昨日の続きで、午後の半日、残りの竹を焼いた。竹を焼くとパーンという大きな音が出るので、前もって節のところを木槌でたたいて割っておくと音が出ない。
生竹でもよく燃える。今の時期の竹は切り時ではないので、保存はできない。
ヤギの脱柵口がわかった。メッシュ(鉄柵)を使わず竹を編んだ傾斜の場所の竹と竹の間から出ていた。
朝9時過ぎ、お墓に2頭のシカがいるのを見た。真昼間に出てくるということは、よほど密度が高くなっている可能性がある。
電柵でシカやイノシシは防げても、「ヌートリア「や「アナグマ」のような小害獣は柵線の下をくぐりぬける。定植した場所の穴を掘ったりするので、無視できない害獣であるが、電柵では防げない。
ミツバチの巣箱の盗難あいつぐ
昨年度の全国調査では、回答のあった40都道府県で、農家69戸、ミツバチ610群、総額1880万円の被害が確認された。ミツバチの飼用者数は5027戸(09年1月1日現在)なので、100人に1人以上という高率で被害に遭っていたことが分かった。
農業はセキュリティのきかない産業である。生産物も各種備品も大多数は戸外に放置しているのだから。
ヤギ小屋を建てることと、ヤギを飼い続ける能力は異なる。
ニワトリ小屋を建てることと、ニワトリを飼い続ける能力は異なる。
野菜を作る能力と、野菜を売る能力は異なる。
就農準備期間中に考えたことは、
(1)特定の専門作物を持つことは自分には不向き。
(2)少しずつ多種類作るなら特定の能力は必要とされない。
(3)多種類なら害虫、病気、自然災害等のリスクが軽減できる。
(4)こういう作り方では市場(農協)には相手にしてもらえないので、自分で売る(当時はまだ直売所などはできていなかった)しかない。だから就農準備期間中に、「軽四で引き売りすること」「いずれはセット野菜だけ売るようにしたい」「都会への宅配もしたい」と計画した。
独立自営業は、自分の得意な分野でしか稼げない。農業には30代半ばで転身する人が多いが、その年令だとすでに、自分に何ができて何ができないくらいは判断がつく年令である。
スタートが30代半ばと遅かった分、まだ農業に飽きていない。60代半ばまでは出荷農業をするつもり。
能力を考えると少ししか稼げそうにないので、細く長く続けたい。
半農半Xという言葉をよく聞くが、一時期、無我夢中で没頭しないと農業が身体に沁み込まないと思う。半農半Xはその後の選択肢であり、没頭時期もなく最初から半農半Xでは農業はいつまでたっても身につかない。
政府の行政刷新会議(議長=鳩山由紀夫首相)の下に設置した規制・制度改革分科会は、農業分野のワーキンググループの初会合を4月2日に開くことを決めた。
農業の検討テーマとして、
(1)JAに対する金融庁検査・公認会計士監査の実施
(2)JAなどの独占禁止法の適用除外の見直し
(3)新規農協設立の弾力化
(4)農業生産法人の要件(資本・事業・役員)の一層の緩和
(5)農業委員会の在り方の見直し
(6)農業共済における米と麦の強制加入制の見直し
(7)食用油の原料原産地表示の導入
などを示した。(農業新聞3月31日)
(1)、(2)は時代の趨勢と思う。
2030年 農業の旅→
小学校、中学校、高校という学校の集団生活が苦痛だった。苦痛でも、「止める」という思い切った決断を想像することはなかった。
工業高校の3年の時、ひくてあまたで「金の卵」と呼ばれた時代だったが、就職する気にはなれなかった。
1年浪人して、文系の大学へ進学することを思いついた。
母は日雇いの土方に、父は農業をやめてコンクリート会社へ勤めだして5年ほどにしかならず、決して裕福ではなかったが、その頃始まったすさまじい高度成長の波にのり、浪人という選択もできた。
1年後、大阪の私立大学へ進学した。
大学へ入ったら、それまでの集団生活からは解放されたが、目的はなかったので、なんとなく、ほとんど何もせずに、4年間が過ぎていった。
そして、何となく、就職しなければならない時期になった。
5社ほど受けたが全部落ちた。それでも「コネ」である会社へ入ることができた。
今度は働かざるをえず、何となく就職した。
数年して止めた。
その後、転職をくり返してしまった。
