12年前から、農閑期にはかなりの時間を炭焼きに費やしてきたが、結局身につかず、3年ほどで投げ出してしまった。
もう炭焼きをすることはないだろうと思っていたが、山仕事をしてから、炭焼きの必要性を痛感させられた。
この農閑期には、不要な木を3時間ほど焼き続けた日が合計で10日ほどあった。
今後も山仕事を続けていくなら、処理に多少時間がかかっても、野焼きではなく炭焼きにした方がいいと思った。
そして、炭をコンスタントに焼き続けている和気町のNさんにまた炭焼きを教えてもらおうと思い、午後から訪ねた。
炭を焼くには炭窯の他に、炭窯に雨があたらないように、雨避けの天井があった方がよい。
雨避けの天井を作るのは炭窯をセットするより難しい。2通りの方法があり、
(1)小さなハウスを立て、天井はシートで雨避けをする。
(2)トタン板や竹を使って簡易な雨避けを作る。
露天では安定した炭は焼けない。
炭窯は従来のドラムカン方式ではなく、岡山県の農林試験場が開発した長方形のステンレスの炭窯を使う。3万円ほどするが半永久的に使え、Nさんは今はこの炭窯を使っている。
この炭窯だと着火が5~15分ほどですみ、後は放任しておけると言う。
だから、かかる時間は原材料を長方形の窯のサイズの長さに切ることだけ。
この窯なら従来のドラムカン窯より早く簡単に焼ける。
いい炭を焼こうとするのではなく、七輪や田んぼに使う雑炭でよい。
実際、炭を売るのは難しいし、売っているようなりっぱな炭を焼くのも難しい。
そして現在の自分の場合、炭焼きにさしたる目的があるわけでなく、野焼きにするよりいい、それでも野焼きより時間がかかりすぎるのは好ましくないと考える。
腐ったりしないので、家の納屋に積み重ねておいてもよい。
Nさんの場合、1窯焼けば、七輪で使う1週間分だと言われる。だからしばしば炭を焼いている。
今は利用価値が少なくても10年後利用価値が出てくるかもしれない。それまで保存も可能。
山仕事や竹林の間引きをするなら、木炭や竹炭に利用しない限り、クドや風呂焚きのない現在では利用が限られてしまう。
ヤギや蜂が多少とも収入になるだろうとは思っていないし、炭焼きも収入になるだろうとは思っていない。しかしこれらは、リサイクルや環境保全、楽しみや癒しにもなる。
経済が第一と思うが、経済だけでは捉えきれない面が農業には多い。
2030年 農業の旅→
以下の記事は「晴天とら日和」さんの4月24日の記事をコピーさせて頂きました。
農水省所管の公益法人が26団体も入居する「天下り専門ビル」
その中で、「天下り専門ビル」のことも書いた。
今頃、マスゴミが騒ぎ出すのっておかしくはないか!
知ってて知らぬ振りをしている時期があったくせに!!!
一つのビルに天下り団体が26もある、って、。。。。。
正気の沙汰ではありません。
キ○ガイ沙汰としかいいようがありません!
▼天下り官僚の年報酬額は平均1,278万円
▼「天下り専門ビル」自体が「天下り法人」で運営
▼三会堂ビルに入居する農水省所管26法人のリスト
■JanJan 成瀬裕史2009/09/14
農水官僚御用達ビルに天下りなんと26団体
あの「汚染米」辞任の農水次官も駆け込み天下り
▼三会堂ビルに入居する農水省所管26法人のリスト
1、(財)農林水産奨励会
常勤役員1
(常務理事 元農林水産研修所長)
2、(社)農林放送事業団
常勤役員1
(専務理事 元九州農政局長、報酬年額11,400千円、
退職金 勤続1年につき年報酬の1/12×1.7)
3、(社)全国中央市場水産卸協会
常勤役員2
(専務理事 元東京営林局長、
常務理事 元農林水産省砂糖類調整官)
4、(財)食品産業センター
常勤役員2
(理事長 元総合食料局長、理事 元大臣官房付、
報酬年額 理事長12,780千円、
専務理事10,836千円、期末手当4.15月、退職金
勤続1年につき年報酬の28/100)
5、(社)大日本農会
会長 元農林水産技術会議事務局長
6、(社)全国農業改良普及支援協会
常勤役員2
(会長 元大臣官房技術総括審議官、
理事 元農林水産技術会議事務局整備課長、
報酬年額 会長12,000千円、常務理事11,000千円、
退職金 勤続1年につき年報酬の1/10)
7、(財)日本特産農産物協会
常勤役員2
(理事長 元大臣官房技術総括審議官、
専務理事 元関東農政局生産流通部長、
報酬年額960千円、期末手当5月、
退職 勤続1年につき年報酬の1/10)
8、(財)日本豆類基金協会
常勤役員2(常務理事 元東北農政局次長)
9、(財)中央果実生産出荷安定基金協会
常勤役員4
(副理事長 元大臣官房技術総括審議官、
専務理事 元四国森林管理局長、
報酬年額 副理事長10,931千円、専務理事10,308千円、
期末手当5.1月、退職金 勤続1年につき年報酬の0.125)
10、(財)全国落花生協会
11、(社)全国開拓振興協会
12、(社)農林水産先端技術産業振興センター
常勤役員5
(理事長 元農林水産技術会議事務局長、
理事 元(独)農業・生物系特定産業技術研究機構理事、
報酬年額20,000千円、退職金 勤続1年につき年報酬の0.2)
13、(社)大日本山林会
常務理事 行政官庁OB
14、(社)日本林業協会
常勤役員1(専務理事 元北海道営林局長)
15、(社)日本林業経営者協会
専務理事 行政官庁OB
16、(社)全国林業改良普及協会
常勤役員2
(専務理事 元林野庁国有林野部管理課監査官、
報酬年額15,000千円、退職金 勤続1年につき年報酬の0.15)
17、(財)日本緑化センター
常勤役員2
(常務理事 元国土交通省大臣官房付、
常務理事 元中部森林管理局長)
18、(社)大日本水産会
常勤役員4
(会長 元林野庁長官、専務理事 元水産庁漁業保険課長、
報酬年額 会長18,600千円、専務理事16,600千円、
退職金 勤続1年につき年俸の0.196)
19、(社)全国さんま漁業協会
20、(社)日本定置漁業協会
21、(社)全国遠洋沖合いかつり漁業協会
22、(社)責任あるまぐろ漁業推進機構
23、(財)海外漁業協力財団
常勤役員4
(理事長 元水産庁長官、
専務理事 元関東財務局長、
常務理事 元水産庁資源管理部審議官、
報酬年額 理事長12,970千円、専務理事10,725千円、
