こんな時に役立つのが大好物のビワの葉で、太くなければ茎も食べる。飲み水も用意した。

出産時にオスが踏んだりする事故があってもいけないので、出産前後の1週間は別々にしておこうと思う。昼間はいつもどうり戸外につなぐが、生まれてすぐは母ヤギのそばから離れないと思うのでカラスは大丈夫だろう。


原発賠償 国は負担するな(九州大副学長 吉岡斉さん)

今回の事故の責任はすべて東電に支払わせ、政府が援助すべきではない。「事故があっても政府が守ってくれる」というのはもう通用しないことを示した方がいい。

米国では原子力委員会が推進も規制もやるのは問題だとされ、規制を分離して原子力規制委員会を作った。

原子力安全・保安院と電力会社の関係も問題だ。今回も、海水注入を決断するまでにかなり時間がかかっているが、おそらく東京電力が廃炉にするのを渋ったのではないか。電力会社の意向を聞きながら対策をやっているようでは、後手後手にまわってしまう。

原発は燃料費こそ火力に比べて安いが、設置コストが高い。今回の事故でさらに安全対策のコストがかかるし、その経営リスクはきわめて大きい。政府が積極的に原子力発電を推進することをやめ、電力会社が自由に経営判断できるようにさえすれば、おのずと原発から撤退していくはずだ。

原発は、事故や災害が起きれば多数基が一度にダウンし、運転再開までに時間がかかるので、電力供給不安定を招きやすい。その可能性は前々から指摘されてきたのに、原発を作り続けてきた責任は重大だ。本質的にはエネルギー政策の誤りであり、電力会社の誤りでもある。
(3月25日朝日新聞オピニオン 一部抜粋)


南相馬市長 桜井勝延さん


原発は12日に1号機で水素爆発が起きたときから心配でした。他の炉にも廃炉覚悟で早く海水を入れた方がいいと思った。あの時点で海水を入れられたはずです。そうせずに14日には3号機で水素爆発が起き、放射性物質をまき散らすことになり、県内産の牛乳や野菜も汚染された。まさに人災です。

原発による恩恵は何もありませんでした。我々は立地町ではないので、東京電力から財政援助が全くないまま、被害だけを被っているのが実態です。

原発の事故はテレビで知りました。東電だけでなく、国や県から何の情報もなかった。
(3月25日朝日新聞オピニオン 一部抜粋) 



反対の多い原発の誘致には通常、地元に莫大がカネが落とされる。

その当時の国会議員を通して「根回し」がされ、地元の有力者だけには事前に了承の回答をとりつけ、一般の地元の人には「寝耳に水」で、地元の集会等で「誘致話」が報告された時には既に9割がた準備完了になっており、地元の意見を聞くなどの名目で報告会が開かれても、国会議員や地元の有力者の居丈高な声や落ちるカネの威力により、一般の人は往々にして声が出せない。これが日本の極型的な誘致の方法である。

『大津波の襲来は少なくとも20年前からわかっていた。国による古い原発の再審査も、費用を懸念する産業界の反対で遅れていた』・・・政官業の癒着というか、日本のこういう風土は、根本的に変わっていない。

鳥インフルエンザでも口蹄疫でも「大規模飼育」のリスクを経営者でなく「国家が負担する(家畜伝染病予防法)」のでは、「飼育方法の誤り」は決して見直されないし、家畜福祉にも全く反する飼い方が今後も続いてしまう。

鳥インフルエンザや口蹄疫の発生源は大半が「大規模飼育の現場」であり、原発と同じくリスクを「経営者の自己責任」としないなら、それは国営企業と同じである。


これ以上の「快適性」も「経済の成長」も期待しないというより、成長政策には反対である。成長路線は格差をますます助長し、環境への負荷を増すだけである。

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PPバンドがうまく使えない

   
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3月末とは思えない寒さで、しかも強風の1日だった。

こんな寒さの中で出産させたくないが、予定日は迫っている。

昨日で懲りたと思ったのに、今日もまた「テン」が物置に入っていた。ブロックを置いていた場所とは違う場所を掘って入られた。

きちんと安全対策をしてから、物置に用意した出産部屋に移す必要がある。


昼から買い物に出たついでにガソリンを入れたら1リットルが145円だった。満タンにしたら1ヶ月ほどもつので、そんなに影響はない。

コメリでニワトリの飼料とミツバチ用品を買った。
ニワトリの飼料・・・20キロ(1230円)
ミツバチ用品
レンガ・・・148円×5個=(740円)
赤レンガ・・・78円×5個=(390円)
ブロック・・・88円×10個=(880円)
PPバンド・・・100メートル(298円)
バンドストッパー・・・50個(198円)
合計で3736円。

ミツバチの巣箱になぜこんなものが必要かというと、設置にはまずブロック2個を置き、その上に黄色のコンテナを置き、それから巣箱を置き、巣箱の重しにレンガを置き、その上から雨よけにポリカ波板を置き、それらをPPバンドで締める。

こんなこまごましたものの金額も、積算合計をすればかなり高くつくが、大きな楽しみだから。しかしミツバチは3キロ四方が行動圏であり、置ける箱数は自ずから限度があるので早晩、投資は終わる。
 
PPバンドの使い方を何回教えてもらっても、いざ自分でしようとしたら、どうもうまく使えない。それでも「マイカ線」では強く締めれないので、PPバンドをどうしてもマスターする必要がある。「紐結び」を覚えるよりはるかに簡単なはずなのに。


ど素人だから逆に、ミツバチに関して伝えれることが多いと思っている。4年経過したら、ミツバチに関して1冊の本が書ける。農業と違ってミツバチはまとめやすい。

ミツバチに関する本を読む時間がなかなか取れず、頭からでなくミツバチ自身から学ぶようにしてきた。でも最低限のレベルには達したので、このへんで本からの知識を増やす必要がある。巣箱を作ってもらっている木工作家に進められた『我が家にミツバチがやってきた』(久志富士男著、高文研)を図書館で予約した。


ヤギに関してもいつか1冊の本にしたい。ニワトリはヤギと違って感情が乏しいので書ける内容が少なく、農業はパソコンの習得と同じで体系的に学んでもあまり役に立たないような気がする。パソコンに関して自分はブログ以外の他の機能はほとんど使えないが、インターネットを見ることと、ブログをすること以外でパソコンを使うことはないので十分に間に合っている。農業もパソコンと同じようなやり方がいいと思う。

農業以外にいろいろ手を広げているように見えても、自分の場合はこれが1セット。超不器用で理系センスもゼロだが、農業は万人向きの職業である。ただし手取り100万以上が必要な人は農業を選択しない方がいい。
 


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「テン」という害獣

    
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今年は「クン炭」ができず、単なる「籾殻」で使わざるをえないかもしれない。

クン炭を作るにも適期(旬)というものがある。籾殻ができる(もらえる)のは11月に入ってからになるが、それを焼くのは1月、2月の2か月間が適期(旬)である。その時期は低温でゆっくり焼けるし、風が少ない日が多い。3月に入ると風の強い日が多くなる。風のある日はクン炭は焼きづらい。 


隔離していたニワトリが「テン」という害獣にやられた。元気になったから2~3日うちに元に戻そうと思った矢先だった。

テンはニワトリの肉は食べず、首をかじって遊ぶように殺してしまう。ニワトリの半分ほどの大きさしかないのに。

そして、物置に置いていた卵も10個やられた。

ネズミ取りに引っかかっていた2匹のネズミも食べたようだ。

以前、木の上でヘビを食べていたのを見たことがある。

新潟県の佐渡で「トキ」を襲ったのも確かテン。

まるで雑食。そして逃げ足が速く、金網なども駆け上がる。今日は物置の中で見かけたのですぐに出入口の 戸を閉め、仕留めようと30分ほどテンと格闘したが結局逃げられた。

物置の出入り口の戸の下の土を掘って入られた。土を掘り返すのも上手だし、レンガくらいなら動かしてしまう。

以前には何回か「温床」に入れらて苗を踏みつけられたり、温床を掘り返されたこともある。

猫より一回り小さいが、尻尾が長く全体は茶色。

ニワトリの更新(ヒヨコの導入)の時期に、卵が途切れないように7羽だけ簡易鳥小屋に移し、去年の春まで1年間ほど飼ったが、その時にはテンにやられなかったのに、同じ簡易鳥小屋で今回はやられた。簡易鳥小屋の周囲を見て回ったが入られた形跡はなく、出入口のコンパネの上の網をかいくぐって入ったようだ。

テンは小型なので電柵など何の効果もない。いったいこんな害獣はいつ頃から出始めたのだろう。4~5年前からのように思う。野菜は食べないようだ。

チャンのような罠を仕掛けたらいいのだろうが、自分はそういうことが得意でない。 

今日の出来事で懲りてくれればいいが、今後も物置に入ってくるようだとヤギの出産によくない。夕方帰る時には出入口にレンガでなくブロックを置くようにした。

今日のテンの一件で、メスヤギの物置への移動を少し遅らせた。出産中の子ヤギを狙われたら困る。かといって放牧場へそのままにしておくと、1メートル四角の小屋の中で生まれた場合、オスに踏まれる可能性があるし、子ヤギが外に出ると、小さい間はカラスが大敵になる。 