だから、今の新卒の「シューカツ」を新聞等で読むと、本当に厳しいなあと思う。自分なら「シューカツ」で完全にふるいにかけられてしまうだろう。
「シュウカツ」の船に乗り損ねたら、正社員の道はもうほとんどない。
今の時代は22~23才で人生が決定付けられてしまう。
非凡な才能がない限り、組織(企業)からドロップアウトして生きることは難しい。
それでも小学校の頃から集団生活に馴染めなかった自分が、企業組織でうまく立ち回れるはずはない。
そういう人間の生きづらい世の中である。
それでも何らかの収入がないと生きていくことはできない。
500~800万、もしくは1000万も年収がある人が信じられない。かたや100~150万の世界で四苦八苦しながら生きている人も多いのに。
新潟県の2009年度新規就農者(15~42才が対象)が、前年より76人多い258人と、県が調査を始めた1992年以降では最多になった。内訳は、
農業生産法人等への就業151人(113人増)
農家の後継者や新規参入107人
107人の内訳は、
新規学卒者40人(21人減)
Uターン就農59人(20人減)
他県からのIJターン8人(4人増)
(農業新聞3月30日)
Uターン就農というのは働く場所がないからという消極的理由の人も多いと思える。
昨日、シイタケの原木を置くために、竹をかなり切り出したが、今朝はそれを焼きまくった。3時間ほど焼き続けたが、半分しか終わらなかった。
二酸化炭素の大放出・・・
山仕事でも竹の切り出しでも、これだけ焼きまくったら、環境を害していることになる。
現在の社会では、山仕事=環境破壊という等式がある程度成り立つだろう。なぜなら、山仕事をしても竹の切り出しをしても、ほとんどそれを使うことがなく、単に焼いたりするだけだろうから。
炭焼きでもしたら、少しは有意義かもしれないが、膨大な時間をかけて焼き、売る時は二束三文。趣味か暇人しかできない。
画像は、父が作っていたサツマイモの芋床。野ネズミに食われそうで、自分はこの芋床を利用して種芋を保存したことがない。長く、集落の人の芋床に入れさせてもらっていたが、今は、発泡スチロールに入れ、籾殻をかぶせて冷蔵庫の上に置いておけば冬を越せるようになった。
ヤギは鳥小屋の東側のこの場所を好む。風除けにもなるし日陰にもなる。今後は夏の「日射病問題」からは解放される。
オスヤギが今日、2回も脱柵した。1回目は、午後、田んぼに来たら麦畑で麦を食べていた。塩でつって捕まえた。2回目は、夕方、竹薮の中で今後の原木の置き場所を考えていた時にふとふりかえったら、そこにヤギがいた。
脱柵場所を探して歩いたが、どこから脱柵したのかわからない。ヤギはいったん脱柵したらその場所を覚えるので、現場を捕えるしかない。
古い方のニワトリは2日間で6個の卵を産んだ。新しい方のニワトリは今日は2個しか産んでいなかった。これを見ると、古い方のニワトリがいかによく産んでいるかわかる。
青菜をたらふく与え、腐葉土もしばしば補充しているのに、新しい方のニワトリの突付きが止まらない。5月26日で丸5年が来る古い方のニワトリには突付きはほとんど見られない。
突付かれてかなり出血しているニワトリは5~6羽。5~6羽も隔離することはできない。
目をそむけても目に入ってくる。昨日は6個、今日は2個しか産んでいなかったのは、突付きが原因かも知れない。
2030年 農業の旅→
農業で最も大切なことは、
(1)100万以上の大きな投資をしないこと
(2)小さな規模にとどめること
(3)一人もしくは家族農業にとどめること
(4)農閑期のある農業をすること
(5)1種類は家畜を飼うこと
だと思う。そんな農業をしていたら生活ができなくても、それでもこの範囲を逸脱しない方がいいと思う。
規模拡大しても、新たな投資をしても、あまりいいことにはならない。新たな問題(難問)が浮上してくるだろうし、投資は新たな投資を呼び借金だけが増える。
農業が喜びであり癒しになるのは、小さい農業だけである。大規模農業や機械化農業や雇用農業は、農業とは言わない。
いくらカネにならなくても、小さな農業を続けること、これにつきる。
小さな農業の中に楽しみを見出し、自分なりに戦うこと。