常務理事10,174千円、
退職金 勤続1年につき報酬年額の0.28)
24、(財)海苔増殖振興会
25、(社)本州鮭鱒増殖振興会
常勤役員1
(専務理事 元水産庁漁場保全課長、
報酬年額 7,500千円、
退職金 勤続1年につき報酬年額の1/12)
26、(社)全国漁港漁場協会
常勤役員3
(会長 元水産庁漁港漁場整備部長、
専務理事 元水産庁増殖推進部付、
常務理事 元水産庁漁業保険課保険業務室長)
2030年 農業の旅→

ミツバチは「家畜」だから1日に1回は見回る。と言っているのは今だけで、その内徐々に間隔があいていくだろう。逆に今は1日3~4回見回っている。
今日もゲットと思ったが、世の中そんなに甘くない。
4月2日の農業新聞に「竹林整備のモデル地」のことが載っていた。それによると竹林は、
(1)竹炭製造
(2)害獣防止柵→130センチ程に切って整然と並べる
(3)竹の椅子
(4)竹で休憩ハウス
(5)竹林に原木シイタケを並べる
農業新聞には載っていなかったが、
(1)タケノコ(孟宗竹、ハチク)はニワトリの大好物
(2)竹は粉砕すれば飼料や肥料になる
4月2日の記事は、これから竹林整備を進めていく上で大いに参考になった。竹林整備でも山仕事でも1つや2つだけの目的では続かなくなるし、大儀になってしまう。
道沿いの竹林(ハチク)は我が家の所有ではないが、「いくらでも切って、竹林地も自由に使って」と所有者が言ってくれた。数百年前には、この竹林の中に寺があったそうで土地は水平であり、そのために作られた高い石垣がある。
自分の場合の竹林整備の目的は、
(1)シイタケの原木を置くための竹の間引き
(2)竹が道に進出したために見えなくなった「高さ3メートルほどの立派な石垣」をいつも見える状態にしたい
(3)竹を130センチ程に切って並べ、蜂の巣箱置き場の周囲を固める(蜂が飛び出す前方だけはメッシュを使う)。こうすることによってタケノコ(孟宗竹)もイノシシ害を免れるし、巣箱もイノシシ害を免れる。全部を囲うのは大変なので、将来の巣箱予定地の3箇所ほどをコンパクトに囲いたい。
大量に伐採したり間引いたりした竹を全部焼却してしまうのでは、焼却だけで相当の時間がかかってしまうし、竹はそのまま焼くとパンパンと音がするので節を木槌でたたいて割ってから焼却するので直の事時間がかかる。
竹炭にするのが理想であるが、それができなくても並べて害獣防止柵に使えれば、竹林整備も大いに意義がある。ヤギ放牧場も竹を並べて作っている人がいる。
竹林整備も山仕事も、目的が多ければ多いほどやりがいが出る。Uさんは「林業科」を出られていて、こういう作業が得意で「レジャー」と言ってくださるので、本当に助かる。
もちろん急いではしない。援農してもらえるのは10日に1回ほど半日なので、そのリズムで進める。
ポリをトンネル状にしてかぶせているだけだが、ナンキンとスイートバジルはきれいに生え揃った。イタリアンパセリは今年も失敗。イタリアンパセリは10日目に発芽するので、12日目に発芽していなかったら失敗である。今後は直播きで蒔いて混み合った所は移植する。
春の使者タンポポ。タンポポの花は昼間しか開かず、夕方4時ごろには閉じる。
タンポポの花が盛りを過ぎたら、ここにヤギをつなぐ。
リラックスしている姿を見ると楽しくなる。
内閣府の行政刷新会議が設けた規制・制度改革分科会の農業ワーキンググループ(WG)で、今後重点的に検討するテーマの大枠が決まった。(1)JA (2)農業生産法人要件の緩和 (3)農業委員会 の3分野。
(JA)
※JAからの信用・共済事業の分離
※JAなどに対する独占禁止法の適用除外の見直し
※JAに対する金融庁検査・公認会計士監査の実施
※JAの1人1票制を見直し、出資額に応じた議決権とする
※JA准組合員の廃止
※土地持ち非農家のJA組合員資格保有の廃止
※JAによる株式会社などの子会社設立や株式会社などへの出資制限
※新規農協設立の弾力化
※JA,土地改良組合、農業共済組合役員の国会議員など兼職禁止
(農業生産法人)
※農業生産法人の要件のさらなる緩和
(農業委員会)
※農業委員会の廃止(許可制限を国・地方自治体へ移譲)
※転用権限についての国への権限委譲
※農業委員会の委員構成見直し
※農地の賃借許可の迅速化
(農業新聞4月17日)
独立行政法人の事業仕分け対象候補
文部科学省(16)→投入国費1676億円→国費率49%
厚生労働省(8)→投入国費798億円→国費率1%
農林水産省(7)→投入国費1811億円→国費率53%
経済産業省(6)→投入国費1924億円→国費率12%
国土交通省(9)→投入国費1兆2588億円→国費率18%
(その他は金額が小さいので割愛した)
今回の仕分けで、独立行政法人と政府系公益法人を対象としたのは、多くが官僚の天下りの受け皿となっているからだ。08年10月時点で独立行政法人の役員ポスト640のうち、退職公務員は189人に上る。(朝日新聞4月17日)
ミツバチは家畜
ミツバチは1頭2頭と数えられる他の家畜と異なり、「1群」とは女王バチ1匹と働きバチを入れた単位であり、働きバチの規模はまちまちだ。今回の不足によって、いかにミツバチが有益な家畜であり、農業全体に大きな役割を果たしているかを認識する契機となったのは間違いない。(農業新聞4月17日)
ニホンオオカミ
ニホンオオカミは1905年、奈良県で捕獲されたのを最後に姿を消した。その後も目撃情報はあるが公式確認はなく、絶滅したとされている。食物連鎖のトップにいたオオカミはシカやイノシシを餌とし、農業にとっては益獣だった。
絶滅の原因は狂犬病の流行と、病気のために凶暴になって家畜や人を襲ったためともいわれる。(農業新聞)
除草剤
国内で除草剤が使われ始めたのは戦後の50年代から。普及によって手作業中心だった除草のあり方は大きく変わった。農家が水田10アールの除草に費やす時間は、かつて手で取っていた時代の50時間から今では2時間を切った。
一方、「沈黙の春」などの書物が警鐘を鳴らしたように、農薬の使用は環境に負荷を与えてきた。除草剤でも、たとえば60年代に国内の水田で使われたPCPは、魚毒性が強かったことが知られている。(朝日新聞)
小学校の頃、梅雨の時期になると大量の川魚が水面を覆いつくしていたのはPCPという除草剤が原因だったのか?