野菜を収穫するコンテナの底には必ず新品の新聞紙(新聞販売店でもらっている)を敷くし、収穫後にはジョロで「打ち水」をするので新聞紙は濡れる。収穫するたびにこのような大量の濡れ新聞紙が出る。濡れ新聞紙は定期的に枯れ竹や枯れ木と共に焼却している。

ポリ類は一切焼かずに全て産業廃棄物として購入先の引き取り日に有料で引き取ってもらう。

ポリ類(黒マルチ等)が焼却禁止になってからまだ15年ほどしか経過していない。家庭ゴミもその頃に焼却禁止になった。 


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今はまだ雑草の伸びも少ないので、ナバナを収穫してはヤギとニワトリに与えている。

「出荷すればいいのに」と思われるかもしれませんが、その時間がない。自分の場合、今の時期は週2回の出荷が限度である。

出荷しようと思えば、収穫、仕分け袋詰め、単価シール張り、直売所の往復時間、直売所で並べたりする時間がかかってくる。ヤギやニワトリに与えるのだったら、その10分の1の時間しかかからない。出荷しない家庭菜園も同じ。


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桜が咲く春が来るのに、春が見えない

 
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太陽の上る位置が変わってきた。出産まで後10日。 


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太陽のあたり具合を確認しながら、巣箱置き場のチェックをした。分蜂まで後20日ほど。

合計で20個ほどの巣箱(待ち受け)をセットしている。


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先日定植したレタスに、保温、日よけ、風よけのため黒い寒冷紗をかぶせた。 


出荷制限 摂取制限、水道水の汚染・・・感情移入をしていたら壊れそうになった

農家はどうなる 

このまま事態の経過を見続けるしかないのか

摂取できないなら、何を食べたらいいのか

家畜はどうなる

家畜は青菜のエサが必要

他に購入飼料のエサ代もかかる

しかし牛乳は出荷制限

出荷制限された牛乳の捨て場も問題になる 


とにかくエサは与え続けなければならないし

乳は搾り続けなければならないし

搾った乳は捨て続けることになるし

そのうち捨て場もなくなる

どうしたらいいのか

こんな状態が1週間以上続いたら、想像を絶する


どうすることもできない

ボクはただ、テレビや新聞で状況を見つめるだけ

汚染された状態が早期に回復に向かうだろうか

この先何年も続くような状況になったら

想像を絶する

多くの悲劇が生じる 


第一次産業は土地や海にすがって生きるしかない

その土地や海が汚染されたら

どうしたらいいのだろう
 
しかし故郷は離れられない


明日が見えない

桜が咲く春が来るのに、春が見えない人がいる

ボクはただ、その現実を見つめるだけ

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TPPより害獣の方がはるかに問題

 

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さくらんぼの蕾が膨らんできた。開花まで後5日間ほど。

果実は野鳥の食料になり、ほとんど食べたことがない。だから花を楽しむだけだが、それでもいい。山桜の多くは桜枯病で枯れてしまい、田んぼ周辺の山には数えるほどしかないので、さくらんぼの花を桜代わりに楽しんでいる。 


新聞紙で一個ずつ包み発砲スチロールに入れて台所の冷蔵庫の上に置いていたサツマイモが今年は3分の2ほど腐っていた。新聞紙より籾殻の方がよかったかもしれない。

「田んぼ」で作るサツマイモはあまりおいしくないので、今年は減らすつもり。品種も少し変えてみようと思い、ホームセンターで鳴門金時60本、安納芋10本の苗を注文した。 合計で2千円ほど。


コメリで3月21日にボードン11号袋(100枚入り)を購入したら288円だった。3月7日に購入した時には208円だったのに、震災後に1袋が80円も値上がりしている。 


害獣は多いが、まだ巣箱に直接の被害はない。シカは蜂蜜に興味がないということを類縁のヤギを通してわかったが、イノシシも蜂蜜には興味がないようである。ただ、巣箱を蹴飛ばされたり、巣箱の下を「もくられる」ことはあり得るかもしれないと思っていたが、今の所それもない。油断はできないが、巣箱に害獣被害がないという現実はとても助かる。ただしクマが出没するようになればミツバチウオッチングの楽しみも終わる。 


田んぼ全体を電柵で囲んで1年と4ヶ月であるが、あれから1度も害獣の侵入はない。しかし電柵による種々の負担は、電柵が必要でなかった頃に比べれば、格段に増えている。
(1)朝夕の電柵ゲートの開閉。
(2)電柵の下の雑草管理。
(3)電柵の外に出る時、柵線をそのつどくぐらなければならず不便。
(4)ヤギに畔草を与える時、柵線の近くにはつなげない。
(5)定期的な漏電(枯れ枝や伸びた草の接触)の見回り。

害獣による身体的、精神的、経済的負担を考えたら、TPPなど取るに足らない。

TPPに参加すれば日本の農業が壊滅すると言うが、すでに30年以上に渡って「凋落の一途」であり、TPPに関係なく日本の農業は、サラリーマン所得との比較や害獣による被害によって崩壊寸前である。

この30年間、何の手立てもしてこなかった。農協、自民党、農水省の三位一体の「蜜月時代」が30年以上にわたって続き、莫大な農業予算が投入され続けてきた実績があるにもかかわらず。

いったい誰のためのTPP反対だろうか。



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このあたりでは「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言われるが、今週は霜注意報が出ている。春の雑草の伸びが悪く、ヤギが満足するほど食べれない。 

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レタスの定植

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11月中旬にエンドウといっしょに蒔いたサラダナ、サニーレタス、結球レタスの3種類を今日定植した。久しぶりの雨のタイミングを狙った。

レタスは病害虫がほとんどないので作りやすい。ワンパック宅配だけなら、きちんと数えて定植する必要があるが、残れば直売所へ出荷すればいいので、いくら植えてもよい。
 
定植後2ヶ月ほどで収穫は終わってしまうが、黒マルチをするとしないとでは成育スピードや目方が大分違ってくると思うし、泥はねがないので収穫後に洗う必要もない。利点はきわめて多いが、ただ一つの欠点は使用後は産業廃棄物になるという点。


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いじめにあい隔離していたニワトリは死ぬかと思ったが、元気になって食欲も旺盛になった。鶏舎の中に生えていた草もかなり食べている。


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ナバナは「三陸つぼみ菜」と「のらぼう菜」の2種類を蒔いているが、三陸つぼみ菜の2週間後にのらぼう菜の収穫が始まり、この組み合わせはよかった。のらぼう菜は農業新聞の菜園教室で、尊敬する金子美登さんが推奨されていたので蒔く気になった。

このナバナは前年の9月20日頃に蒔き10月下旬に定植したが、これも黒マルチをするとしないとでは、成育に大きな差が出る。

 
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今日来られたヤギ仲間の人が、ヤギはやっぱり乳を飲みたいというのが主目的になると言われて、ボクも全く同感だった。ペットなら犬や猫の方が随分優れていると思う。なぜなら「ききわけが悪く、なかなかいうことを聞いてくれない」から。

乳を飲みたいなら、少し大型になるが「ザーネン種」がよい。

ヤギを飼うようになってから、大岩のあるこの一帯が3アールほどの放牧場として有効活用できるようになった。

ヤギは木の葉や竹の葉など、山のものを好む。この2年間で近くのドングリの木はほとんど食べつくし、だんだん遠くへ行かざるをえなくなった。いったい、生涯の間にどれくらいの木を食べつくすのだろう。ネパールではヤギの口の届く範囲の木はほとんど食べつくされ、禿山のようになっているらしい。

一昔前「貧農のヤギ」と呼ばれたのはエサ代がかからなかったから。
   


  
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越冬できたのは群が弱く、採蜜できなかった一群だった。

採蜜した3群はそれぞれ、「逃去」、「消滅」、「蛾死」だった。

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格差の下側にいて資本主義に対峙するには

  
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ヤギは画像の「ホトケノザ」という雑草を食べてくれない。2月下旬~3月中旬にかけてレンゲのように密集して咲くので、食べて片づけて欲しい。雑草は何でもよく食べるのにホトケノザは例外。


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出産予定日まで後2週間。メスだったら福島県へ旅立つ。送るのは5月下旬頃になるが、それまでに原発問題は解決しているだろうか。本家の銀ちゃん・ラムちゃんは数日前、福島県から北海道へ疎開した。

  
  
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去年の花後に2鉢を12鉢に株分けしたキンリョウヘンのうち、1鉢だけよくおごっているのがある。ひょっとしてこれが咲いてくれるかもしれないと期待している。
 
ポリのトンネルをしているが3~4日に1度、画像のバケツにメタン菌液肥を入れ、井戸水で10倍ほどに薄めたものを潅水している。

今年は株分けはせず、どういう土がいいのかネットで調べて、鉢の土の入れ替えをしようと思う。現在の鉢は山の腐葉土を入れ、植えてから周囲に消し炭を置いた。

買おうと思ったが1鉢が4千円以上するので止めた。キンリョウヘンがない代わりに、「置く箱数」と「置き場所」で勝負をかける。


お彼岸までにする予定だった下記3つがまだできていない。
(1)田んぼの傍らの溝(水路)掃除
(2)エンドウ類の支柱
(3)籾殻クン炭作り
なかなか追いつけない。


格差の下側にいて資本主義に対峙するするには、
(1)できるだけ働かない(賃労働をしない)
(2)できるだけ頑張らない
(3)できるだけ買わない
(4)できるだけ売らない
この4つがポイントのような気がする。しかし下手をすると、そうしようとする自分自身が崩されてしまうので、絶妙なバランスが必要になる。