山仕事で発生したクヌギの原木にシイタケを植菌した。家で電気ドリルで植菌したが、Uさんに援農してもらったので、40本の原木が1時間ほどで終わった。
原木は田んぼのそばの竹薮の中に置く。竹薮の所有者に「置かせてもらえんでしょうか」と頼んだら、快く了解してくれた。
今までは池の上の持ち山に置いていたので、少し遠くて不便だった。ここの竹薮なら歩きながら横目で、生えているか見える。
毎年40本×5年間=200本ほどを目標にしたい。
40本の原木にシイタケ種駒500個(1480円)を使った。
竹はあまり利用することがないが、あれば便利である。ヤギの放牧場にも使わせてもらった。以前は竹の先っぽをエンドウ類の支柱に使っていた。
4月上旬に出る孟宗竹の竹の子はここ数年はイノシシに食われてしまうことが多いが、道沿いのハチクの竹の子は6月上旬頃に通路に発生してくるので、そのつどニワトリに与える。ニワトリは竹の子が大好物である。
農閑期の山仕事を今後どう進めていきたいか、そのイメージをUさんに話した。
(1)害獣防止のための緩衝地帯を設ける(見晴らしをよくする)。
(2)森林セラピー(ウオーキング)も考慮する。
(3)ミツバチの出入口(出撃基地)としての森林整理。
山仕事の期間
11月~2月の4ヶ月間。1週間に1度ほど、半日間。
切り出した木材は、
(1)クヌギ→いい部分はシイタケの原木に使い、太い部分はUさんが暖炉に使う。
(2)その他の雑木→太い部分はUさんが割り木にして暖炉に使う。
(3)ドングリの木→新鮮なうちはヤギの飼料に使う。
これら以外の部分は焼却する。使い道がないのでそうするしかない。
一昔前なら、太い部分は割り木にして「クド」に、その他の部分は「風呂焚き」に、落ち葉は「焚き付け」に利用していたので、山仕事で無駄になる部分など全くなかった。
2030年 農業の旅→
レタス(チマサンチュ)を90本ほど定植した。秋にホウレンソウを定植していた場所であるが、昨日、黒マルチをとり、メタン菌液肥を1荷かついでおいた。今日その畝をヨツメで軽く耕し、クン炭を少しふってから、黒マルチを元に戻し、レタスを定植した。
5月連休明け頃から出荷できるだろう。チマサンチュは摘み取り系のレタスである。
山桜が咲き始めたが、多くの山桜が枯れ、我が家の山では1本しか残っていない。桜には「てんぐ巣病」という怖い病気があるらしいが、枯れたのはここ10年ほどの間である。
乗用トラクターは村道から各田んぼに入るようになっているので、もし電柵を村道に並行に張れば、田んぼへの出入口のゲートを別途に6箇所も設ける必要があるし、耕運の時にかなり不便である。
それを解決するには、乗用トラクターを使わずに不耕起栽培にすればよい。家庭菜園だけになったら小面積にして不耕起栽培に切り替え、その他は景観作物(蜜源作物)や飼料作物(麦・大豆)を蒔けば、村道と並行に電柵を張ればよく、ゲートの開閉という問題は生じない。
ヤギの楽しそうな様子を見ると、こっちまで楽しくなる。
放牧場はできて見ると意外と簡単で、時間も費用もかからなかった。
放牧場があれば、癒し効果と風景効果が増す。夏の日陰も、放牧場の中に小屋があれば問題ない。
最近、朝日新聞を批判的に読み始めた。読み始めた頃はついていくのがやっとだったが、2年が経過して少し余裕が出てきたのかも知れない。
少し斜めに構え出したのは、
(1)現政権と対立的な人なのに、小泉政権のブレーンだった竹中平蔵さんが時々大きく載る。
(2)総選挙前には創価学会の広告がよく載った。
(3)特定の個人攻撃記事が多い。
(4)日教組への批判記事も目立つ。
(5)労組よりも企業よりの姿勢を記事から感じる。
(6)田原総一郎さん等、論客に右よりの人が多いと思う。
(7)弱者や格差への取り組み方が弱い。
それでも、他の新聞に比べたらまだ中立なのかも知れない。読むんだったら、朝日か毎日しか考えられない。
そういう自分はかなり左より。
2030年 農業の旅→
今日の朝日新聞に、朝食はパン53%、ご飯39%、食べない8%と出ていた。
我が家はご飯。
パンだったら高くつく。
ご飯だったら、味噌汁、海苔、納豆ですむ。
ご飯の方が高くつく?