軽四を止め、電柵のゲートを開けていると、もう気づいたのか2頭のヤギがこっちを見ている。
物置の前のいつもの場所に車をとめ、ヤギしか知らないパフォーマンスをして朝の挨拶をする。
物置のすぐ前の第2ゲート(池に上がる道)を開け、続けて第3ゲート(鳥小屋の前)を開け、放牧場の出入口の閂をはずす。
小雨が降っていたが、1頭ずつ放牧場に連れて行く。
3アールの放牧場の草はすでに食べつくしているが、前日、ドングリの枝を投げ込んでいる。
ヤギの後、ニワトリにエサを与え、水を入れ替える。
エサは購入飼料半分、米ヌカ半分、コゴメはすでに在庫が終わっている。
あぜ草を鎌で刈ったり、手でむしりとったりして、新しい方のニワトリにはフゴいっぱいの草を、古い方のニワトリにはその4分の1ほどを与える。
田んぼはまだ乾かず、小雨も降っていたので農作業はせず、傘をさして、また田んぼと山のぐるぐるまわりをした。
歩きながら、過ぎ去りし20年と、これから先の20年を考え、死後の田んぼを想像してみる。
過ぎ去りし20年は、害獣の被害をたいして被ることもなく、無我夢中で農業をしてきた20年だった。
1年1年はかなりの変動があったかも知れないが、20年を通してみるとあまり変化がない。
田んぼの面積も変わっていない。
山仕事と言えば1年に1回の葉タバコ跡地の草刈だけ。
ハウスも立てていない。
9年めに井戸ができたのが大きな変化といえば変化。
最初の2年ほどは軽四で引き売りをしたが、その後はワンパック野菜の宅配だけを続けてきた。
田んぼの風景も20年前とほとんど変わっていない。
少し変わったのは、野菜の不適地8アールほどに種々の果樹を植えたことくらい。
去年から大きく変わったのが、以下の3つ。
ヤギを導入したこと
害獣が激しく進出してきたこと
電柵で田んぼの大半を囲んだこと
今後の20年間は、
田んぼの風景は現状とほとんど変わらないだろう
害獣は増え続け、電柵なしではもう作れない
害獣に追い詰められてしまうかも知れない
Uさんが援農してくれる限り、冬期間は山仕事をする。
太い薪・・・Uさんが薪暖房に使う
クヌギ・・・シイタケの原木にする
雑木・・・ヤギの飼料にする
その他雑木・・・焼却
竹林・・・間引いて焼却、その後はシイタケ置き場
これから何年かかけて、葉タバコ跡地の周辺を50年ほど前の状態に近付けたい。
田んぼと地続きのこの山が好きである
田んぼから山へ上がる坂道を上り下りするのは平地を歩くより足腰のためによい。
池は何回も工事があって昔の面影は全くなく
工事の度に、農道も2トン車が通れるように広くなり
その度に田んぼが一部買い取られて、徐々に小さくなり
田んぼわきの水路はいつのまにか三面コンクリートになり
梅雨時期には水路を上ってきたウナギもとっくにいなくなり
川魚は全くみかけなくなったが
山だけは手が加わっていない。
だから葉タバコ跡地の斜面を歩くと50年前にすぐにタイムスリップできる。
父母の代の時、すでに百姓では食えなくなり、勤めに出るようになり
自分はその勤めに落ちこぼれて百姓になった。
普通なら60才になって百姓を始めただろうが、落ちこぼれたせいで随分早くスタートすることになった。
いずれにしろ百姓をするなら、早く始めてよかった。
60才になった時に23年の経験があることは貴重である。
65才になって年金がもらえるようになったら、出荷農業は止めるだろう。
最後の10年くらいは、楽しく自給野菜だけを作り、しばしば近場の山村をドライブしながら、この国の農業を考えたい。
農業は農業である。
個人農業で、小規模に、大きな投資をせず、旬に逆らわず・・・死後の農業も、こういう農業しか想像できない。
2030年 農業の旅→
同業者が皆、自分より能力が高く見える・・・
だから、得意なものを一つでも見つけてそれを続けるしかない。
同じ瀬戸内市の〇〇さんの農業歴は15年ほどで、まだ50才は来ていないはず。それでも農業の技術的側面、収入面ではすでに雲泥の差がついてしまった。
なぜ〇〇さんは技術力が飛躍的に上がり、自分はほとんど進歩しなかったのか。
学ぶ吸収力の差は、いかんともしがたいものがある。
落ち込んでも仕方がない。
自分のできることを続けるしかない。
その〇〇さんにいろいろ教えてもらった。
直売所では、今の時期の「ナバナ」や、6月下旬からの「インゲン」はいくらでも売れるので、この2種類をたくさん作るように。
窒素肥料に関しては、硫安より尿素の方がいい。
ナンキンの「ウドンコ病」には「ピカコー」という資材が効果的。
タマネギとジャガイモの疫病には「リドミル」という農薬が効果的らしい。この農薬は他に数人から聞いたことがあるので、効果があるのだろう。病気が防げるならタマネギもジャガイモも、従来の3倍以上の収量になる。
エダマメ、ダイズは収穫が手間で害虫も多いので作っていない。
アイスプラント(塩味のサラダ野菜)は研究中であるが、作るのは難しいようだ。
青シソはあまり売れないと言われた。
ハーブティ用ハーブは、サンプルを直売所に持ち込み、そこの店長さんや係りの人に見てもらい、1単位の量や、売れると思える数、単価設定の参考意見を聞いた方がよいと言われた。
エンサイ、ツルムラサキ、オクラの3種類に関しては、5月20日頃に「マルチをして直播き」した方が定植するより手間がかからないし、発芽がいいし、収穫期は5月3日蒔きのものと比べて7~10日ほど遅くなるだけなので、急がない方がいい。
出荷農家ならたいてい「畝上げ機」を持っている。これは常識。新品で買えば30万ほどするし、中古はあまり出回っていない。水田さんの場合は、今から買うのでは採算が合わないし、作付量も多くないので現在持っている機械(管理機につけるミニ畝上げ機)を使った方がよい。
