365日、酒を飲まないこと、これは父から受け継いだ唯一の?手本である。
それともう一つ、これは逆手本であるが、宗教から完全に自由で(否定して)おれること。これは宗教漬けの日々を送っていた父からの反教訓である。
酒代とタバコ代は高くつくので、どちらもやっていたら農業収入では生活できない。
酒は昔から全く飲まないが、タバコは若い時には30本以上吸っていた。農業を始める2年前に肺炎になり運よくタバコは止めれたが、長期間のタバコが原因か、夜間にしきりに咳をしているらしい。あまり長生きはしないなあと感じるのは、朝起きた時などの胸の圧迫感。
年金は65才にならないともらえないと思っていたが、新聞記事で「前倒し」を知り、63才くらいからもらってもいいと思った。80才以上生きれば65才からもらい始めた方が有利だが、そこまで生きれないだろうと思ったら63才からもらい始めた方が有利。
上水道代、下水道代、電気代が自分の口座から自動落ちしていた時は、とても細かく節約していたのに、家人の口座から落ち出すと、無頓着になった。今度は逆に家人が細かく言いだした。上下水道代と電気代だけで年間22~24万もかかる。
雨だったので農作業はできず、ホームコタツでうつらうつらしながら雨音を聞いていた。何か気分が高ぶって眠りに入れなかった。
先日買ったブリのアラの残りでダイコンを煮た。サンマを焼いたりなど簡単なおかずなら自分でできる。今日の夕飯はダイコンの煮物、レタス(青シソドレッシングで食べた)、漬物(キクイモの味噌漬け)。
夏の渇水で今年はサトイモとニンジンを21年目で始めて失敗したが、この2種類の失敗は我が家の食生活にも大きな影響を与えている。サトイモの煮物はボクがしばしば作る一品であるし、ニンジンもよく使うので買わざるをえない。
サトイモとニンジンの失敗で10月以降のワンパックは送れなくなった。直売所出荷でも1月、2月、そして3月の出荷にサトイモとニンジンはとても重宝なのに。
夕方、電柵のゲート(3ヶ所)を閉めるために田んぼに行った。雨の日はヤギは小屋の中にとどまる。1メートル四角の小さな小屋であり、雨の降り込みや濡れた足で座板も濡れて、ヤギは居心地が悪そうな顔でじっとこっちを見ていた。
集落営農は、旧ソ連のソフホーズやコルホーズに似て、全く生産性は上がらないと思う。例えば草刈一つにしても総出ですれば、おしゃべりばっかりになったり、すぐに休憩をしたりして仕事は全くはかどらないだろう。責任の所在もわからなくなり、個人ですることに比べてかなり非効率になる。集落営農で利益が上げれるとは到底思えない。
集落営農の補助金は莫大なので、各県の集落営農の補助金額はネットで公開して、かんかんがくがくの議論がなされる必要がある。
当地では集落営農の話など全くない。
認定農家や特定農家等の担い手に支援を集中することが、この国の食糧のリスク管理に適しているだろうか。
家庭菜園型の自給農業を増やすことが食糧のリスク管理には最も大切だと思う。そのためには、誰もが簡単に農業に参入できるようにする必要がある。
サラリーマンと農業との間には「三途の川」ほどの深い隔たりがある。農業を始めるまではナスビやピーマンがどんな格好をして成っているのかも知らなかった。それが農家の長男である自分の現実だった。
農業は「成長産業」ではなく「自給自足の産業」である。農業を成長などという概念でとらえること自体が誤っている。商工業の世界とここが根本的に異なる。
TPP参加なら、稲作は崩壊すると言われている。
田植えの風景や稲穂の風景が見えなくなるのは確かに残念だ。
ただ、稲作は農具が高すぎる。そんなにまで農具に投資して稲作をしたのでは採算は合わない。
機械を駆使する農業は癒しにならないし、農具事故の危険性も高い。
中山間地では電柵を張ってまで稲作をする人は少ない。
