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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

朝日新聞 オピニオン「論壇時評」

   
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巣門を開けて、下からデジカメで写してみた。左はまずまずだが、右はミツバチの数がかなり少ない。

ミツバチのストレスも顧みず、あれから毎日、巣門を開けて巣クズの掃除をしている。毎日、結構な量が落ちている。

ペットボトルのトラップに、大きなムカデが2匹も入っていた。針金を伝って入ったのだろうが、ムカデもこの液が好物? 地上1メートル以上もあり、しかも木の枝の先のほうに吊り下げているのに。

 

 
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孵化が近いので、卵を産みつけた紙コップを切って菓子箱の中に入れた。稲の苗箱でと思ったが、とりあえず菓子箱で飼うことにした。



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産卵が肉眼ではわかりづらいので、最も早く産卵した卵には、桑の葉をかぶせた。蚕に限らず、どんな虫でも葉の裏側を好む。葉を刻むとすぐに乾燥して丸まってしまうし、孵化した蚕がどこにいるかわからなくなるので、1枚か、2~3枚にちぎって卵の上にのせておく。

 
 
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一対の蚕はずっと交尾中のままだった。その一対を別の箱に移したら交尾から離れ、産卵を始めた。え、今頃まだ産卵? そして「初尿」も。

蚕観察日記」によると『昨日の産卵で務めを終えた蛾は、今朝死んでいるのを確認しました。生涯を閉じたのです。成虫になって3日間足らずの命でした。成虫になった蛾の生存期間は、オスの場合8日前後、メスの場合は3日前後でした。』と書かれているので、個体差があるのかも知れない。3頭は死んだが4頭はまだ生きている。9月20日~9月23日にかけて羽化したので、20日に生まれた蛾ならすでに10日生きていることになる。



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午前中は雨が降ったり止んだりした。雨でも、村道の電柵の開閉と家畜の世話があるので、いったんは田んぼに行く。



9月30日朝日新聞「論壇時評」
・・・一部抜粋

『今年に入り、急速に注目を集めている社会思想、ベーシック・インカム(略してBI、国民全員への無条件一律現金給付)。

BIについて、まず焦点となるのは実現可能性である。日本におけるBI研究の第一人者である小沢修司は、月額8万円の現金給付が現在の日本の経済状況でも十分に実現可能であるとの試算を提示している。

経済全体への影響はどうだろうか。橘木俊詔はBIの導入は労働意欲を阻害し、経済成長を鈍くすると懸念するが、飯田泰之は逆に、BIは人材流動化を促進し、労働環境を改善するので成長につながると主張する。BI導入により経済が崩壊するのであれば、むろん小沢の試算も成立しない。議論の成熟を待ちたい。

萱野稔人は、BIの導入は働きたくない人を救うことはできるが、「働きたいけど働けない」人は救えない。その点で致命的な欠陥があると論じる。労働は多くの人にとって、単なる生活確保の手段ではなく、他人からの承認の証しという重要な役割を担っている。したがって、生活保護や年金を現金給付に一本化し、弱者を労働から解放することは、結果的に彼らから承認の場を奪い、社会の「心のつながり」の機能を著しく阻害してしまう。それゆえ、BIは導入すべきではないと言うのだ。

いまBIの思想が広がりを見せている背景には、人々が、家族や地域など、共同体の精神的な機能に絶望し始めているという現実があるからである。萱野と松原がともに憂慮しているのは、まさにそのような状況、人々がもはや社会に「心のつながり」を期待しなくなり、ドライな富の再配分しか望まなくなってしまうことに対してなのではないか。

家族や地域の安易な再興は望めない。しかし、ではそこで家族や地域抜きの社会保障が可能だったとして、そのとき人は誰に承認され、どこに居場所を求めるのか。斎藤環の言葉を借りれば、「家族依存型社会」が壊れたあと、人々はどこに依存の場を見いだすのか。現代日本の状況は、思想的にも実践的にもじつに厄介な課題を突き付けているのである。』 


この点に関して自分の考えは実に明快。「土に帰ること」ただそれだけで解決できる。

人間のDNAは森の中にある。現代人の不幸の源は「大地から離されすぎたこと」に尽きる。月額8万のBIがあれば、それを頼りに「大地に帰依」することができる。都市から山村に移住しても最低限の自給自足的な生活が可能と思う。

田舎育ちなのに、土から離され過ぎていた。生活のためにそんな生き方を余儀なくされていた。だから36才の時に再び土の上に立てた時は新鮮だった。なんか気恥ずかしいような、どうもしっくりこないような、本当に久しぶりの土の感触だった。

大多数の人にとって労働は「単なる生活確保の手段」だと思う。そこが萱野の思想とは根本的に異なる。生活確保の手段でないのは、職業を通して自己実現できた1~2割のエリートのみ。

BIの導入がなされれば、心身を大地に遊ばせ、森の中にたたずみ、本来の人間の遺伝子に立ち返ることができる。

BIの導入によって、過疎の山村を50年前のような「にぎやかな空間」にすることも可能である。そうすれば、自然も里山も農業も心身も少しずつ修復に向かうだろう。

家族や地域の再興は、まず自分が「土に帰依」することから始まる。これが先である。

そして、自分自身に執着するのではなく、自分以外の何かに無目的に夢中になることが自分自身の解放につながると思う。

無目的に夢中になるとは、最初はとにかく手当たり次第に手をつけてみるしかない。最初から興味のあることなどは少ない。3ヶ月~半年続けてみないと面白いかどうかもわからない。それがカネになろうとなるまいと、それは大した問題ではない。無目的に夢中になれることに比べれば。 


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ツイッター風に書いてみた

 
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お墓のすぐ下に大きな栗の木があり、持ち主の老人が1日に3~4回もクリ拾いに来る。そんなに頻繁に落下しないだろうし、その老人はしばしば竹で叩いて栗を落としているのだから、何回見回っても栗は落ちていないと思うが、考えてみたら、自分もミツバチの見回りで同じことをしている。

気になって仕方がないのだろう・・・まさに同類。

スズメバチのことが気になって、久しぶりにスロー人さんのブログをのぞいてみた。「週末養蜂家」でも、費やしてきた時間が違う。週末養蜂家というよりもすでに日本ミツバチの大家。


雇用創出ということが言われるが、自営創出の方が大切だと思う。新卒の正規雇用でない限り、ろくな雇用先がないと思う。「農業で自営」というのが、21世紀に求められている新しいライフスタイルである。それには、定年世代と同じ年金を現役世代ももらう必要がある。「過疎の山村に移住する生き方」、「自然や環境を考える生き方」、「がんばらない生き方」をするには、最低限の年金で保障される必要がある。雇用が不安定な時代だから、最低限の生活の保障のためにも現役世代の年金は「権利」である。
 

経済成長はもういらない。経済成長は農家にはほとんど関係ないし、役にもたたない。経済成長に付き合わされるのはもう御免被りたい。


近道の林道を通ったら15分で備前市のスーパーに行ける。今朝、産直の野菜をもって走行中「シカ」に出くわした。昼間でも最近ちょくちょくシカを見かける。車にでも衝突されたら・・・。


6次産業化が農業新聞にしばしば載っている。いわゆる1次(作物を作る)、2次(作物を加工する)、3次(加工品を売る)という1次+2次+3次=6次のことをいうが、農家がそこまでする必要はない。加工品を作るには大型投資がいる。そこで農・商・工連携が言われるが、そもそも農業は組織でしてもうまくいかない。農業の面白みは一人ですることにあり、組織でするならサラリーマンをしていた方がよい。農業は経済的側面だけでは測れないことが多くあり、第2次、第3次産業は経済的側面だけで測られる。


「立つ鳥跡を濁さず」の例えにあるように、農業の形跡を残さずに農業を終わらせたい。
現実には、物置(6坪)と鳥小屋(4坪半)と井戸が残るが、これは次に農業をする人にとっても有意義だと思うし、どちらも片屋根で統一しているので風景を壊してはいない。日当たりが悪かったり、水はけが悪かったりで、野菜にあまり適さない場所は果樹を植え、残った場所には桑を植えつつある。


携帯電話は必要に迫られていないので持っていないが、今はすでに少数派である。だいたい、常時ポケットに入れることを強制されたくないし、いつでも電話が入ってくる状態は迷惑する。電話に出なかったら履歴が残るのだろうが、履歴に電話を入れるのはもっと気分が進まないと思う。たまに必要なこともあるが、その時は家人の携帯を借りている。


新聞を読んで、ブログのネタになりそうなことは「切り抜き」しておくが、その切り抜きを読むのを後回しにしておくと、いつの間にかたまって、結局読んでいないことも多い。自分の場合は、いつもそうやって肝心のことが後回しになってしまう。

つまり、周辺から真ん中へと進めていき、真ん中に到達するのにやたらと時間がかかり、真ん中のことが結局できずに、何日も過ぎてしまうことが多々ある。

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40年前にすでに放棄されている里山

 
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虫害が多くて、9月はエンサイがほとんど出荷できなかった。明日は何とか出荷できそうである。

エンサイもツルムラサキも虫害が少ない作物なのに、炎暑の影響か、今年は虫害が多かった。だから同一種類をたくさんは作れない。 


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オクラはエンサイのようには回復してくれなかった。ただ、よく売れるので来年は今年の2倍超の270ポット~300ポット(3本立ち)を定植しようと思う。



  
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10月に名古屋で「国連地球生きもの会議」が開かれるので、最近は生物多様性とか里山がしきりに論じられているが、今はもう末期的な状況である。

里山などすでに利用価値がほとんどなくなった。マツタケも生えないし、木を利用することもないし、炭を利用することもない。落ち葉や腐葉土を利用することもほとんどない。

いったい里山をどうしようというのか。会議が近いからしきりに取り上げられるだけで、来年の今頃は見向きもされないだろう。

里山にカネは転がっていない。資本主義とは経済至上主義だから、カネにならないものには手を出せない。


生活ができないので、田舎でも農業はできない時代である。農業者人口が50年前に比べて激減している。これでは生物多様性も維持できない。

50年前のように、クドや風呂焚きをすることもないので、割り木(クドで使う)も、下刈りの束(風呂焚きに使う)も、焚き付けの落ち葉も必要がなくなった。里山はすでに40年も前から放棄されたままである。