豆科の緑肥の「ヘアリーベッチ」に関しては、10月は田んぼが全て野菜でうまってしまうので、時期的に蒔けないと言われた。
ナンキンとトウガンの株間は150センチ取り、本葉4~5で摘心している。
他に、ナスビ、ピーマンの品種を聞いた。
電話で教えてもらっていたが、声質が聞き取りづらい。去年の人間ドックの聴覚検査で特定の音質の聞こえがよくないと指摘された。他の人の声では聞き取り辛いと感じたことはないのに。
出荷の帰りに田んぼに寄り道してくれて、今日また教えてくれた。「ヤギが復活させてくれた縁」である。
老後難民
サラリーマンの4割が老後に向けた自己資金をまったく用意しておらず「老後難民」になりかねない。そんな実態が、フィデリティ投信が13日まとめたアンケートで明らかになった。公的年金だけでは「生活が苦しい」と考えている人が8割超に上っており、同社は日本人の「退職準備不足」に警告を鳴らしている。(朝日新聞4月14日)
一度生活のレベルが上がったら、なかなか落とせないのではなかろうか。
自分の場合は、上げようにも上げれなかった。
こんな場合でも、「団塊の世代の人は強い」と思う。なぜなら彼らの幼年時代は極めて貧しい時代だったので、貧しさを全身で記憶していると思うから。
日々の生活の中に趣味(楽しみ)を持ち、
都会のように周囲にカネを使う環境がなく、
生活のランニングコストを小さくする術を身につけ、
外の世界ではなく自分の内なる世界を見続けるなら、
少ない年金でも、病気をしない限りやっていけそうな気がする。
ミクシィが紹介制から自由参加に
ミクシィの、会員の紹介がないと入れない「完全招待制」があまり好きでなく、入る気が起きなかった。
2030年 農業の旅→
Uさんが援農にきてくれて、放牧場の中に鳥取県方式のヤギ小屋(1メートル四角)を1つ作った。次回にもう1つ作って完了。これでヤギ関連の大工仕事は全て終わる。
ヤギ小屋ができてから、山へ山菜を取りに行った。ワラビ、イタドリ、タケノコ。昨日の雨量は多く「雨後のタケノコ」で、イノシシに負けずに2本収穫できた。
榊原英資・・・「農業は成長産業」、競争で革新起こせ
名だたる経済人の多くは、農業を資本主義的見地からしか捉えることができないようである。農業をすることもせず、頭だけで考えるからこういう発想しか起こらない。
グローバリズム・・・大国の資本主義
ナショナリズム・・・大国のグローバリズムな展開に、劣位の国が対抗手段としてナショナリズムを作る例が多い
ローカリズム・・・グローバリズムとナショナリズムの共通の敵
資本主義の発達でローカリズム(自給自足主義)を破壊し、地域共同体を崩壊させてこそ、人々に国家という想像の共同体に愛着を持たせることができる。また貨幣経済を浸透させたいグローバル企業(低開発国への輸出攻勢)にとっても、自給自足のローカル共同体は最大の敵である。
つまり、資本主義による均質化が国内でなされるとナショナリズム(1940年代~)と呼び、国際的になされるとグローバリズム(2000年代~)と呼ぶ。(慶応大教授、小熊英二)
農業は本来、資本主義を立ち入らせない産業である。
農業は資本主義に利用されてはいけない。
拡大すればするほど資本主義の思うつぼ。
拡大すればするほど農業本来の楽しみや癒しが遠のいていく。
農業は多くを売ってはいけない。売れば商工業と差が出てしまう。
自給量くらいにとどめ、売るなら、少しだけ売ってあげる。
9日死去した井上ひさしさんの代表作「吉里吉里人」は、人口4187人の東北の農村が食糧自給率100%を武器に日本から分離独立するという物語で、主食の米はもちろん、野菜、果物、肉、乳製品、魚を自給、日本国から食糧を止められても生きていける。
井上さんは作品の着想について「農業と憲法を大事にするムラがあったら」と考えたからと話している。(農業新聞4月13日)
ナショナリズムは資本主義の発展を利用して、国内の地域共同体(集落)の自給自足主義を徹底的に壊すことによって国家を高揚し、グローバリズムは輸出攻勢によって、低開発国の自給自足経済を徹底的に壊すことによって、買わざるをえない資本主義に巻き込んでいく。
つまり、農業(自給自足主義)を壊すことが資本主義の大儀(目的)であり、それによって利益を得るのは政治や経済の支配階層に属するほんの一握りの人間である。
小さく自給自足しながら、あくせく働かず、少しだけ売って必要最低限の外貨収入を稼ぎ、残った時間は田畑や山で自然の営みに身をまかせ、ぼんやりと過ごす。
戦う方法はこんな方法ではないだろうか。
2030年 農業の旅→

ヤギの食べ物は「木の葉」と「草」なので、エサ代がほとんどかからない。これはヤギの優れた特性である。そして、食べた物を乳に変える能力もある。
その昔「貧農の家畜」と呼ばれた所以がここにある。
ヤギはあまり水を飲まない。
ニワトリはヤギに比べるとよく飲む。
野菜の収穫後は、春夏作でも秋冬作でもジョロで打ち水をする。
これらの水は16リットル入りの容器に入れて家から持参する。
これは上水道の水ではなく、山の湧き水を利用した簡易水道の水である。
我が家には上水道の水と、簡易水道の水の両方ある。
これは大いに助かっている。
簡易水道の水は雨が降ると多少濁るが、雨が少ない時でも水が切れることがない。
簡易水道があると野菜を洗ったりする時に便利だし、ペットボトルに入れて田んぼに持参し飲み水にも利用している。上水道なら生水を飲む気はあまりしないが、山の水(簡易水道)なら平気で飲める。