海外から輸入できるなら輸入したらいいと思う。輸入できなくなったら、国産も高騰して買えなくなる。
いずれにしろ、自給率の数字などに意味はない。
2030年 農業の旅→

朝起きて、外を見て、今日は初霜なんだと思った。
昨日の日中は汗ばむほどの陽気だったから、夜が冷えたのだろう。
今日の日中も汗ばむような陽気だったから、明日も連日で霜が降りるかもしれない。
初霜という環境の一大変化により、夕方にはサツマイモは画像のように湯をかけたようになった。初霜までに、ニワトリとヤギに茎葉を全部食べてもらう予定だったが、そうはうまくいかなかった。
ロケット(ルッコラ)はハーブの中では珍しい「アブラナ科」であるが、独特のゴマ風味のせいか、野菜のアブラナ科に比べて虫害は随分と少なく、加えて、成長スピードも早い。黒マルチをしておればもっと大株になったはず。
生食、炒め物、おひたしと3拍子そろった優れ物であり、特にレタスやキャベツと食べる「生食」がお勧めであるが、おひたしにするとホウレンソウほどおいしくないせいか、直売所ではあまり売れない。耐寒性はホウレンソウなみ。
初霜の朝でも午前9時にはミツバチは元気に巣門周辺を動き回っていた。ただ、スムシの被害の大きい巣箱は出入りはなく、昨夕見た時には、働きバチ6匹と雄バチ1匹が巣箱の中で死んでいた。スムシと闘ったのだろうか?
11月23日(火曜日)か11月24日(水曜日)にメスヤギに発情がなければ、受胎したことになる。ちょっと気になる。もし発情があれば、その日にもう一度、種付けに行かせてもらおうと思う。
簡易水道
コカブとキクイモは前日に収穫して持ち帰り、家の簡易水道で洗っている。外の門(かど)に、上水道とは別に山から湧き出る水を引いた簡易水道があるのはとても便利である。この簡易水道ができてからすでに80年以上になるらしい。
集落には他にもう一つ簡易水道があったが今は使われていないので、現役なのは十数軒で使っているこの簡易水道だけである。
湧き出ている箇所は家のそばの低い山の中で、家から歩いて200メートルも行かない場所にある。こんな所から途切れることなく水が湧き出ているのが不思議である。
昔、山の所有者の住人が炭焼きをしていた時に、この湧き水を見つけたらしい。
今も大きな炭窯の跡がすぐそばに残っている。周囲の生態系は変わってしまったが、この湧き水だけは年に1回、利用者で木の根を切ったり、落ち葉を取り除いたりして掃除をしている。
すぐ下に小さな池があり、田んぼもあったが、池にはすでに水がたまらなくなり、田んぼには竹藪が進出して、昔に田んぼだった面影は全くとどめず、山道はうっそうとして昼間でも薄暗い。きれいな山ユリが咲く場所だったのに、今は咲くような場所ではない。
たった45年ほど前のことなのに、目の前の山は変わり果ててしまい、マツタケも生えていたのに松はもう見あたらない。
この45年ほどの間のすさまじい変遷である。
山はもちろんそのまま残っているが、山の風景も山に上がる道もその周囲の風景も全く変わり果ててしまった。
山の木や落ち葉を利用することがなくなったのだから、どうしようもない。
すでに山の生態系が破壊されてしまっている。
集落の里山はどこもかしこも、こんな状態である。
害獣の進出に対しても、なすすべもない。
もう随分以前から、集落のどこの家でも、農業以外の収入で家計は成り立っているので、イノシシやシカの進出に驚いても、それによって困ることはなあまりない。家庭菜園は家の傍なので、害獣はまだそこまでは来ていない。
簡易水道は維持管理費(掃除の時の茶菓子等)に、年に千円集金されるだけで、使い放題であるし、下水道代もかからない。もちろんこの簡易水道を風呂水や洗濯水に使えば、それは下水道につながっているので、下水道代がかかる。