今頃、何で里山を持ち出すのか。利用価値がないことと、カネにならないから放棄しただけなのに。


農業を始めて20年間、里山には見向きもしなかった。1年に1回、葉タバコ跡地の草刈をしていただけである。それと春の育苗の時に腐葉土を取りに行っていただけ。

今年の農閑期はミツバチのために少し里山に手を入れる予定だが、作業的には微々たるものである。


生物多様性など考えたことはない。「農業形態の結果」として与えられるものだと思う。

一種類をたくさん作ることが苦手だから、多種類を作った。

多種類を作ると楽しいし、それだけリスクが分散できる。

農業をスタートする時にワンパック宅配という農業形態に決めていたので、多種類作る必要もあった。

農薬や化学肥料は、もともとそんなにたくさん使う気はなかった。しかし、完全に使うまいとも考えなかった。ほどほどに使うつもりだった。その方が自然に感じた。 

借地した田んぼも、我が家の田んぼもそれまでずっと稲作をしていたので、畑に変換した当初の3年間ほどは、無農薬でも見事な野菜ができた。

肥料も、堆肥をたてたりすることに面白みを覚えて、いくつも堆肥の山をこしらえていた。その後は、酪農家から堆肥を2トン車で持ってきてもらったり、友人の鶏糞をもらいにいったりして、その後、メタン菌液肥にしたので、それで肥料は十分に足りた。ただ、化学肥料の方が散布する時に楽なので、雨前で急ぐ時や、身体がくたぶれている時には化学肥料もたまに利用することがあった。それでも微々たる量(20年間、年間に化学肥料は1~2袋)だった。

完全無農薬とか、完全無化学肥料という考え方には全く反対である。それは農業者の負担を増すだけであり、広がりもしないし、そんなことをしていたら人類の多くは飢えてしまう。特別に差別して売るための、単なる手段でしかない。
 

害獣が出没するので、田んぼも畑も囲いをしなければ作れなくなった。

里山にも、農業にも、生物多様性にも、絶望しか感じていない。



8年ほど営業もしなかった(口コミの紹介のみ)ので、ワンパックも「じり貧状態」となっていたが、昨年、ヤギを介してKさんと再会し、新たな出荷先(スーパーの直売)を紹介してもらった。

30分以内の距離に直売所が10ヶ所もあり、最初は大風呂敷を広げていたが、計画していたハーブティが全く売れず、出鼻をくじかれた。

ハーブティが売れないと、他に出荷できる野菜は少ない(7~10月はエンサイ、ツルムラサキ、青シソ、オクラ、スイートバジルの5種類のみ)。結局、1~2ヶ所の直売所にしぼらざるをえなくなった。

何でも1年目はえらい。ヤギもそうだったし、ミツバチもそう。直売所出荷も、荷姿や単価や袋の選択等、新たに覚えなければならないことが多かった。

直売所出荷に主体を移しても「あんまり稼げない」というサイクルからは抜け出せていない。熱意ではなく農業能力の問題である。


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秋冬野菜は、まあぼちぼち。もう雨はいらないのに、昨晩またかなりの雨量だった。 

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他人ごと

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9月22日の夕暮れに仕掛け、今朝、液を入れ替えるために持って下りた。今日は27日だから、正味4日間で62匹も仕留めた。すぐ捨てるのは惜しいので数えてみた。1日平均で15匹!



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ペットボトルのトラップのすごい威力だった。設置した場所によるのかもしれないが、16ミリ四角の穴を3つ開けたものより、25ミリ×30ミリの穴を2つ開けた方がかなり多く捕れた。今回も同様に、
砂糖・・・・・・・・・・・・・・・大さじ5杯ほど
酒・・・・・・・・・・・・・・・・・50cc
米酢・・・・・・・・・・・・・・・50cc
グレープジュース・・・180ccほど
水・・・・・・・・・・・・・・・ 180ccほど
イチジクのかけら・・・・少々

水で薄めたのは量を増やすため。酒と米酢が少ないので、頻繁に液を入れ替えても値段は安い。

春先のスズメバチの女王蜂を捕まえることが大事なので、ペットボトルのトラップは冬場を除き、3月中旬~11月中旬の8ヶ月間は必須と思う。

今日は久しぶりに3箱とも、ミツバチが出入りしていた。これだけ仕留めたら、すでにスズメバチ本部へ危険地帯である旨の通達が送られているだろう。 



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蚕のオスが1匹、動かなくなっているが、残りの6匹はまだ生きている。その命も、次の新しい命が生まれる頃にはついえてしまう。蚕の一生は、たった50日ほどである。

蚕は全くもって「おじゃまむし」ではない。老齢化したニワトリのように「全量淘汰」して絞める、もしくは廃棄処分(無料で引き取ってもらう)のために、業者へ持参する必要もない。

蚕は短期間のうちに4つのステージが楽しめる。「蚕の期間」、「繭作りの期間」、「繭から脱皮(羽化)する期間」、「交尾して産卵する期間」。

蚕は癒しの昆虫だと思う。一家に一本「桑の木」運動・・・。

繭から糸も取れるが、そんな悠長な時間はない。しばらくは、繭の抜け殻を集めるつもり。 
 


他人ごと

イノシシなど、全く「他人ごと」だった。

まさか、当地に来ることはないだろうと思っていた。

かなり迫ってきているという情報を耳にしても、直線で1キロほど北に国道2号線があるから大丈夫と高をくくっていた。

すぐ近くの集落まで来ても、ここは大丈夫と考えた。

20年前に就農した時には、イノシシが出るなど想像もしなかったのに、4年前の8月末、とうとう出現した。近所の家庭菜園のサツマイモは何軒も壊滅的な被害だったが、すぐに電柵を購入したので、何とか被害は免れた。

それから3年間は、サツマイモ畑に電柵をすれば、イノシシの被害は他にはなかった。

それが去年の10月7日の台風の夜、数枚の畑が掘り返されて、秋冬作が壊滅的な被害を受けた。11月24日に、畑全体を電柵で囲んだ。

こうなって初めて、イノシシが夜ごと出没する地域で農業をしている人の苦労が身にしみてわかった。

最近、近県では熊の目撃情報が相次いでいる。そして「ナラ枯れ」の情報が新聞にしばしば載るようになった。

これを、イノシシの時のように「他人ごと」ですませておいていいのだろうか。

ヤギは蜂蜜を食べない。だから類縁の「シカ」もミツバチの巣箱は狙わないだろう。

イノシシの被害も今のところないが、竹藪の端に設置しているので、来年4月のタケノコシーズンには心配である。

熊は蜂蜜が大好物であり、もし万が一、熊が当地に押し寄せてきたら、ミツバチはもう飼えない。これは時間の問題か、もしくは「他人ごと」ですませていいのだろうか。

「ナラ枯れ」も「他人ごと」ですませておいていいのだろうか。切実に身近な問題になるまでは。

実際、「ナラ枯れ」は手も足も出ない。この農閑期にチェーンソーで切れるナラ(クヌギ)は倒してシイタケの原木にするが、太すぎて切るのは危険なクヌギの方がすでに多い。

当地の里山の7~8割を占めるナラ(多種類あり、ドングリも含む)が枯れることは、当地の雑木林が消滅すること。松枯れした松とは、雑木林に占める比重が全然違う。こうなるともう森にミツバチは住めなくなる。住むための木の祠(ほこら)が消滅してしまうだろうから。

「熊」も「ナラ枯れ」も他人ごと・・・いや、イノシシのようなスピードで追い込まれるなら、15年後。



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秋の1日

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水曜日の午後から木曜日の午前中にかけて丸1日降った雨で、ここ2~3日、急に温度が下がり、やっと彼岸花が目立つようになった。

 
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今、道路ぎわに満開なのがイタドリの花。4月上旬にアスパラのような芽を出したイタドリが、5ヶ月半ほど経過すると、こんな状態になる。

例年なら素通りするが、この花がミツバチの密源ということを知った今年は素通りできず、車を止めてミツバチを探した。群生しているのにミツバチの姿はなかった。


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9月上旬に50本ほど試みた桑の挿し木は、やはり時期外れだったのか失敗した。現在の桑の葉の量では、晩秋蚕は100~150頭しか飼えない。

蚕という畜産は、すべて「自給飼料」というのが大変良い。他の畜産のように、輸入飼料や購入飼料に依存することは、ほとんどありえない。
 
だから、大きな負債を抱えることもないし、大きな投資をする必要もない。本来の畜産はこうでなければならないと思う。

 
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左のダイコンに「ダイコンサルハムシ」はまだ来ていないが、右のカブには「ダイコンサルハムシ」がかなり来ている。カブを食べつくすと、必ずダイコンにやってくる。つまりカブはダイコンの防波堤となり、毎年、カブは致命的な被害を受けるが、ダイコンは何とかまぬがれることが多い。

明日中には、カブとダイコンの第1回目の防除(ディープテレックスという粉剤をガーゼに包んでふる)をする必要がある。

  
 

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「三陸つぼみ菜」と「のうぼう菜」という2種類のナバナの種を発砲スチロールの連結ポットに蒔いた。3月、4月に出荷予定の野菜は、自分の場合、このナバナだけである。

ワンパック宅配だけの20年間は、3月、4月の2ヶ月間は出荷はしていなかった。
 

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墓のすぐ下で農作業をしているのに、「キクイモ」の花を切って彼岸の墓参りに上がったのは今日だった。蚕と蜜蜂で墓参りどころではなかった。


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生き物の世話は、365日、休みなし。 


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ミツバチの最大の危機だった

    
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ミツバチを飼う適性が自分はかなり劣る。飼い始めてからすぐにそのことを意識していた。そして今日改めてそのことを感じさせられた。数人の人たちに支えられて、飼い続けることができている。

