鳥インフルエンザが新たに三重、和歌山で発生し、宮崎では12例目が発生した。
三重・・・肉用鶏6万7千羽の殺処分が始まった。
和歌山・・・12万羽の殺処分を始めた。
宮崎・・・肉用と卵用で合計2万羽。
ますます広がっているようだ。それでも大規模養鶏ばかりで家庭菜園養鶏(30羽養鶏)には発生していない。
全国の30羽養鶏の仲間たちは、この事実を「最大の拠り所」として、日々世話をしているはずだ。だから、ボクの鶏舎から鳥インフルエンザを出すわけにはいかないし、出ないと思っている。
しかし細心の注意は払っている。
(1)水は池や井戸水ではなく、簡易水道の水を与える。
(2)毎日、青菜を欠かさない。
(3)重量換算でコゴメ2、購入餌1、米糠1の割合の餌。
もちろん飼育を止めたりはしない。全国の30羽養鶏の代表くらいの気持ちで飼いたい。
鳥インフルエンザより怖いと感じるのが口蹄疫である。家畜伝染病予防法(家伝法)の改正案が今国会に提出される。具体的な流行予防策としては、口蹄疫の場合、「急速かつ広範囲の蔓延を防止するためにやむを得ないときは、健康な家畜の殺処分を行える」と定める。宮崎県のケースでは、家伝法に規定がなかったために特別措置法を制定し、発生農場から半径10キロ以内のすべての牛豚を殺処分した。法改正でこうした予防的殺処分を常時、可能にする。(朝日新聞2月17日)
直線で半径10キロは、想像しただけでもかなり広い。
殺処分にはもちろんヤギも含まれるだろう。健康体でも予防的に殺処分される。これにはペットのヤギや農業高校や娯楽施設で飼われているヤギも含まれるのだろうか。動物園ではどうなるのだろうか。宮崎県の場合はどういう措置がされたのだろうか。
ボクの場合は放牧ヤギであり、野生のイノシシやシカと同じような飼い方をしている。こういうヤギも殺処分の対象になるなら、野生のイノシシやシカも全て殺処分しないと防疫にならないのではなかろうか。宮崎県では野生のイノシシやシカは殺処分されていないが、野生動物には伝染せずに口蹄疫はおさまった。
鳥インフルエンザでは野鳥との接触が大きな問題になっているのに、口蹄疫ではなぜ野生動物との近距離での接触が問題にならないのだろうか。当方の場合、ヤギ小屋のすぐ下の田んぼもイノシシにかなり掘り返されている。まさにニアミス接近である。
宮崎では野生動物になぜ、口蹄疫が伝染しなかったのだろう。
2030年 農業の旅→

しばらく雨が降っていない。だから焼却作業もはかどる。
手順は、
(1)落ち葉や枯れ竹のような着火しやすいものをフゴで集めてきて、新聞紙1枚に火をつけて着火する。
(2)すぐに着火するので、しばらくは燃えやすい枯れ竹や細い枝を投入し、火勢がついたら太い幹も投入していく。
(3)火勢が衰えないように、どんどん投入するが、あまり「大ごや」にすると、瞬間的に風が吹いた時にあぶないので、火勢に注意する。
(4)そのようにして2時間~2時間半ほどぶっ通しで焼き続ける。
のんびりと焼く「どんど」は癒しになるが、このようにぶっ通しで焼くどんどは、常に手には鋸を持ち、足で運んで投入という休みない作業が続く。
山仕事(里山整備)をしても、こんな「意味のない焼却作業」が山仕事の労力の7割近くを占める。ただ「消し炭」は米袋で50袋をすでに超えた。
山の木が売れるようなことは、現在ではほとんどない。
だから誰も、里山には見向きもしない。
里山が昔のように復活するのは100%困難である。風呂焚きも台所のクドで利用することも無くなったから。
山仕事をしても労力だけがかかって、ほとんどカネにつながらない。それでも作業自体はとても楽しい。つまり山仕事は遊びであり快感(癒し)である。