我が家の場合、コメは小作料として頂いているし、海苔はお歳暮等でもらうことが多いので、買うのは納豆と味噌汁の味噌だけだから、安く感じるのだろうか。
パンだったら「おかず」に困るのでは?
ご飯だったら昼も、梅干、味噌汁、前夜の残りですますことができるが、朝、パン食の人は昼はどうしているのだろう。やっぱりパン?
栄養とかはあまり考えないが、
パン食だったら「高脂血症」になりそうな気がする。
味噌汁だったら、塩分取りすぎ?
ご飯に味噌汁だったら腹持ちがいい。パンは間食。
朝は味噌汁が習慣で、味噌汁を作っていない時は、市販の「即席味噌汁」ですます。
パンだと食べた気がしない。
それでも朝はパン食の方がかなり多いようだ。
米があまるはずだ・・・。
義父は今年80才になるが、今年も稲作をするらしい。息子はまだ定年になっていない。
籾蒔き機、大型トラクター、乗用田植機、コンバイン、乾燥機、もみすり機、リフト、そして、これらの農具を収納する倉庫。これだけ投資していると、止めるのは惜しい。
米は購入しても4人家族で年間5万円(12500円×4俵=5万円)ほど。300万円のコンバインを買わずに米を購入し続けると300万円÷5万円=60年間購入できる。稲作に機械を投資するのは採算が全く合わないと思う。
有畜小農複合自給・・・理想的な農業を日々楽しくやっている。農業=生活=遊び。
農作物を売ろうとすると、途端に農業は難しくなる。
自分は作ることも、売ることもへたである。
昨日、旅行会社へ電話しながら考えたが、グリーンツーリズムは業者に依存するのではなく、やはり独力で、ネットを利用したり、近くの小規模事務所へ電話営業をしたりして開拓するしかないと感じた。イタリア料理店にハーブの電話営業をしたように。
ただ、イタリア料理店は長く購入し続けてもらうのは難しい。
都会の個人客も長く続けてもらうのは難しい。
そうしたらもう、近くの直売所くらいしか出荷する所がない。
直売所は、
安売り競争の面が強いし
安全より外観が重視されるだろうし
必ず透明のポリに入れる必要があるし
売れなかったら、翌日中には回収する必要があるし
売れても、販売価格の15%は手数料として取られるし
こんなことを考えたら、直売所も決して農家の立場には立っていない。
消費者の立場は、ばかばかしくて考えたくない。
農作物を売るのは本当に難しい。それでも売る努力をしなければ、どこからも現金は入ってこない。
田んぼ風景、一昔前型の農業、田んぼの空間、害獣と電柵、里山歩き、将来の田舎移住、将来の田舎疎開、将来の田舎友達作り・・・こんな概念を売りたいと思う。
現物の野菜を売っても、重労働なだけで、たいしたカネにならない。
でも、農業はなんでこんなに楽しいのだろう。
モノを売るのではなく、自然や空間や里山や家畜や田んぼアートを売っていかなければ。
それが自分にできるかどうか・・・
2030年 農業の旅→

朝、放牧場に放した。「こけらおとし」は柵を作ってくれたUさんが来られる日にと思ったが、待てなかった。
鎖が取れて、とてもうれしかったのだろう。しばらく2頭で走り回っていた。
何か、親離れ子離れした気分になった。
3時間ほど飽かずに眺めていた。時計はすでに11時をまわっている。
ヤギはこのままにして、ニワトリに青菜をやって昼飯に帰ろうと麦を刈り始めたら、
瞬間、新品の鎌が親指にあたった。カットバンを張っても血が止まらず、医者に行く破目になった。この傷は浅くないと思っていたら、数針縫った。
今回に限って軍手をしていなかった。記憶に残るだろうヤギ放牧の初日に、うれしさも半減の怪我だった。
それでも少々の怪我に落ち込むような時間の余裕はない。縫ってもパソコンは打てるが、1週間は水に浸けてはいけないと言われた。
そんなことを言われても、ニワトリの水替え、手洗い、顔洗い等、親指の先を使わないわけにはいかない。100枚が780円のビニール極薄手袋を買っていたので、それを重宝している。