木工作家に注文していたスズメバチトラップの試作品ができて、ご夫婦で据え付けに来てくださった。

「大分ミツバチプロジェクト」をネットで検索して、それを見て作って欲しいと頼んでおいた。ボクはそれを見ても、どういう造りになっているのか、よく理解できなかったが、木工作家はすぐに理解されたようだった。

夕方、もう一度上がって見たら、スズメバチはまだワナに入っていなかったが、この4日間ほど全く出入りしていなかったミツバチが出入りを始めていた。

構造は、下の段のサンからは、ミツバチもスズメバチも出入りできるが、サンには「返し」がついていて、危険を感じたスズメバチが出ようとしても「返し」が邪魔をして出れない。逃げ場を求めて富士山型のジョウゴを伝って上の段に入ると、そこからはもう逃げれない。ミツバチは小さいので、サンから自由に出入りできるので、上の段に行くことは少ない。行ったとしても、上の段の金網から脱出できるようになっている。

このワナでスズメバチがしばしば捕まえれるようであれば、これは8月中旬~11月上旬の期間の必須の付属設備になると思う。

なお、ペットボトルのトラップで、今日は昨日の倍の十数匹を仕留めた。出入り口の穴を16ミリ四角と小さくしたこと、グレープジュースに変えたこと、グレープジュースの中に熟したイチジクを一かけら入れたこと等が功を奏したようだ。


この巣箱にまず最初に付属設備(試作品)を設置したのは、この巣箱だけ特にスズメバチが多かったからである。理由は今日までわからなかった。試作品を設置する前に、巣箱の中がどうなっているか内見してみようと、巣門を開けてみてびっくりした。相当数のミツバチの死骸と1匹の大スズメバチの死骸。そしてスムシ。


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とにかく、台座と巣門のある巣箱を新しいのと取り換えるために取り除いて、もう一度びっくり仰天。台座に穴が開いていて、そこからスズメバチがミツバチを狙っていたのだ。しかし、入ってしまったスズメバチはミツバチに「熱殺」されたようだ。1匹の死骸がそれを物語っている。スズメバチは容易には、この穴から巣箱の中には入れなかっただろう。

それにしても、スズメバチの凶暴性には恐れ入る。ここには元々「ふし」があり、この部分が弱いと見るや、左の画像のように「ふし」の周辺をかじって「ふし穴」を開けたようだ。スズメバチが楽に入れる大きさである。

注文して3日目にもう据え付けに来てくれたことに感謝しなければならない。すでに一刻の猶予もない状況だった。内見や据え付けをしていた1時間半ほどの間に、攻撃してきたスズメバチを5匹も奥さんが網で仕留めてくれた。

言い訳になるが、
(1)内見しようと巣門を開けると、台座にいつもミツバチがいっぱいで、スムシの状況をどうしてもチェックできなかった。見るにはミツバチを退かせる必要があった。しかし、退かせる方法がわからなかった。
(2)内見の時には決まって、開閉時に10匹以上のミツバチの犠牲を伴った。
(3)内見は、ミツバチに大きなストレスを与えるような気がした。  
       

  

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もうひとつの巣箱も一刻を争う状況だった。画像のようにスムシがうじゃうじゃ出てきた。ついでだから3箱とも内見しておこうと手伝ってもらったから発見できた。

実はこの巣箱も1ヶ月ほど前に採蜜した時に、巣門のすぐ上に巣箱を一つ挿入したが、その時にも巣門のある台座にミツバチが群がっていて、スムシの状況をチェックできなかった。チェックするにはミツバチを追い払う必要があり、手で払いのけるか、口風を吹いて追い払うという方法もあったが、そこまで執着しなかった。しかし今日の出来事で、スムシのチェックは必ず定期的にした方がいいと思った。


3つの巣箱のうち2つを危機一髪で救うことができた(逃去された前例もあるので、2週間ほど経過しないと判定は下せない)。火事の消火と同じくらい一刻を争う状況だったと思う。よくも逃げずに我慢してくれたと思う。探索バチが必死に逃げ場を探しただろうが、ここ以上の住居は見つからなかったのだろう。


ミツバチを飼い続けることは「甘くない」とつくづく感じさせられた。凡人にとってハードルは相当高い。ただ、逃去を防ぐポイントが見えてきつつある。
(1)大スズメバチをペットボトルのトラップで仕留める
(2)夏の暑さ対策
(3)スムシのチェック(内見)を定期的に必ず行う
(4)最も効果的な巣門のトラップ(今日の試作品)で捕まえることができれば、見回りは1日1回ですむ


逃去されなかったことで、引き続き、ミツバチを学ぶ機会が継続できた。サラリーマンをしながら15群ほどを6年も飼い続けている「スロー人」さんは、この過程をすべて乗り越えてきているのだろう。

ミツバチに関して、不得意なことがいっぱい出てくるのに、何とか越えられているのは、その時、その時に手を差し伸べてくれる人がいるから。

今日はまさに危機一髪だった。今は最大の試練だと思う。この1年を越えれれば大きな自信になる。

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残っていた最後の繭が羽化

   
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この画像で見ると、オス、メスの区別がはっきりわかる。腹に輪郭が見えるのがメスで、オスより大きい。

箱にふたをする意味で画用紙をのせているが、その画用紙の裏側にとまっていた。飛べないがよく動き回る。それにしてもどうやって箱の上の画用紙にたどり着いたのだろうかと思う。その上、止まりづらいように思う(天地が逆だから)が、蚕(蛾)にとっては平気なのだろう。



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たくさん産卵した。左は紙コップの中に移して産卵させた一対で、茶色になっているのは一昨日、黄色のは昨日の産卵。

右は紙コップに入れずに産卵させた一対で、出殻の繭に産卵したのは一昨日で、桑の乾燥葉に産卵したのは昨日。
 

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他にも何ヶ所かに産卵している。1人では飼いきれない量である。


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今朝見たら、残っていた最後の繭が羽化していた。メスだったようだ。また壮絶なバトルが繰り広げられたと思うが、寝過ごして見れなかった。

よく見ると、メスが4頭、オスが3頭に思える。オスが4頭、メスが3頭と思ったが逆だったかも知れない。現在、今朝羽化したメスが交尾中である。多分、今日深夜には産卵するだろう。

羽化を介助した2頭は、1頭がオスで1頭がメスだったが、結局どちらも羽が開かなかった。それでも交尾活動はそれほど遜色はなかったと思う。 
    
    
   
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昨日夕暮れ時に、スズメバチトラップを3つ仕掛けた。今朝見た時には4匹、夕方見た時には合計で7匹、引っ掛かっていた。

自分がいない間に、1日で7匹も仕留めれるのはありがたい。

今回は入れる液を変えた。市販のグレープジュースに少し水を加え、それに酒と酢をそれぞれ50ccほど入れ、砂糖は適当に加えた。

従来は200ccほどだったが、スズメバチを溺れさすには300~400ccほど入れた方がいいらしい。

今回のトラップは、Uさんが手作りして持ってきてくださったもので、NHKの「ためしてがってん」で放映されたらしい。特徴は16ミリ×16ミリほどの、スズメバチがどうにか入れるくらいの大きさの穴を3ヶ所に開け内側に折っている。今までのは3センチ×4センチほど開けていたが、それでは大きすぎるらしい。実際、入ってもスズメバチが逃げ出す現場を何回か見た。加えて、ペットボトルはひだのないずんどうのペットボトル(炭酸飲料が入っているペットボトルはずんどうらしい)の方が、足が滑ってスズメバチが逃げ出せないらしい。

なお、ペットボトルを木に吊り下げるのは細い針金を利用した。紐だと、それを伝って先に蟻がたくさん入って液を埋め尽くしていたが、針金にしてからはまだ蟻に入られていない。 


スズメバチには絶対に負けれない。ミツバチがゲットできたのはまるで宝くじに当たったような幸運だったと思うから手離したくない。11月上旬頃まで後1ヶ月半、ミツバチと共に戦いたい。

巣箱は城。この巣箱は野生にはめったにない強固な城だと思う。ミツバチもそれはわかってくれているだろう。


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産卵

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昨日、ブログの更新が終わって夜11時過ぎに見たら、もう産卵していた。朝9時には交尾を確認しているので、交尾から15時間ほどで産卵したようである。

途中でパートナーは別のオスに変わったが、その間また延々と交尾中なので、いつ産卵する時間があったのかと思う。


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産卵が終わったので、交尾中のつがいを別の紙コップに移した。

さっき見たら、また産卵していた。つまり一昼夜経過して再度産卵し、産卵量も前日より多かった。

  
  
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こちらのペアーも、今朝、産卵を確認した。こっちの産卵は散らばっていなくて、まとまっていたので、手でつまんで卵だけ紙コップに入れた。

さっき見たら、こちらもまた産卵していた。こちらはパートナーは変わっていないはずで、延々と1日半、交尾中である。つまり蚕は2日間にわたって産卵するようだ。1頭のメスで合わせて500粒ほどの産卵をするらしい。

最後に一つ残っている繭は、きょうはまだ羽化しなかった。


卵の期間は10日間ほどらしいので、これらの卵が「孵化」するのは10月2日頃になるだろう。

「蚕観察日記」によると、『この実験の目的は、蚕の生涯の1サイクルを観察することに重きを置いたことです。良質の繭を作ろうとする実験ではありません。普通ではありえないことを述べますと、もともと親同士が兄弟ですから、オスメスの交尾は近親結婚であり、生まれてきた子供にまともな成長を期待することは無理なことです。そういう意味では、実験そのものがむちゃなことかもしれません。』 と書かれていた。

プロの養蚕農家の場合、送られてきた「稚蚕」からスタートするようだ。

ペットの養蚕の場合、それはあまり気にすることはないと思う。蚕の生涯は50日間ほどで、年に4回転(春蚕5月1日~6月20日・夏蚕6月20日~8月10日・初秋蚕8月10日~9月30日・晩秋蚕9月30日~)するので、それだけで4回の近親結婚になる。

とにかく、1年通して経験すればいろいろわかると思う。10月上旬の2世誕生が楽しみである。
 
    
 