そして、経済に関係ないところで
(1)できるだけ時間を使う
(2)できるだけ頑張る
(3)できるだけ楽しむ
(4)できるだけ没頭する(目的を持つ) 

こういう風にできるのは、やはり農業だからと思う。農業は資本主義とは異なる土俵に立つ。だから資本主義にまき込まれずに生きることもできる。


資本主義は自給自足主義を壊すことによって成り立ち、壊せば壊すほど巨大化していった。いったん資本主義にまき込まれると、働き続けなければならなくなる。

自給自足とは農業から生まれた言葉である。


受け取れる年金は65才からなら84万、63才からなら74万、それから健康保険料や介護保険料を引かれると65万ほどかも知れない。65万÷12か月=約5万4千円ほどで1ヶ月を生活していく必要がある。ライフラインの支払いは家族で分担しているし、病気や家屋の修繕等が無ければ、自分自身のランニングコストだけなら、その範囲内で何とかやっていけると思うし、やっていく必要がある。


農業はその中に多くの楽しみがあり、癒しにもなり、輪廻転生(生と死の循環、死んだら土に戻りまた土から芽生える)を感じることができる唯一の職業と思う。

でも時々、資本主義に押しつぶされそうになる。そんな時「芸術は爆発だ!」の岡本太郎さんの次の言葉を思い起こす。
『生涯を通して、決意した自分に絶望的に賭けるのだ。変節してはならない』 

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乗用トラクターに想う

    

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秋冬作の黒マルチの片づけが終わり、田んぼの耕運をした。右の一角はヤギの草場に残した。

この乗用トラクターは父が60代後半に購入したものなので、青色申告書の「減価償却資産」には計上していない。

いくらで購入したのかも知らない。

いつ購入したのかもよくわからない。

父はそういう話をボクにしなかったし、もちろん相談もしなかったし、ボクもトラクターなどには全く興味もなかった。

後に妻に「この乗用トラクターはいつ買うたんじゃろうか」と聞いたが、「あんたが農業を始める確か3~4年前じゃったような気がする」と言った。

そういえば夕飯の時に父から、トラクターを買ったという話を聞いたような気がする。

納屋の別棟(50年前は牛小屋)に新品の乗用トラクターが置いてあったのに、農業を始めるまで見たこともなかった。


父は家庭菜園の傍ら、細々と50アールほどの稲作もしていたが、サラリーマンをしていた時は一度も手伝ったことがない。稲作は嫌いだったし、とにかくサラリーマン生活は自分にとって「えらかった」ので、農業どころではなかった。休日にはぐったりきて何もする気が起きなかった。

近所の人が見かねて「ちいたあ手伝うように言うたげんせえ」と妻には何人かが言っていたようだ。そのことを何年か後に聞いた。

それくらい農業とは縁遠い生活をしていたのに、変われば変わるもんだ。

頭に唐突に農業がひらめき、2年間の就農準備期間中も父には農業をするという話は一度もしなかったし、その間、稲作も家庭菜園も一度も手伝っていない。

とにかく会社勤めは自分にとってかなり負担だったので、並行して農業はとてもできなかった。

2年間の就農準備期間を経て会社をやめ、いざ農業という段階になっても、どうも田んぼに出る気がせず、農業研修に行ったりしていた。

やっと田んぼに出る(出れる)ようになったのは、会社をやめて1ヶ月以上が過ぎてからだった。

集落の人の目も嫌だった。農業をすることは「社会から落伍した」ように感じた。怪訝そうな目で見られるとなおそう感じた。かなり自意識過剰で過敏になっていたかもしれない。

しかし、周囲も自分も「その状況」に慣れていくものだ。受け入れたくなくても「その状況」を認めるというか、興味を失うというか、関係ないという気持ちになるまで、2~3週間の月日が必要だったように思う。

2月末に会社をやめ、7月2日に農業用軽四を購入するまでの4ヵ月間が最も危機的な状況だった。農業用軽四を購入してからやっと農業に「のめりこむ」ようになれて、その後現在までスランプのような状態に陥ったことは一度もない。

父といっしょに農業をしたのは晩年のちょうど3年間だった。その後入退院を繰り返すようになり1年後に亡くなった。

バトンリレーの期間は3年もあれば十分であるが、3年間は本当に必要な期間だった。この間に心身共に農業を受け入れるようになり、身体が戸外労働に慣れ親しむようになった。

父は若いころは葉タバコを作っていて、その後は家庭菜園を続けており野菜全般の作り方は知っていた。自分にはそれで十分だった。

田んぼのありかもすでに「うろおぼえ」の状態であり、まして持ち山の境界線など父に案内してもらって初めて知ることとなった。


農業のひらめき、農業への気おくれ、やっと農業現場に立ち、おかしげなスタートに見えるかもしれない。それでも現在、農業にたいしてこれだけ「講釈」をたれている。

農業が向いていたのかもしれない。農業能力はまるで劣るが。

農業に到達できた(するようになった)経緯や途中経過などさしたる意味はない。現在が充実できておればそれだけでよい。

それにしても、新品の乗用トラクターの購入価格はいくらだったのだろう。余裕のカネなどほとんどなかったはずだし、60代の後半だったし、ましてボクが農業をすることなど夢想だにしなかったはず。

農業をスタートする直前になって「農業をする」と言ったら、父は「食えるかえ~」とひとこと言っただけだった。3年間はよく手伝ってくれた。

画像の乗用トラクターは今も現役で活躍してくれている。購入してすでに25年ほどになると思う。壊れたらもう新品は買えない。中古でも30万円はするだろう。 

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自然災害には「社会主義的」な政策が必要

 

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阪神大震災とは違った、他の復興の仕方はないだろうか。現在の日本のような経済システムの下で、もとあったように復興をめざすのはあまりに遠くて苦しい気がする。

一昨年に中国でも大地震があったが、中国だと、復興の仕方がまた異なるだろう。

大きな災害があった場合、年金をもらっている世代よりもらっていない世代の方が生活は厳しい。職場も大きな被災を受けた可能性がある。こんな時、働く場所もなかなか見つからない。

元通りに追いつくのではなく、自給自足的コミューンのような違った復興の形がめざせないだろうか。

それが難しいなら、「社会主義的」な政策が必要である。その筆頭にあるのがベーシックインカム(現役世代の年金)だと思う。

継続的な支援はベーシックインカムに勝るものはない。


こういう考え方はTPPに対しても通じる。

たった2~3%ほどの農家を守って「自給率」とやらを確保するために莫大な補助金を投入するのは、既得権益を守る最たるもので何の効果もない。

農業補助金→ベーシックインカムへ
各種所得控除→ベーシックインカムへ
生活保護→ベーシックインカムへ
子ども手当→べ-シックインカムへ

べーシックインカム以外は、自由放任、弱肉強食の資本主義のままにする。農作物でいえば、完全自由化して外国から安い農作物をばんばん輸入する。高い国産か安い海外農作物かの選択は任せたらよい。

ベーシックインカムがあれば、自給自足的な農業参入が飛躍的に増え、そういう農業こそが、環境保全や里山保全や山村の維持につながる。

大規模農業は環境破壊的であり、気象変動に弱く、いざという時には何の役にも立たない。いざという時に助けてくれるのは親戚や友人、知人の小規模農家である。その小規模農家を増やすにはベーシックインカムが最も優れている。それは定年帰農型(年金型)農業が現役世代もできるからである。


自給自足主義は一見、経済にまるで貢献していないように見えるが、逆にこれくらい大きな貢献をするものはないと思う。それは金銭に換算できない経済効果(環境保全等)である。

自給自足主義は「怠惰」ではなく「生き方」。

ベーシックインカムに支えられた自給自足主義は、雇用、農業、環境問題を解決の方向に向ける。

日本では族議員や協同組合、既得権益集団のような各種圧力団体が横行して、健全な民主主義が育っていかない。ここが北欧の民主主義と決定的に異なる。同じ資本主義でもまるで異なる経済システムと考えれる。日本のそれは底が抜けた弱肉強食のすさまじい資本主義である。

このたびのような大きな自然災害が発生した時、ベーシックインカム(年間1人80万円を想定)ほど頼りになるものはないと思う。 

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それでも子孫は三陸を選んだ

 
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5ケース収穫できれば40袋ほどできる。今はナバナしか出荷できるものがないので、1回の出荷で40袋は出したい。

他の出荷者は、アスパラ、トマト、ミニトマト、ホウレンソウ、ミズナ、キャベツ、アイスプラント、シュンギク等を出している。

とにかく農業は実力主義の世界である。

3月、4月はナバナだけで、5月~6月中旬の1か月半は、ミニレタスとサラダナの2種類しか出荷できそうにない。

5月からまた始まるワンパック宅配では下記の野菜を出荷するが、このうち直売所にまわせる余裕のあるのは3類のレタス類と4類しかなく、4類のチンゲンサイとサラダシュンギク(2~3回ずらし蒔きの予定)に関しては、うまくいくかどうかわからない。