怪我などほとんどしないが、怪我といえばやっぱり鎌が原因。今までに3回ほど「1週間は水に浸けてはいけない」怪我をした気憶がある。その他、蜂に刺されたことが2回ほど。
AM8時半~PM6時頃まで放牧した。「捕まえれるかなあ」と思ったが、夕方入るとすぐに近づいてきた。薄暗くなったらいつもの小屋に戻るという「つなぎ飼いの習慣」が生かせたようだ。
レンギョウとユキヤナギも食べていたが、少々は食べるに任せよう。1週間放牧したら雑草は食べ尽くしてしまうだろう。
石垣もすでに壊している箇所があった。怪我をしなければ少々は壊されてもいい。
2030年 農業の旅→
彼岸が過ぎたとは思えないほど寒い。
梅雨のような雨が3日間降り続いて、今日の午後やっと雨があがった。
こんなに雨が降ったら、3~4日は田んぼがじるくて、農作業はできない。
乾くと、農作業がまとめてやってくる。
といっても、種蒔きは4月に入ってから始める。
ドングリの木を切ってきてヤギに与え、ニワトリには購入エサ、コゴメ、米ヌカの他に麦の青葉を刈り、種芋の残りのキクイモを与えた。
農作業はできず、今日は「山のぐるぐるまわり」をした。小雨にぬれながら2時間ほど歩き回った。巣箱置き場を考えながら・・・。
竹薮沿いに3箱置いたが、夏に西日があたる可能性がある。
日陰または半日陰になるような巣箱置き場は山の中しかない。
池の北側の山に葉タバコ跡地が10アールほどあり、その上下左右(周囲)は木の枝で日陰が出来るので、急斜面であるが、将来的にはここしか置き場は考えられない。
葉タバコ跡地は年に1回は草刈をしているので、広い原っぱであり、その周囲はミツバチの出撃基地(前方が開けた場所が適するらしい)になると思う。
毎年5箱ほどずつ増やし、6年ほどかけて30箱にしたい。
巣箱に入っても、2~3割の巣箱からは逃げ出すらしいので、30箱の内、常時20箱ほどは埋まっているというのが夢であるが、これは取らぬタヌキの皮算用。
去年は正月2日の交通事故から始まって、2月5日にヤギをもらい、夏場には数人のアマチュア養蜂家と出会い、10月7日の台風の日にイノシシの襲撃にあい、11月24日に畑全体を電柵で囲んでもらった。秋からスーパーの直売所にも始めて出させてもらうようになった。
10年近く、生活は低き安定が続き、身辺にあまり変化のない年月を過ごしてきたが、去年は激動の1年だった。その原因はブログ。ブログを継続するには新しいネタがどうしても必要だった。ブログを続けたいという強い思いがヤギを飼おうという意思につながった。
そのヤギが多くの出会いをさせてくれた。
今後の10年はそれを育てていく年月だと思っている。
13年前に導入したハーブは、イタリア料理店の顧客の獲得につながった。
同じく13年前に導入したドラムカン炭焼きは、苦手部分が多く、3年ほどしか続かなかった。
12年前に大々的に営業した「あめんぼ百姓塾」は塾生がほとんど集まらず、全くビジネスにならなかった。
この20年間に何回かハウスを建てようと考えたが、結局、建つところまではいかなかった。ハウスがなかったから農閑期ができ、農閑期にはいろんな事にトライができた。ドラムカン炭焼き、百姓塾の営業、小冊子の自費出版等。
ヤギはいつまで生きるかわからない。スイスの保護法規で『ハムスターなど仲間と一緒にいることを好む動物は1匹だけで飼うことができず、羊やヤギを飼う場合も、同種の動物が視界内にいなければならないと定められている』という新聞記事を読んでから、どちらか1頭が死んだら1頭を入れようと思うが、それは61~62才くらいまでの話である。ヤギの平均寿命は14~15年らしいから、61才で入れると75才頃まで生きる可能性があり、自分より長く生きると、世話をする後の人が大変である。