この山の水は集落内の10数軒が恩恵を受けている。昔はこの他にも簡易水道があったが、山が開拓されたりして現在は使えなくなっている。
野菜作りには「水」がいる。雨水だけでは足らない。
井戸があるが、賄える水の量は30アールほどである。
特に盛夏には水が必要であり、水の要求量の多いサトイモなどは多く作れない。
日本は世界最大の水輸入国であるらしい。主要穀物5種(大麦、小麦、大豆、トウモロコシ、コメ)、畜産物3種(牛肉、豚肉、鶏肉)の輸入で、日本の仮想水は年間627億トンに上る。国内農業用水使用量は約570億トンなので、それを上回る規模になる。
仮想水627億トンの輸入国の内訳は、
米国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・387億トン
オーストラリア・・・・・・・・・・・・89億トン
カナダ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49億トン
ブラジル・アルゼンチン・・・・25億トン
中国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20億トン
デンマーク・・・・・・・・・・・・・・ 12億トン
タイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10億トン
南アフリカ・・・・・・・・・・・・・・・・・3億トン
その他・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・33億トン
水ビジネスの4分野
(1)浄水・造水
(2)配水・給水
(3)検針・料金徴収
(4)下水処理
日本の場合、水道事業は市町村の直営が原則だった時代が長く、02年の法改正で包括的な民間委託が認めらた。
高度成長期に造った配水管や浄化設備の更新、耐震化の工事などで出費がかさむが、多くの地方自治体で人口は減るうえ、節水意識も手伝って水道料金収入は頭打ち、ただでさえ財政事情は厳しく、対応は年々難しくなる。
日本の水政策は「オーケストラにたとえれば指揮者のいない状態」。
雨が降れば気象庁
その水が山に入れば林野庁
農地に流れれば農水省
下水道は国交省
上水道は厚生労働省
水質保全は環境省
水にかかわる法律も50を越える。
(以上、朝日新聞2009年5月25日GLOBEより)
2030年 農業の旅→
害獣がこんなに増えたら、これから農業を始めようとする人は大変だと思う。
20年の経験があったから、イノシシやシカに対して何とか戦えているが、これからスタートとなると、自分の能力を考えたら尻込みしてしまう。
野菜を作るという初歩的な一歩の前に「害獣防御力」という、電柵を張ったり、メッシュやトタン板を張り巡らす「能力」と「手間」と「資金」が必要になる
そしてこの能力は「野菜を作る能力」や「農業の適性」とはまた違った能力だと思う。
すでに家の近くの家庭菜園でさえ「害獣防御」が必要になりつつある。
それでも家庭菜園なら「仕方がない」ですますこともできるが、職業なら「仕方がない」ではすまず、進退を迫られることになる。
害獣は毎年加速度的に増え続けている。次の世代はどうやって農業をしていくのだろうか。
葉タバコ跡地は10アールほどあるが、1年に1回、単に草を刈るだけで、何も植えなかった。
植えたい果樹がなかったから
植えても多くの果樹はカラスの餌食になりそうだったから
果樹は何回も農薬が必要と思ったから
この場所に適する果樹が何も思い浮かばなかったから
果樹は棚が必要だったり、剪定が難しそうだったから
農業は実力主義の世界
就農準備期間中にイメージできた農業しかできなかった
同業者から学ぶ力も足らなかった
真似る力も全然なかった
器用さを要求されることも多かったが全くできなかった
ベストを尽くしたつもりだがこれが現実
他人の農業と比較してもどうすることもできない
いろんな好条件のおかげで農業が続けてこれた
今の田んぼの姿が、結果的に自分の農業である
何の特色がなくても
技術的に見るべきものがなくても
あまり稼げてなくても
とにかく自分の農業を次の誰かに伝えなければと思う
自分ができる精一杯のことは田んぼに表現してきた
アレンジするのは次の誰かである
伝えよう、この風景を
取るに足らないと思えても誰かに引き継がなければ
引き継ぎは第三者でも一向に構わない
取るに足らなくても、伝えるには3年ほどかかる
3年とは、農業では3回のこと
心と体が外気に慣れるにも3年ほどかかる
引き継きができた時、農業が完結する
2030年 農業の旅→
サツマイモを「冷床」に伏せた。水はいらないので、芋が隠れる程度に土をかぶせたら、クン炭をたっぷりふり、芽が出るまで密閉状態にしておく。
20日ほど経過した5月連休には芽が出るので、芽が出たらポリを少し開閉する。密閉状態を続けたら高温で焼けてしまう。
5月末もしくは6月頭には、第1回目の苗が切り取れる。
(1)画像の発砲スチロールに入れて籾殻をかぶせ、台所の冷蔵庫の上に保存したら、腐らずに冬を越した。
(2)ムラサキ芋8個、スイオウ8個、高系14号12個を伏せた。去年は450本、今年は300本ほど挿し木予定。
(3)スイオウは茎葉も食べれる品種であるが、芋はあまりおいしくない。
家の門まわりに除草剤をまいた。田んぼには一度も使ったことはないが、今年から「電柵の下」だけは使おうと思う。
インターネットで初めて種を注文した。ツルナシインゲン(初みどり2号)1ℓ(3885円)を追加注文。収穫期の6月中下旬はさほど忙しくなく、他の作物ほど苦手意識がないのでたくさん蒔いて見ようと思う。種が残れば秋冬作に使える。