1類・・・タマネギ、ジャガイモ
2類・・・エンドウ、グリンピース、スナップエンドウ
3類・・・レタス類、キャベツ
4類・・・菜っ葉類(チンゲンサイ、サラダシュンギク)
ハーブ・・・ルバーブ、ハーブティ用ハーブ

6月中旬以降は、青シソ、スイートバジル、エンサイ、ジャガイモが直売所へも出荷できるようになる。

ワンパックを止めないでよかった。ワンパック宅配ならハーブ類もかき集めて何とかセットを組み立てることができる。

これが自分の実力であり、20年ほどかかって培ってきた現実であり、今さらどうすることもできない。
 

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ジャガイモの植え付けをした。サツマイモの跡地なので土地が「やせている」ため、ジャガイモの間に鳥小屋の鶏糞を一掴みずつ置いた。他にメタン菌液肥を今週中に施すと肥料はそれで終わり。


中学校の社会で習った三陸地方のリアス式海岸。いつか行ってみたいと思っていた。このたびの地震で観光客の2500人ほどが行方不明らしい。

果たして復興できるのだろうか。

この喪失感をどうしたら取り戻せるだろう。

人間の帰属意識が最も強いのは、故郷の山河や風景に加えて、その地の水や空気だと思う。その根源の場所をこのたびの地震で失ってしまい、その喪失感はいかばかりだろうか。

人間の根源の居場所は「記憶の奥深くにとどまる故郷の地」であり、そのベースの上に家族や職場という次の段階の帰属意識ができあがると思う。

その根幹の居場所を喪失した人たちは、今後どうやって自己を維持していくのだろうか。

もと住んでいた場所に復帰するのは、今の現状では難しい。

新しい土地へ新天地を求めて行くのは、年齢が高くなればなるほど難しい。

たとえ歴史は繰り返すとしても、もと住んでいた場所の近くに簡素な住宅を建てて暮らすことになるのだろうか。それとも、そこに住むことはもう許されず、少し離れた高台に建てられるのだろうか。

いずれにしても経済力の差が今後の明暗をわけてしまう。


869年(貞観三陸地震)死者約1000人

1611年(慶長三陸地震)死者2000~5000人

1896年(明治三陸地震)死者・行方不明者21959人

1933年(昭和三陸地震)死者・行方不明者約3000人

それでも子孫はその土地から離れることはなかった。ただ、前4回の大地震では、生活の根幹をなすライフラインがほとんど無料だった。

電話代はいらず、ガス代もいらず、灯油代もいらず、上水道代もいらず、下水道代もいらず、新聞代もいらず、NHK受信料もいらず、国民健康保険料を払う必要もなく、国民年金保険料を払う必要もなく、生命保険料や火災保険料もなく、固定資産税を払う必要もなく、車両関連費はかからず、家庭電化製品代はかからず、ほんの少し必要だったのは電気代と冠婚葬祭費だけだった。

多くの人は今、毎月、高止まりしているこれらのライフラインの支払に追われている。衣食住を含まない生きていくためのランニングコストである最低限のライフラインだけでも毎月5万円を超える固定費となっている現状では、復興は困難をきわめる。

戦前までは、衣・食はほとんど自給自足であり、住もそれほど費用がかからないわら屋根の簡素なものだった。

生きていくためには、毎月、莫大な金額を稼がなければならないのだ。それが近代資本主義を生きるということ。 


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ハーブの草取り


こんな時にブログの更新は不謹慎かもしれない。

そして、ブログにあまり集中できなくなっている。

それでも、日々の日課だから書いておこう。

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春はヤギの出産の季節。ヤギ仲間から、子ヤギが生まれたという話が耳に入るようになった。

  
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ジャガイモの種イモ15キロを切り、植える用意をした。明日か明後日に植えたい。

 

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前作、前々作の黒マルチを片付けている。黒マルチは敷き藁と違って土に戻らない産業廃棄物であるが、使うと使わないでは、労力と収穫量が全然違う。


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ハーブの草取りも進行中。直売所でハーブティはほとんど売れなかったので、今年は業務用のイタリア料理店と個人用のワンパックだけに入れるつもり。合計面積は1アールもあれば足りる。

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レモンバーム。10株もあれば十分。

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レモンバーベナ。瀬戸内市でも海に近い所は常緑草となるが、当地では冬は地上部が枯れ、春になると根元からまた新芽が芽吹いてくる。


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レモングラス。冬は地上部が枯れるが、春になればまた新芽が伸びてくる。 
 

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左がコモンタイムで右がレモンタイム。どちらも常緑草であるが、厳寒期に剪定しておけば右のような青々とした新芽が出てくるが、左のコモンタイムは今日剪定した。


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セイジも常緑草であるが、突然枯れることが多い。


   
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ミントはアップルミント、スペアミント、ブラックミントの3種類を作っている。雑草のようなもので、冬に地上部は枯れるが春になると元気な新芽が出てくる。


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ルバーブ。茎を小口切りし、茎の目方の半分の砂糖を入れ、水は加えず、弱火で20分ほど煮ると、酸味のあるおいしいルバーブのジャムのできあがり。5月上旬にまだ野菜の品数が揃わない時にワンパックに入れれる重宝な作物である。 


物置も片づけ中であるが、ミツバチ関連用品とヤギ関連用品が多く、いつも片づかないのは、この2つが原因であると認識させられた。かといって、利用しているので処分することはできない。

ミツバチもヤギも50代後半という年齢でやっと導入できる状況になっていた。これより若い年齢での導入は自分には難しかった。

早くても遅くても導入できない、ぎりぎりのタイミングでめぐりあえたような気がする。運がよければ後20年ほどは生きれる。ミツバチとヤギは今後、はかりしれないほどいろんな事を教えてくれるだろう。 

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巣箱の片づけ


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ミツバチが餓死したのは3月上旬である。春まであと一歩の所で蜜切れした。

やはり、去年の7月に1箱を横取りしたのが大きく影響した。

日本ミツバチは自分たちの群に必要な量の蜜を集めているのに、それを人間が横取りした結果、7か月後にこういう事態になった。巣は4箱目まで伸びていたが。

この群は最初にゲットした群であり、しかも、葉タバコ跡地に最初に設置した場所という、きわめて印象的な群だったが、どうしようもない。アリのようにがんばって蜜を集めたのに、春を目前にしてキリギリスにしてしまった。蛾死させたのは自分の責任である。

日本ミツバチは1年目は採蜜をしないのが普通らしく、採蜜をするなら採る時期と量が問題らしい。それでも蜂蜜をぜひ食べてみたかったことと、採蜜の経験がして見たかったという2つの理由で最上段の1箱を採蜜した。

  
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死んでいた蜂も巣も両方ともニワトリに与えた。ニワトリは蜂の巣をよく食べることは知っていた。採蜜した後の巣をニワトリに与えるとよく食べていたから。

ただ、死んだ蜂は食べなかった。「ハエ」と間違えたのかもしれない。「循環」という考えから、食べると思えるものは何でもニワトリの腹を通してリサイクルをしているが、今日の蜂はよくなかったかもしれない。春までにする予定の「糞だし作業」も早めにする必要がある。


山仕事で発生した「焼却作業」は、今日で全て終わった。所得税の確定申告書も今日郵送した。しかし、エンドウ類の支柱、春ジャガイモの植え付け、秋冬作の片づけ等、まだ追いつけていない農作業が多い。

7時のNHKニュースだけは見ている。見てもどうすることもできないが、見る必要がある。

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風呂に入れる幸せ


暖かい風呂に入れる幸せ

ホーム炬燵でテレビを見れる幸せ

電気の明かりがある幸せ

食べ物がいつでも口に入る幸せ



7時のNHKニュースを見た

新聞では伝わらないことが画像だと伝わってくる

田んぼに押し寄せる津波

海水が入った田んぼは将来も使いものにならない

5キロも川を逆流したようだ

テレビ画面に何回も出た仙台市の大型ハウスは、国が半分助成してできたトヨタ系列のパプリカの大型施設ではなかったか。確か去年完成した12億円のもの。



近代文明は大きな自然災害に、なぜこんなにもろいのか。

テレビニュースによれば、869年にも今回のような地震があり、内陸部の5キロメートルほどの場所に当時の履歴が堆積されているらしい。


電気、水道、トイレ、食糧…地震ではいつもライフラインが問題になる。

携帯電話も役に立たなかったようだ。


大きな自然災害に対しては、なすすべがないように見える。それでも被害を最小限にとどめるには、自然に寄り添うような形で田舎で小さな生活をしていくしかないと思う。
 
今回の大地震で「増税」が言われているが、増税ではなく思い切った予算規模の縮小と各種補助金の大幅削減をすべきだと思う。

「国家自体の縮小」という方向に舵をとる時代がきている。

経済成長や増税での復興は期待できない。
 
こんな大地震の時、現役世代にも、生きていくための最低限の補償であるベーシックインカム(現役世代の年金)があればどんなに助かるだろう。
 









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時代が農業に求めているのは、土への回帰と癒し

   
   