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2組のペアーができた

 
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9時前に田んぼから帰ってのぞいたら、1組のペアーがすでにできており交尾中だった。すごい感動だった。これで2代目が誕生するだろうと。

他に2頭もすでに羽化しており、上の画像のような場所にいた。

下段の左は、昨日介助して繭から出したオスであるが、羽は結局開かなかった。

下段の右は、筒の中の繭で、これから羽化しようとしている。


ドラマは、この筒の中の繭から始まった。今日は羽化する瞬間が見えるかも知れないと思い、30分ほど見続けた。それでも羽化しなかった。昨日のことがあったのでそれ以上は待機せずに、出荷の納品書や送り状を書いて、ワンパックの箱詰めをして宅急便の営業所へ持参して帰ったら昼をまわっていた。すぐにのぞいてみたが、状況に変化はなかった。

昼飯後、筒の中の繭を昨日同様、介助して出してあげようと思った。筒を破り繭を取り出して、羽化しようとしている出口の反対側にハサミを入れて繭を切ろうとしたら、うっかり、尻を切り落としたように感じた。しまった!と思ったが、後の祭り。死ぬかも知れないと思ったが、とにかく繭の外に出すだけは出そうと思った。

その作業中に、今まで静かだった3頭のオスが急にざわつき始めた。と思ったら、見る見るうちに、取り出した繭をめがけて集まりだした。あっ、尻を切り落としてしまったのはメスだったのだと、二重に落ち込んだ。 

   
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1頭のメスをめがけて、すさまじいバトルが始まった。まさに「蚕観察日記」に書かれている通りだった。

もうひとつ、あっけに取られたのは、交尾中のオスまでも、交尾を止めてその争奪戦に加わったことである。


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争奪戦は1時間ほど続き、上の画像のような形で決着がついた。


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オスに浮気をされたメスは、それまで3時間(9時~12時)ほど交尾中だったので、受精はできたはずなので、産卵のための紙コップに入れた。


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出かける用があったので、1時半頃から外出し、帰ったのは4時過ぎだった。帰ってすぐにのぞいて、またしても仰天した。上の画像のような配置にして出かけたが、攻防に負けた2頭のオスが、下の画像のように、今度は紙コップの中に入り、またしても攻防を繰り返したようだった。つまり、このメスは他のオスとの受精もしたようだ。なお、羽が開帳しなかったオスは紙コップの中の攻防には加われなかったようだ。 

   
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今日は、2組のペアーが誕生したことになる。メスの尻を切ったと思ったのは勘違いであり、蚕の抜け殻だったかもしれない。繭の中には、蚕の抜け殻と、蛹の抜け殻と2つあるから。


6頭のうち、4頭がオスで2頭がメスだったことになる。残りはあと1つの繭。これも明日には羽化するだろう。

今日もすごい感動体験をさせてもらった。


出荷もあって今日は、蜂を見に山へ上がることはできなかった。夕方、タマネギ2袋(早生品種、中晩生品種)、シュンギクの4回目、サニーレタス、雪白体菜の種を蒔き、昨日定植したレタス等に水やりをした。

ダイコンとカブも発芽が出そろった。まだダイコンサルハムシは来ていないようだった。

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2頭が羽化、「羽化の苦しみ」

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田んぼから帰った11時半、1頭は羽化したばかりだった。

タッチの差で、その瞬間を見ることができなかった。

おしっこも新しく、まだ乾いていなかった。

  
  
  
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抜け殻の繭。 


 
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もう1頭は出る瞬間だった。昼飯を食べながら見続けたが、羽化しなかった。

昼寝のために、枕元に箱を置いた。

2時過ぎに目覚めたが、まだ羽化していなかった。

2時半、箱を軽四に乗せて田んぼに行った。

それでも、羽化が気になって、農作業どころではなかった。

3時15分、ミツバチを見に山に上がった。

3時30分に下りたが、まだ羽化していなかった。

4時15分、箱を持って、ミツバチを見に山に上がった。羽化が気になって農作業ができないのなら、羽化とミツバチと両方を見ながら羽化するのを待とうと思った。

5時、まだ羽化しなかった。ぼやぼやしていたら日が暮れてしまう。午前中に定植したシュンギクやレタスに黒い寒冷紗をかぶせた。トンネル状に支柱をしてからかぶせ、その上からまた風抑えのために所々支柱をして寒冷紗が飛ばないようにする。この作業に30分ほどかかった。終わって見たら、まだ羽化していない。

午後6時、電柵のゲートを閉めて、田んぼを後にした。

午後6時半、夕飯を食べながら、羽化するのを見続けたが、羽化しなかった。

午後7時、羽化の手助けをした方がいいと思い、厚紙の区画から繭を取り出し、繭の周囲の糸をハサミで切り、繭の出口の反対側からハサミを入れ、繭を切ろうとしたら、最後のひと踏ん張りか、やっと自力で繭から脱出した。出るとすぐにおしっこをした。

繭からの脱出に手間取ったためか、うまく羽が開帳していない。

午後9時20分、さっき見たら、やはり羽が開いていない。死んではいないが、明日以降、どうなるかわからない。

今日の2頭はどちらもオスだった。明日以降に羽化する5頭のうちに1頭でもメスがいますように・・・。
   
   
   
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蜘蛛の網に引っ掛かったツクツクボウシ。ツクツクボウシが引っ掛かるくらいなら、スズメバチが引っ掛かってもよさそうなのに。

ミツバチは簡単に引っ掛かるので、巣箱周辺の蜘蛛の巣は見かけたらラケット等ではらう。

巣門に取り付けるスズメバチトラップは、木工作家に電話したら、近日中に1つ試作して見るという返事をもらった。
 


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「蚕観察日記」  「大分ミツバチプロジェクト」


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9月5日に繭を作った蚕がまだ羽化しない。夏の場合、羽化するまでの標準日数は12~16日らしいので、明日は羽化するだろう。

羽化は朝方集中して行われるらしい。しばしば参考にしている「
蚕観察日記」にそう書いてある。


養蚕の灯は消えても、今後はペットの養蚕が増えるような気がする。

プロの養蚕家の技術には近付けなくても、ペット養蚕家は、インターネットで飼育情報を検索しながら伝統を継承する。


今日も3箱の巣箱は、スズメバチの激しい攻撃にさらされていた。

仕留めても仕留めても、翌日には新たな刺客が襲ってくる。

もう、きりがない。

ペットボトルの捕獲器も、中の液(酒150cc、酢50cc、砂糖75g)を10日に1回ほど入れ替える必要があるし、常時3つ設置しているので、安くない費用と手間がかかる。

何とかしなければと思い、「ミツバチとスズメバチ」で検索していたら、「おおいたミツバチプロジェクト」が出ていた。これもグーグル検索で「次へ 8」という後ろの方に載っていて、探すのに手間取った。

この方式の良いところは、巣門にミツバチは入れてスズメバチは入れない金網を設置するのではなく、スズメバチ捕獲器を設置すること。この方が一歩進んでいるというか、この方法のように捕まえない限り、防御はできないと思う。

不器用なので全く作れそうにない。金網を作ってもらった木工作家にまた相談してみよう。

これが設置できれば、1日に3回も見回りをしなくても1回で十分と思う。
       
 


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大事な数字は暗記

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大事な数字は暗記しておく必要がある。

2010年度の農林水産関係予算は2兆4517億円で、10年連続で減った。2兆5000億円を下回ったのは1976年度以来34年ぶりだ。

あなたは、この数字をどう思われますか。

34年にもわたって毎年2兆5000億円以上の予算が組まれているのに、農業の凋落ぶり。

つまり、全く効果が出ていないということ。

不必要なことばかりに農業予算が投じられているのではなかろうか。

そんなにまでして、農業を守る必要があるだろうか。

輸入できるのなら輸入したらいいと思う。今のところ、中国からいくらでも輸入できる。



農業を守るなら、家庭菜園で守ったらいいと思う。

家庭菜園型農業が最も環境保全的であり、里山の維持にもつながる農業形態だと思う。

農業法人、集落営農、認定農業者の農業は、家庭菜園型農業ほどには、風景維持にも環境保全にも貢献していない。逆に「環境破壊型農業」といえる側面もある。

21世紀の農業は癒しや楽しみのために農業をするという「本来の農業」がもっと前面に出てくると思う。つまり、家庭菜園型農業や定年帰農型農業が日本の農業を支える主流になる。

農業は本来、個人もしくは家族という最少単位でするものであり、農業法人とか集落営農という考え方は、ビジネス本位であり、資本主義的思考が強過ぎる。

農業は、ビジネスというより癒しや楽しみでするものでなければ、環境とか風景とか里山は守れない。ビジネスでする農業はそれらに敵対するものだと思う。

農業をすること自体が、副次的に環境保全や里山の維持や風景を作るのではなく、意識してそのことを考えた農業をしないなら、往々にしては農業は環境破壊的になる。大規模作付による風景の単純化、肥料や農薬の多投による水質汚染、換金効果のより高い作物への傾斜・・・。



家庭菜園型農業や定年帰農型農業こそ最も支援されるべきである。

国の自給率という数字など、どうでもよい数字である。

日本は工業や商業の輸出製品で国際競争力を維持する国であり、農作物の自由化による関税撤廃で工業製品等の輸出競争力をバックアップした方がいいと思う。



家庭菜園型農業や定年帰農型農業は、楽しみや癒しや食の自給のためにする農業であり、これこそ農業の本来の姿である。

こういう農業を支援するには、現役世代にも、最低限の年金が支給されることが望まれる。

34年間にわたって毎年2兆5千億円以上の農業予算が投じられているが、この予算を1人80万円ほどのベーシックインカムで支援するとしたら、いったい何人の定年帰農型農業を支援できるだろう。2兆5千億円÷80万=312万5千人。 



政権が変わって、戸別所得補償制度が導入され、補助金の分配方法が少し変わったが、事務処理があまりに煩雑過ぎるように思える。税制を抜本的に見直し、ベーシックインカムのようなもっとシンプルな方法で支援した方がいいと思う。

