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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

韓国で再び口蹄疫

 
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韓国南東部・安東の養豚農場2ヶ所で飼育されていた豚に、口蹄疫の発生が確認されたと発表した。感染の拡大を防ぐため、2農場の豚約9千頭に加え、周辺の半径3キロ以内で飼育されている豚などもすべて処分の方向。空港や港湾での検疫も強化する。(朝日新聞11月30日)


島根県は29日、同県安来市の養鶏農家で死んだ鶏を検査した結果、高病原性鳥インフルエンザの疑いが強いと発表した。県はこの農家に対し、飼育している鶏2万羽の移動自粛を要請した。今後、動物衛生研究所(茨城県つくば市)に検体を送り、詳しいウイルスの確認を行う方針だ。(朝日新聞11月30日)


口蹄疫や鳥インフルエンザのリスクに関しては集中(大規模)より分散(小規模)が必要だと思う。資本主義の経済効率からいえば大規模集中だろうが、このやり方ではリスク管理の面から各種抗生物質や抗菌剤の多投につながる可能性があるし、いざ発生した場合に全て殺処分になるため、家畜があまりにかわいそうである。


鳥インフルエンザや口蹄疫が容易に野生動物にも伝染するなら、カラスやイノシシ、シカの死体が周囲にごろごろころがっているはずだが、そういう話は聞かない。 



軍手、ボードン13号袋、鶏のエサ、地下足袋、エンジンポンプのホースを収納する容器を買いに農業資材店へ行った。急ぎの買い物がこれだけあると、わざに出かけざるをえない。ついでに軽四のガソリンを満タンにして、スーパーで買い物をした。

出荷に行った先のスーパーで、ついでに買い物をして帰る気はしない。出荷先のスーパーは出荷だけにしている。買い物はしなくても、きちんと定期的に野菜を出荷することが最大の貢献と思う。

直売所でもスーパーの産直でも「野菜の品ぞろえ」は重要であり、ある意味、よい(若い)生産者の奪い合いになるのではなかろうか。

自分はあまりよい生産者とは言えない。ハウスはないので1月~3月中旬に出荷できる野菜は少ない。

1月、2月にもきちんと出荷しようと思えば、自分の場合は、ニンジン、サトイモ、キクイモ、ダイコンという4種類の根菜類を少し多めに作るしかない。


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技術力が必要とされる場面に遭遇しなかった

       

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ワンパック宅配からスーパーの産直に主体を移す過程で初めて、「技術力」のなさを痛感している。

ワンパック宅配では個人用もイタリア料理店用も、販路はほぼ固定しており、必要以上に作る必要もなく、野菜の多少の出来の悪さは、入れる量を多くすることなどで十分対応できたが、スーパーの産直では、量をたくさん作っておくことと、一定ラインの外観は必要になる。


つまり、ある程度きちんとしたものを、スーパーの価格より少し安い単価設定にすれば完売できるのに、肝心の野菜が作れていない。

スーパーの産直でも、多種類作るということはワンパック宅配と同じであるが、一つ一つの野菜をある程度量を多く、そして、一定ラインの外観という、たった2つの要求が加わっただけで、野菜がうまく作れなくなった。市場出荷のような厳しい外観基準などは全く要求されていないのに!
 

つまり、この20年間ほどは、技術力を要求される場面に遭遇することがなかった。ワンパック宅配の売り先を確保することだけを考えておけばよかった。




今日は今期2回目の霜というより、田んぼのバケツに薄氷が張っていた。本格的な冬の到来を告げる。

もう農作業は少なくなり、後は出荷だけである。それでも出荷できる野菜は多くない。

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左はビタミンナ。これくらい虫害があるとスーパーの産直では売れない、というよりも虫害の目立つものは好ましくない。右のキャベツはこれくらいなら出せる。

秋冬作のアブラナ科野菜は1~2回農薬を使うにしても、適期にタイミングよく、しかも効果のあるものを使わないと、農薬を使っても効果があまり見られないようでは、使った意味がない。


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虫害を心配してダイコンは2本立ちにしているので、あまり大きくならない。ダイコンの隣のカブはもっと虫害が多いので小カブで出荷してしまった。


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シュンギクは霜に弱いので、12月中に早めに出荷してしまう必要がある。

シュンギクに関してまた「懲りない失敗」を繰り返してしまった。黒マルチをすればよかったのに、しなかったので、成長スピードが遅く、葉の裏側の泥はねを洗う必要も生じた。

しかも、畝と畝との間を黒マルチをする時のように広げなかったので、
(1)水やりのホースを這わす時に不便だった。
(2)定植後、日よけの黒い寒冷紗をかぶせづらかった。
(3)収穫の時の作業性が極めて悪い。
(4)霜除けのべた掛け資材が使いづらい。 

  
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タマネギの定植後に蒔いたミニレタス「マノア」と、サニーレタスと、普通の結球レタスの3種類のレタスが発芽した。3月上中旬頃に定植する予定。
   





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今日の農作業

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30羽のニワトリのエサ。これが1回分の量で、朝と昼過ぎの2回与えている。
コゴメ・・・約750グラム×2回=1.5キロ
米ヌカと購入飼料が半々・・・約1000グラム×2回=2キロ
合わせて3.5キロであり、ニワトリ1羽に1日100グラムのエサと言われているので3キロで足りるが、少し多めに与えている。

1回分のコゴメは1分ほどで食べ終える。米ヌカと購入飼料はコゴメほど食べないが、昼過ぎのエサやりの時には、朝のはすっかりなくなっている。これではとうてい「不断給与」にはなっていないが、産卵率は5割になっているので足りているのだろう。来年の5月で丸2年が来る。

冬から春の半年間は、もらったコゴメがあるが、残りの半年間はコゴメはないので、米ヌカと購入飼料だけで1日2キロほどしか与えていない。

この他、野菜残さと雑草を1日に少なくとも5キロは与えている。


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500リットルタンク2つと50リットルタンク8つに米ヌカとナタネカスを4対1ほどの割合で投入し、井戸水をポンプアップした。種菌として半分は残して仕込んでいる。この次に使うのは3月末頃から。


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水曜日の山仕事で焼いた雑木の消し炭が、前回同様4袋とれた。



  
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サツマイモの収穫が今日でやっと終わった。夏の渇水で太らず、ニワトリ行きが多かった。

 
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キクイモの1回分の出荷量。これで400g(120円)×12袋ほどになる。

キクイモは雑草化するので、できるだけ掘り残しのないように掘り上げ、その後、出荷用とニワトリ行きの選別をし、出荷用は土を落とすために洗う。選別も手間だし、こぶんこぶんしているので洗うのも手間なので、1回に12袋ほどしか準備できない。洗うのは前日にすませておく必要があるので、採算の合う作物とは言えない。


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冬には冬の雑草が生える。ニンニク、ラッキョ、ワケギが雑草に覆われようとしているが、なかなか草取りができない。


4段の電柵を張ってもらってから、この1年間1度も害獣に侵入されることはなかった。お礼方々、八塔寺のNさんに電話をしたら、依頼されて「認定農業者」になったと聞いた。
稲作・・・1ヘクタール余り
ニワトリ・・・平飼いで1300~1500羽ほど
野菜・・・50アールほど
もう随分前から有機無農薬の認証を取り、無農薬野菜を扱う流通組織に出荷している。32才の時に大阪から備前市 吉永町に入植。同年齢であるが、Nさん夫婦の農業歴はすでに31年。 


稲わらと籾がらを早く取りに来てと近所の人から声かけしてもらっているので、遅くとも12月中旬までには頂きに行く必要がある。麦の種ももらったが、まだ蒔く準備もできていない。


明日朝は寒くなる予報なので第2回目の霜が降りるかもしれない。霜が降りたら、太陽にあたって霜が溶け始める9時半頃からでないと収穫がスタートできない。だから出荷は12時半頃からになる。


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ミツバチは蛾死だった

 
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スムシによるすさまじい被害だった。

ミツバチの死因は蛾死だった。

8月19日に4段重ねの一番上の箱を採蜜した時には、残りの箱だけでもかなり重かったのに、今日はかすかすだった。

下段の左の画像のように、スムシは天井板にも入り込んでいた。

ミツバチが巣箱に入ったら2週間おきくらいに欠かさず巣箱の台座を掃除する必要があったのに、このことの重大さが理解できていなかった。

数十匹の犠牲が出ても・・・
興奮して顔のまわりをぶんぶん飛び回っても・・・
ミツバチが逃げなくて台座の掃除ができそうになくても・・・
それでも、定期的に掃除をすべきだった。

外敵(スズメバチ)より内なる敵(スムシ)の方が致命的だった。


残っている2箱もスムシの被害はあるので、果たして越冬してくれるだろうか心配である。スムシは厳寒期でも活動する(冷蔵庫の中で大きな幼虫になったくらいだから)ので、今後、巣箱の中でミツバチと蜜の奪い合いになる。 
 

今季のミツバチ歴

4月20日巣箱入り→7月20日採蜜(残存)
4月26日巣箱入り→8月19日採蜜(11月下旬に蛾死)
5月3日巣箱入り→採蜜せず(残存)
5月16日巣箱入り→8月28日逃去後に採蜜 

それでも今期、3回も採蜜を経験できた。

4箱のうち、まだ2箱残っている。

8月の28日の逃去はスムシとスズメバチのダブルパンチが原因だったが、それでも1回目、2回目と同じくらいの採蜜ができた。

今回は逃去ではなく蛾死だったので、もちろん採蜜はできなかった。

   

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3月末に放牧場ができてからは放置していた以前のヤギ小屋に、草を退治してもらう目的で2頭を入れた。

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オオカミ絶滅 まわるつけ

  
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あんまり草山にしておくと目立つし、近所の目もあるので、急ぎの農作業も後回しにして、かど先の小庭の片付けをした。

たった3~4ヶ月で木のようになるトランペットや芙蓉の木は田んぼに持っていき、乾いてから焼く。 

   
  
オオカミ絶滅 まわるツケ

オオカミを信仰してきた日本人が、なぜ退治へと向かい、心変わりしてしまったのか。その理由を湯本教授は、欧米からもたらされた思想だと見る。「自然をコントロールできるかのような錯覚を持ってしまった。日本人はオオカミと一緒に自然への畏怖や尊敬の気持ちを失った」と指摘する。

ツケは結局、私たち人間が背負うしかないようだ。だが、オオカミの役割を担うにも、今の日本で狩猟者を増やす試みはうまくいっていない。

自然の「見えざる手」ではなく、人間が「個体数管理」という思想のもとで獣たちを増やしすぎず、減らしすぎないというかじ取りを担う道は険しい。
(朝日新聞11月26日)


シカやイノシシのような草食動物を食べる肉食動物が山にいない。

この上、サルやクマが押し寄せてきたら、里山の近辺では農業ができなくなる。

次の代はどうなるのか。

一昔前には、稲秋が終わると集落の人は競争のようにして山に入ったと父から聞いているが、今はもう山に入る用がない。だから自然を取り戻すすべがない。


卵を盗んだのはイタチかヌートリアと思う。先日仕掛けたネズミ捕りの粘着板が竹やぶの水路の傍に転がっていた。なかなか粘着板が足から離れなかったものと見える。これでしばらくは怖がって物置には侵入して来ないと思うが、卵は物置に置かないようにした。
ヘビも餌食となり、池の魚も餌食となった現場に何回か出くわしている。水路の近くや池の近くにはミツバチの巣箱も設置できない。 

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戸別所得補償がもらえる

       
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初霜は降りたが、その後、霜は降りていない。それでも季節はすでに晩秋だから、サツマイモや果樹は早く収穫を終える必要がある。

今日の収穫は、サツマイモの「すいおう(茎葉も食べれる品種)」と「ムラサキ芋」それに「カリン」、「ユズ」、「キーウイ」。
「カリン」は初めて成ったが虫食いが多い。「カリン酒」くらいで利用法は少ないが、花や葉もきれいで成育工程が楽しめる。

「カリン」は熟すと落下する。同じく落下する果樹に「フェイジョア」があり、今年の夏は亜熱帯の気候だったせいか、渇水にもかかわらず、数年ぶりに結構成った。落ちているものを「拾う」という感覚はなかなかおもしろい。少しずつ落ちるので少しずつ拾う。キーウイほどおいしくないがパイナップルのような味がする。 

   