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ヤギの出産、ミツバチの分蜂と4月は楽しみが多いが、農休日のない日が続いている。

1日休むと農作業が滞ってしまう。雨の日は強制的に休ませてくれるが、雨の日にまとめて買い物に行ったリ、家の用事をする。

理想としている半農半Xからはほど遠い。

いくら忙しくても、いろんなことを並行処理していかないと、農業だけやっていたのでは展望が見えない。

ワンパック宅配から直売所出荷へと比重を移しても、作付面積自体はそれほど変えれないということを痛感している。つまり、いずれかの野菜を多くしたり少なくしたりするだけで、総面積は変わらない。

ワンパックだけの時は3月、4月は出荷がなかったが、現在はナバナを直売所へ出荷しているので、少なくとも週に2回、半日はつぶれる。この「しわ寄せ」は大きい。



50代の後半になると「たった50年」ほどの期間と思える。

たった50年前、肉といえば、飼っているニワトリをつぶして食べることだった。牛肉や豚肉が口に入ることは稀だった。

ニワトリは貴重な換金家畜だったので、卵も肉もそんなに食べることはできなかった。卵は週に1~2個、ニワトリを肉にするのは月に2回ほどだった。


大半を輸入飼料に依存している日本の畜産が崩壊しても、そんなに大きな影響はないと思う。輸入できる間は、安い海外の畜産物がいくらでも入ってくる。

世界的な大飢饉で輸入ストップのような状態になれば、20~30羽養鶏が容易に復活して、肉と卵を自給するようになるだろう。鶏肉が口にできれば、牛肉や豚肉が口に入らなくても何とか間に合う。エサも大豆や飼料米(麦)の自給をするようになるだろう。

牛乳が飲めなくなれば、ヤギが容易に復活してくる。その昔、ヤギは貧農の家畜と呼ばれたが、それはヤギが雑草と雑木だけで飼えるためエサ代がかからなかったことによる。


考えてみれば、現代の大規模畜産の方がよっぽど不自然である。不自然と思えるものは、そう長期間は継続できない。

農業経営があまりに資本主義的すぎる。

農業は本来、自給とか、癒しとか、遊びとか、独立自営とか、少量多品目とか、少数の家畜がいる複合経営を言う。つまり、現在の農協が進めようとする農政とは正反対の方向である。

こういう農業にとって、TPPはなんら影響を及ぼさない。

TPPは日本の自給率を支える大規模農業(畜産)が困るという人もいるが、大規模農業(畜産)ほどもろいものはない。鳥インフルエンザや口蹄疫を見ればわかる。台風や大雨、日照り、病虫害による被害が大きいのも大規模農業であり、農薬や化学肥料の多投につながりやすい。

つまり大規模農業(畜産)は反環境的であり、リスクも大きすぎる。

時代が農業に求めているのは、土への回帰であり、癒しであり、「有畜小農複合自給」という小規模農業である。

資本主義的農業は今世紀には必要とされない。
 


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春はすぐそこなのに

 
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鳥小屋の手前の第3ゲート(電柵)の前で、思わず全身がのけぞった。お前、啓蟄が過ぎたからって、まだ早すぎるぞ。今朝は薄氷が張る冷たさだった。

動きが鈍かったので、棒を持って水路の方へ逃した。これは普通のヘビでマムシではないから大丈夫。


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1羽のニワトリが3日ほど前からエサを食べようとせず、様子がおかしかったが、今日は他のニワトリに突つかれて少し出血もしていたので、画像の鳥小屋に隔離した。多分1~2日のうちに死ぬと思う。

ニワトリのいじめは凄惨で、何かのアクシデントが生じたり、エサを食べなくなって他のニワトリと違ってくると、そのニワトリをめがけて、よってたかって突つくようになる。弱れば弱るほど、余計に突つきが激しくなって死に至ることが多い。何か人間の世界に似ている。 


 
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一つの巣箱のミツバチが大量死していた。「2月より3月が危険」とスロー人さんに言われたが、その通りのことが起きた。3月上旬があまりに寒かったから、少し心配になり巣箱を開けたら、こんな状態になっていた。

2月中旬の定例の内見ではほとんど死んでいなかったし、その後は随分と暖かい日が続いたので、もう大丈夫と思い3月始めの定例の内見をしていなかった。
  
    
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全滅かも知れないと思ったが、とりあえずデジカメで巣箱の内部の状況を写しておいた。夜、パソコンでスライドショーをして見たら、巣の所にまだ少しミツバチが見えたので全滅ではないようだった。しかし右の画像のように、ひときわ大きい死骸が見つかったので、これは女王蜂のような気がする。女王蜂が死んでも群は大丈夫なのか。


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もう一方の巣箱は問題はなかった。巣くずの掃除をしていたら、中から威嚇音も聞こえた。

ミツバチのショックで、その後は農作業をする気になれず家に帰った。

今春は19箱の「待ち受け箱」を設置して、やる気満々なのに出鼻をくじかれた。しかし、去年初めて5箱設置して4箱もゲットできたのだから、今年もそれくらいは必ずゲットできるはずと信じて疑わない。

去年入った場所は今年も入る確率が高いだろうし、「どこに待ち受け箱を設置するか」の勘は、去年よりもっと磨けているはずだから。
 

    
    
  
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早めに帰ったので、夕飯を作った。キクイモ、シイタケ、ダイコン、タマネギ、肉団子をいっしょに煮た。

キクイモはもちろん、皮はむかずに半分に切るだけだが、ダイコンより火の通りが早く、ダイコンより柔らかく(口の中でとろける)、ダイコンより数段おいしい。

キクイモはまだ出荷できるが、ナバナが収穫できだしたのでキクイモの出荷は止めた。単価は同じでも出荷の手間が違いすぎる。

キクイモは少しずつニワトリに与えている。ヤギはキクイモを食べないがニワトリは大好物であり、半分はエサ用に作付していた。

キクイモは5年以上作っているが、今年初めてキクイモのおいしさに開眼した。

今日はその他に、ナバナのおひたしと大根おろしを作った。この2種類はごく簡単なのでボクの定番である。ナバナは売れ残りを使った。日曜日に40袋余り並べたが今日行ったら6袋も売れ残っていた。そして今日も食べ方を聞かれたが、「POP(商品説明)」を書いて行ったのでクリップでとめた。『おひたしがおいしい。その下にカッコ書きで(太い茎もやわらかい)と書いた』。
 


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彼岸の草卵

 
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ニワトリの画像は久しぶり。写したくなかったのは尻の羽が抜けて見苦しいから。

写したくなったのは、画像のように巣箱が「満員御礼」の状態になっていたからである。「彼岸の草卵」とは、3月はエサをやらなくても草だけでもよく卵を産むということの例えであるが、今がその状態である。3割ほどしか産んでいなかったのが、今は5割ほどに産卵率がアップして15個ほどコンスタントに産んでいる。もちろん草だけでなく通常のエサも与えている。
 
尻の羽が抜けるのは「突つき」が原因であるが、茶色のニワトリは多少は抜けてもすぐに生え変わっていたのに、この品種はこの状態が長い。エサは購入飼料、コゴメ、米ぬかというパターンで変わっていないし、青菜も切らしたことはない。


卵は売らずに交際費として利用している。よく産むのは今の時期だけだから。 

子供の頃には集落のどこの家でも20羽ほどのニワトリを飼っていたので、農業を始めたらニワトリを飼おうと思った。ニワトリ小屋ができる2ヶ月も前から、家の軒先でヒヨコを飼い始めた。


くず野菜の処理なら、ヤギよりニワトリの方がはるかに優れているし、飼う手間もほとんどかからない。

実際にヤギを飼ってみて、ニワトリの3~4倍の手間がかかると思う。ヤギ乳を飲みたい等の強い欲求がない限り、ヤギは飼わない方がいいと思う。ニワトリと違って簡単に処分できないし、ニワトリの4倍ほど長生きをする。しかも感情があって人間を呼びつけるような所がある。


ニワトリはエサ代がかかり、ヤギは無料(木の葉と草)であるが、どちらかを選択なら断然、ニワトリを勧める。

小屋代は、ニワトリ小屋(4坪半)は17万ほどかかった。ヤギも放牧場の鉄柵代と1メートル四角の小屋2つと、鎖・杭・首輪・フック等、それに初期に作った小屋とパドック関連で、合計10万円は超えている。


ニワトリを飼うのに体力はいらないが、ヤギは戸外の出し入れにかなり体力が必要である。だから60才を超えたら、たとえ1頭になっても新しい相棒を導入したりはしない。自分より長生きされたら困るし。

ヤギの草刈り効果はほとんどなく、ペット効果も?である。

50年前のように、集落や地域にヤギを飼っていた家も多く、ヤギの種付けや売買が簡単にでき、家畜の目になる家族も多かった時代には飼育はらくだったと思うが、今はそうではない。

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集落営農の良い点と問題点

 
 
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ヤギの出産小屋の片づけをした。物置の一部で3畳。この状態で新鮮な空気にさらし3~4日後、葉タバコ跡地の刈り草を敷き詰めれば完了。