ただ、民主党政権になったことはとてもよかった。何十年も続いてきた既得権益集団を打破するには、とにかく1年でも長く続けてもらいたい。

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40年間、里山は破壊の連続だった

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ダイコンとカブの種を蒔いて、その上からクン炭(焼きすくも)をふった。

極早生タマネギ、ロケット、オータムポエム(ナバナ)の種も蒔いた。これらは育苗して定植する。 



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引き続き、ミニレタス、サラダナ、シュンギクの定植をした。雨が降らず、定植が遅れたので、苗があまり芳しくない。


野菜の技術的なことは人に紹介できるようなものは何もない。20年が過ぎても技術的な進歩がほとんどなく、とても未熟だから。
学ぼうとしなかった・・・
学ぶ必要性に迫られなかった・・・
学ぼうとしても真似ができなかった・・・
このようにしていつのまにか年月が過ぎた・・・ 


里山は破壊の連続だった

昭和30年代から平成10年頃までの40年間余り、里山は破壊の連続だった。「地域開発」という名のもとに破壊しつくされたのだ。子供の頃の里山の面影はすでになに一つ残っていない。全国の他の里山も似たような経過をたどっただろう。
河川の改修が数回
池の改修が数回
ダムの改修が数回
道の改修は数限りなく
山が牧場に開発され、その後長く放置され、その後「美しい森」施設として再開発された

マツタケを引きに行った山も、アケビを取りに行った山も、セイセンゴ(イタドリ)を取りに行った山も、魚を釣りに行ったダムも岩ツボも、ダムに注いでいた水流も、祖父母に連れられて行った山仕事の山も、今はすでに「美しい森」のどこら辺りだったか思い出すこともできない。

無残に変わり果てた里山。次の代に引き継ぐのは「美しい森」ではなく「変わり果てた森」と言った方が適切だ。

推進した連中の首に誰も鈴をつけることができなかった。まるで戦争に向かった時代の空気みたいに。この時期、全国の選挙区で「小型角栄」が当選し続けたのだ。町議会議員の半分近くを土建業の社長が占めた時代だった。その当時、町民の多くが支持したのだから仕方がない。

生物多様性条約会議で「SATOYAMAイニシアティブ」を紹介・・・この40年間、破壊しまくってきたのに! 
   

     

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塩見直紀さんが提唱されている「半農半X」を理想に掲げているが、なかなかそうはできず、どうやっても「全農」になってしまう。

今日は気分がのらないなあと思っても、とにかく最初の一行を「できるだけ早く」書き始めると、いつのまにか気分がのってくれる。



今日も2箱の巣箱は、ほとんどミツバチの出入りがなかった。7月に採蜜した巣箱を今月中にもう一度採蜜しようと思っていたが、こんな状態では採蜜はできそうにない。スズメバチの刺客が多い月は、巣箱の中で、蓄えた蜜を食べながら活動の衰える時期を待っているのかも知れない。

こんな状態が毎年発生するようだと、採蜜できる期間は5月末~8月上旬の2ヶ月間ほどしかない。これでは年に1回しか採蜜できないように思う。
11月中旬~翌年2月・・・冬季でミツバチの活動は弱まる
3月・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミツバチの活動が再開
4月、5月・・・・・・・・・・・・・分蜂時期(巣別れ時期)
5月末~8月上旬・・・・・・採蜜時期
8月中旬~11月上旬・・・スズメバチが多く出没する
 

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昨日耕運したばかりの田んぼに、動物の足跡がついていた。小型の4本足動物か?。小型でもイノシシだったら、すぐ隣の田んぼのサツマイモを掘り返しているはずだが被害はない。それならイノシシ以外のヌートリアかイタチかアナグマのような害獣かもしれない。いずれにしろ電柵の下をくぐりぬけている。

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21世紀の畜産

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 暑い夏が過ぎて、ちょっと夏バテ気味。

ここ2~3日、急に寒くなって体調もおかしい。

昨晩10時頃、久しぶりの夕立があった。

さあ、ダイコンを蒔こうと意気込んだが、身体が思うように動いてくれず、今日は蒔けなかった。

それでも夕立のおかげで、3枚の田んぼの耕運ができた。


予定では明日頃、蚕が繭から羽化する予定。

そんなに時間はかかっていないが、やはり4種類の家畜がいると時間を取られる。

・・・今は繭の状態を確認するだけ。

ニワトリ・・・購入エサ、米ヌカ、ナンキンのクズ、虫食いのエンサイを与え、水の入れ替えと集卵。

ミツバチ・・・つい足がむいてしまい、山に上がると長居をしてしまう。

ヤギ・・・夕方の出し入れと、1日1回の水の入れ替え。

ブログが長時間になっているのも夏バテの原因。今日は2時間?でスピード更新したい。


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水不足で状態が悪く、ハーブは根元から刈り戻した。何回か雨があれば1ヶ月ほどで出荷できる大きさになる。

ハーブティは労多くして益なし。今後は直売所出荷はしないつもり。ハーブ自体をかなり減らしたい。
(1)レモンバーム
(2)レモンバーべナ
(3)レモングラス

(4)タイム類(レモンタイム・コモンタイム)
(5)ミント類(アップルミント・スペアミント・ブラックミント)
(6)セイジ

(7)ローズマリー
(8)イタリアンパセリ
(9)スイートバジル

(10)ロケット
(11)ディル
(12)チャービル
 
(1)~(6)はハーブティ用ハーブであり、5分の1ほどに減らす予定。

(7)~(12)は料理用ハーブであり、イタリアンパセリ、ディル、チャービルは今年から止めることにした。

スイートバジルとロケットは単品でも直売所で売れる。
 


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8月中旬頃からエンサイ、ツルムラサキ、オクラに虫害が多く、出荷できる野菜が少ない。

自分の場合は不得意な野菜が多く、直売所へは月別で下記のもの以外はあまり出せれていない。
7月~10月→エンサイ、ツルムラサキ、青シソ、オクラ
11月~12月→シュンギク、レタス、ホウレンソウ
1月~2月→ホウレンソウ、アブラナ科の菜っ葉
3月~4月→ナバナ
5月~6月→タマネギ、ジャガイモ、チンゲンサイ、レタス


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レタスとシュンギクの第1回目の定植をして、日よけに寒冷紗をかぶせた。



里山は40年ほど前からすでに、手がつけれないほど荒れ放題になっている。それを今さらなぜ「里山」なのか。利用価値もないのに。

もう一度「クド」を復活させるのか
もう一度「風呂焚き」を始めるのか

里山を整備できるのは団塊世代の「定年帰農者」しかいない。この世代の方は子供の頃の「農の原風景」が頭に刻まれているだろうし、子供の頃に親を手伝って山仕事の経験も多いと思う。カネも時間もあるこの世代に託すしかないと思う。

現役世代の農業者は里山どころではない。


21世紀の畜産

蚕という家畜も、ヤギという家畜も、ミツバチという家畜も、すべて国産の自給飼料である。自給飼料ではなく輸入飼料に多くを依存するのは、鶏、牛、豚である。飼料が自給できる範囲内で飼うのが正しい飼い方だと思うが、それができないなら、購入飼料(輸入飼料)への依存度が少なくなるように、頭数を減らした方がいいと思う。45年ほど前までは、牛は各家で1~2頭飼いだった。毎朝「チョウタ(ねこ車)」に竹で編んだ大かごを乗せて、それがいっぱいになるだけの草を鎌で刈るのが日課だった。

そういう牧歌的な時代にはもう帰れないが、口蹄疫のリスク分散のためには、大規模集中ではなく少数分散の飼育に移行せざるを得ないと思う。それができないなら口蹄疫の悲しみがまた繰り返されるだろう。

ニワトリの鳥インフルエンザも同じ。安全を追及するあまりますます薬漬けとなり、突然変異の耐性菌が発生しやすくなる。

少数飼いでは農業経営が成り立たないが、農業はそんなものだと思う。この点が商業や工業の資本主義と根本的に異なる。

21世紀の畜産は、より小規模に、一ヶ所集中ではなく多数に分散していくことが、
環境のために必要であり
畜産物の安全のために必要であり
危険分散のために必要であり
自分の癒しのために必要であり
飼料の自給のために必要であり
水質保全のために必要であり
何より次の代のために必要である 

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蜜蜂、蟻、蜘蛛、カマキリの食物連鎖

 
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今日も10匹以上を仕留めた。飛んでいるスズメバチを網で捕獲して足で踏んづけ、手に取ろうとしたが、網に食いついて離れない。それくらい獰猛(どうもう)である。巣門の板もがりがりとかじる。

威力を発揮しているのが右の画像のペットボトルで作った捕獲器で、3日前に仕掛けたのにすでに4匹捕まえている。ハエ取り紙では留まっても逃げる。蜘蛛の巣に引っ掛かっても逃げるのと同じ。

最近は明らかにボクを狙ってきているのがわかる。覚えられたのかも知れない。それでも防虫ネットと冬用上着で武装しているから大丈夫。

 
 

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この群は最も弱かったのに、今は強群になっている。季節によって違ってくるようだ。スズメバチもこの群はあまり狙っていない。


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最も強群で、ゲットしてから3ヶ月で採蜜したこの巣箱は、今日は何回もスズメバチに襲われたようで、巣門の出入りはほとんどなかった。危険を感じて外に出るのを控えたのだと思う。

 
 

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1ヶ月ほど前に採蜜したこの巣箱は、ここ5日間ほど出入りがごく少なかった。ひょっとして逃げられたかもしれないと何度も心配したが、今日の夕方の出入りを見て一安心した。