電柵、丸1年   
  
田んぼ全体を電柵で囲んで、昨日でちょうど1年が過ぎた。近くでイノシシを捕獲したという話をしばしば聞いているが、この1年間1度も侵入されていない。

電柵の下の草は春に1度は除草剤で対処したが、その後は草刈で対処した。

電柵を設置した場所がよかったのか、草刈にもさほど不便を感じなかった。

乗用トラクターの運転にも、ほとんど支障はなかった。道に沿ってではなく道を遮断して電柵を張っているので、それぞれの田んぼに畔岸から楽に入ることができたし、向こう岸は、休耕田にしているよその田んぼの岸に電柵を張らせてもらっているので運転に支障はなかった。
 
不器用なので、電柵を一度設置してもらったら動かせないと思い、設置する場所を何度もぐるぐる回りをして、シミュレーションも繰り返していたので、設置場所にも問題は起こらなかった。

道を遮断したことによる朝、夕の電柵ゲートの開閉も、ほとんど負担感はなかった。朝は8時頃までには田んぼに行くし、夕方もたいてい田んぼにいる。あまり外出はしなかったが、外出する時も家畜の世話は欠かせないので朝夕は田んぼにいる。雨の日も同じ。

つまり、ニワトリとヤギという2種類の家畜の存在がゲートの開閉の負担感を取り払ってくれた。1種類だけだったら負担になったかも知れない。 

電柵の外の荒らし方から見て、明らかに害獣は増え続けているが、この谷を避けて、左右の山すそから他の場所へ出入りしているようだ。



戸別所得補償モデル対策

今日の午後、「戸別所得補償モデル対策」交付申請書を持って、農協支所の受付会へ行った。

自分には関係ないと思っていたが、野菜の販売農家も対象になるということで、6月末に駆け込みで書類を提出しておいた。

33アールが交付対象面積となり、10アールあたりの単価は1万円。年内に3万3千円が振り込まれる予定。

もらう権利があったのでもらったが、「戸別所得補償」には反対である。

3万3千円は確かにありがたいが、補助金は農業の回復と発展には寄与しない。
    
    
    
 
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右の画像は放牧場のヤギの出入り口。どんな出入り口になるのか全くイメージできなかったが、Uさんは驚くほど簡単な出入り口を作ってくれた。


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山仕事の2回目、そして子ヤギ

      
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前回同様、1時間ほどUさんがチェーンソーを使って薪にする部分を輪切りしてくださったので、枝葉の部分や雑木や竹を焼却した。 

燃えきったところで、画像に見えるタゴで2荷、水をかけて消した。数日後にはまた袋4杯ほどの消し炭がとれる。

雑誌の「現代農業」には、竹炭をこの方法(燃えきったところで水をかけて消す方法)で作る「ポーラス竹炭」という方法が載っていたが、木でも同じようにできる。

どんど(たき火)は楽しい農作業である。都会の人は「どんど」を喜ぶとUさんが言われたが、確かに農業イベントでは、たき火は欠かせないようである。

全部燃えきってから「焼き芋」を作るともっと喜ばれる。「焼き芋」は「ふかし芋」よりだいぶおいしい。水分がとんでしまうからだろうか。

「ふかし芋」ではおいしくないムラサキ芋も、「焼き芋」にするとおいしいので、ムラサキ芋の作付をやめるわけにはいかない。 

 

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焼却するために井戸水を汲んできたが、紐を結んでいるタゴの取ってにヒビが入り、今にも壊れそうだった。「また4000円ほど出費してタゴを購入する必要があるなあ」と言ったら、Uさんが自分には想像もつかなかった案を出してくれた。取っての下に穴を開け、取っ手は竹挽き鋸で切り落としたらいいと言われる。上の画像。

タゴに穴を開けるのは、ヤギの杭の先を炭火の中に入れ熱くしてから、タゴに錐(キリ)のように刺すとすぐに溶けて穴が開いた。こういうことがすぐに頭に浮かぶのは経験したことがあるからだろうか。

今までに何回もこの部分が壊れ、この部分が壊れたら新たに購入していたが、こういう方法があるとは・・・。

感嘆していたら、「頭が固いなあ」と言って、選択肢の少ない人生を歩んで来とるなあと言われた。こういう知恵が誰でもすぐに思い浮かぶだろうか。


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この部分の「紐結び」がまたできなかった。いつもは見本(別のタゴ)を見ながら時間をかけて何とか結んでいた。つくづく「紐結び」が苦手。

 
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タゴの取ってを切り落とすのも、木挽きではなく竹挽きで切るようにと即座に言われた。 



子ヤギ

昨日書いたのにさっそく今日、子ヤギが欲しいとのメールを頂き、本当にうれしい。

それも遠くの東北から。

内心では、買い手(もらってくれる人)はないような気がしていた。そして、望まれない出産なら、種付けは今回限りにしようと思っていた。
 
メールを頂いたので、ヤギを飼う上でどういうことが問題になるか改めて考えてみた。

(1)西濃運輸で宅配・・・この発想が思いつかなかった。メールをくださった方はすでに問い合わせをしてくれているようなので可能なのだろう。もしこれが可能なら未来が大きく開けたような気がする。生まれて3週間ほどで送るなら5キロにもならないと思うので、段ボール箱で送れると思う。小さいと、おしっこや糞の量もたいしたことはないし、1日くらい食べなくてもどういうことはない。心配なのは閉じ込められたヤギのストレス。関係者に聞いてみます。

(2)乳が飲みたいならザーネン種がいいと思います。ヤギを飼う目的はやはりこれが一番かなと思います。ペットなら「芝ヤギ」の方がかわいいし軽いし扱いやすい。どちらにしても草刈効果は全くない。ザーネン種でも最終的サイズは45キロ前後で、子ヤギから飼えば大きさに戸惑うことはないと思う。

(3)ザーネン種のメスでも5千円ほどと思います。送料込みで1万円以内で買わないと、ヤギはその後に小屋代(1メートル四角で材料代が6千円ほど)、首輪代、鎖代、杭代、鎖を首や杭につなぐフック代等で3万円ほどかかるし、放牧場を作るなら電柵か、囲うためのメッシュ代がかかり、メッシュ(1畳)なら60枚で3万円ほどかかる。

(4)鎖の長さは「2メートル30センチ」ほどが最も適当と思う。それくらいならどこでもつなげる。杭も45センチで足りる。

(5)1日中戸外につなぐ場合は、夏の日射病が問題になる。

(6)2頭で3アールほどの放牧場を作っても、すぐに食べてしまうし、糞尿のかかった草は食べなくなる。だから放牧場を作っても1日に2時間ほどは戸外につなぐようにしている。

(7)放牧場で飼うと糞尿(堆肥)は取れないが、糞尿出しの手間は全くかからない。小屋の中にはヤギはほとんど糞尿をしない。

(8)餌は雑草と野菜クズと木の葉だけであり、飼料代は全くかからないが、「鉱塩」という塩はあった方がよく、酪農家等から1個買えば2頭でも1年以上ある。

(9)ヤギを飼うのは「乳」か「ペット」かということになるが、ペットなら猫や犬の方がいいと思う。ヤギはあまり賢くない。

(10)ボク自身は、乳量が多いと搾るのがそれだけ手間だし、少なすぎると満足に飲めないので、多からず、少なからずがいい。随分と勝手であるが、小型の雑種だから多分少なすぎるような気がする。

(11)ヤギ乳は飲みたいが、生まれた子ヤギがオスの場合は引き取り手がおらず、処分に困るというのがヤギ飼いの共通の問題と思う。

(12)ヤギの平均寿命は15年ほどと言われるが、それなら60才までに飼い始めたい。ヤギを飼うのは結構体力がいる。
 
(13)計画的に見えるが、ヤギを飼い始めたのは全くの衝動飼いである。ヤギを飼ってみたいと友人に話したら、その日の内に紹介してくれて、ただでもらえることになった。小屋もないし、品種のことも全く知らなかったし、ただ、どれくらいの大きさになるかだけを聞いた。飼い始めてからヤギ見学に行ったり、本を読んだりして知識を増やした。

(14)衝動飼いだったが、ヤギは結果的に農業人生を劇的に動かしてくれた。
①ヤギ見学に来られたUさんが、それを境にまた援農に来てくださるようになり、ヤギ小屋と放牧場を作ってくれた。
②ヤギ見学に行った先で10数年ぶりにまたKさんに出会い、スーパーの産直を紹介してもらい、じり貧のワンパック宅配から産直中心に出荷形態をかえることができた。
③ヤギ見学に行った先でたまたま養蜂家の「スロー人」さんに出会い、巣箱を設置するきっかけになった。
④ブログの壁紙としてヤギ以上のものはないとすぐに気付かされた。

それでも導入して半年間ほどは大きな負担を感じ、何度も後悔した。

(15)ヤギは集団を好むので、1頭よりも2頭が望ましい(家畜福祉の見地からスイスでは1頭飼いは法律で禁止されている)が、3頭となると手が回らなくなると思う。3頭だと戸外につなぐことは極めて面倒になる。

(16)ヤギ小屋作りに関しては鳥取県の八頭総合事務所のホームページにヤギ小屋作りの具体的な手順とかかる費用が載っている。

(17)イノシシによる甚大な被害を受け、放牧場予定地を変える必要に迫られたが、結果的にこれはヤギを大変喜ばせることになった。どこにしようか考えているうちに借地を思いついた。放牧場の半分は借地(無料)である。
 
(18)ヤギは「コメリ」等で売っているメッシュ(鉄柵で1畳450円)を飛び越えない。周囲の長さをはかってメッシュを購入(確か60枚)したが、2人で午後からの半日×4回で完成した。Uさんの指示で土中にモロマツの支柱を打ち込み、3本の竹を渡し、メッシュを針金でそれに縛り、3メートルおきくらいに外から斜めの杭を打ち込んで終了。苦手な作業なのでどういう放牧場になるのかイメージできなかったが、できてみると意外に簡単に思えた。

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受胎したようだ

 
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予定日の今日、発情がなかったので、どうやら受胎したようだ。出産予定日は5ヶ月後の来春4月3日。

新しい生命の誕生。

子ヤギをご希望の方があればメールをお願い致します。初産なので生まれるのは1頭だけです。

オス・・・無料(簡単にできれば去勢しておきます)

メス・・・2千円

品種・・・雑種

乳量・・・初めてなのでわからない

種オス・・・ザーネン種のオスと交配

姿・格好・・生まれてくる子ヤギの色は白で角はないはず

最終体重・・・現在のメスの体重は30~35キロほどであり、ザーネン種のオスと交配したので少し大きくなると思う


なお、ヤギ飼い仲間も来春の2月~4月は出産ラッシュなので、純粋ザーネン種(乳搾り用の品種)をご希望でしたら、ご紹介致します。ザーネン種の場合、最盛期には1日に1升半ほど乳が出るようです。ザーネン種のメスの最終体重は見た感じでは45キロ前後と思います。 



TPPを推進するにしろ、しないにしろ、いずれにしても農業補助金のあり方を根本的に変えないと、農業はじり貧の一途になる。

正社員になりたくてもなれない3割ほどの現役世代に、農業への道を開いてあげることはできないだろうか。

正社員の椅子がすでに用意されていないのだから、いつまでも商工業の世界にとどまっていては、格差を甘んじて受容するだけになる。

正社員になれない3割の人の生きる道が果たしてあるだろうか。
 
なぜ、既存の特定の農業者だけに補助金が支給される必要があるのか。

補助金がないとできない農業が現実に必要だろうか。 

農業補助金をベーシックインカム的(年間80万円ほどの万人に平等な、生きるための基礎年金)なものに変えていかないと、「農業」も「雇用」も「環境」も改善の方向にむかわない。

1人なら80万、夫婦なら160万、夫婦と子供1人なら240万。何とか生きていける金額である。


世代間格差と、正社員と非正社員という同世代格差という「2つの社会的不平等」を少なくするには、「補助金」ではだめで「ベーシックインカム」にする必要がある。

補助金は社会的不平等を助長し、政治的立場の強い組織や人しか恩恵を受けない。 

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雨の一日

365日、酒を飲まないこと、これは父から受け継いだ唯一の?手本である。

それともう一つ、これは逆手本であるが、宗教から完全に自由で(否定して)おれること。これは宗教漬けの日々を送っていた父からの反教訓である。


酒代とタバコ代は高くつくので、どちらもやっていたら農業収入では生活できない。

酒は昔から全く飲まないが、タバコは若い時には30本以上吸っていた。農業を始める2年前に肺炎になり運よくタバコは止めれたが、長期間のタバコが原因か、夜間にしきりに咳をしているらしい。あまり長生きはしないなあと感じるのは、朝起きた時などの胸の圧迫感。