集落営農の良い点

(1)害獣を集落全体で防ごうという視点がめばえる。
(2)休耕田が少なくなる。

集落営農の問題点

(1)集落営農は利益を追求する団体に脱皮できるか。
(2)面積の小さい機械の入らない田んぼはどうするか。
(3)集落営農の出仕事が多いと不満が必ず出る。
(4)集落営農に入りたくない人の扱いはどうなるか。
(5)補助金なしで、果たして集落営農が機能していくか。
(6)集落営農は農業本来の喜びからは少し方向が異なる。癒しとか、自然に触れるとか、農作業を楽しむとか、少数の家畜を飼うとかは集落営農では不可能と思う。
(7)集落内で担い手を探すのは難しいような気がする。当集落のように外部の大規模オペレーターに委託するような形が主体になるのでは。
(8)またぞろ補助金がらみで集落内の「圃場整備」が浮上してくるだろう。逆に圃場整備なしで利益が上げれるだろうか。圃場整備は先人の作った風景の破壊である。
(9)集落の誰かが独立自営をしたくなった場合、すぐに田んぼは返してもらえるか。
(10)集落営農になって、労力の提供や金額的負担が生じた場合、すぐに崩壊する恐れがある。
(11)集落営農は環境問題や風景問題や里山問題に取り組む経済的余裕があるだろうか。
(12)農作物の販路をどうするか。
(13)米、麦、大豆以外に集落営農が取り組める作物はあるだろうか。
(14)個人経営で利益を上げることが難しいのに、集落営農ならなお厳しいと思う。単なる「お茶クラブ」や「世間話サロン」になる可能性もある。
  
 


イノシシ、シカ、クマ、サルによる経済的、精神的被害を考えたら、TPPなど取るにたらない。

2020年、TPPによって日本の農業が滅んだなどとは言わせない。すさまじい害獣の進出によって農業からのリタイアを迫られているのが現状である。少なくとも我が集落では。

林業が滅んだのも自由化のせいではなく、プロパンガスの普及によって「クド」がなくなり、薪が不必要になったからである。

自由化をしていなくても農業はジリ貧であるが、それは商工業と比較した時の年収格差という原因が大きい。林業も同じ。  
 
自由化しても農業は林業のようにはならない。生きていくためにどうしても必要な食糧であり、国産が放棄されることはない。 



予算規模を現在の3分の2ほどに縮小して、各種補助金も半分ほどに減額する。こんな案を出すと各分野の「族議員」の猛反発にあうだろうが、国債の増加は予算規模が大きすぎることにあるのだから、減らそうと思えばそうするしかない。  
 
ボク自身も交際範囲や行動範囲が無意識のうちに小さくなり生活防衛をしているが、だからといって自由が狭まったり、視野が狭まったり、我慢が多くなったとは思わない。懐は寂しくても、田んぼや里山は豊かな気持ちを与えてくれる。ただし、生きていくための最低限の年金(ベーシックインカム)は現役世代にも必要である。



韓国で猛威をふるっている口蹄疫、日本にもいつ飛び火するかわからない。

韓国の口蹄疫は、
2000年3月・・・66年ぶりに発生
2002年5月・・・2ヶ月未満で終息
2010年1月・・・2ヶ月未満で終息
2010年4月・・・2ヶ月未満で終息
2010年11月・・・3ヶ月経過してなお拡大している。3月2日現在、すでに150件の口蹄疫が確認され、豚に牛を加えると殺処分になった頭数は345万7261頭。
(農業新聞3月7日)

1頭の大きさを考えると345万頭という数字は驚がく的である。

何年か前に英国で口蹄疫が発生した時にはは600万頭が殺処分された。

ナチスドイツによるヨーロッパ全体のユダヤ人虐殺数は600万人と言われている。

口蹄疫も鳥インフルエンザと同じく「防ぎようがない」ように見える。

口蹄疫もなぜ野生動物(イノシシ・シカ)には感染しないのか。


宮崎県は6日、県内13例目の高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏場で飼育するブロイラー約3万3千羽の殺処分を実施した。同県では1月22日に宮崎市で最初の感染を確認して以降、95万羽以上の鶏を既に殺処分しており、今回の殺処分を合わせると100万羽に迫る。

鳥インフルエンザはなぜ、残飯をあさる卑しいカラスに感染しないのだろう。

野鳥の鳥インフルエンザ感染は新聞にしばしば載るが、数羽どまりで、大量死は発生していない。


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「有閑な、ぼう~っとした時間」が心身をはぐくむのに


遅くとも、お彼岸までに植える必要のある春ジャガイモの耕運がまだできていない。

今日は啓蟄。ヘビやカエルが冬眠から目覚める日らしいが、それまでに田んぼの傍らの細い水路の掃除をする予定が、これもまだできていない。

家の傍らの防火用水(堀り池)の泥上げを、雨が多くなる3月までに終わらせたかったが、進んでいない。

山仕事の後の焼却作業がまだ大分残っている。今日も午後から焼却作業をした。

春ジャガイモの植え付けをしたら、次の種まきは3月末頃にニンジンと菜っ葉類を蒔く予定。春のスタートはゆっくりしても、早くしても、収穫時期はそんなに変わらない。

今日、スーパーの産直でナバナを並べていたら、お客さんに「それ、どう食べるん」と聞かれた。これで3回目。三陸つぼみ菜というナバナは茎が太く、花つぼみが葉に隠れて見えない状態なので、ナバナとわかりづらいのかも知れない。売れ行きが悪く感じたので130円→120円に値下げした。

クン炭(焼きすくも)もまだ焼いていない。クン炭はそばについていないとうまく焼けないので5~6時間×2回の作業時間が必要になる。

エンドウ類の支柱もまだできていない。これと春ジャガイモ予定地の耕運は2~3日のうちにする必要があるが、今日は夕方から雨が降り、明日もぐずつく予報が出ている。

確定申告は3月15日が期限だし、ヤギの出産小屋の片付けも3月20日頃までにはしたいし、1年に1回の鳥小屋の前出し(糞出し)も例年、冬の農閑期にしているがまだできていないし、秋冬作の片づけ(黒マルチ等の取り除き)もまだできていない。

山仕事をすると事後作業も多く発生し、冬の農閑期が持てなくなるし、冬の間にしていた農作業の多くも滞りがちになる。

そんな中でミツバチの巣箱(待ち受け)設置だけは、去年のように泥縄式にならず1ヶ月も早く準備ができた。用意万端、満を持して待つ。


農閑期のない農業は、精神衛生上もよくないが・・・。

ワンパック宅配(セット野菜の宅配)だけの時は、3月、4月の2か月間は出荷がなかったが、直売所出荷は1種類でも出荷できるので、2月末からナバナを出荷していて、その収穫、出荷作業に、山仕事関連以上の時間を取られだした。
これではハウスがあるのと同じ。

「有閑な、ぼう~っとした時間」が心身をはぐくむのに。


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農協、大規模営農へ転換


鳥インフルエンザに対して、大規模養鶏場は手の打ちようがない状態である。今以上のセキュリティは無理だと思う。多くはウインドレス鶏舎で外部との接触は断たれているはずなのに、発生がとまらない。

逆に、30羽養鶏は全く、鳥インフルエンザの発生源にはなっていない。


大規模農業もこれと同じことが言える。気象変動等のセキュリティの面からは決していい方向ではなく、日本の風土には適さず、環境破壊的であり、経済的側面だけの農業につながりやすい。


農協は、集落ごとに専業農家や法人、集落営農に農地を集積、20~30ヘクタール規模の「1集落1担い手経営体」をつくることを打ち出した。(農業新聞3月5日) 


いくら国内で大規模化をしても、海外ではそれが1個人の規模であったり、労働賃金が低く、とても海外競争力はない。

結局、補助金だ、関税だという従来の方向から脱却はできない。 

そして、競争力の名のもとに、ますます大規模化をめざし、新たな「圃場整備(畔や段差をなくし、1区画の田んぼをもっと広くする)」もすぐに浮上してくるだろう。

どのように農政を変えても「国産の農産物の競争力は劣る」という認識をはっきり持つ必要がある。

大規模農業や農業法人、集落営農に農政転換をしても、何ら農業を守ることに通じず、補助金の受け皿としての機能しかない。  



だから全く違った方向から農業を攻めるしかないのである。

農業をビジネスと捉える事から脱却する方向に活路を見い出す。

農業を「労働市場から退場を余儀なくされた人たちの逃げ場もしくは再生場」と捉えるシステムである。

現に、正社員になれない34%の人の生きる道は、もはやこの国にはない。放置されたままか、もっと弱肉強食がすさまじくなる。

非正規労働者と農業者を同じと捉え、抜本的な税制の在り方や社会の在り方を変えていかないと、どの方向も行き詰まる。

今こそ、ベーシックインカム(全世代に一律の年金)が必要である。

ベーシックインカムで、「最低限の生活の保障」がされるなら、すべてを投げ打ってでも自給自足的な山村暮らしを始めたい人はたくさんいる。

人間にはこういう「逃げ場」がぜひ必要である。

今の社会は、経済的な逃げ場がない。

そして、ベーシックインカム的な思想が新聞紙上に全く取り上げられない状況もおかしい。日本の社会はすでに底が抜けてしまっているのに。


農業をビジネスとしてとらえる発想から超越できないだろうか。
 
農業は癒しであり、安らぎであり、逃げ場であり、自由な表現手段であり、環境問題であり、自然と一体になれる場所であり、技術ではなく生き方である。

35才の春、ある日突然、農業が脳裏にひらめいた時、大きな感動を覚えたのは農業のこういう側面を即座に認識したからだと思う。経済の側面から農業を捉えることはなかった。かといって我が家が資産家であったわけではなく、集落内ではむしろその逆の方だった。