ミツバチはいろんなことを教えてくれる。

時間のたつのも忘れて見入ってしまう。

10分、20分、30分・・・そんな静寂な時間を破るようにスズメバチが襲来する。



ミツバチがいるところにはすぐに蟻が来て、

そのミツバチを狙うように蜘蛛の巣ができ、

巣箱にはカマキリがしばしば留まってミツバチを狙う。

そしてお盆過ぎ頃からスズメバチがミツバチを狙う。

ミツバチ、蟻、蜘蛛、カマキリ、スズメバチ・・・一つの巣箱にすくう(集まる)、まさに生物多様性である。


以前、電柵の本体の箱にカマキリがよく留まっているのを画像アップしたが、その意味が今日わかった。電柵のバッテリーを充電しようと取り出したら、何と箱の中に「アシナガバチ」が巣を作っていた。夕暮れに田んぼから帰る時に、夜間だけ電流が流れるようにセットするが、その時によくアシナガバチに遭遇していて、何でこんなところにアシナガバチがいるのだろうと思いつつ、巣があることは気付かなかった。
アシナガバチは蜜などためないはずなのに、ここにも蟻がたくさんいるのを見て、蜂と蟻は共生昆虫?と一瞬頭をよぎった。

このアシナガバチを狙ってカマキリがしばしば来て、柵線には蜘蛛が巣をたくさん張り巡らせていた。

つまりカマキリや蜘蛛は、ボクよりはるかに敏感に蜂を察知していたのだった。

この「食物連鎖」の世界をつぶさに見て、自然界の多様性に驚かされたのだった。


日本ミツバチは森林のミツバチ

西洋ミツバチは草原のミツバチ

日本ミツバチは日本に古来から住みついているミツバチ

西洋ミツバチは明治になってから輸入されたミツバチ

スズメバチの襲撃に対しては、日本ミツバチは集団でスズメバチに襲いかかり、熱殺してしまう。これに対して西洋ミツバチは明治初期に輸入されたため、遺伝的にスズメバチに対する防御方法は知らず、単独で攻撃をかけ壊滅的な打撃を受けやすい。
 
ただ、西洋ミツバチは逃去せず、蜜の量も日本ミツバチの5~10倍ほど採れるらしく、プロの養蜂家が飼っているのは大半が西洋ミツバチであり、「ミツバチ」と言えば西洋ミツバチのことを指すらしい。つまりビジネス的には日本ミツバチは全く採算に合わず「趣味」の領域・・・。

日本ミツバチが集団で熱殺というのは、巣箱の中に入られたらの話であり、スズメバチが突然現れ、巣門付近のミツバチを1匹ずつ狙い撃ちにするのは防ぎようがないみたいである。

自然界の均衡を保つ上でも、草食系の日本ミツバチが肉食系のスズメバチにある程度やられるのは仕方がないと思う。ただ、あまりに頻繁に巣箱を襲われたり、巣門周辺の板をがりがりかぶられては、安住できない。そんな身の危険が頂点に達した時に、女王蜂が指令を出していっせいに逃去するのではなかろうか。

だから、毎日1~3回の見回りをして、その時にスズメバチを叩くのは、逃去を防ぐ大きなポイントと思う。探索バチが一生懸命に逃げ場を探していても、ここが一番安全な場所なのだとわかってもらう。


日本ミツバチに関しては西洋ミツバチほど、レンゲや菜の花等の密源にこだわらなくてもいいようだ。人間にはまるで目立たない木の花を主な密源にしているようだから。

最も心配なのは、「ナラ枯れによる農薬の空中散布」の問題。ナラ枯れが目立つようになるとこの問題がいずれ浮上してくる。松くい虫と同じ流れになるような気がする。

まだ若かったし、農業が忙しすぎて、松くい虫の空中散布に反対するエネルギーはなかった。

しかし、今は違う。空中散布がミツバチに及ぼす影響を考えたら、時間を割いてでも行動を起こそうと思う。

空中散布よりもっと怖いことは、当地の里山の8割を占めるナラの木が枯れる問題。もしナラの木が枯れ始めるようなことになれば、この地の生態系が激変してしまう。

微々たる力もないが、この冬の農閑期には、
(1)害獣との緩衝地帯を設けるために
(2)ミツバチのために
(3)そして、ナラの木のために
下刈り(下草刈り)や落ち葉かき、倒木や枝打ち等の山仕事をしようと思う。


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生物多様性条約会議で「里山」を持ち出す時代錯誤

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レタス3種類とシュンギク2種類の苗が定植できる大きさになった。一雨来てから、黒マルチをせずに定植しようと思う。ダイコンやカブの種蒔きと同時進行になる。

レタスとシュンギクは9月20日頃までに4回育苗をする。年内の直売所出荷はこの2種類を中心に出荷する。他の野菜は自信がない。

 
  
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青シソは100本定植している。花が咲き始めたが、花シソ(葉もつける)としてまだしばらく出荷できる。ただ、花が咲き始めると収穫するのに時間がかかる。

刻んで豆腐にのせて食べるのが大好きで、他の人もそうだと思い、ワンパックにも直売所にも欠かさず出荷する。


ナラ枯れ被害拡大

「ナラ枯れ被害拡大」の記事が農業新聞にしばしば載るようになった。

09年度は宮城県、大阪府、岡山県など太平洋側にも広がった。原因となるのはカシノナガキクイムシ。特に大木を好んで幹に侵入し、病原菌のナラ菌を媒介する。薪や炭の利用が減ったため、大木が多くなり「爆発的な増殖となった」(林野庁)農業新聞9月12日。

これはゆゆしき問題。大変困る。 

松は「松枯れ」で、当地ではほとんど枯れた。

ナラがこの状態になると、当地の里山は見るも無残な景色になってしまう。

当地の里山の大半は「ナラの木」なのだから。

ナラの木がよくわからなかったのでグーグルで検索したら、(1)ミズナラ
(2)コナラ
(3)カシワ
(4)ナラガシワ
(5)クヌギ
(6)ウバメガシ
の6種類が「ナラ」に属するらしい。当地にたくさんあるドングリの木はミズナラかコナラに属するようだ。

この中でも特に大木になるのは「クヌギ」である。巣箱を置いている葉タバコ跡地の周囲には、クヌギの大木が林立している。チェーンソーを使うのも危険と思えるくらい大木である。葉タバコを作っていた45年前までは、日陰になるような大木はなかったのに。

シイタケの原木に使うためと、巣箱周辺の整備のために、あまり大木でないクヌギは援農してもらっているUさんにチェーンソーで倒してもらう予定であるが・・・。

もしこのクヌギやドングリの木が「ナラ枯れ」の被害にあったら、見るも無残な里山になってしまう。それは「松枯れ」の比ではない。池の土手から見渡せる里山の多くも「クヌギの大木」におおわれている。

もし「ナラ枯れ」が生じたら、里山の喪失であり、それは故郷喪失であり、自分のアイデンティティさえも喪失に向かうかも知れない。

原因として「薪や炭の利用が減ったため」と林野庁は言っているが、 確かにそうだと思う。45年ほど前に、当地の里山は放棄されてしまったのだ。その後は荒れ放題。誰も山に入らなくなった。そしてマツタケ等のキノコ類も姿を消した。

原因は一つ。この頃から集落にプロパンガスが入ってきたのだ。我が家にプロパンガスが入ったのも小学校2年の時だった。

プロパンガスは集落の各家の台所にあった「クド」を駆逐した。

つまりプロパンガスの登場は、山の木や落ち葉や炭を必要としなくなったのだ。そしてその後5~10年ほどの間に「風呂焚き」もボイラーにとってかわられた。

かくして里山は用無しとなった。

その「用無し」で「ごそ」の里山が、来月名古屋で開かれる「生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)で「SATOYAMA(里山)イニシアティブ」を広めようと、日本政府が海外との連携強化に乗り出す。

まことにばかばかしくて、いんちきである。45年ほど前に放棄されてから全く顧みられることのなかった「里山」を、今さらどうしようというのか。

補助金をがばがばつぎ込むのか

ボランティアでもせよというのか

何に利用するというのか

45年前に帰れというのか

もう戻れない

すでにどうすることもできない。朽ちるのを待つだけ

すでに里山はイノシシやシカが我が物顔で闊歩する害獣王国となりつつあり、それを保護しようという農家の敵「野生動物保護団体」もある。


里山をもう一度手入れできるのは、定年帰農者やサラリーマン社会をドロップアウトした現役世代の「定年帰農型農業者」だと思う。

定年帰農型農業者を増やすには、垂れ流しの農業補助金を全廃し、税制の抜本的見直しによるベーシック・インカム(年間80万ほどの現役世代の基礎年金)の導入しかないと思う。

ベーシック・インカムこそが「雇用問題」、「農業問題」、「環境問題」、「過疎問題」を解決する糸口となる。


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池の水と「畝間灌水」


期待していた台風の雨も、当地ではほんの少ししか降らず、田んぼはすでに乾ききった状態。

ダイコンやカブの種蒔き適期(当地では9月13日~9月15日の3日間)が目前なのに、種蒔きもできそうにない。

そして、まだ蒔いてもいないのに、アブラナ科野菜の最大の害虫である「ダイコンサルハムシ」を見かけた。この害虫はアブラナ科野菜の種蒔き適期が近づいてくると、「待ってました」といわんばかりに出現する。

他の農業者たちは、どうやってこの害虫を防いでいるのだろう。ボクは「ディープテレックス」という粉剤をガーゼに入れて、発芽すると同時に使う。1日遅れると壊滅状態になる。



毎日続けている井戸水のポンプアップが身体的にしんどくなった。来年は10アール分を土木委員さんに申請して「池の水」を使わせてもらおう思う。

池の水を使わせてもらえば、水路から水を引いて「畝間灌水」ができる。そうするには、畝間灌水がしやすいような田んぼを選び、1枚の田んぼの中でも水路に近い場所にその作物の畝を作る必要がある。水路から遠ければそれだけ時間がかかり、水も無駄になる。

10アールで3千円ほどだから安い。12年前に井戸ができてからは池の水は全く利用しなかったが、今年のような渇水は身体にこたえる。水路から畝間灌水ができれば、4~5日に1度、3時間ほど引水するだけで、ポンプアップしていた時間(井戸水が少ない時は30分、多い時は90分)がすべて農作業にまわせるので大いに助かる。