35アールは、自分ががんばれる限度面積。10アールあたり30万ほどにはしたい。備前市のイチジク農家の人が10アールあたり60~70万と話されていたが、自分はその半分が目標であるが、このハードルも高い。
農業はあんまり頑張ると損をしてしまう。他産業に比べて労働収益率がかなり劣るので、頑張れば頑張るほど結果的に損をしてしまう。だから、
旬に徹底して忠実に(旬に逆らうと労多くして益少なし)
農閑期を必ず取るようにして
大きな投資はせずに
自分にとっての限度面積をよく心得て
その範囲内で頑張る
残った時間は農業本体以外のことに使う
しかし、農業本体だけに頑張らざるをえないのが現実
農業本体以外のことで多少でも稼げればいいのだが
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「レンギョウ」という黄色の花を食べてしまった。「ユキヤナギ」も食べているが、レンギョウの方をもっと好む。来年は放牧場以外の場所で「レンギョウ」を育てるしかない。
サトイモ140個、ヤーコン50個、キクイモ180個の種芋を伏せた。キクイモはジャガイモの種芋を伏せた時に240個ほどすでに伏せているので、今回と合わせて420個ほど伏せた。
キクイモは売れるかどうかわからないが、売れなくても後にニワトリが控えているので大丈夫。ニワトリはキクイモが大好き。背を高くしないように何度も摘心する茎葉はヤギの好物。
「ヘアリーベッチ」という豆科の緑肥が農業新聞に時々紹介されている。水稲の裏作として同じ豆科の「レンゲ」はよく知られているが、ヘアリーベッチはあまり見かけない。
ナンキンの敷き草にもヘアリーベッチが紹介されていた。種蒔きはレンゲと同じ10月下旬。
ヘアリーベッチには植物成長阻害物質が含まれ、すき込むと雑草を抑制する効果があるとされる。水稲では10アール当たり計、約1万3千円の肥料と除草剤代がかかるが、ヘアリーベッチは種子代(6キロで5千円)だけでよいため、約8千円のコスト削減になると期待する。(農業新聞4月7日)
ヘアリーベッチは簡単に「種取り」もできるようである。
麦は11月下旬、ヘアリーベッチは10月下旬と種蒔きの時期が近いので「混作」も考えれる。
中国、米国、炭鉱事故
中国炭鉱事故・・・坑内に閉じ込められていた作業員114人が、事故発生から8日ぶりに救出された。事故は3月28日に発生し、坑内にいた153人が閉じ込められたとされる。4月2日になって地下からパイプをたたく音が聞こえたため、通気口を掘り、生理食塩水などを送っていた。(朝日新聞4月6日)
米国炭鉱事故・・・米東部のウエストバージニア州の炭鉱で爆発事故があり、少なくとも作業員25人が死亡した。行方不明者や負傷者も多数おり、犠牲者は増える可能性がある。(朝日新聞4月7日)
日本でも、ボクが小学校、中学校の頃には九州や北海道でしばしば炭鉱事故があり、泣き叫ぶ家族がテレビ画面にアップされていたのを何度も見た記憶がある。
岡山県で有名な鉱山といえば、地元の吉井川水系にある「柵原鉱山」。硫化鉱石が多く、肥料の「硫安」の原料になった。片上鉄道で備前港まで運ばれ、そこから瀬戸内海の犬島などの「精錬所」に送られたらしい。
片上鉄道は25年ほど前に廃止になり、その線路跡地は今は「片鉄ロマン街道」と名付けられて遊歩道に整備され、犬島は島全体が巨大アートの島に変身しつつある。
柵原鉱山は数年前に何回か見学に行ったが、往時の面影をとどめるものはすでに何もなかった。
当時、働き場所を求めて多くの人が鉱山に集まってきた。百姓をするよりかなりいいカネになったのだろう。ただ坑内は、蟹工船の「船の中」と同じである。ピンはね、危険と隣り合わせ、労働者の団結。
鉱山の場合、リタイア後の肺病はつきものだったのではなかろうか。
死と隣り合わせでも、肺病の危険性はあっても、それでも鉱山に留まらざるを得ないという現実は、正社員になりたくても、新卒でなければ正社員になるチャンスは少ない現在の社会システムと同じである。
資本主義は以前よりもあからさまな格差を拡大しつつある。資本主義は「能力主義」などではなく、「自由主義」という隠れ蓑におおわれているものの、「シュウカツ」などでフルイにかけられると、そこからはもうほとんど這い上がれない。
そんな社会に挑むには、小さな声を発信し続けるしかない。
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友人の木工作家は、いろんなパターンの巣箱(待ち受け箱を含む)を8個設置していた。
ミツバチを呼ぶキンリョウヘンというランの花が咲き始める4月20日~5月5日頃までの2週間が日本ミツバチをゲットする最適期間らしい。
木工作家が手がけた巣箱は、何人か注文があり、合計20箱ほどが方々に設置されている。確立が1割としても2箱はゲットできるのではなかろうか。
ボクは設置場所を少し移動させた。1つは桜の木の根元に、1つは落葉樹のクヌギの根元に、1つは常緑樹のドングリの木の根元に。
それぞれ、前方は10アールほどの原っぱ(山の中の葉タバコ跡地)なので、ミツバチからは目立つはず。

画像は共同購入した木工作家の「岡崎おーはん」。オスはいないが、尻つつきもなく、背中の羽も全く抜けてなくてふさふさしていた。これはやはり品種によるものではなく、自分の飼い方に原因がある。ストレスの原因として、
(1)ニワトリの密度が高過ぎる
(2)基本的にエサが少ない→これが原因か?