年金は65才にならないともらえないと思っていたが、新聞記事で「前倒し」を知り、63才くらいからもらってもいいと思った。80才以上生きれば65才からもらい始めた方が有利だが、そこまで生きれないだろうと思ったら63才からもらい始めた方が有利。


上水道代、下水道代、電気代が自分の口座から自動落ちしていた時は、とても細かく節約していたのに、家人の口座から落ち出すと、無頓着になった。今度は逆に家人が細かく言いだした。上下水道代と電気代だけで年間22~24万もかかる。


雨だったので農作業はできず、ホームコタツでうつらうつらしながら雨音を聞いていた。何か気分が高ぶって眠りに入れなかった。


先日買ったブリのアラの残りでダイコンを煮た。サンマを焼いたりなど簡単なおかずなら自分でできる。今日の夕飯はダイコンの煮物、レタス(青シソドレッシングで食べた)、漬物(キクイモの味噌漬け)。 
 

夏の渇水で今年はサトイモとニンジンを21年目で始めて失敗したが、この2種類の失敗は我が家の食生活にも大きな影響を与えている。サトイモの煮物はボクがしばしば作る一品であるし、ニンジンもよく使うので買わざるをえない。

サトイモとニンジンの失敗で10月以降のワンパックは送れなくなった。直売所出荷でも1月、2月、そして3月の出荷にサトイモとニンジンはとても重宝なのに。 
 


夕方、電柵のゲート(3ヶ所)を閉めるために田んぼに行った。雨の日はヤギは小屋の中にとどまる。1メートル四角の小さな小屋であり、雨の降り込みや濡れた足で座板も濡れて、ヤギは居心地が悪そうな顔でじっとこっちを見ていた。



集落営農は、旧ソ連のソフホーズやコルホーズに似て、全く生産性は上がらないと思う。例えば草刈一つにしても総出ですれば、おしゃべりばっかりになったり、すぐに休憩をしたりして仕事は全くはかどらないだろう。責任の所在もわからなくなり、個人ですることに比べてかなり非効率になる。集落営農で利益が上げれるとは到底思えない。

集落営農の補助金は莫大なので、各県の集落営農の補助金額はネットで公開して、かんかんがくがくの議論がなされる必要がある。

当地では集落営農の話など全くない。



認定農家や特定農家等の担い手に支援を集中することが、この国の食糧のリスク管理に適しているだろうか。

家庭菜園型の自給農業を増やすことが食糧のリスク管理には最も大切だと思う。そのためには、誰もが簡単に農業に参入できるようにする必要がある。

サラリーマンと農業との間には「三途の川」ほどの深い隔たりがある。農業を始めるまではナスビやピーマンがどんな格好をして成っているのかも知らなかった。それが農家の長男である自分の現実だった。



農業は「成長産業」ではなく「自給自足の産業」である。農業を成長などという概念でとらえること自体が誤っている。商工業の世界とここが根本的に異なる。



TPP参加なら、稲作は崩壊すると言われている。

田植えの風景や稲穂の風景が見えなくなるのは確かに残念だ。

ただ、稲作は農具が高すぎる。そんなにまで農具に投資して稲作をしたのでは採算は合わない。

機械を駆使する農業は癒しにならないし、農具事故の危険性も高い。

中山間地では電柵を張ってまで稲作をする人は少ない。

海外から輸入できるなら輸入したらいいと思う。輸入できなくなったら、国産も高騰して買えなくなる。

いずれにしろ、自給率の数字などに意味はない。 


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物置の卵が害獣によって割られた

 
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明日は久しぶりの雨のマーク。このところ晴天が続いていたので、野菜にはいい雨である。


風呂上がりに、ふかし芋とハーブティを作った。畑でなく田で作ったサツマイモでも、茹であがってすぐはおいしい。

ふかし芋を食べながらハーブティを飲む。ハーブティも沸かしてすぐはとてもおいしい。飲んでいると何かほっとする。

今日の組み合わせはレモンバーベナとスペアミント。こんなにおいしくて安い(50円)のに、なぜ少ししか売れないのだろう。アピールする力がない。



風呂の中で、今日は日中よく動いたし、ツイッター風に書いて、短時間で終えようと思った。


タマネギの定植が終わった。タマネギの定植が終わると、秋冬作の農作業は一段落するので、やれやれという気持ちである。極早生、早生、中晩生の3種類を1袋ずつ蒔いていた。極早生と早生は「ベト病」がまぬがれるので、葉つきで出荷する。


借地している田んぼの更新時期が来たので、地主さんに、10年契約でまた引き続き貸してほしいとお願いに行った。その時に、来年は米の作付をやめる(理由は収穫前にイノシシの被害にあったから)ので、よかったら野菜をつくらんかなと言われた。

田んぼへ行く道筋にあるし、大きな1反町であり、排水もよく、田んぼでも畑作が十分可能なので、「アブラナ科野菜」だけを2~3年移したら、ダイコンサルハムシという害虫からまぬがれる可能性が高いと思ったが、田んぼが広すぎて世話ができない。

 
 
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物置の中に置いていた卵が何らかの動物によって持ち去られたり、割られたりした。物置の出入り口を開けっぱなしにしていたので、てっきりカラスの仕業だと信じて疑わなかった。

午後、今度は出入り口を閉めていたのに、物置の別の場所に置いていた卵がまた被害にあった。これで原因はカラスではないことが判明し、害獣がどこから物置に入っただろうかと探していたら、出入り口の戸の下が小さく掘られているのがわかった。ここしか物置に入れる場所はないと感じたが、野良猫も入れないようなサイズなので、はたしてどんな害獣が真昼間に卵などを狙ったのだろうかと考えた。この穴から入れるような動物はヌートリアかイタチだろうと思った。ブロックでも置けばもう入れないと思ったが、そうはせずに、出入り口の内側にネズミ捕りの粘着を2枚セットして害獣を突き止めようと思った。


  
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ニワトリにとってもヤギにとっても、朝日ができるだけ早くあたり始めることが望ましい。ここは他の田んぼに比べて冬の太陽が最も早くあたり始める場所であり、家畜にとっては特等の場所。陽だまりになる鶏舎の東側に、朝はいつもこんな格好でたたずんでいる。

放牧場の出し入れの時、オスヤギは全速力で走り始めるので、いつも走らされる。65才になってもヤギのスピードについていける自分でありたい。



国民年金の受け取り、前倒しと先延ばし

国民年金の受け取り開始は65才が基本です。ただし、申請をすれば、1ヶ月単位で最大5年まで、開始を早める「繰り上げ」や、逆に遅らせる「繰り下げ」ができます。

80才まで生きた場合の受取総額は、63才受け取り開始なら1184万9千円、65才開始だと1188万1500円。つまり80才になった時点で受取総額は65才開始が63才開始を上回ります。その後、長生きすればするほど受け取り額の差は開いてきます。さらに60才開始だと77才時点で、65才開始に受取総額で抜かれます。

今年5月末時点で、国民年金の受給権者のうち、繰り上げを選択している人は26.5%です。
(以上朝日新聞、11月20日)

77才までに死ぬとしたら、60才から受け取りを開始した方が有利。

どうしよう、迷う・・・。60才になったら月単位で選択を考えよう。 

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ミツバチの死

 
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一昨日に見た時は7匹死んでおり、昨日は死んでおらず、今日はこれだけ死んでいた。スムシとの闘争に負けたようだ。

死んだのはオス蜂2匹と働き蜂が60~70匹。女王蜂と働き蜂の見わけ方がわからず、この中に女王蜂がいるかいないのかわからない。

近日中に巣箱を分解して、中の状態を確認するつもり。


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火曜日に、ヤギが食べた大量の雑木を焼き、水をかけて消した消し炭が乾いたので袋詰めをした。4袋とれた。

山仕事で出た雑木を月に3回ほど4ヶ月焼くと12回。この農閑期に4袋×12回=48袋ほどの消し炭ができるだろう。

 

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初霜にあたったサツマイモ畑にヤギをつないだ。


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これは月曜日に出荷した売れ残りのハーブだが、物置に置いていても劣化せず、6日経過しても画像のように鮮度がよい。朝どりして、よく乾いておればジョロでさっと打ち水をして、すばやく袋詰めをすれば、葉物でも鮮度は長く保てる。 

ハーブは霜にも比較的強い。初霜にあたってもあまり傷んでいない。


キクイモとハーブティは今回はよく売れていたようだ。売れても売れなくても出荷のつど12~14袋を持っていく。

売れ残ったキクイモは持ち帰ってニワトリ行きになることが多いが、一部をヤギに与えたらよく食べた。ヤギはあまり根菜類を食べないが、出荷したキクイモは洗っているので、それで食べたのかもわからない。

元々キクイモは飼料用の意味もあって作っているので、ニワトリもヤギも両方ともに食べるなら、青菜の少ない冬期間に格好の飼料になる。

キクイモはPOP(商品説明)を少し変えてみた。きんぴら、みそ汁、おでんと書いて、その下に「皮はむかずにご利用下さい」と付け加えた。

ハーブティのPOPは今まで通り「作り方は麦茶パックと同じです」を使った。ハーブはまるで雑草なので売れ残ってもあまりがっかりしない。 



ホウレンソウのようなメジャーの野菜はとても太刀打ちできそうにないので、隙間を埋めるような野菜(あまり人が出さない野菜)を出している。他の野菜の引き立て役かもしれないが、直売所ではこういう野菜も必要。



1種類を多く作ることは、やはり技術がいると思う。自分の場合は多種類の野菜を「それぞれちょっと多く」というような作り方をする。そうすれば負担にならないし、失敗しても他の野菜でカバーできるし、収穫や袋詰めが多少面倒でも、少しなら確実に売れるという計算できる野菜となる。技術力のないものは、こういう稼ぎ方をするしかない。



収穫に1時間15分かかれば、仕分・袋詰めに同じく1時間15分かかる。合計で2時間半。その後、収穫残渣をニワトリ小屋に持ち込み、ニワトリとヤギに餌を与えるのに合わせて10分はかかる。家に帰って伝熱シーラーで袋を閉じ、単価シールを張っているとそれだけで15~20分ほどかかる。つまり、ここまでで要する時間は合計3時間。午前7時頃から始めると10時頃になる。その後すぐに出荷に行き、戻って来るまでに40~45分ほどかかる。ここまでで3時間45分経過。

何が言いたかったかと言うと、収穫時間は1時間~1時間15分ほどで抑える必要があり、逆に言えば、その時間内で収穫できるだけの量を作る。
 


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初霜

朝起きて、外を見て、今日は初霜なんだと思った。

昨日の日中は汗ばむほどの陽気だったから、夜が冷えたのだろう。

今日の日中も汗ばむような陽気だったから、明日も連日で霜が降りるかもしれない。 

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初霜という環境の一大変化により、夕方にはサツマイモは画像のように湯をかけたようになった。初霜までに、ニワトリとヤギに茎葉を全部食べてもらう予定だったが、そうはうまくいかなかった。


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ロケット(ルッコラ)はハーブの中では珍しい「アブラナ科」であるが、独特のゴマ風味のせいか、野菜のアブラナ科に比べて虫害は随分と少なく、加えて、成長スピードも早い。黒マルチをしておればもっと大株になったはず。

生食、炒め物、おひたしと3拍子そろった優れ物であり、特にレタスやキャベツと食べる「生食」がお勧めであるが、おひたしにするとホウレンソウほどおいしくないせいか、直売所ではあまり売れない。耐寒性はホウレンソウなみ。


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初霜の朝でも午前9時にはミツバチは元気に巣門周辺を動き回っていた。ただ、スムシの被害の大きい巣箱は出入りはなく、昨夕見た時には、働きバチ6匹と雄バチ1匹が巣箱の中で死んでいた。スムシと闘ったのだろうか?
 