直売所出荷の根菜類は洗わざるをえないので、この簡易水道は大いに役立っている。田んぼの井戸水をいちいち汲み上げて洗うのは不便だし、井戸水よりはるかにきれいである。だから、ペットボトルに入れて水筒代わりの飲み水に利用し、ニワトリの飲料水や収穫した野菜のジョロ散水に、16リットル容器に入れて田んぼに毎日持参している。
この簡易水道がなかったら、上水道(+下水道)では高くついて野菜(根菜類)はとても洗えない。
集落の周囲の里山は荒れ果てているが、クマやサルはまだいないので、イノシシとシカは今のところ何とか電柵で防げている。
電柵には4年間のトータルで19万円ほど投資している。イノシシの突然の出現はブログを始めた年の8月末だった。
自分には今のところ後継者はいないが、いざという時のために、いつでも農業が始めれるように、この状態をずっとキープしようと思う。子孫に残せる預貯金はゼロなので、美田だけはバトンリレーしたい。
子供が将来農業をするかどうかは全く不明であるが、畑作に適していて、水の便(井戸水)があるのは、今耕作しているこの一帯だけである。
農業スタート時期の3年間と父の晩年の3年間がちょうど重なって、うまくバトンリレーができたが、そんなふうに子供にバトンリレーできるかどうかわからない。
2人の娘は農業に全く興味も適性もないように見える。これは自分の責任か。
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環境が過酷であるほど、人は依存症になる。
環境が過酷であるほど、人はブログ依存症になる。
環境が過酷であるほど、人は職業(農業)依存症になる。
しかし、「依存」と「昇華」は紙一重というか、全く同じと思う。悪い方にとれば「依存」であり、いい方にとれば「昇華」である。
例えばブログの場合 、悪い方にとれば、
(1)多大な時間を浪費している。
(2)家の用事を顧みなくなる。
(3)結構、経費もかかる。
いい方にとれば、
(1)それをしている間は他のことを忘れられる。
(2)10年ほど続ければ何か結果を残せるかもしれない。
(3)自分以外の他のことに夢中になれるのは幸せ。
悪い方にとれば農業逃避症、いい方にとれば農業熱中症
こういう生き方ではいけない。もう少し農業に携わる時間を少なくする必要がある。
しかしそれをしたら、農作業の時間がないという悪循環に陥り、カネがないという悪循環に陥る。
いずれにしても簡単ではない。
備前市へ抜ける林道。かなりの高低差があるが12分でスーパーに到着する。当地でも紅葉が始まった。
1票の格差
「自分の選挙権が1票ではなく、実は0.2票とか、0.5票の価値しかない」 「この格差で、少数の有権者に選ばれた多数の国会議員があらゆる法律や予算を作っている」と知ったら、あなたはどう思うだろう。
最大格差が5倍となった今年の参院選挙区選で言えば、議員1人あたりの有権者数が最も少ない鳥取の有権者が1票なら、神奈川の有権者は「0.2票」。
(朝日新聞11月13日・伊藤塾塾長・伊藤真)
この夏の参院選で、神奈川では69万票を集めた民主党候補が落選、鳥取では15万票台の自民党候補が当選した。
全選挙区での総得票数と議席数を比べてみても深刻さが浮かぶ。民主党は2270万票で28議席を得た。一方、39議席を獲得した自民党は約1950万票に過ぎなかった。 (朝日新聞7月15日)
既得権益を打破するには、ここで政権を元に戻してはいけない。
今、しきりにマスコミが仙谷官房長官をターゲットに攻撃している。
11月9日には、長妻元厚生労働相「仙谷さんと闘い敗北」と第2面に大見出しで書いてあった。
最近の朝日新聞には、民主党に楔を打ち込もうとしているニュアンスをしばしば感じる。
管、仙谷、支持。4年間がんばれ!