農業がひらめいてから1年後(就農する1年前)に妻が定職につき、それが自分の中でベーシックインカムの役割を果たしてきた。

このベーシックインカムがなかったら自分の農業能力では農業の継続は難しかった。かといって再度、サラリーマンに転身できるほど甘い社会ではない。


ベーシックインカムが論じられる場合、1人年間80万という数字がしばしば取り上げられる。子供1人の3人家族なら80万×3人=240万円。夫婦2人なら160万、単身なら80万という数字である。

生活保護も子ども手当も各種所得控除も、そして農業所得補償のような各分野の補助金も全廃して、事務処理が最もシンプルで最も平等なベーシックインカムに統一する。その最低限の補償さえあれば、その他は徹底した弱肉強食の資本主義も許容できる。

欧米のような社会保障政策は今までできなかったのだから今後もできない。

ベーシックインカムのない、社会保障のための増税や消費税アップはますます格差を助長する。

農業を経済的側面から捉えるだけなら、今後も解決の糸口はない。大規模専業農家や農業法人、集落営農は国際競争力からは程遠く、補助金の受け皿と化す。これらの組織は旧ソ連のソフホーズやコルホーズと同じ運命をたどる。

農業は小さな独立自営農民が自給自足的な農業をめざす時に初めて、当人や家族の癒しや安らぎとなり、里山保全につながり、自然環境の保護につながり、自給率の概念が生きてくる。

歴史的視点から捉えても、大規模養鶏や大規模酪農、大規模農業は時代に逆行しており、各種病虫害や疫病、気象変動のリスクが高く、経済的側面だけの農業しかできず、補助金の受け皿となるだけで、国際競争力や自給率のアップにはつながらない。

休耕田や害獣対策は結局、ベーシックインカム的な政策で、農業の底辺を広げていくしかないと思う。農業には、労働市場から退場を余儀なくされた人たちの逃げ場や再生場としての機能が最も大切である。


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農業のランニングコストは毎年50万ほど


1月の支出    5761円
2月の支出  125564円
3月の支出   30784円
4月の支出   46483円
5月の支出  103636円
6月の支出   34380円
7月の支出   46069円
8月の支出   27446円
9月の支出   17809円
10月の支出  20601円
11月の支出  19592円
12月の支出  29623円
合計支出   507748円

以上が平成22年度の月別の現金(農業)支出である。毎年50万ほどで収まっている。
 
もう少し具体的に書くと、
1月は5761円。年初めは例年、支出が少ない。

2月は125564円。デルのノートパソコン(85755円)、放牧場鉄柵代(12000円)を引いた残りの支出は27809円

3月は30784円。チキチキインターネット料金(12600円)、春夏作の種代(8206円)を引いた残りの支出は9978円

4月は46483円。この月は2つのヤギ小屋作りと巣箱関連の支出がかなりあった。

5月は103636円。このうち軽四の車検費用が75000円で、それを引いた残りの支出は28636円。

6月は34380円。このうち3ヵ所の直売所の入会金が合計で8000円。そのどれにも現在は出荷していない。

7月は46069円。このうち秋冬作の種の注文が13568円。野菜を結束するタバネラという器具が5480円。この2つを引いた残りの支出は27021円

8月は27446円。

9月は17809円。

10月は20601円。このうち農機具店への支払いが11290円。

11月は19592円。

12月は29623円。このうち借地料が12523円。


上記の毎月の現金支出を、経費別に見ると、

ガソリン代 55344円。

ボードン袋代 14534円。直売所に出荷するには袋詰めが必要になるが、バカにならない金額である。ワンパックなら新聞紙で包むのでこの出費はない。

農具消耗品費 100414円。ヤギ放牧場作り、ヤギ小屋作り、ミツバチ巣箱関係の出費が大きかった。

事務消耗品・通信・雑費 30645円。

パソコン教室関連 104255円。ノートパソコン代とパソコン教室の指導料

作業用衣料費 6142円。軍手、軍足、地下足袋の3つの代金を農具消耗品に入れたので本来なら1万円以上になる。

研修費(田んぼ見学費) 6933円。訪問時の手土産。忙しくて去年はほとんど出かけていない。

種苗費 42470円。なんやかんやで例年4万円は下らない。

肥料費 3956円。化成肥料が年間に1~2袋、ナタネカスが3~4袋、米ぬか40袋ほどだが、米ぬかは去年は無料だった。肥料費は例年5千円前後。

農薬費 在庫があったので去年は買っていない。1袋買えば5年以上ある。

飼料費 26830円 1袋(20キロ)が1230円の飼料を年間に21袋購入。月平均2袋。

修繕費 14002円。農具は乗用トラクタ、管理機、草刈機、エンジンポンプ、チェーンソーの5つしかない。機械は不得意なので必要最低限のものしか持っていない。

月刊誌・本代 8780円。内訳は有機農業研究会の機関紙(土と健康)の年間購読料が6000円、種苗会社の友の会の機関紙代1980円。ここ数年は忙しくて本はほとんど買っていない。

運送費 立替払い(送料は先方負担)だから、ここには計上しなかった。

箱代 送る個数が少なく去年はゼロ。、前年の在庫の箱で送った。
 
車検料 75000円。

借地料 12523円。 
 

農業のランニングコストはできるだけ少ない方がいい。多ければそれだけ売上を増やす必要がある。

ハウスがないので古ビニールの廃棄処分料や買い替えのビニール代はかからない。台風や大雪の心配も少ない。

直売所出荷では「ボードン袋代」がかなりの出費になるし、最初に入会金もかかるし、単価シール代が1枚1円する直売所は多いし、ガソリン代もたくさんかかるし、手数料として15%取られるし、売れ残れば廃棄処分(持ち帰り)だから、高い戦略と農業の実力が必要になる。1回の持ち込みは少なくとも5千円分ほどにはしたいし、売れ残りも少なくしたい。

袋詰め(及び袋代)と、単価シールを張ること(及び単価シール代)と、直売所往復の時間(及びガソリン代)がワンパック宅配に比べて大きなロス時間になる。しかし残りの農業人生は短いので、今さら引き返せない。ただ、ブログを続けるうえで両方を経験できたことは大変よかった。
 
農業規模を小さく、出荷回数を少なく、農業投資を少なく、農業ランニングコストを極力小さくすることが、大きな自由につながる。
 
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当集落の請負耕作の現況

  
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出産が近づいているので栄養をつける意味で、メスにはコゴメと米糠を少し与えようと思うが、そのためにはオスを離れた場所につなぐ必要がある。

鎖の長さは2メートル30センチほどならどこにでもつなげる。杭は40センチで、これくらいの大きさのヤギなら杭を引き抜く力はない。

毎日外に出せるのは、自分の手に負えるサイズだから。ヤギを飼う上で成長のピークにおけるサイズは重要なポイントになると思う。 


一昨日のナバナの収穫中に痛めた腰がよくならず、今日は家人が持っていたコルセットをして痛み止めのロキソニンという薬を飲んで田んぼに行った。しかし中腰では収穫できず左足のすねを地面につけながらナバナの収穫をした。今日は出荷を止めようと思ったが、ナバナは次々にトウ立ちするので適期に収穫をしないと、次の伸びが悪くなる。


「どうするTPP、主要各党に聞く」で、みんなの党代表の渡辺喜美さんの主張が農業新聞に載っていた。

TPP交渉の参加に賛成は同じであるが、めざす方向はまるで異なる。ポイントは3つだった。
(1)農業を成長産業に大転換する。
(2)もうかる産業に転換する。
(3)「平成の農地改革」を断行し、株式会社の農地取得も解禁する。

農業は成長産業にはならず、平行線をキープできればそれが理想的な農業と思う。農業は自給産業というのが本来の在り方だと思う。

もうかる農業は反環境的な農法を駆使する必要があるだろう。

株式会社の農地取得だけは絶対に認めてはならない。日本の農業と風景が壊滅的になる。


田舎の田んぼはすでに負債状態であり、相当に値崩れしている。

価格は安くても、先祖代々からの田んぼでも、所有している田んぼの何割かを売りたい人は多いのではなかろうか。ボクも所有している90アールほどの田んぼのうち、現在耕作している田んぼと、圃場整備をした1枚(27アール)を除く45アールほどは、価格の折り合いがつけば 売ってもいいと考える。現在は借地料ゼロで作ってもらっている。

45軒ほどの当集落では、稲作をしている家はすでに数えるほどになり、数年前から集落外の大規模農家に無料で田んぼを委託するようになった。 5年契約のようである。5年経過したらまた同じ条件で更新になるだろう。