11月23日(火曜日)か11月24日(水曜日)にメスヤギに発情がなければ、受胎したことになる。ちょっと気になる。もし発情があれば、その日にもう一度、種付けに行かせてもらおうと思う。 



簡易水道 

コカブとキクイモは前日に収穫して持ち帰り、家の簡易水道で洗っている。外の門(かど)に、上水道とは別に山から湧き出る水を引いた簡易水道があるのはとても便利である。この簡易水道ができてからすでに80年以上になるらしい。

集落には他にもう一つ簡易水道があったが今は使われていないので、現役なのは十数軒で使っているこの簡易水道だけである。

湧き出ている箇所は家のそばの低い山の中で、家から歩いて200メートルも行かない場所にある。こんな所から途切れることなく水が湧き出ているのが不思議である。

昔、山の所有者の住人が炭焼きをしていた時に、この湧き水を見つけたらしい。

今も大きな炭窯の跡がすぐそばに残っている。周囲の生態系は変わってしまったが、この湧き水だけは年に1回、利用者で木の根を切ったり、落ち葉を取り除いたりして掃除をしている。

すぐ下に小さな池があり、田んぼもあったが、池にはすでに水がたまらなくなり、田んぼには竹藪が進出して、昔に田んぼだった面影は全くとどめず、山道はうっそうとして昼間でも薄暗い。きれいな山ユリが咲く場所だったのに、今は咲くような場所ではない。

たった45年ほど前のことなのに、目の前の山は変わり果ててしまい、マツタケも生えていたのに松はもう見あたらない。

この45年ほどの間のすさまじい変遷である。

山はもちろんそのまま残っているが、山の風景も山に上がる道もその周囲の風景も全く変わり果ててしまった。

山の木や落ち葉を利用することがなくなったのだから、どうしようもない。

すでに山の生態系が破壊されてしまっている。

集落の里山はどこもかしこも、こんな状態である。

害獣の進出に対しても、なすすべもない。

もう随分以前から、集落のどこの家でも、農業以外の収入で家計は成り立っているので、イノシシやシカの進出に驚いても、それによって困ることはなあまりない。家庭菜園は家の傍なので、害獣はまだそこまでは来ていない。


簡易水道は維持管理費(掃除の時の茶菓子等)に、年に千円集金されるだけで、使い放題であるし、下水道代もかからない。もちろんこの簡易水道を風呂水や洗濯水に使えば、それは下水道につながっているので、下水道代がかかる。

直売所出荷の根菜類は洗わざるをえないので、この簡易水道は大いに役立っている。田んぼの井戸水をいちいち汲み上げて洗うのは不便だし、井戸水よりはるかにきれいである。だから、ペットボトルに入れて水筒代わりの飲み水に利用し、ニワトリの飲料水や収穫した野菜のジョロ散水に、16リットル容器に入れて田んぼに毎日持参している。

この簡易水道がなかったら、上水道(+下水道)では高くついて野菜(根菜類)はとても洗えない。



集落の周囲の里山は荒れ果てているが、クマやサルはまだいないので、イノシシとシカは今のところ何とか電柵で防げている。

電柵には4年間のトータルで19万円ほど投資している。イノシシの突然の出現はブログを始めた年の8月末だった。


自分には今のところ後継者はいないが、いざという時のために、いつでも農業が始めれるように、この状態をずっとキープしようと思う。子孫に残せる預貯金はゼロなので、美田だけはバトンリレーしたい。

子供が将来農業をするかどうかは全く不明であるが、畑作に適していて、水の便(井戸水)があるのは、今耕作しているこの一帯だけである。

農業スタート時期の3年間と父の晩年の3年間がちょうど重なって、うまくバトンリレーができたが、そんなふうに子供にバトンリレーできるかどうかわからない。

2人の娘は農業に全く興味も適性もないように見える。これは自分の責任か。 


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農業は弱肉強食の暴風雨にさらすべきだ

  
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夜9時のおやつに「ふかしイモ」は身体にやさしい。農家だから食べれる、ささやかな特権である。

昼寝をしていたら、午後からの農作業がはかどらない。昼寝をしなかったら、夕飯後に眠くなって60~90分寝てしまう。

よそでもらった柿を食べながら、いつの間にか柿が「足るほど食べれなくなった」と痛切に思う。ここ5~6年、農薬なしでは夏に落下するようになった。成ってもカラスに先を越される。

新たに柿を4本植えているが、農薬散布や防御がしやすいように、樹高が高くならないような剪定や誘引をする必要がある。

スーパーで買い物中に「ブリのアラ」を見て、ダイコンが食べたくなり、買ってかえった。ダイコンが欲しくなると、そろそろ初霜の季節が来る。

 
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井戸水をポンプアップして、昨日撒いたメタン菌液肥を薄め、黒マルチを張った。1500本ほど植えたい。



農業崩壊最大の危機はTPPではなく、イノシシ、シカ、クマ、サル等の害獣と「ナラ枯れ」である。

TPPは早いか遅いかの違いだけであって、歴史の流れだと思う。地球はますます小さくなっているのに、いつまでも保護貿易の時代ではない。


農業も弱肉強食の暴風雨にさらすべきだ。補助金農政は利権が生じる源である。特定農家だけを守る必要があるだろうか。特定農家がいったい何をしてくれるだろうか。何にもしてくれないし、特定農家は往々にして経済一辺倒の農家である。

農業や環境や里山や風景を底辺で守っていくのは、家庭菜園型の小さな農家である。


外国産を選ぶか、国産を選ぶかは、消費者の選択にゆだねたらよい。 

国産は逆に脚光を浴びて、特定の顧客に直接販売する取引が新たに増えると思う。地域の直売所も販売を伸ばすだろう。


利権がらみの補助金農政こそが、この国の農業をこんなに衰退させた。


飢饉の時には自給率など何の役にも立たない。値段が高騰して手も足も出ないし、世間に出まわらなくなる。口に入れる食べ物は、最小限は自給自足できるようにする必要がある。自分で自分を守るしかないのだ。

戦後の食糧難の時代に国が守ってくれましたか。


この国の農業を補助金農政から解き放つ必要がある。税金の無駄使いの根源であり、既得権益を肥やすだけだ。

現政権を支持するのは、過去50年以上にわたる自民党、農水省、農協の三位一体を変えなければならないと思うから。


農業や環境や里山や風景を守るには、年間80万円ほどの、万人に平等なベーシックインカム(生きていくための基礎年金)で支援するしかないと思う。 

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今季最後の液肥

 
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やっとタマネギを植える準備ができ、タマネギ予定地に液肥を施した。これで今季の液肥は終了。次回の液肥散布は、来春3月のジャガイモの植え付けの頃。

明日は、それぞれのタンクに米ヌカ2袋とナタネカス半袋ほどを投入し、水を8分目ほどまで補充し、周囲の雑草を少し入れて4ヶ月間ほど寝かせる。

タマネギ予定地は明日朝、井戸水をポンプアップして液肥を薄め、午後には黒マルチを張り、植え付けを始める。

春キャベツは苗のいいのができず、170本ほどしか定植できなかった。


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シイタケが芽を出し始めた。ダイコンの成長に合わせるようにシイタケが大きくなる。ダイコンの煮物のダシにシイタケは最適。


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シイタケを見に竹藪に入ったら、まだヘビが冬眠せずに動いていた。

 
  
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 後20年ほどの人生だから、農業と、その後の人生と、どんな形の最後を迎えるか、この3つを考え続ける必要がある。
 
農業をしながら人生を終えれるのは幸せである。自給野菜と3種類の家畜の世話なら、1日2時間もあれば十分である。朝、電柵のゲートを開け、ニワトリとヤギに餌を与え、家庭菜園をちょっと見回り、簡単な農作業をして終わり。この間1時間ほど。
夕方1時間ほどヤギを外に出し、ニワトリに餌を与え、ミツバチの見回りをして、少し農作業をする。この間1時間ほど。出荷をしなくていいなら、農作業時間はごく短くてすむ。
つつましい生活をすれば、低い安定は保てれる。


それにしても、ここ50年ほどの間の稲作の有為転変は激しい。稲作はとにかく機械代が高すぎる。こんなに機械を駆使した農業なら、誰でもはできない。

稲作の風景が消えることは寂しいが、仕方がないように思う。

ちょっと県北に行けば、害獣によって家庭菜園も無防備では作れず、次の世代は都会に出て就職し、定年後、故郷に帰ってくるかどうかも定かではない。だから5~10代と続いた旧家でさえ、今まさに墓もろとも(墓守もいない)消え失せようとしている。

当地は「ほどほどの田舎」なので、まだそこまではいっていない。害獣の密度も県北ほどでなく、岡山市内は通勤圏であり、同一敷地内に別棟を建てたり、近くに家を建てたりしている。農業は家庭菜園程度であり、次の代はもう稲作はしないだろう。米は安すぎるし、害獣の被害で作れなくなりつつある。

稲作も里山も放棄した(放棄せざるをえなかった)次の代は、いったいどんな定年後を迎えるのだろうか。もう経済成長の時代はありえない。経済の下降線が続くだろう。


ボクの世代はすでに農業をしていない人がほとんどであるが、子供の頃の農の原風景がまだ残っている世代なので、定年後は家庭菜園を始める人も多いだろう。定年後に直売所へ出荷するような農業をする人はまれだろう。微々たる金額を稼ぐために定年後まであくせくはしないと思う。

自分もサラリーマンの人と同じく、第一線を退いた後は1日2時間ほどの家庭菜園を楽しみつつ、何かテーマを持って(それまでにテーマを探して)行動しつつ、死への準備もしたい。

予定通り事が運ぶかどうかは、健康しだいである。


死への準備といっても、取り立てて何もすることはない。ヤギはその頃には死んでいるだろう。残るのは物置と鳥小屋と井戸と農業用軽四と乗用トラクタ(すでに25年ほど経過した代物)くらいである。身辺整理といっても何もすることはない。墓は先祖墓がある。母屋は現在、築59年。屋根瓦を取り換える必要に迫られるかも知れないが、何とか今の状態でもってほしい。子供に残せる預貯金などない。それより病気をして世話にならないようにしたいことと、病気になったら費用の捻出が難しい。

とにかく、身軽でおれることが一番である。

ある日突然、ガンの宣告を受けるかも知れないし、人は誰でも途上で死ぬ。完結編などありえない。途中下車になる日まで、ブログの更新ができたら。


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野菜の旬も、一瞬浮かんだ言葉も待ってはくれない

    
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直売所へ出すようになってから、ワンパックは恵まれた出荷方法だとつくづく感じる。
 
直売所では消費者の目にさらされる。

同業者の同じ野菜と比較の対象になる。

外観も重要な要素になる。 

 
 
10月が忙しく、シュンギク等に黒マルチを使わずに定植したが、これは失敗だった。成育スピードや成育サイズがかなり劣る。


ダイコンとカブに使った農薬は、適期に1回使っただけではだめで、様子をみてもう1回使うべきだった。1回では害虫が抑えられず、カブは小カブの状態から成長が止まっている。葉がぼろぼろなのでもう大きくならない。


直売所の若い仲間に、直売所で売れる野菜や蒔く時期等をいろいろ教えてもらったが、その通りにしてもどうもうまくできなかった。2週間ほど種蒔きを早めるだけで、田んぼの準備がすすまなかったり、今までなかった害虫の被害にあったりした。


人の命も、野菜の旬も、頭に一瞬浮かんだ言葉も、立ち止まって待ってはくれない。走馬灯のように過ぎ去っていく。 


棚田見学でも、農業仲間訪問でも、新聞でも、ブログでも、継続が途切れたら、カンをすぐに取り戻せない。変化に気づかないこともある。


  
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午後から、今期第1回目の山仕事をした。初回の今日は放牧場の外に6月頃から野積みになっていたヤギが食べた雑木を、放牧場内で2時間ほど焼き続けた。焼却が終わったのを見計らって、タゴに2荷、井戸水を担いできて消火した。消し炭は4~5日してよく乾いてから土納袋に入れて保存する。

Uさんが援農に来てくださった日に山仕事をする。他の農作業がいくらたてこんでいても、並行処理をしていかないと、山仕事は前に進まない。



先日、県北の知人と電話で話していた時、今後の里山で最も怖いのは「クマ」よりも 「ナラ枯れ」の問題だという話になった。

葉タバコ跡地周辺の山には、タバコを作るのを止めてから切っていない太いクヌギが30本ほどある。ナラ枯れの原因である「カシノナガキクイムシ」という害虫は、太い木ほど好むらしいので、できれば、数年かけてクヌギを切り倒したい。
       
  
 
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当地の雑木林の風景が「ナラ枯れ」の被害にあうことなど、想像したくない。

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ふかしイモ

 
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ふかしイモがあれば、アンパンや購入菓子類が少し減らせるので、台所のテーブルの上に常時あるようにしている。

ただ、田んぼで作るサツマイモなので、あまり甘くない。土質はサトイモ向きであり、サツマイモ向きではない。

おいしいと言われる品種だが、甘くならない。

肥料はメタン菌液肥(米ヌカ中心)少々とクン炭(焼きすくも)だけ。



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ハーブティはやっぱり売れない。それでも2日に1回、10袋ほど置き換えている。