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「キクイモの食べ方」とネットで検索したら、キクイモの「味噌漬け」が多く出てきたので、さっそく作ってみた。
キクイモの皮をむくのは面倒なので、むかずに適当にスライスして漬けた。漬け床は味噌、みりん、砂糖を目分量で混ぜ合わせた。
味の方は、明日か明後日、食べてみないとわからない。
キクイモと小カブを明日から出荷する予定。ワンパックの場合、野菜はほとんど洗わないが、直売所(産直)の場合は洗わざるをえなかった。
キクイモは1単位が100円か120円にする予定。目方はボードン袋に入れながら考えたい。
キクイモは、食べ方のレシピをつけなければいけないか? レシピが必要なものはまず売れないらしい。
様子をみながら、1日おきに5~10単位ほど出荷したい。
キクイモの収量はすごいので、1日5~10単位ほど確実に売れるなら、洗う手間と相殺できる。
昔は家畜のエサに作られていたことがあるらしい。それくらい収量は多い。ニワトリも大好物である。
小カブの葉は虫害が多く、葉付きでは出せなかった。
ハーブティは1単位が50円にした。安いから売れるということはなく、今のところほとんど売れない。それでも、11月、12月は1日おきに10~15単位ほど出荷する予定。
ハーブは作るのはごく簡単で、収穫もごく簡単で、3種類でなく2種類入れるだけなら袋詰めも早い。要は売れるかどうかだけ。
POP(レシピ)は、ごちゃごちゃ書かずに「作り方は麦茶パックと同じです」とだけ書いた。
1単位が50円でも、1日に10袋前後売れるなら、自分的には採算が合うのだが。
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先日のヨウス(籾すり)でできた「コゴメ」を取りに来るようにと電話があった。
義父が稲を作れるのは後1~2回だろうから、数年後は、コゴメがもらえなくなる。
コゴメがあるとニワトリが喜ぶ。そして産卵率もぐんとアップする。
エサ(購入飼料)をあまり与えていないので、メスが28羽いても、1日の産卵は4~5個と少ない。
エサをたっぷり与えれば10羽でも1日に5~6個は産む。つまりニワトリは餌次第である。
卵を出荷している人は通常「不断給与」といって、餌箱に常時、エサが残っているくらいの量を与えているが、うちの場合は、朝、夕に与えた餌は15分ほどで平らげてしまう。ニワトリを飼う主目的は「クズ野菜の処理」なので、卵はそんなに産んでもらわなくてもよい。
主なクズ野菜は、ナンキンクズ、ジャガイモクズ、サツマイモクズ、キクイモクズ。
近日中にメスヤギの第2回目の発情がある。種付けに行くためにヤギを軽四に乗せるのは初めてなので、じっとしていてくれるだろうか、少し心配もある。夕方、Uさんが来られたので、ヤギを軽四につなぐための「紐結び」の特訓を受けた。
直売所へ出せる野菜が11月上旬はレタスとシュンギクくらいしかないので、またハーブティを出してみようと思う。
ボードン8号袋使用・2種類入れる・電熱シーラーで密閉する・単価60円
とりあえず15袋ほど出して見る。所要収穫時間は2種類で10分、袋詰め10分、合計20分。全部売れたら60円×15袋=900円。自分の取り分は900×85%=765円。ここからボードン袋代を引くと750円ほど。全部売れたと仮定しても、単価60円だと採算ラインぎりぎり。
1年中で最もよく売れる11月、12月でもハーブティが売れなかったら、他の季節ではまず売れない。
生物多様性会議で日本が提案した里山イニシアティブと、現実の里山とのギャップに唖然とする。どこか遠い国の話に聞こえた。
現実の里山は、ずるずると崩壊の一途であり、それを止める手立ても全く思い浮かばない。
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