今まで何でそうしなかったかと問われると、「池の水があまりきれいでない」という意識があったかもしれない。池の水は足らなくなると、岡山三大河川の一つ吉井川からポンプアップできる設備が整っている。これでは「ため池」ではなく単なる「貯水槽?」。それでもそんなことを言っていたらきりがない。産地の「畑灌」は全てそうした設備だから。






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深い眠りについている蚕7頭。3頭は枯れた桑の下にいて、2頭だけ見える。2頭の右隅に1頭、そして画像には見えないが広告で作った筒の中に1頭。

9月末に誕生予定の2代目は、稲の苗箱で飼おうと思う。繭作りのための区画も「竹ぼうき」で代用できるようなので、苗箱の上に竹の笹を束ねて置く簡素なものにしたい。

繭は1つが2グラムほど。1キロ(約500個)の価格は180円ほどらしい。ここに国から1キロ当たり約1400円の補てん金が加わる。ただ、補てん金は今年度が最後。来年度は生産から小売りまでの連携による取り組みを支援する新対策に移行する。(農業新聞9月3日)

500個の繭が180円・・・常に海外の安い生糸との競合にさらされてきたらしいが、それにしても安すぎる。


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「蚕観察日記」が役立った

 
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昨日、スズメバチとの抗争武具をまた購入してきた。

バックハンドのスマッシュヒットでスズメバチを打ち落す心地よさ。

昨日も今日も3群のうち2群は巣門からのミツバチの出入りが極端に少ない。スズメバチが頻繁に狩にきているようだ。

それでも逃去はしていない。巣箱に耳を近付けるとざわざわと音がしているから。

冬はあまり外に出ず、巣箱の中で集めた蜜を食べながら越冬するのだから、今の時期でも、外に出なくても何ら心配はないと思う。

自然の中の木の祠(ほこら)より、人工の巣箱の方が安全のように思うが、これはミツバチに聞いてみるしかない。

とにかく、1日2~3回見回って、スズメバチをラケットで攻撃するしかない。



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オクラの葉が害虫に食われてしまった。ツルムラサキの葉も虫害がひどい。異常高温が続いているせいだろうか。

天敵も活躍してくれているようだが、害虫の発生量がそれ以上に多い。


ブログをしていると、蚕や蜜蜂のことをインターネットで調べる時間がない。どちらかを優先すると片方ができない。「どちらも少しずつ並行処理」するのは、なかなか難しい。

昨晩は「蚕」をインターネットで検索した。ネットのおかげで、本を買わなくても、図書館に足を運ばなくても、自宅で調べれる。本当に便利である。

それでも膨大な量の検索記事からどれを選択するかは簡単ではない。ついつい目移りしてしまう。どれが最もわかりやすいか探すだけで時間がかかってしまう。

そんな中で偶然目にした「蚕観察日記」は、まことに役立った。ただ、この「蚕観察日記」はグーグルで検索して「次へ・・・(7)」でたまたまクリックしたのだった。こんなすばらしい日記が、こんなに後ろに表示されていては人目にほとんど触れないと思う。とにかくこれ一本にしぼり3回ほど読み直した。
 
 


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スズメバチ対策

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平均寿命まで後20年ほどしかない。限られた年数の中で、進みたい農業の方向をしっかり選択していく必要がある。

ヤギを導入した1年は、本当に大変だった。放牧場ができてやっと、ヤギが空気のような存在になりつつある。

ヤギを飼うメリットはほとんどない。草刈効果は全く期待はずれだし、ペットなら犬や猫に比べてその能力はかなり劣る。

50年ほど前までは「乳搾り」の目的でヤギが飼われていた。母乳が出なくても牛乳が買えない農家が飼う「貧農のヤギ」と呼ばれた。ヤギは草だけで餌代が全くかからないから。

今の時代は「乳搾りの時間が捻出できない」、「生まれた子ヤギの処分に苦労する」、「オスも近くにいない」。飼えない条件がそろっている。



ミツバチに1日30分もの時間を取られている。しかし、初年度はそんなものだ。ヤギの初年度は1日1時間以上取られていた。

スズメバチはいつ頃まで出没するのだろうか。蜂類が「オクラの花」や「ハヤトウリの花」が好きなことを考えれば、11月10日頃まで出没するのだろうか。それなら後2ヶ月。ミツバチのために大スズメバチと戦うつもりである。

今度、百均に行ったら「ハエ取り紙」を買ってきて、巣箱の近くの木にぶらさげてみようと思う。なお、2本目のラケットの購入も必要になっている。

スズメバチは女王のみが、冬を山中の木の祠(ほこら)などで越冬し、翌春単独で造巣をなし、働き蜂を巣に産み付けて、一群のファミリーを形成するので、春先に女王蜂を捕獲すれば、その1匹から、数百匹程度の働き蜂が誕生することからして、特に効果的な駆除方法らしい。つまり、ペットボトルの捕獲器は春先にも必要のようだ。

10アールほどの葉タバコ跡地の3面(西、南、北)だけで20セットほどの巣箱を置きたいので、スズメバチくらいでくじけていたら、来年以降飼えない。

こんな急坂な山の斜面に巣箱を置かなくてもと、何人かの見学者に言われたが、ミツバチ目線で考えれば、いかにスズメバチに襲われようとも、この山の斜面が環境的には最も優れていると思う。

この秋を乗り越え、そして冬を越し、3群のうち1~2群でも春を迎えることができたら、ミツバチを長く飼い続けることができるだろう。

日本ミツバチが飼えるポイント
(1)田んぼや家の近くに巣箱置き場となるような山があること
(2) 捕まえるには最低5箱は設置すること
(3)先人に置き場所を選んでもらうこと
(4)巣箱が安価(五千円ほど)で手に入ること
(5)1日1回は見回りができる人
(6)蜂浪人は極力避けよう。初年度に全力投入をする
(7)ミツバチを飼っている人と出会うこと
(8)ミツバチに関して何でも相談できる先人がいること 

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つばさプロジェクト

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ムラサキイモを初掘りしてみたが、あまり太っていなかった。秋雨前線を期待するしかない。
 

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大阪府八尾市の越道正芳さん(38才)は、各地の農家と契約し、田舎体験に特化したイベントを企画・運営し、農家と都市住民の交流を後押しする。

越道さんは、勤務先の旅行会社が倒産したのを機に、2002年に独立。「つばさツーリスト(現・つばさプロジェクト)」を立ち上げた。当初は一般的な観光旅行も企画していたが、田舎でしかできない体験ツアーに特化。

イベントのほとんどが日帰りで、1回の参加費は4000~5000円に設定。うち2000円は協力農家らに支払う。(以上、農業新聞9月6日)

新聞を見てすぐに越道さんに電話をした。観光農園構想はずっと頭にあるが、集客するのが大変であり、できれば連携をしたい。
 
今は忙しいので、秋深くなってから一度下見に来てくださいと話した。

メニューは豊富
(1)ハーブと野菜の育っている姿を見てもらう。
(2)ヤギ牧場で遊ぶ。
(3)ニワトリ、ミツバチ、(近いうちに蚕)の見学。
(4)森林セラピー(雑木林の散策)。
(5)池を半周しながら「美しい森」まで歩く。10分。
(6)ハーブティとゆで卵。秋冬なら「どんど遊び」と焼き芋。 
最大の問題点は「草刈をどうするか」である。通常は、見るも無残な草山なので、観光農園どころではない。料金を頂いて人を呼ぶなら、畔草を刈るだけで1日半ほどかかる。

取り繕う必要はないが、最低限の「風景」を整えるには、丸2日ほどの準備が必要になる。だから当日も含めて丸3日ほどの準備労働に見合う「観光収入」がないと、観光農園は難しい。


昨日の深夜、最後の1頭が糸を吐き始め、今日の夜にはすでに繭が形になりつつある。今後20日間は蚕に関する世話はほとんどない。この間に注意することは、
(1)ネズミに注意
(2)アリ、ムカデ、ゴキブリ等に注意
(3)温度と風通しに注意する
9月25日頃に、繭を溶かして穴を開け「蛾」になって出てくる。その後の5日間ほどで交尾と産卵をしてすぐに昇天する。


今日も3回、山に上がった。鳥小屋から巣箱まで200メートルもないので山上がりに時間はかからないが、しばらく待機するので、それに時間がかかる。
大スズメバチは林の中のどこかから急に現れて、巣門付近でホバリング(空中に停止)して巣門に降り立ってミツバチの狩をする。自分の待機する時間は少ないので、その他の時間の大半はこの繰り返しになっているだろう。

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蚕が「癒しの昆虫」として復活する予感

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いっしょに送られてきた卵なのに、まだ1頭だけ繭を作る行為を始めず、食欲旺盛に桑の葉を食べている。

なんと皇后陛下も蚕の世話をされているらしい。インターネットに「天皇陛下の稲作と共に、皇后陛下の御養蚕は、我が国における農耕文化の象徴として重要な皇室行事となり、今後も継承されていくであろう」と出ていた。



すでに養蚕は、全く見捨てられている。

カネにならないから。ただそれだけの理由。

カネにならないことはできない。生活できないから。

すべてはその一点の理由だけで淘汰される。


農業もそういう理由で見捨てられてきた。

しかし現在は、定年帰農型農業を中心に、人間の根源である土着性(土への回帰)やセラピーとして新たな役割を担いつつある。


蚕もまもなく「癒しの昆虫」として大きく復活するような予感がする。

こんなに楽しい生き物が見直されないはずがない。

蚕を飼うことは歴史を感じることであり、シルクロードを旅することであり、いにしえの人の心に寄り添うことでもある。 

蚕の復活、それは混迷の今の時代の要請であると思う。 
  


農業を、効率や採算、大量生産、機械化、規模拡大等の資本主義的価値観だけで推し進めるなら、時間回転率だけでも、農業は他産業の60~600分の1の利益率しか上げれない。なぜなら作物は成長するまでに最短でも60日間ほどかかるから。
 