(3)青菜が常時残っている状態が望ましい
(4)腐葉土をもっとしばしば入れる
帰りに、こんなエサ箱も頂いた。
夕方、同じ瀬戸内市内でヤギを飼っている人が、ヤギ乳を持ってきてくれた。子供の頃に1~2回飲んだことがあるだけで、もう久しく飲んでいない。
ヤギ乳はちょっと癖があるとか草っぽいと聞いていたが、そんなことはなくマイルドな風味だった。牛乳はほとんど飲まないので、ヤギ乳はとても新鮮だった。
ヤギ飼いさんは高齢の人であるが、ヤギ以外にもニワトリやウサギを少しずつ飼われている。雛を孵したいので、岡崎おーはんの有精卵を6個ほど欲しいと言って来られた。
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今日始めて、竹の子を見つけた。竹林の多くはイノシシが畑のようにしているが、この竹の子は見残しか。
竹の子は旬の時期に1回食べれば十分。多くても2回。
竹の子を見つけたのは、ミツバチの巣箱を葉タバコ跡地の頂上付近に移動させている時だった。巣箱は竹薮の通路沿いに設置してもらったが、ミツバチになった気分で考えたら、山の中の方がいいような気がした。
重いので3回に分けて持ち上げた。
1回目・・・待ち受けの巣箱
2回目・・・黄色のコンテナとブロック1個、巣箱の重しのレンガ1個
3回目・・・ブロック1個
2セット移動したので6回、上がったり下りたりした。ミツバチを呼ぶという「キンリョウヘン」の花はまだつぼみだから、咲いたら巣箱のそばに置く。
桜の季節だが、花見に行ったことがない。軽四で走る通りすがりに見るだけ。毎年、そんな花見をしている。農業にも人生にもゆとりがない。
去年は「棚田めぐりのドライブ」にも1度も行けなかった。山羊という口のある生き物が増えたせいもあるが、10月以降はイノシシ対策にも追われた。
1泊2日で出かけるには、ニワトリ、山羊のエサに加えて、電柵のゲートの開閉という拘束も加わったので、ますます出かけるのが難しくなった。
出かけるには、当日の夕方のニワトリと山羊のエサ、電柵ゲートの締め切り。翌日の朝のエサはパスしても電柵のゲートは開ける必要があり、一人で外泊するなら家族に、家族と外泊するなら第三者に依頼する必要がある。
新聞記事はあまり信用しない
2011年度からの新しい小学校の教科書には、記事の読み比べや書き手の視点の違い、災害報道、報道被害まで新聞を取り上げるページが増えた。
ある教科書では松本サリン事件を取り上げ、最初の情報だけで判断せず、続報を読むこと、複数の発信元から情報を確かめ、情報の質を見極めるよう説いている。(朝日新聞4月1日)
もっともらしいことを書いているが、最近の朝日新聞の記事には、歪曲した何らかの意図を感じてしまう。
政権への激しい批判・・・社説や天声人語、政策ウオッチにもそういう記事が多いが、これだけ書かれると次の選挙に影響が出ると思う。新聞は読者をマインドコントロールする面が強い。
朝日新聞の広告に出てくるほとんどの週刊誌が「反政権キャンペーン」のような見出しである。その表現がどの週刊誌もとても下劣である。
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「子孫に美田を残さず」という諺があるが
ボクは残すものがないから、子孫に美田を残したい
美田とは肥えた肥沃な土地という意味ではない
農業がしやすく、田んぼにいることが楽しくなる田んぼのことを言う
シカやイノシシが急激に増えているが、今のところまだくじけてはいない
多種多様な果樹を1~2本ずつ植えている
ハーブも一般的なものはある
枯れない井戸があるので30アールほどの作付なら可能
山羊に適した放牧場ができたので、飼おうと思えばこの先何十年でも飼える
シイタケも道に面した竹薮の中に置かせてもらえる
行き止まりの場所なので、人通りはほとんどない
6坪の物置と4坪半の鳥小屋もある
見渡せる風景もいい
田んぼの上に30アールほどの持ち山があり、雑木を山羊の飼料にしたり、落ち葉や腐葉土を鳥小屋に入れたり、タケノコやワラビも取れる
田んぼから池の上の山の中へ、このコースはなかなか楽しめる
今年からミツバチの巣箱も置いている
技術的には伝えるべきものはほとんどないが、だからすぐに自分のペースでやっていけるだろう
ハウスがないのも、引き継ぐ人には都合がいいと思う。
ハウスは不必要な知識や、不必要な心配事(台風等のリスク)を抱え込むようになる
これから、身の丈にあった山の整備も始めるから、森林セラピーや家畜やハーブを組み合わせた観光農園もしようと思えばできる
美田とは言えないかもしれないが、少なくとも自分の代ではあまり汚してはいない
田んぼは立地も含めた周囲の風景や山川等のトータルで考えるものである
この空間こそが美田である
他に何も残せそうにないので、子孫に美田を残す
去年の10月7日の台風の夜のイノシシ襲撃は、一つの衝撃だった
この衝撃を緩和してくれたのは「大いなる無駄」の山羊だった
無駄の多い農業をしているから、突然の試練も何とか越えていける
農業は資本主義的概念や思考とは、土俵を異にする
農業は資本主義をよせつけない
法人化とか起業とか6次産業化とか集落営農は一過性のものであり、広がらない
農業は本来、個人でするものである
個人でしなければ癒しにもならないし、環境も守れないし、風景も作れない。
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築59年なのに、固定資産税が5万円超。火災保険料が4万円ほど、合わせて毎年9万円。これは自分が支払っているので負担になる。
新築だったら、固定資産税はいくら取られるのだろう。
冠婚葬祭費も田舎なので多額。今月は親戚の法事が2回。行かないわけにはいかないし・・・。