半分売れるといいのだが。

風呂上がりとか、深夜のリラックスタイム、寝る前の一時に熱いハーブティはおいしいが、どうアピールしたらいいのかわからない。 

これで単価シールが1枚1円とられたら出荷する気がなくなるが、ここのスーパーは良心的で、単価シールは無料。

近在に直売所が10店舗(このうちJAが4店舗)あるが、単価シールが無料なのはここだけ。

量目を減らして1袋あたりの単価を下げ、袋数を増やすようにしているので、これで単価シールが1枚1円も取られたらばかばかしい。



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キクイモの一夜漬けがなくなったので新たに作った。味噌と砂糖を少し補充した。

  
  
  
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キクイモは少し売れるようになった。と言っても1日平均5袋ほど。400gを120円で出荷している。

日持ちは劣ってくるが直売所出荷ではやはり洗わざるをえないようだ。土曜日に出荷したキクイモは月曜日には芽の部分が紫色がかってくる。こうなると古く感じるので2日間しか置けない。

売れ残った芋はすぐに使えるので、味噌汁に入れたり、キンピラ風に炒める。家人はキクイモが好きで毎日味噌汁に入れている。

それ以上に売れ残ったら即、ニワトリ行きとなる。
 
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キクイモを作るならニワトリは必須

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遠方から来客があったので、七輪で「ハーブティ」を作った後、「ゆで卵」を作った。

炭は以前に焼いていた竹炭。
 


 
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七輪はハーブの畑の前において、好きなハーブを摘んでもらった。ヤカンの湯の量を少なくすれば、すぐに沸かせるので、いろんな組み合わせが楽しめる。

いろんな組み合わせと言っても6種類しか作っていない。
レモンバーム
レモンバーベナ
レモングラス
タイム類(レモンタイム、コモンタイム)
ミント類(アップルミント、ブラックミント、スペアミント)
セイジ

ハーブティは濃く出した方が風味がよい。ハーブをたくさん入れれば、20~30秒ですぐに色濃く出る。

  
  
  
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明日の出荷のキクイモを掘った。まことに多収であるが、あまり売れない。

皮つきのままスライスして味噌汁に入れるとゴボウの風味がする。

味噌漬けにしたら、翌日より、3日、4日と日が経つほどおいしくなった。皮はむきにくいのでむかなかった。

味噌漬けは、キクイモを適当にスライスして、味噌と砂糖とみりんか酒を入れるだけ。翌朝にはキクイモから水が出て、味噌がかなり薄まっていいあんばいになる。 


キクイモを作るならニワトリは必須である。
(1)クズがたくさん出るし、クズを田んぼに残せば翌年雑草化して困る。
(2)芋の入り方が四方なので、掘り上げる時、ヨツメで引っ掛けやすい。
(3)出荷しづらい、でこぼこのイモも多い。

以上の理由から、ニワトリがいるととても便利である。逆に言えば、ニワトリのエサ用に作っている。良いのだけ選別(7~8割は出荷可能)して出荷する。


キクイモは乾燥にめっぽう強い。サツマイモよりかなり強い。肥料もサツマイモより少し多い程度で十分。

寒さにも強く、冬じゅう、掘りながら出荷できる。防寒は霜が降りたら地上部の茎を刈って畝の上に置くだけでよい。厳寒期でもサトイモような味の劣化は見られない。

イヌリンという栄養素を多く含むが、あまり売れないので、ニワトリがいないなら少しだけ作るとよい。

オレンジ色の菊のような花が美しいが、今年は猛暑と渇水のためか彼岸の後で咲き、彼岸のお供え花にできなかった。

放任栽培にすると2メートルを超えて風で倒れやすいので、背丈が60センチほどに伸びたら、半分に切り戻し(モロヘイヤと同じようにする)、その後出てきたわき芽も随時、低い位置で切り戻すと、あまり背丈が高くならずに、わき芽が多く出ておごる。

     
     
 
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放牧場ができる前のヤギ小屋は無用になったが、このまましばらく残しておく。ニワトリの入れ替え時の「つなぎの鳥小屋」も4~5年に1度使うだけだが、このまま残しておく。


農業は他の職業に比べて、ちょっと下に見られている職業であるが、自分にとってはプライドを存分に満足させてくれる職業である。「身体労働」と「事務的労働(納品書や送り状、ミニコミ等)」と「癒しになる労働」の3つを兼ね備えた職業など、農業をおいて他にない。

3つを兼ね備えた農業はやはり『有蓄小農複合自給』型の農業と思う。

「有蓄」とは、何らかの家畜がいること。

「小農」とは、規模が小さいこと。

「複合」とは、いろんな種類の野菜やハーブや果樹を作ること。

「自給」とは、売ることよりも自給を中心に考えること。


「有蓄」の中ではやはりニワトリがずば抜けている。羽数は4坪半の鶏舎で30羽前後を飼うのが最適。最適だったから20年近く飼い続けれている。
(1)30羽なら、卵を売る必要がない。 
(2)30羽なら、雨の日でも青菜が与えれる。
(3)30羽なら、茶碗半分の食べ残りでも、シシャモの頭だけでも、ニワトリに持っていこうと思う。
(4)30羽なら、処分する時(入れ替えの時)、あまり負担にならない。
(5)30羽なら、餌代が少なくてすむ。
(6)30羽なら、30アールほどの畑から出る残渣は全部食べる。
(7)30羽なら、楽しく飼える。
(8)30羽なら、飲み水の量、餌の量、青菜の量がコンパクト。
(9)30羽なら、小屋の建築費があまりかからない。
(10)30羽なら、片手間(遊び)で飼える。
(11)30羽なら、卵は交際費として使うのにちょうどよい。
(12)30羽なら、風景の中にとけ込む。
(13)30羽なら、もちろん薬剤には縁がない。
(14)30羽なら、4~5年に1度のヒヨコ代が8千円ほどですむ。
(15)30羽なら、他にヤギ、ミツバチ、蚕なども飼える。 


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環境が過酷であるほど、人は依存症になる

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環境が過酷であるほど、人は依存症になる。

環境が過酷であるほど、人はブログ依存症になる。
 
環境が過酷であるほど、人は職業(農業)依存症になる。 
 


しかし、「依存」と「昇華」は紙一重というか、全く同じと思う。悪い方にとれば「依存」であり、いい方にとれば「昇華」である。


例えばブログの場合 、悪い方にとれば、
(1)多大な時間を浪費している。
(2)家の用事を顧みなくなる。
(3)結構、経費もかかる。

いい方にとれば、
(1)それをしている間は他のことを忘れられる。
(2)10年ほど続ければ何か結果を残せるかもしれない。
(3)自分以外の他のことに夢中になれるのは幸せ。


悪い方にとれば農業逃避症、いい方にとれば農業熱中症

こういう生き方ではいけない。もう少し農業に携わる時間を少なくする必要がある。

しかしそれをしたら、農作業の時間がないという悪循環に陥り、カネがないという悪循環に陥る。
 
いずれにしても簡単ではない。


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備前市へ抜ける林道。かなりの高低差があるが12分でスーパーに到着する。当地でも紅葉が始まった。 



1票の格差
 
「自分の選挙権が1票ではなく、実は0.2票とか、0.5票の価値しかない」 「この格差で、少数の有権者に選ばれた多数の国会議員があらゆる法律や予算を作っている」と知ったら、あなたはどう思うだろう。

最大格差が5倍となった今年の参院選挙区選で言えば、議員1人あたりの有権者数が最も少ない鳥取の有権者が1票なら、神奈川の有権者は「0.2票」。
(朝日新聞11月13日・伊藤塾塾長・伊藤真)


この夏の参院選で、神奈川では69万票を集めた民主党候補が落選、鳥取では15万票台の自民党候補が当選した。
全選挙区での総得票数と議席数を比べてみても深刻さが浮かぶ。民主党は2270万票で28議席を得た。一方、39議席を獲得した自民党は約1950万票に過ぎなかった。  (朝日新聞7月15日)




既得権益を打破するには、ここで政権を元に戻してはいけない。

今、しきりにマスコミが仙谷官房長官をターゲットに攻撃している。

11月9日には、長妻元厚生労働相「仙谷さんと闘い敗北」と第2面に大見出しで書いてあった。

最近の朝日新聞には、民主党に楔を打ち込もうとしているニュアンスをしばしば感じる。

管、仙谷、支持。4年間がんばれ! 


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世代間格差とベーシックインカム

  
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花くらべが近いので、叔母に菊の花をもらいに行った。集落のどこの墓にも花が供えられるので、一応、体裁だけは整えておかないと。

ある人から、お墓など参らなくても、自分が幸せに過ごしていたら、それが一番の親孝行だと聞かされた。



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スイートバジルと青シソの上部を草刈機でとばし、エンドウ、スナップエンドウ、グリンピースを蒔く準備をした。17メートル×2列=34メートルにこの3種類を蒔く。

900円ほどで、黒マルチに穴を開ける器具(左の画像)をホームセンター等で売っている。これは便利。

エンドウ類が盛りの頃、こぼれ種から青シソがいっぱい芽生えてくるので、青シソはそれを定植する。

 
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ハヤトウリは例年なら10月10日頃から成るが、今年は夏の渇水等のためか、1ヶ月遅れで大きくなった。初霜にあたると枯れるので、できるだけ早く成り始めた方が収穫量はそれだけ多くなる。    
 

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巣が末期的症状になっているが、まだミツバチが一固まり存在する。このまま越冬してほしい。



山仕事

また、山仕事を始める季節になった。3月中旬頃までの4ヶ月間が山仕事月間である。週に1回ほどのペースでも4ヶ月あると、かなりの作業ができる。

今季のテーマは「消し炭」。太い木を切るとたくさんの枝葉が出るが、それを燃やして最後に水で消し、大量の消し炭を作るという計画。

太い幹・・・Uさんが薪ストーブに使われる。クヌギはシイタケの原木に使う。

ドングリの木・・・常緑樹であり、青菜の少ない冬はヤギの飼料に役立つ。

炭焼きは技術と器用さが必要であり、時間もかかるが、単なる「野焼き」なら時間もかからず、消すのをタイミングよくすれば、かなりの消し炭がとれるだろう。
 
「野焼き」は楽しい作業であり、火は、見る人の心を癒す。



世代間格差とベーシックインカム

65才の残りの人生での負担は約1500万円で受益は約3100万円。差し引き1600万円の受益超だ。これに対し、20才は負担が4500万円で受益は約2600万円。約1900万円の負担超となる。さらに、06年以降に誕生の世代は約9800万円もの負担超だ。内閣府の試算でも、祖父母と孫の世代の負担格差は1億円近い。

巨額の政府債務残高からもわかるように、選挙権を持つ世代は公債で財政を賄おうという政治的意思決定をしがちだ。将来につけを残す政治手法によって、将来世代の税金の使い道を勝手に決めてしまっている。(島澤 諭 秋田大教授)朝日新聞2008年11月29日


世代間の受益と負担の公平性を保つには、まだ年金をもらっていない世代が、年金を先取りするベーシックインカムをただちに導入しないことには、受益のチャンスはなくなる。

ベーシックインカムは0才児からの全世代を対象とした、1人、年間80万円ほどの金額である。

世代間格差の是正の面からも、ベーシックインカムは当然の成り行きと思う。


将来世代に配慮して国債発行を制限する「ゴールデンルール」で知られる英国は、財政状況を予測したうえで世代間の受益と負担の関係を公表し、政府債務の膨張を防いでいる。(島澤 諭)

湯水のごとき農業補助金等、莫大な各種補助金を全廃し、それらをただちにベーシックインカムの財源にまわすべきだ。 

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農業者から声を出したい、TPP賛成


最近の農業新聞のTPP反対キャンペーンはすごい。
 
それでも、TPPは時代の趨勢だと思う。地球はますます小さくなっているし、保護貿易の時代ではない。人も農作物も、他の金融や入出国も、EU(欧州連合)のようになっていく。

中国や韓国といっしょにEUのような形はとれないだろうか。ナショナリズム(国粋主義)などいらない。


自由化すれば農作物が安くなって大多数の人が助かるし、購入する時に選択肢が広がる。

国産は逆に脚光を浴びるだろう。

入って来るといっても、ハクサイやキャベツのような重量野菜は入ってこない。

原産国名がきちんと表示されるなら、国産を選ぶ人の方が多いだろう。

加工品と外食産業は、安い海外産に置き換わるだろう。

北海道や特定地域の農業、畜産関係は確かにTPPの影響が大きいと思う。  

 