5年ほどがベストと思う。10年契約は長すぎる。 

当地には「集落営農」の話などは全く持ち上がらない。そういう話があってもまとまらないだろう。現在進んでいるような、地域外の大規模農家が請け負って耕作するという流れになるのだろう。作付品目は稲と麦と大豆の3種類のようである。大規模に作れる作物はこの3種類しかない。

ただ、当集落周辺の田んぼは圃場整備はしていないので、1枚の田んぼが3~5アール、大きい田んぼで8~10アールほどと全般に小さく、しかも多少の段々畑であり、畔草刈だけでも大変(除草剤を使うのかも知れない)だろうし、イノシシやシカの防御をしなければ大きな被害を受けるだろうし、電柵をしてまで請負耕作をするのは採算が合わないだろう。

ただ、「水問題」一つとっても協力してもらえるだろう。田んぼを作ってくれる人が現れて、多くの家では助かっているはずだから。

当集落で請負耕作をしている大規模農家は、今のところ2軒であり、1軒は10キロほど遠方から、もう1軒は2キロほど離れた集落から来られている。

これも時代の流れなんだろう。作ってくれる人が現れなければ、草ぼうぼうの休耕田になってしまう。

ただ、かなりの補助金がないと大規模請負耕作は採算が取れないのではなかろうか。

環境問題に関しては、1~2年経過してみないとわからない。 

田舎の人は田んぼを売るにしても、全てを売ってしまうことはないだろう。全てを売ってしまえば集落に住むアイデンティティも失うだろうから。

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TPPは林業の二の舞か?

 
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もしオスが生まれたら、このヤギさんたちの仲間入りをさせてもらうことになった。近くの小学校の生徒たちが名づけた「ユキ」と「「ミルク」というメスが2頭。

放牧によって雑草を食べさせ農地保全を目指す「地域の取り組み」としてのヤギ導入。広報で見て「4月にオスヤギが生まれたら飼ってもらえませんか」と電話でお願いしたら、すぐに承諾してもらえたので、車で5分ほどの現場へさっそくヤギを見に行った。

うちのオスと同じくらいの大きさであり、雑種のようだった。出産予定のメスはこの2頭より少し小さいが、ザーネン種のオスと種付けしたので、もしオスが生まれたら、この2頭と同じくらいの大きさになると思う。

とにかく今回の初産では、メス、オス、どちらが生まれても行き先が決まってうれしい。
 

三寒四温を繰り返しながら春になるが、ここ数日はぽかぽか陽気だったのに、3時頃から急変して小豆粒ほどの雪あられが降リ始めた。部屋で青色申告の記帳をしていたが、ヤギを放牧場へ戻すために田んぼへかけつけた。

3月になったからミツバチはもう大丈夫と思っていたら、3月の戻り寒波が大敵と電話で教えてもらった。



TPPは林業の二の舞か?

「輸入木材の関税撤廃で林業がたどってきた道を、今度は農業がたどることになる」と警鐘を鳴らすのは、森林組合連合会の会長。「日本は国土の7割が森林なのに、その7割に全く価値がなくなっている」と悔しさをにじませる・・・。(農業新聞3月1日)

農業は林業の二の舞にはならない。なぜなら同じ自由化でも、林業は食べる物ではないが、農業は食べる物だからそうはならない。安い海外農産物が入ってくれば選択肢が増えるし、世界の気象異常で輸入がストップしたら、その時には日本の大規模農家も同じ運命をたどり自給率の意味もなくなる。

その時には、各自が何とかして作物を作り出すようになる。台所での水耕栽培やプランター栽培、他にちょっとした土のスペースがあれば菜っ葉くらい作れるし、ナンキンやサツマイモは荒地でもできる。


輸入がストップするような状態になったら、国内でも大規模農家などは全く役に立たず、結局、小規模の家庭菜園型農家しか役に立たない。小さければ状況に素早く対応できるし、1種類を多量には作らないので、異常気象でどれか失敗してもどれかうまくできる。


林業がだめになったのは輸入自由化よりも、プロパンガスの普及で、台所で薪が不必要になり、山仕事を誰もしなくなったことに起因する。 
 

食べ物は全てを「分業」に依存するのではなく、プランターでも作れるネギとか最低限のものは自分で作るようにしたい。ドイツのように週末にはクラインガルテン(市民農園)で楽しむという風習がないなら、いざという時のために田舎の知人や田舎の友達を作ることを心がけたい。


農業の自由化で被害を被るのは10%ほどの大規模農家だけだろうし、その人たちには集中して戸別所得補償がされるはずである。

大多数の農家が困るのは「TPP」ではなく「害獣」の方である。TPPで騒ぐなら害獣でもっと騒ぐべき。

TPPで最も損害を被るのは農協や生協であり、農家や消費者は逆にメリットが大きいと思う。地産地消の直売所は繁盛し、消費者と農家との直取引の市場が広がり、大多数の農家は大いに助かる。

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やじろべえの支点


農業は日銭を稼ぐ仕事だから、ある程度はがんばらないとカネにならない。しかし、時間当たりの金額はサラリーマンに比べてはるかに劣るから、農業は働きすぎたら損をする。これは、正社員になれない34%の人も同じである。つまり農業は抜群の「バランス感覚」で働きすぎない「分岐点」をうまく把握しないと、くたびれ損の悪循環に陥る。働いても働いてもカネになる利益率が劣るのだから、働く時間を減らして、その時間を自己啓発や自分の楽しみのための時間にあてないと、正社員とますます差がついてしまう。つまり働けば働くほど正社員との差がますます広がる。かといって賃金は時間当たりに換算すると3分の1~4分の1だから、ぎりぎりがんばって働かないと食っていけない。

だからいつも、働きすぎたら損をする、もっと働かないと食っていけないという「やじろべえの支点」を常に頭におきながら動いている。


今朝、ナバナの収穫をしていたら突然、腰砕けみたいになった。ナバナ(450本ほど定植)の収穫は中腰が多いので、そのせいかなと思ったが、収穫はまだ始まったばかり。
ワンパック宅配だけの時は、3月、4月の2か月間は出荷はなかったが、直売所出荷は1種類でも出荷できるし、ナバナは収穫と袋詰めがしやすいので、こういう作物で稼がないと、自分の場合は稼げる作物が少ない。単価130円×50袋=6500円×85%=5525円。今日は50袋出荷したので全部売れればこの計算式になる。こんなことをしょっちゅう考えながら収穫出荷をしている。他の農業者も同じだろう。


オスが生まれたら行き先が決まっていないと書いたが、今日、1本の電話を入れたら急転直下、オスの行き先が見つかった。多分、飼ってもらえると思う。家から3キロも離れていない。多分、明日の画像に載せれると思う。


昨日、インターネットで通信販売の種の注文をした。春夏作の種代は秋冬作の半分ほどであり8千円ほど。ただ定植数が30本以内であるナスビ、ピーマン、ニガウリ、トマト、スイカは苗を購入するので、苗代が少なくとも5千円はかかるし、ジャガイモの種代(15キロ)も3千5百円ほどかかる。


夏作の直売所出荷(スーパーの産直)は、エンサイ、ツルムラサキ、青シソ、スイートバジル、ナスビ、ピーマン、オクラの7種類が主体。


季節の変わり目は雨が多い。雨は身体を少し休めてくれる。


物置の4分の1(3畳)をヤギの出産場所に使い、子育てが終わる5月中下旬頃には、このスペースを「蚕部屋」にする予定。

蚕は桑の葉しか食べないし、ヤギも桑の葉が大好物である。だから使っていない場所には、去年に引き続き、挿し木の桑を植える。蚕は農薬のかかった桑の葉を食べると死んでしまうので周囲の環境のバロメーターにもなると思う。

蚕は100%「自給エサ」であり、本来の畜産はこうあるべきだと思う。ヤギもほとんど「自給エサ」であるが、メスには出産前後と搾乳時だけ、コゴメと米糠を混ぜて与えようと思う。桑がたくさんあれば、搾乳時だけ桑の葉を与えて動かないようにすることができると思う。


2月26日、三重県南伊勢町の養鶏場で鳥インフルエンザが発生。この養鶏場では採卵用鶏約26万羽を28棟で飼育。18棟が密閉型の無窓鶏舎で、その1棟で発生した。昨年11月以降で全国20例目。

2月28日、奈良県五條市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生。約10万羽の殺処分を行う。鶏舎は窓がなく密閉性の高いウインドレス型で、感染ルートの特定を進める。全国21例目。

鳥インフルエンザには問題点が多すぎる。
(1)30羽ほどの家庭菜園養鶏ではまだ全く発生していない。
(2)大規模なウインドレス型鶏舎で鳥インフルエンザが多発している。
(3)発生すれば全羽が殺処分になるため、大羽数飼いはあまりにリスクが高い。
(4)損害補償は国が負担(税金)。
(5)大規模飼育の問題点が新聞に全く載らないのはなぜか。
(6)全羽淘汰という家畜福祉の観点からの言及もない。
(7)卵は自給率が100%近いと言っても、同じく飼料の輸入依存率もその数字に近い。

 2030年 農業の旅→ranking





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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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