農業には、風景作り、環境保全、里山維持、水管理等、金銭に換算できない価値が多い。この換算できない価値は「農業補助金」にも全く反映されない。

だからといって、農業を「補助金まみれ」にすることは全く反対である。一部の団体が中間を搾取したり、一部の農業者(法人)の利益につながるだけである。
 
農業「協同組合」の歴史的使命も、すでに終わっていると思う。


農業が、夢破れ、組織から脱落した人たちや、失業した人たちの「受け皿」になるには、 年間80万ほどのベーシックインカム(現役世代の基礎年金)的な支援がどうしても必要である。農業で100万(売上-経費)を稼ぐのは至難の業だと思うから。

こういう支援に変更しなければ、自然環境も、故郷の山河も、もう維持できない。

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美しい黄色の繭(午後8時撮影)。

なんで今まで蚕を飼わなかったのだろう。57才の今日まで、頭の中で蚕は知っていたが、実物を見たのは初めて。

昨晩の深夜にはまだ桑の葉を食べていたが、今朝6時に見たら、ここに入って、糸を吐き始めていた。

卵からかえって、今日でちょうど27日目。最初はどこに蚕がいるのかわからないほど小さかったのに、たった27日で、とんでもない大きさに成長した。そして今朝、糸を吐き始めた感動の現場を見た。
 
  
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これは昼の画像。昼にはまだこれくらいの進捗率だった。


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この蚕は昼過ぎから糸を吐き始めた。糸を吐き始めのを見て、手でつまんでこの区切りに入れた。



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縦型の区切りに2つ、横型の区切りに2つ(この2つは自分の手で入れた)、筒の中に1つ入って、糸を吐き始めているが、残りの2つはまだ桑の葉を食べている状態で、区切りの中には入ろうとしていない。生育に少し差が生じたが、これも明日には糸を吐き始めるだろう。


今日、桑の木を50本ほど「挿し木」をした。挿し木は通常、梅雨時分にするものなので、今の時期の挿し木がうまくいくかどうかわからない。3日間ほど「水揚げ」してから挿し木にした。


今後の蚕は、
(1)糸を吐き始めて約3日で繭完成
(2)4~5日で脱皮してサナギになる
(3)10~12日で蛾になって出てくる
(4)オスとメスがいればすぐに交尾
念願の次の代の登場は9月末頃か。そして次世代の「晩秋蚕」の飼育が始まり、11月上旬頃にはサナギとなり、そのまま冬を越して、5月頃に「春蚕」を産卵し、6月20日頃からのが「夏蚕」となり、8月10日頃からのが「初秋蚕」となり、9月末頃からのが「晩秋蚕」となる。


今日も、大スズメバチと激しい攻防を繰り広げた。朝、昼、夕と1日3回×10分間=30分のバックアップが必要だと思った。1日1回だけではスズメバチに負けてしまう。この場所で飼い続けるには、しばらくは1日3回の見回りが必要だと感じている。

これで逃去されたら(したら)、あきらめもつく。

ただ、ミツバチにも逃げ場はない。ボクが強力にバックアップしているこの巣箱以上に安全な場所はまずないだろう。
 


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牧場の朝

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巣門に金網を取りつけた。もちろん自分で作ったものではなく、木工作家にオプションで注文して昨日もらいに行ってきた。


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3群いるので3つ注文していたが、画像のような強群の2つには付けず、毎日のように狙われていた1つだけに取り付けた。

しかし、朝とりつけて、夕方には、はずした。ミツバチの出入りをしばらく見ていたら、かなりストレスを受けているように感じたから。

やはり金網ではなく、自分の足音(見回り)と、ペットボトルの捕獲器で防ぐしかないと思った。


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見回りの時は上着を着て防虫ネットをかぶっているので、スズメバチも怖くない。画像の3つの武器でスズメバチを攻撃する。今までは蠅叩きだけだったが、今日、百均でラケットと網も買ってきた。ただ、やはり蠅叩きが最もすぐれている。というのは、巣門の前でホバリング(空中に停止)して、ミツバチの方に気を取られている時は、蠅叩きでもラケットでもどちらでも容易に仕留めれるが、巣門に取り付いている時は、巣箱に衝撃を与えるので蠅叩きしか使えない。網は不必要だった。

1日平均で10匹ほどのスズメバチを蠅叩きで撃退しているというと、ちょっと信じられないかも知れませんが、戦う時は武装しているので刺されないし、スズメバチは大きいので動きが鈍く、ミツバチの方に気を取られているので撃退しやすい。


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スロー人さんに助言してもらった暑さ対策で、巣門の反対側の両サイドに釘を置いて、巣門から入った風が抜けるようにしている。5ミリほどしかないが、ここからもミツバチが出入りしている。

ミツバチの本には書いていないようだが、前後に巣門をつければ、風が通るし、スズメバチに襲われた時、逆方向から出入りすることもできる。ただ、1匹の時はいいが、3~4匹に襲われた時には、前後どちらにも「張り付き」をするので、巣箱の外に出れない。ただ、巣門が小さいのでスズメバチは巣箱の中には入れない。

スズメバチはずっと張り付いているわけではなく、あきらめて飛び立つので、いなくなればすぐミツバチが外に出てくる。ただ、スズメバチは巣門周辺の板をかじって板をかなり傷つけるほど凶暴である。


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木工作家は画像のような「竹パウダー 」も直売所等で売っている。木工の道具を一部改良して竹パウダーを作っている。1袋もらったので、ニワトリに少しずつ与えている。ニワトリはタケノコが大好物だから竹パウダーもよく食べる。


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糸を吐きはじめ繭を作りはじめたら、蚕の半分のステージが終わる。ここまでが約25日。残り半分は、繭完成に約3日間、繭の中で脱皮してサナギになるのに約5日間、繭を溶かして蛾になって出てくるのに12日間、すぐに交尾して産卵。ここまでに約25日間。合計50日間。


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蚕が食べる桑の木も害虫が多い。左はカミキリムシで、右は害虫の名前をよく知らないが、オクラやエンサイ等、広範囲の野菜を食害する。
カミキリムシは桑だけでなくイチジクの木もよく枯らす。


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牧場の朝。

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神楽

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9月2日の今日は「神楽(かぐら)」が来る日。もう50年ほど前から当集落では9月2日と決まっている。正式名は国重要無形民俗文化財「伊勢大神楽」。

当日の午前中は各家をまわって「小廻し」をしてくれるので、少しお供えをする。

当日(最近は土曜、日曜)の午後3時半頃からは集落の公会堂の庭で「大廻し」があり、子供の頃は楽しみにしていた。当時はキャンディーやぽっぱん菓子や綿菓子を売る出店も来ていた。

 

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蚕が相当に大きくなった。送られてきた箱では小さいので、繭作りの区画の厚紙を入れる箱はもう少し大きい箱にした。9月5日頃に右の箱に移すと、繭作りに入ると思う。

区画の厚紙は、縦型、横型、丸型の3種類を用意した。 
    

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糞の量も桁違いに多くなった。半紙を敷いて、その上で飼っている。


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深い潜在意識に導かれて・・・

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「ニワトリにやって」と未熟ナンキンをたくさんもらった。ニワトリの飼料は購入飼料(ほとんど輸入飼料)に依存しがちだから、ナンキンのようなものを頂くと大いに助かる。

ニワトリに与えている飼料は購入飼料半分と米糠半分なので、これにナンキンが加わると購入飼料をだいぶ減らせる。

購入飼料(輸入飼料)も与えるが、青菜(雑草・野菜くず)もたくさん与えて、購入飼料を「解毒」「中和」「相殺」させるというのが、自分の基本的な考え方である。

たった30羽ほどでも、ニワトリの餌の自給は不可能である。

ただ、卵はそんなに産んでもらわなくていいので、購入飼料は極力控えるようにしている。与えなかったら栄養失調になると思う。


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逆にヤギの食べるものは雑草と雑木だけなので、餌は100%自給である。だから卵よりヤギ乳の方がかなり安全だが、ヤギ乳を飲むにはお産が必要であるし、前もって生まれる子ヤギの引き取り手を探す必要もある。


ヤギやニワトリという家畜と違って、ミツバチや蚕という家畜は小型である。ミツバチの巣箱作りや蚕の棚作りなどは極めて不得意であるが、それさえ他人に依存すれば、その後のステージは自分に向いていると思う。

1日1~2回のミツバチの見回りはとても楽しいし、蚕はわくわくする。だから農業仲間に勧めている。


ミツバチは今後5年内に30群にはなると思う。近くに「美しい森」という多種の樹木が植えられている公園があるし、近くの山は里山(50年ほど前まで集落の人がよく出入りしていた山)の雑木林であり、広葉樹が多いので、30群ぐらいは養える密源があると思う。

もちろん、30群(頭の中では38群)の巣箱置き場はすでに決めている。自分に向いていると思えることは案外とイメージ(シミュレーション)ができる。

ただ、巣箱作りは木工作家に依存し、巣箱置き場を整える農閑期の山仕事はUさんに依存する予定だし、イノシシやシカやその他の害獣が巣箱を狙わないという3つの前提が1つでも崩れると、うまくいかないかもしれない。


蚕は桑の木の量によって飼える頭数が決まる。蚕も畜産であるが、輸入飼料に依存するというわけにはいかないし、誰かから桑の葉を購入するということも採算に合わない。つまり蚕は自給飼料100%の畜産である。

蚕を飼ってどうするのかと問われたら答えれない。目的はなくただ飼いたいだけだから。

小学校の社会の時間にちょっと習っただけであり、実物を目にするのは初めてで、飼い始めてまだ3週間が経過しただけであり、この後、蚕がどういうふうに変化していくのかもよくわからないが、ミツバチ同様、今後のライフワークになると思う。

桑の木は「日本の記念樹?」だから、1本植えておこうと思ったのは4年ほど前のことであり、何の意味もなく去年、今年と挿し木で増やしてきた。そして農業新聞で塩野屋の「蚕飼育キット」を目にしたのが8月。

目にした時、あっと思った。そして当日に電話注文をした。この日のために、深い潜在意識に導かれて桑の木を植えてきたように思えた。



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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