TPP交渉を進めるかわりに、農業補助金を増加するというパターンだけは避けたい。それは最悪のパターンである。  
 

40年以上にわたって補助金を垂れ流ししてきたにもかかわらず、農業はじり貧の一途である。儲かったのはいったい誰だ。


補助金のあり方をベーシックインカム型に変えるべきだ。

そうしないと、農業も里山も雇用も生態系も改善の方向に向かわない。

多くの人はたった80万~100万のために、人生のかなりの時間を犠牲にしている。それはまわりまわって、大きな国家的損失になる。



TPPに参加しようがしまいが、すでに農業の本体は崩壊している。

TPPに参加したら崩壊するのでは決してない。ただTPPに参加したから崩壊したようなイメージを多くの人に与えてしまうだろう。劇的に表面化されるだろうから。


国の自給率など、いざとなったら何の役にも立たない。口に入れるものは最小限は自給しないと貨幣を口にすることはできない。戦中、戦後の一時期を見ればわかる。


欧米など他の先進国でベーシックインカムを導入している国はないが、社会保障とか、ボランティアとか、雇用訓練とか、セキュリティ網がしっかりしている。日本は奈落の底の底なし沼に陥る。



戦争責任がきちんと総括されず、そのため戦後の民主主義も西ドイツのような進展をしなかった。

「日本人とユダヤ人」や「菊と刀」で、日本人の優秀性が高度成長期に吹聴されたが、あれは単に、戦後の復興に日本人の勤勉性と、近世以前から受け継がれた気候的環境的幸運が復興の後押しになっただけ。

戦後の民主主義が健全に発展せず、それが低成長になってから表面化した。

どうしようもない「圧力団体」が肥大しすぎている。それは農業だけにとどまらない。
 

TPPに反対している議員は、今後の農業にどんなビジョンを抱いているのだろうか。

TPPを進めることによって、農業者を含む大多数の人が恩恵を被る。



北海道型農業は21世紀にはそぐわない。

TPPによって北海道型農業が崩壊するとしても、ベーシックインカム(全世代を対象にした年間80万円ほどの基礎年金)で支えることができないだろうか。

稲作も崩壊するとしても、大型機械を駆使した、足を水田につける必要のない農業など何の癒しにもならず、疎外感だけである。
 
日本古来の瑞穂の国の風景が壊れようとも、サツマイモやジャガイモがあれば生きていける。


「広く」、「浅く」、「平等に」、「小さく」、これこそ、農業を改変するキーワードである。

多くの人が農業に携われる環境にならないと、農業も里山も雇用も生態系も改善の方向に向かわない。


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技術力が全然、向上しなかった

   
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20年も農業をしているのに、全然、進歩していない。

家庭菜園の人より劣っていると思えることがしばしばある。

農業の適性はあるが、まことに能力が劣る。

それでも農業がまわってきたのは、家人に定期収入があったから。


手を抜いたわけではない。がむしゃらにやってきた。 

収入が多いにこしたことはないから、簡単に技術力が上がって売上アップができるなら、そちらに進んだと思う。 


技術を上げる必要性に迫られなかった。
 
あまり真似たいと思わなかった。

真似ようと思っても、真似ることはとても難しかった。

3つとも自分である。


農業がひらめいた後、どんな農業形態ならできるだろうかと模索していた時に、ワンパック宅配(セット野菜の宅配)を知った。瞬間にこれだと思った。

その時、収入は150万~200万と予想したが、現実はその半分だった。

就農準備期間中に何人かの農業を見せてもらったが、自分にできそうなものはなかった。棚が必要なブドウとか、ハウスでトマトとかは絶対に無理と感じた。

露地放任栽培で、旬のものだけを作り、できた野菜を10種類ほどセットにして配る(送る)方法ならできると思った。

少々外観が悪くても構わないし・・・ 

固定客だから計画生産ができたし・・・

特定の野菜をたくさん作る必要はなかったし・・・

旬のものだけ作ればよかったし・・・

ハウスを持つ必要はなかったし・・・

農閑期がまるまる2ヶ月(3月、4月)とれたし・・・

だからワンパック宅配(セット野菜の宅配)が20年も続けてこれた。



直売所はちょっと違う。

売れるかどうかは出荷してみないとわからない。

他の生産者と単価や外観を比較される。

大半の野菜はポリ袋に入れる必要がある。

根菜類などの多くは洗って袋詰めする必要がある。

15%の手数料を取られる。

計画生産はできない。旬の時期にたくさん収穫できても、1店舗なら、たくさんは出荷できない場合がある。



ワンパックの顧客が減っていた時に、直売所出荷を紹介してもらって、そちらにウエートを移すようになった。ワンパックの顧客が減らなかったら、直売所出荷は考えなかった。結果的には不本意だが、両方の出荷形態を経験できたことは、この次の転身に大いに役立つと思う。


主体を直売所に移してから1年になるが、直売所に出すようになってから技術力の差を痛感させられることが多い。特に、「他の生産者と単価や外観を比較される」ことと「売れるかどうかは出荷してみないとわからない」という2点は厳しい。

加えて、袋詰めが必要であり、単価シールを全てに付ける必要があり、直売所への往復にかなりの時間を取られてしまう。売れ残りが多いと精神的ダメージも大きい。

出荷した野菜を全て当日に売り抜いている人も何人か知っているが、その人たちの技術力はすごい。

ワンパック野菜の宅配では感じる機会のなかった「技術力」を、直売所出荷では日々、見せつけられる。

それでも続けていくしかない。他に出荷できる手段はないのだから。

春夏野菜と秋冬野菜を繰り返し、繰り返し、シミュレーションしてみるが、直売所で勝負できそうな野菜がない。


技術力にあまり執着してこなかった。

できたものを出荷すればよいという考え方だった。


いつのまにか20年が過ぎた。

農業の能力は極めて乏しかったが、トータルの農業適性は高かったと思う。
 


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今日の一日

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今回は10日間で52匹。今年は異常気象でスズメバチの巣が極端に小さく、働き蜂の数も少ないと新聞に出ていたが、ここは全くそんな感じがしない。

今日は強風が吹いていたせいか、ミツバチが出入りしていなかったので、これ幸いにと巣門を開けてまた掃除をしたが、2つの巣箱からは「シャー」という威嚇音(集団で羽を震わす)が聞こえたが、スムシの被害の大きい巣箱からは威嚇音もしなかった。昨日は少し出入りしていたので、いなくなったわけではない。



3時20分頃に田んぼに行った。いつものように銀ちゃん(オスヤギ)が身を乗り出すようにして、じっとこちらを見ている。いつもながら軽四の到着に鋭く反応する。だからいの一番にヤギを外に連れ出す。芋づるやツルムラサキを与えた。

その後、ニワトリに餌(購入飼料、米ヌカ、コゴメの3種類)を与え、エンサイと売れ残って持ち帰ったレタスを与え、水を入れ替え、集卵(今日は7個)した。

その後、ミツバチの見回りに山へ上がり、ペットボトルがスズメバチでいっぱいになっていたので持って下りた。明日また新しい液を入れて持って上がる。

その後、家から持ってきた台所の生ごみを果樹の根元に捨てた。

その後、明日出荷するコカブを間引き収穫して葉を落とし、ヤギを小屋に戻し、電柵のゲートを2ヶ所閉じ、キクイモの収穫を終えた頃にはすでに5時がまわっていた。

最後のゲートを閉めて家に帰り、コカブを家の簡易水道で洗った。キクイモは明日は洗わずに出荷することにした。土がよく乾いている時は、ニンジンやジャガイモ同様、土離れがよい。



朝はいつものように収穫してスーパーの産直へ持参した。ハーブティはほとんど売れていなかった。キクイモも少し残っていたが、これは回収せず、もう1日置くことにした。今日はレタスが大量に売れ残っていたので、レタスは回収した。
時期的に少し寒くなったので、レタスが敬遠されたのかも知れない。我が家では毎日食べているレタスであるが、食生活が違うのかもしれない。このスーパーはどちらかと言えば高齢者が多い。

帰ってから朝食を食べ、昼寝をして、午後からワンパックを宅急便の営業所に持っていき、ガソリンを満タンにして、農業資材店でニワトリのエサを1袋と、野菜を入れる10号袋を2袋買い、近くのスーパーで買い物をして帰った。

車で10分も走らないうちに、宅急便の営業所があり、農業資材店があり、スーパーがあり、ガソリンスタンドがあり、職人用衣料店があるというのは、とてもありがたい。

当地はほどほどの田舎なのでこんな恩恵にあずかれるが、田舎へ行けば行くほど、買い物が不便となり、都市部に比べて物価もかなり高い。


キクイモは漬けた翌日より味がしみておいしくなった。毎晩、少しずつ食べている。キクイモは味噌汁に入れるとゴボウのような風味があっておいしい。野生的な味である。もちろん皮はむかない、というよりもでこぼこして皮はむきづらいので家人もむかずに利用している。



「40軒余りの集落であるが」の地域にベーシックインカムを適用すれば、こうなるだろうというシミュレーションを展開してみられたら・・・というコメントに対して。

無理して働かない人が出てくるかもしれません。家を建て替えたり補修したりする必要もなく、何とか当人の一代が住めれるなら、田舎の生活は家賃もいらないのでそんなに生活費はかからないと思う。ギャンブルとか嗜好品とか買い物とかその他の趣味的な出費は控え、交際費は集落内の付き合いくらいに抑え、ライフライン(電気代と上下水道代)の料金を極力節約し、外泊や外出を控え、家庭菜園で採れた野菜中心の食生活をし、できれば携帯も持たず(ボクは持っていない)、パラサイトのような子供がおらず、配偶者は経済的に自立していて、自分だけの経済ですむなら、何とか、年間80万円のベーシックインカムで生きていけるのではないかと思う。病気をしないことが前提であるが。

ベーシックインカムは、働きたくても働く場所がない、もしくは正社員になれない場合に、最低限の生活補償のように考えている。湯浅誠さんふうに言えば「椅子がない状態」だからあぶれる人は当然出てくる。
 
当集落には、そんなに生活に困っている家は見当たらない。本人が無職でも親に財産があったり年金があったりすればパラサイトも可能である。

現在65歳以上くらいの人は高度成長のいい時代を生きてきたので、たとえサラリーマンでなくても、経済的に安定している人が多いような気がする。


親が亡くなったりして今後10~20年の間には、田舎でも格差が表面化してくるだろう。それは「正社員」になれなかった格差であり、いわゆる「良い会社」に入れなかった格差である。

こんな時ベーシックインカムがあれば、全く違った価値観の生き方ができると思う。たとえば農業がその一つである。

全く農業が嫌いだったり、向かない人もいるので、もちろんしたくない人は農業などする必要はない。ベーシックインカムの範囲内で生活をまわしていけばよい。

ベーシックインカムがあれば農業でも、経済的なことばかり考えずに、例えば持ち山の手入れや、たまに炭焼きを楽しんだりすれば、それが里山の維持につながるし、家庭菜園をすれば、それは一つの風景作りになる。

今後、飛躍的に増えていくだろう生活保護や母子家庭や父子家庭の支援に加え、いろんな所得控除をベーシックインカム1本に統合できないだろうか。

ベーシックインカムがあれば路上生活だけは避けれるように思うし、必ずしもサラリーマンを選択しなくても、例えばボランティアとか、生きる上での選択肢が飛躍的に増えると思う。

これは共産主義とか社会主義をめざすものではない。資本主義的な価値観を維持しつつ最低限の安全網として考えたい。

絶対的貧困の解消ができるなら、社会にとって大きなメリットになるだろう。

働かなくても、働き続けなくても、働くことができなくなっても、何とか食っていける。最低限の身づくろいと身だしなみと礼節が保てれ、生きていくための最小限の付き合いもしていけるという金額保証がベーシックインカムである。

原資は、莫大な農業補助金等、各種補助金を全廃し、各種控除も必要最低限にして、年金も1本化するなら、不可能ではないと思う。できるはずがないと思うとできないので発想の視点を変える。

サラリーマンをやめても、ベーシックインカムがあれば、山村に疎開して第2の人生を歩むこともできるだろう。

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地域の集落は日本の縮図

  
40軒余りの集落であるが、すでに非婚や離婚の方が結婚より多数派になっている。日本の縮図だと思う。

子供も集落でほとんど目にしない。これも日本の縮図である。

10年後の集落の農業がどうなっているか見当もつかない。今以上に荒れ果てているだろう。これも日本の縮図である。 


たった50年ほどの間に、世の中が一変してしまった。団塊の世代の方は特にこの感慨を持たれていると思う。自然環境に対するすさまじい破壊の50年でもあった。山もダムも池も川も水も道も破壊されてしまった。開発という名のもとに。