ライフラインの支払いは折半しているから、そんなに大きくないが、1年前から下水道代が1ヶ月5千円ほどかかるようになったので、年間で6万円ほどのアップ。
下水道代は、費用の5%の個人負担分(19万5千円)、トイレの改修費(100万円ほど)、そして毎月の下水道代が5千円ほど。貧乏人いじめである。
今月は年に1度の人間ドックに行く。市民病院の人間ドックなので健診料は1万円だが、前立腺ガン1470円を別途申し込みすると合計で11470円。
昨日、糸抜きして今日で完治。先週の金曜日に怪我をして3針縫い、土曜、月曜、水曜、金曜、土曜と5日間、近くの医院に通った。3割負担で費用の合計は8千円ほど。親指の先のちょっとの怪我でも、この間、水にぬらすことはできず、時間と費用と不便さの代償は大きかった。
数日前、年金定期便が届いた。65才から年に84万円ほどもらえる見込み。今までに何回も「年間80万円ほどのベーシック・インカム」を主張してきたが、まるであつらえたように似た金額である。
これはもう自分が実験台になるしかない。
こんな金額では全然足らないと思う人もいるかも知れない。しかし、もしベーシックインカムがもらえるなら、年間80万円ほどが限度だろう。
自分の場合は、
(1)家賃はいらない
(2)4人とも働いているので自分の身の回りだけ考えておけばよい
(3)ライフラインは折半にしている
(4)日用品や食品の買い物は週に5千円ほど
(5)冠婚葬祭費が年平均5~7万円
(6)固定資産税と火災保険料は合計で9万円ほど
(7)国民健康保険料は低所得者の減免措置があるので年間2万5千円ほど
生活のための、生きるためのランニングコストは努めて少なくしてきたので、月7万×12ヶ月=84万ほどの年金がもらえるなら、自分ひとりなら何とかなる。8年後を楽しみにしたい。
60才になると17~18万の国民年金は支払わなくてすむし、厚生年金の報酬比例部分が11万ほどもらえるので、3年後は差引29万円ほど助かる。
資産運用しようにも、元手の資産もないし、知識もない。
農業では入ってくる収入もしれている。
だから65才からもらえる84万円ほどの年金は助かる。
しかしこの金額は現役世代ももらわないと、生活がまわっていかないだろう。
「シュウカツ」で勝ち組になれるのは3~4割ほどで、他の6~7割は、生涯、格差の悲哀を感じてしまうだろう。
もしベーシックインカムとして80万円ほど支給されるなら、「シュウカツ」などという概念の社会とは異次元の、生き方としての農業の選択が可能になる。
ベーシックインカムは税体系を少し変えるだけで可能である。
ベーシックインカムは古今の経済学者や哲学者が論及してきた制度(山森亮、ベーシックインカム入門)であり、雇用、農業、環境の3つを同時に解決する方向に向けるキーワードになるだろう。
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朝から小雨が降ったり止んだりしていたので農作業はできず、放牧場をぐるぐるまわりしながら、葉タバコ跡地へ上がった。山桜はすでに散りかかっている。
ここは葉タバコ跡地の一番高い場所であり、ここから池が一望に見渡せたのに、今は木が高くなって、木の間から池を見渡すような感じである。
50年前、それはほんの少し前のことだった。
ちょうど今頃の季節、ここで葉タバコを植え、下の池から水を運び、植え付け水を与えた。その後、油紙の苗キャップを1株1株かぶせていく。遅霜と寒さ避けの苗キャップである。一家総出の農作業だった。
頭のなかでもつれそうになっている記憶の糸をたぐりよせながら、懐かしい風景を思い浮かべてみる。
今はもう、ただ一人。
姉は嫁ぎ、他の関係者は全て亡くなってしまった。
過去、現在、未来
記憶の風景はもう誰にも伝えることができない。
自分の頭の中に留まっているだけ。あの葉タバコの風景。
そして自分の人生も後20年ほどの攻防になりつつある。
20年後はどうなるのだろう。
2人の娘は農業をするような気配は全くない。
もう10年以上、田んぼに来てもいない。
田んぼのありかも、山の境界線ももちろん知らない。
ヤギも一度も見にこない。
そういうふうに育ったのも自分たち夫婦の責任。
というよりも自分の責任が大である。
あまり考えないことにする。子供は別人格だから。
自分の代で農業は完全に終わってしまうかも知れない。
20年後、どういう選択を迫られるだろう。
このまま、自分ひとりの自己完結型で農業を終わってしまうか。
妻に農業を伝えることもできない。あまり適性がない。
20年後、突然、子供に農業の選択を迫ってもそれは無理。
農業は、本人にやる気や興味がなかったら、できない。
研修生を公募して、引き続けてくれる人に「20年契約」くらいで委託する道を模索するか。
それとも、自分がしなくなった後は、荒れるにまかすか。
今まで続けてきた田んぼの「跡継ぎ」が想像できないのは残念だ。
山の整備もこれから始めるのに。
たいした農業収入は期待できないが、年間80万円ほどのベーシック・インカム(揺り籠から墓場まで全日本人の基礎年金)がもらえるなら、自給自足を中心に据えた農的生活がまわるような里山農業に整備を進めている。
森林整備
炭焼きをすれば捨てる箇所はないので「焼きまくる」必要はない。枝葉でも、炭焼きの焚き口で使える。炭を売る能力があるなら・・・。
牛は柔らかい草を好むので田園の家畜
山羊(ヤギ)は堅い木の葉を好むので山里の家畜
ヤギのエサ
飲み水・・・あまり飲まない
米ヌカ・・・1頭で1握りほど(ほとんどやっていない)
塩・・・・・・・1年で2頭で1キロ(300グラム)ほど
雑木・・・・・3分の1
雑草・・・・・3分の1
野菜クズ・・3分の1
1頭が行く方へ、もう1頭も後を追う。見ているだけで楽しくなる。
2030年 農業の旅→