すべての農的行動をカネに基づいたものだけにするのは肉体的にしんどい。農業ではこんな遊び的な仕事も多いから、それが大きな気分転換になるし、脳内活性化にもなる。
自分の農業には遊びの要素が多い。
ハーブ、ヤギ、ニワトリ、ミツバチ、山仕事・・・。遊びながら田んぼの周囲の風景を作っていく。
里山(持ち山)が田んぼのすぐ上にあり、その里山に「日本ミツバチがいた」ことが、里山が遊び場になる原点になった。
一昨年までの20年間は、全く、里山が生かせなかった。つまり、鳥小屋や育苗で落ち葉や腐葉土を少し使う以外は、利用価値ゼロと思っていた。
ミツバチが里山整備の動機付けとなり、里山歩き(1日1回の見回り)の楽しみを教えてくれた。シイタケの原木は単なる副産物である。
ただし、里山が近いことは害獣の出没も多くなるし、自家所有の里山が田んぼと離れているなら、ほとんどメリットは生じないだろう。
農業で稼ぐ能力は劣るが、農業で遊べているのだから、まあ良しとしなければ。
ただし自分の場合は例外的な幸運である。大多数の農業者にとって里山は今後も何のメリットももたらさず、害獣によるデメリットの方が多いだろう。
日本全国の里山の「復活への道」は極めて困難。
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日本ミツバチを誘引するフェロモンを出す「キンリョウヘン」という東洋ランを、春の太陽にたっぷりあてるために、竹藪のそばの半日陰の場所から今日ここに出した。
去年の春にスロー人さんからもらった1鉢と購入した1鉢を、ミツバチの分蜂期が終わった5月末に、14鉢ほどに株分けしておいた。
株分け後は1週間に1回ほど水やりをするだけで放任しておいた。鉢の土は山の腐葉土を入れ、深植えにならないように注意して、周囲に焼却灰をふっておいたら14鉢のうち12鉢が活着した。
東洋ランは購入すれば1鉢が3000~4000円ほどする。ただ株分けが簡単で1年でこれだけ増やすことができた。ただし細かく分割すると株が鉢いっぱいにおごる翌々年まで花芽がつきにくいらしい。だから今年、花が咲いてくれるかどうかわからない。
まだ寒いので、引き続きポリの2重トンネルをかぶせた。分蜂が始まる4月上旬頃に花を咲かせようと思ったら2月上旬頃から暖かくしておく必要があるらしい。
山仕事 12回目
今日の午後、12回目の山仕事をした。大木の2本のクヌギと1本のモロマツを倒し、柿の木を強剪定した。
大木を倒す場合、太い幹が地面に横倒しになることは少なく、枝が4つ足のようになって宙に浮く場合も多い。こうなるとその後の作業が危険を伴う。圧のかかっていない枝を切り落としたり、ロープで引っ張ったりしながら、小刻みに分割していく。熟練した人でないと、簡単にはいかない。
柿の木はいつ植えたのか知らない苔むした老木であり、田んぼのシンボルのような木だったが、ここ4年ほど、虫害の多さとカラスの食害でほとんど口に入らなかったので、背丈ほどの高さまで強剪定して、木を若返らせることにした。
「畔草」と「山の木」は50年ほど前までは「奪い合い」だったが、今は「譲り合い」になっていると、Uさんが面白い言い方をされた。畔草は牛にやるために、山の木は風呂焚きや土間の台所のクドで毎日使っていたので「田んぼで無意味に焼却」などありえなかった。池の土手草などは区画ごとに値段が決められていたらしい。
人糞尿も50年前までは貴重な肥料だったが、現在は産業廃棄物であり、それを処理するために莫大な金額が必要になった。個人の家庭においては100万円ほどの支出を伴うトイレの改修が必要となり、公共では下水道という莫大な費用を投じることとなった。そしてこの下水道は道路の陥没をまねいたり、50年ほどのサイクルで改修工事が迫られるなど、未来への大きな負債になり、地方公共団体の財政破たんの原因にもなっている。