もう元には戻らない。美しい日本の山河を激変させてしまった負の遺産を次の世代に引き継ぐ。ダムも池も川も道も、コンクリートで作ったものにはすべて「耐用年数」がある。高度成長期になされたこれらのコンクリートブロックは、今後10~20年の間に多くが耐用年数に達する。新たに作り変えるのか、それとも修繕ですませるのか、それとも元の自然にもどすのか、それとも放置するのか。 
 


田舎ではたいていの人が、第一線を退いたら小さな家庭菜園をする。現役時代の地位も名誉も経済力も関係なく、ただ家庭菜園にいそしむ。過ぎ去りし日々のことを思い浮かべながら、そして、子供の頃に見てきた農の原風景を思い起こしながら。

どんな職業についていても最後は農業(土)に帰っていく。しかし都会には土がないから「孤舟(渡辺淳一)」となる。  


  
「就活」は、何かおかしい。そんなパッケージ化された人生でいいのか。それでも、パッケージ化されたシステムから逸脱すると経済的に成り立たない。

98%のパッケージ化された人生と、2%の自分でデザインする人生。

2%の農業者では少なすぎる。せめて20%(5人に1人)ほどに農業者を増やす必要がある。

里山の維持 
農業の維持
生物多様性の維持
自然環境の維持
雇用から自営へ

これらは全て農業が関連する。大農に支援を集中するのではなく、分散して多くの小農を保持する必要がある。これが21世紀の方向性である。このためにはベーシックインカム(最低限の生を保証された全世代の基礎年金)の導入しかない。
 
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第一線を退く時と、次の目標の見つけ方

     
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すでに11月7日なのに、まだまだスズメバチの来襲がすごい。ペットボトルの捕獲器3つで、1週間に50匹のペースは落ちていない。

当地の「初霜」は11月24日頃だから、その頃には少なくなるだろう。

すでに1つのスズメバチコロニーを全滅させたくらい捕まえているが、ミツバチと同じく、3キロ四方のいろんなコロニーから狩に来ているのだろう。

山に上がった時、ペットボトルの中で右往左往しているスズメバチをしばしば見る。


今日また3つの巣箱の巣門を開けて台座の掃除をした。スムシの被害が少ない巣箱でも大きな巣のカスが落ちていた。巣箱の中は温かいし、スムシは10度以下になっても活動するので、冬期も定期的に掃除をする必要がある。 
 


昨晩漬けた「キクイモの一夜漬け」を食べたが、いまいちだった。一晩でキクイモからかなり水が出て、味噌がかなり薄まっていた。

キクイモはキンピラにしたり、みそ汁に入れたり、おでん等の煮物に入れたりと何にでも使えるが、そんなにおいしいという芋ではない。350gほどを120円の単価にした。ボクが直売所で付ける単価は、120円、100円、90円、80円、60円、最低がハーブティの50円で、120円以上の単価のものは少ない。単価を上げるより1単位の量を減らしている。



一代限りの農業をしていても、次の代へどういう形で送るかは、いつも頭の片隅にある。考えてもどうすることもできないが、3年も休耕田にすれば、田んぼに竹が生え出すだろう。

農業には特別の技術など必要と思っていない。そんなことよりもごく初歩的な引き継ぎが大変重要である。それぞれの野菜の旬の時期、種蒔きの方法、定植の方法、畝立ての方法、耕運機の使い方、黒マルチの利用法、堆肥作りや液肥作り、水の問題、そして害獣の防ぎ方。



山口百恵は全盛期に歌手を引退したが、自分の全盛期はスタートして10年ほどの期間だったと思う。その後しばらく「中だるみ」があったが、2年前にヤギを導入した頃から、また新たな展開ができだした。
 
生涯現役は考えていないので、遅くとも、年金がもらえるようになる65才には第一線を退くつもり。4年後には61才になり農業歴25年が来るし、母の死去年齢なのでそれも一つの目安にしている。それまでに、退いた後に何をするか決めておく必要がある。忙しい忙しいで日々をおくっていたら、次の段階の準備もできない。
 
週1回の農休日もとれないのに、半農半Xなどもっと難しいが、それができないと、次の段階の準備が進まない。



TPPに反対の議員が多いことに驚く。いったい誰のために、何のために反対しているのか。国際化の時代に狭量な保護主義を貫いてどうするのだろう。

世の中はすべてにおいて「分業」の時代であるが、食くらいは、最低限の自給はする必要があると思う。飢饉や輸入途絶はある日突然にやってくるものだし、そんな時に国内の自給率など何の役にも立たない。

特定の農家を支援するのではなく、誰もが自給できるようなシステムの構築を考えた方がいい。それがベーシックインカムでの自給自足だと思う。農業が逃げ場になることが、農業以外の職業人に必要である。最低限の生きる権利の補償は、安全網の底が抜けてしまった現在、ベーシックインカムしかない。黙っていたら実現しない。誰かがしてくれることは決してない。近未来に実現不可能なものでもない。1人1人が声をあげて戦いとるものである。 
 


ハーブティがなくなったらヤカンにいっぱいまた沸かしているが、飲むのはインスタントコーヒーの方が多い。ハーブティを飲むのは寝る前とか朝起きた時くらい。2度沸かしはしないので冷えたハーブティである。



夏作で稼がないと、秋冬作では稼げない。
 
夏作なら、ナスビ、ピーマン、オクラ、エンサイ、ツルムラサキ、モロヘイヤ、青シソ、スイートバジル等、「袋数」が比較的多く出せる。

秋冬作は、自分の場合は、レタス、シュンギク、キクイモ等で、袋数が出せない。

1月~6月は、夏作や秋冬作以上に、袋数が出せない。

毎日出荷しているが、一つの直売店だけにしぼっている。二つの直売店に出すのは身体的にちょっときつく感じるし、あくせく出荷してもたかが知れている。



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放牧場を作っても、糞尿のかかった草はあまり食べないので、外につなぐしかない。放牧場だと糞尿も取れないので堆肥にも利用できない。

放牧場でりラックスしているヤギを見ると癒しになるが、いずれにしても毎日外につなぐなら、放牧場はなくても1メートル四角の小屋と6畳ほどの小さな遊び場があれば十分だと思う。それだったら「前だし(糞尿出し)」の手間はかかるが、小屋に敷いた敷き藁や敷き草、落ち葉等とともに糞尿が取れ、堆肥作りや野菜の肥料に有効活用できる。

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キクイモの一夜漬け

 
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「キクイモの食べ方」とネットで検索したら、キクイモの「味噌漬け」が多く出てきたので、さっそく作ってみた。

キクイモの皮をむくのは面倒なので、むかずに適当にスライスして漬けた。漬け床は味噌、みりん、砂糖を目分量で混ぜ合わせた。

味の方は、明日か明後日、食べてみないとわからない。 



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キクイモと小カブを明日から出荷する予定。ワンパックの場合、野菜はほとんど洗わないが、直売所(産直)の場合は洗わざるをえなかった。

キクイモは1単位が100円か120円にする予定。目方はボードン袋に入れながら考えたい。

キクイモは、食べ方のレシピをつけなければいけないか? レシピが必要なものはまず売れないらしい。

様子をみながら、1日おきに5~10単位ほど出荷したい。
 
キクイモの収量はすごいので、1日5~10単位ほど確実に売れるなら、洗う手間と相殺できる。
 
昔は家畜のエサに作られていたことがあるらしい。それくらい収量は多い。ニワトリも大好物である。


小カブの葉は虫害が多く、葉付きでは出せなかった。

 
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ハーブティは1単位が50円にした。安いから売れるということはなく、今のところほとんど売れない。それでも、11月、12月は1日おきに10~15単位ほど出荷する予定。

ハーブは作るのはごく簡単で、収穫もごく簡単で、3種類でなく2種類入れるだけなら袋詰めも早い。要は売れるかどうかだけ。

POP(レシピ)は、ごちゃごちゃ書かずに「作り方は麦茶パックと同じです」とだけ書いた。

1単位が50円でも、1日に10袋前後売れるなら、自分的には採算が合うのだが。


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20年ほど早くスタートできた

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数日前、ミツバチの見回りに行って山から下りる時に、ヤギにドングリの木を切ろうと、腕くらいの太さの木を切ったが、その木がもう1本の木にからまっていて、頭には落ちてこないだろうと確信していたのに、木の枝が頭にごっつんした。
頭に受けた衝撃は「一瞬火花」ではなく「どぼん」という感じだった。幸い怪我はかすり傷程度だったが、今でも頭がずきずきする。
 

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ナスビの枝葉とツルムラサキはヤギの大好物なので、少しずつ片付けながら、ヤギに与えている。ナスビは残った太い茎だけを、よく乾いてから焼く。


11月からまた毎日出荷するようになった。

最近は朝食を食べてから7時過ぎに田んぼに行き、収穫と袋詰めをして、終わったら、ヤギに芋づるを与え、ニワトリに餌を与え、水を入れ替え、その日の収穫残渣を与える。

10時過ぎに出荷に行き、40分ほどで帰ってきたら昼食をして、ちょっと新聞を読んで、昼寝をする。

午後2時過ぎに田んぼに出たら、ヤギを外に出し、ミツバチを見に行って、ニワトリに夕方のエサをやって草を与えたりしていたら、あっという間に1時間ほど過ぎて、農作業をする時間はあまりない。



政治家になるには「地盤」「看板」「鞄」が引き継げる2世、3世が有利だが、農業でも、跡継ぎの農家は圧倒的に有利である。土地も農具も地域の人間関係もできており、教えてくれる人もいて、気候風土も自然に身についている。 

それでも農業で生活するのは難しく、「技術力」、「営業力(販売力)」、「資本力」に加え、最近は害獣からの「防御力」も兼ね備えていないと、農業の継続は難しい。

技術力も営業力も資本力も全くないが、親の残した多少の地盤、看板、鞄を食いつぶしながら、自分一代の農業を展開している。
 
若い後継者がいる人を見るとうらやましくなるが、自分がそのように育てれなかったのだから仕方がない。


普通にサラリーマンが続けれていたら、農業など思いつかなかったが、サラリーマンを定年退職したら、家庭菜園をしながら日々を送るであろうと想像できる。運よく20年ほど早くそれがスタートできたと言える。

限られた地域の中で、小市民的な生き方を続け、変化のない日常の中に楽しみや充実感を見出していくのが農業的ライフスタイルである。

毎日、土や自然に接した仕事ができる人はすでに2%ほどしかいないだろう。

土の上に帰ろうにも帰れなくなった。自然から離された人間は、絶えず心身に不安を抱えるようになる。

近代とは、人間が土から離されていく過程だった。 

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韓国を見習うべき

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 子供の頃、家で飼っていた豚の種付けを何回か見ていたので、昨日は、種付けの「介助」を少し試みた。


クマは10年後ぐらいに、当地の里山にも進出してくる可能性が高い。

クマは蜂蜜や蜂の子、蜂自体も大好物なので、家の近くに蜂の巣があったら早急に取り除きたい。(農業新聞11月4日)

10年後はミツバチを飼えなくなるかも知れない。イノシシと違って人間を襲うので、物騒で里山に入れなくなるだろう。「ベーシックインカムで里山へ」という主張が、クマのために崩れてしまうかも知れない。本当に抜き差しならない状態にまで、今の里山は追い込まれている。



韓国はFTA交渉で先行し、米国や欧州連合(EU)と署名済み。李大統領は「韓国は世界で最も多くのFTAを進めている国で、重要国とはすべて締結した」と強調した。(農業新聞11月4日)
 
FTA(自由貿易協定)・・・2ヶ国・地域間で関税などの貿易上の障壁を取り除く協定

EPA(経済連携協定)・・・FTAを柱に、労働者の移動の自由や投資規制の撤廃なども盛り込んだ協定

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)・・・シンガポールなど4ヶ国が始めた太平洋地区版EPA。「例外なき関税撤廃」を目指す


今、TPP交渉参加に反対しても、周辺諸国が入ってしまったら、いずれ、入らせてもらえるように懇願することになる。

TPP交渉参加の見返りに、各種農業補助金を大幅アップするなら、農業の振興には全く役立たず、大いなる無駄金になる。


既得権益の最たる農業補助金は全廃して、ベーシックインカム型の補助金にしないと、農業再生の方向性は見えない。


過渡期には厳しい現実が浮上するが、農業崩壊の原因を「TPP参加(完全自由化)」になすりつけてはいけない。農業者の平均年齢が65才である農業など、とっくに崩壊している。ナラ枯れやクマの進出、イノシシやシカ、サルの甚だしい増加で、日本の農業はすでに、どうにもならない状態に追い込まれている。害獣が入れないような施設で企業が米や野菜を工場生産せざるをえない時代が、すぐそこまで迫っている。


農業補助金が農業の維持や再生や復興に全く役だってこなかった。税金の無駄遣いである。  
 

莫大な農業補助金をばらまくことは、もうこの辺でやめて、TPP交渉に参加して農業をゼロからやり直す覚悟で、農業補助金のあり方を根底から見直す必要がある。 


現在の農業者だけでなく未来の農業者を巻き込んだ、すべての現役世代を対象にしたベーシックインカムで、今、農業への奔流を起こさないと、日本の里山が壊れてしまう。農業者の絶対数が全く足らない。これでもまだ、特定の農家や法人に集積し、支援を集中するという主張(朝日新聞の主張)を展開するのか。
 
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ヤギを飼い続けれる最も強い動機

 
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「何でそんなに難しゅう考えるん、簡単なもんじゃが」と言って、連れて帰る時、1本のロープで軽四の荷台にくくってくれた。右の画像。

ボクがくくったのは左の画像。あれほど練習したのにうまく結べなかった。約束した時間に遅れそうになったので、とにかく結んだ。軽四から落ちはしないかと、連れて行く15分ほどの間、運転しながら後ろばかり見た。


種付けはうまくいったかどうかわからない。3週間後の11月23日の勤労感謝の日に発情がなければ成功したことになる。もし発情があれば、その日にもう一度連れて行く。

11月の種付けがうまくいかなければ、今季の種付けは止める。出産が4月3日か4月23日以外では、農作業に差し障りが出る。


うまく受胎して出産の運びになれば、希望者をつのります。
オス・・・無料(簡単にできそうだったら去勢はしておきます)
メス・・・2千円

こういう価格で売るのは、ヤギに対しても、同業者に対しても失礼かなと思うが、自分がヤギに対してくだした評価がこうだった。

初産はたいてい1頭なので、どちらが生まれるかわからない。オスだったら引き取り手がないかもしれないという不安はあるが、仲間のヤギも3月、4月は出産ラッシュである。紹介しますので、コンビの相棒にうちのを引き取ってもらえたらと思う。

仲間のヤギはいずれも「ザーネン種」であり、乳搾り用の品種である。

1人の方のメスは、最盛期には1升5合ほど出ると話され、次の出産まで、ほぼ1年中しぼれると話しておられた。

血統書つきのザーネン種のメスはそんなに出るのか。

うちのメスは「芝ヤギ」の血が混じっていると思われるので、乳がどれくらい出るか、子ヤギが生まれてみないとわからない。

自分としては、最盛期にはコップ3杯ほどで、通常はコップ1~2杯が半年間ほど出てくれれば、それでいいと思っている。

出過ぎると、乳搾りに時間がかかり、農作業に差し障りがあるし、我が家だけで飲みきれなかったら、もったいない。


うちのメスは抱えて軽四に乗せられるほどの重さである。30~35キロ前後ではないかと思う。

少し乳量を増やすために、「ザーネン種のオス」を婿殿に選んだ。 

母体が母体なだけに、ザーネン種と掛け合わせても、生まれてくるオス、メスともにそんなに大きな体躯にはならないと思う。メスなら35キロほど、オスなら35~40キロほどと思う。

ご希望でしたらメールでご連絡ください。初産は1頭ですが、2頭ご希望でしたら、仲間のヤギ(ザーネン種)をご紹介致します。

ザーネン種といっても、ヤギだからそんなに大きくはないし、メスはやさしい。ザーネン種のメスは40~45キロほどと思う。


通常はオスを飼うことは珍しい。オスはたいてい去勢をしてメスの遊び仲間として飼う。オスは発情期(10月~12月)には異質な匂いがするし、凶暴になる。


ヤギは飼料代は全くかからない。草と木の葉だけ与えておけばよい。

ただ、ヤギ小屋、首輪、鎖、杭、フック代等に4万円ほどかかっている。放牧場を作るなら鉄柵(メッシュ)代が1畳450円×60枚=2万7千円ほどかかる。電柵をして放牧している人もいる。ヤギ代は安くても、その後にこのような経費がかかる。

病気はまずかからないと思う。メスが1回だけ病気になったが、獣医さんに診てもらうと5千円~1万円かかる。他には予防注射などは今までしたことはない。ヤギには「腰マヒ」という病気が多いらしいが、そのための予防的なことは何もしていない。


トータルで考えてみて、ヤギを飼うメリットは少ない。

ニワトリなら、飼育にほとんど手間がかからないし、何でも食べてくれる雑食性(畑の掃除婦)だし、卵を産んでくれるし、食べようと思えば肉にすることもできる。

ミツバチ(日本ミツバチ)なら、自然や生態系を考えさせてくれる。


ヤギには草刈効果はほとんどない。食べても鎖でつないだ範囲内であり、食べ方もまんだらである。好きな草を食べさせようと思えば、つなぐ場所を毎日変える必要があるし、好物の木の葉をあげようと思えば、しばしば山に行く必要がある。

ヤギ乳を飲もうと思えば、種付けが必要であるし、乳搾りの時間が結構かかってくるだろうし、生まれた子ヤギをどうするかという問題も生じる。

ヤギはあまり利口ではないので、ペットとして飼うなら、犬や猫の方が数段優れていると思う。

45年前のように、集落でヤギを飼っている家が何軒もあり、種付けや売買も日常的に行なわれていた時代には、ヤギを飼うことは全く負担にならず、手軽に楽しく飼えただろう。 

「2020年、ヤギは日本農業史に復活する」と、飼っていない時に何度かブログに書いたが、飼ってみて、世の中の仕組みが激変しない限り、復活しないと思った。

飼ってしまった以上、手離せない。運命をヤギにゆだねるしかない。

ばかばかしい時間を費やすことになるかもしれない。忙しいのに手間を取られるだけかもしれない。ヤギのいる風景を楽しめるかもしれない。ヤギは時々、癒しになるかもしれない。これらのいずれもが今の自分の思いである。

ヤギを飼い続けれる最も強い動機は、「ブログの表紙」に欠かせないから。

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3つのランニングコスト

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今日は発情予定日だから、鳴き声に注意しなくてはと思いながら、田んぼに着いたら、すぐにいつもと違う鳴き声が耳に入った。

ヤギは9月から翌年2月頃まで、3週間ごとに発情が繰り返される。発情の持続期間は、秋季から初冬の発情では2~3日間くらい。

なお、種付けは発情の持続期間の後期に行なうほうが受胎しやすい。これはメスの排卵の多くは、発情の末期に行なわれるからである。(農文協、ヤギ)

明日は天気もいいし(ヤギは雨を嫌う)、発情2日目だし、最適期である。夕方、「紐結び」を20回ほど練習した。この結び方がやっと覚えれたような気がする。


 
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巣の中がひどい状態になっている。スムシが餅のような団子状態になっていて、ミツバチもあまり見えない。

スロー人さんが、消滅するにしても最後までよく観察して次に生かすようにと言われるので、今日もデジカメで撮ってみた。手鏡では見えない。

それでも今日は、この巣箱の蜂がわりと多く巣門から出入りしていた。 

    
 
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これは違う巣箱だが、1匹のミツバチが足に花粉を抱えて戻ってきたまま、巣門の前で死んでいた。

何か突発的な事故だろう。大量死ではないから問題ないと思う。

ミツバチは画像のようにかなり大きな花粉を最後尾の足に抱えて戻って来る。色がだいだい色だからセイタカアワダチソウの花粉だとは言えない。持ち帰る花粉の多くはこんな色をしている。 


巣箱のそばに座って、木々と同化したようにしばらく巣門の出入りを見ていたら、たくさんの小鳥が木の上にやってきた。白と黒の模様だったが、小鳥の名前がわからない。




夜が明けるのが遅くなったので、いつも通り目覚めたら、朝30分ほど新聞を読む時間がある。

心をさらにして、主観的な感情にとらわれずに、緊張感を持って読む。
 
自分の触感に触れた記事があれば、今日のブログが半分できたも同然である。



身体を動かしすぎると逆効果だが、昼間にたっぷり足を動かしたら、頭に言葉が浮かんでくる。机についていては言葉は出て来ない。「足で書く」と言われるが、農業は言葉が出てきやすい職業の一つだと思う。




3つのランニングコスト

農業のランニングコスト(農業経費)、生きていくためのランニングコスト、ライフラインのランニングコスト、この3つの金額が小さければ小さいほど、生きていく自由度が増す。

この3つのどれか一つでもランニングコストが高いと、何らかの障害が生じた時に、それに足を取られる。

農業のランニングコスト・・・年間60万~70万円

自分が生きていくためのランニングコスト・・・スーパーの買い物、小遣い、冠婚葬祭費

ライフラインのランニングコスト・・・電気代と上下水道代だけで年間24万円もかかる


自分が生きていくためのランニングコストとライフラインのランニングコストの合計を月間7万円以内に抑える必要がある。なぜなら、65才からもらえる年金は年間に84万円ほどであるし、農業収入もそれに近い攻防を繰り返している。

家人に定期収入があるのは確かに「安ど感」があるが、財布は全く別である。生きていくためにはどうしても年間80~100万ほどは稼ぐ必要がある。

それでも、これだけ稼いだら足りるということが、自分の人生を大いに自由にしてくれる。

ベーシックインカムの試算で取り上げられる年間80万円という数字は、実に自分の生活実感に近い数字である。  
 


自由化して海外の農作物が安く入るようになれば、低所得者は大いに助かる。

海外の農作物が入らなくなったら、国内の農作物はにわかに高騰して一般人には手がでない。もしくは囲いこまれて市場に出てこなくなる。結局、戦中戦後のように自分で作らなければならなくなる。輸入途絶や飢饉に対しては自給率など全く役に立たない。

農業以外の国際競争力を考えたら、TPP交渉への参加は当然である。商工業の競争力の低下は、たらいの水のごとく、すぐに自分の生活にはねかえってくる。

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ニワトリの餌は通常は「不断給与」


先日のヨウス(籾すり)でできた「コゴメ」を取りに来るようにと電話があった。

義父が稲を作れるのは後1~2回だろうから、数年後は、コゴメがもらえなくなる。

コゴメがあるとニワトリが喜ぶ。そして産卵率もぐんとアップする。

エサ(購入飼料)をあまり与えていないので、メスが28羽いても、1日の産卵は4~5個と少ない。

エサをたっぷり与えれば10羽でも1日に5~6個は産む。つまりニワトリは餌次第である。
 
卵を出荷している人は通常「不断給与」といって、餌箱に常時、エサが残っているくらいの量を与えているが、うちの場合は、朝、夕に与えた餌は15分ほどで平らげてしまう。ニワトリを飼う主目的は「クズ野菜の処理」なので、卵はそんなに産んでもらわなくてもよい。

主なクズ野菜は、ナンキンクズ、ジャガイモクズ、サツマイモクズ、キクイモクズ。



近日中にメスヤギの第2回目の発情がある。種付けに行くためにヤギを軽四に乗せるのは初めてなので、じっとしていてくれるだろうか、少し心配もある。夕方、Uさんが来られたので、ヤギを軽四につなぐための「紐結び」の特訓を受けた。


直売所へ出せる野菜が11月上旬はレタスとシュンギクくらいしかないので、またハーブティを出してみようと思う。
 ボードン8号袋使用・2種類入れる・電熱シーラーで密閉する・単価60円
とりあえず15袋ほど出して見る。所要収穫時間は2種類で10分、袋詰め10分、合計20分。全部売れたら60円×15袋=900円。自分の取り分は900×85%=765円。ここからボードン袋代を引くと750円ほど。全部売れたと仮定しても、単価60円だと採算ラインぎりぎり。

1年中で最もよく売れる11月、12月でもハーブティが売れなかったら、他の季節ではまず売れない。


生物多様性会議で日本が提案した里山イニシアティブと、現実の里山とのギャップに唖然とする。どこか遠い国の話に聞こえた。

現実の里山は、ずるずると崩壊の一途であり、それを止める手立ても全く思い浮かばない。


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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