ミツバチは合計で30箱買ったとしても15~18万円ほどであり、ハウスを建てることに比べたら随分安い。
ハウスはビニールの数年に一度の購入と張り替え及び廃棄処分料、加えて、台風、竜巻、大雪という3つのリスクがあり、カネもかかるし心配事も絶えない。
竜巻は意外としばしば起こり、幅180センチ18メートルの黒い寒冷紗がお墓の上の高い木に巻き上げられ、お墓があるので木を倒すこともできず、もう10年ほど、木にひっかかったままだし、つい最近は、レタスの育苗床にかぶせていた、べた掛け資材のパオパオが、6枚の瓦で押さえていたにもかかわらず、直線で100メートル以上離れた池の上の山の高い木に巻き上げられたままになっている。いずれも夜間に起きたものだが、信じられないような光景である。こんな竜巻に遭遇するとハウスはぺしゃんこになる。
ミツバチは、箱以外はそんなに手間も維持費もかからないと思う。今後は、箱のある風景を楽しみ、できればこの春からミツバチの箱への出入りを楽しみたい。
もう農閑期が終わる。4月になれば目と心身を野菜にむける必要がある。
ハウスがないから、この冬も農閑期を持つことができ、山仕事とヤギの放牧場を作ることができた。
2030年 農業の旅→

ニワトリの突付きは、子供のいじめと同じで、セーブがきかずエスカレートしてしまう。残酷な世界である。
突付き殺された現場に、18年の間に2回ほど遭遇した。
もっと早く隔離しておけばよかった・・・は後の祭り。
隔離することは1羽もしくは2羽だけ、別途、エサと水と草を与える必要があり、忙しい農業者としてはできればそういう状況は避けたい。
突付きがあるから大半のニワトリは生まれるとすぐに口ばしを「デービーク」される。しかしそれは自然ではない。
土地改良事業(圃場整備等)に反対する理由
(1)農業者に経済的負担がかかる・・・多分、5%ほどの負担になるのだと思う。しかしその5%はウン十万円。
(2)圃場整備をしても、田んぼの資産価値は上がらない。
(3)減反と圃場整備が並行して進められている・・・圃場整備すればするほど、それ以外の田んぼは休耕田や荒地になりやすい。
(4)記憶にある風景が壊されてしまう・・・アイデンティティの喪失につながる。
(5)客土されたりすると、それまでの土地の個性が壊される・・・また一から土作りのやりなおしである。
(6)圃場整備された田んぼは面白みが全くない・・・画一化された田んぼはそれ以前の田舎の風景を壊してしまう。
(7)大型機械の導入を前提として考えている・・・圃場整備の視点は効率や採算だけである。
(8)段差のある田んぼでは「のり面」が大きすぎて(広すぎて)、草刈がとても不便である・・・段差のある田んぼの圃場整備は必然的に「のり面」が大きくなるので、圃場整備はするべきではない。
(9)何百年もの歴史ある田んぼを、効率や生産性だけの理由で圃場整備をするのは、土地改良ではなく土地と風景の改悪である。
(10)圃場整備は農業者の立場には立っていない。施行する業者の立場にたった圃場整備に思える。
3月18日、3月19日、3月20日の3日間、「揺れる生産基盤、上、中、下」と題して「土地改良事業削減」が、農業新聞に批判的に取り上げられていた。
2010年度の土地改良事業予算は、前年度より63%少ない2129億円になることが確実となった。
なぜ土地改良事業をしなければならないのか。
土地改良をして少数精鋭の農業者にがんばってもらおうということだろうか。
土地改良をしても離農は止まらない。
土地改良をしても害獣被害は止まらない。土地改良より害獣防御をした方が農業者のためになる。
30~40年の耐用年数のある排水路整備等をすれば、30~40年後にまた改良事業を迫られる。
循環もしくはリサイクルできないハード事業は、増やせば増やすほど国家財政の破綻につながる。
年月と大金を投入して圃場整備をしても、反比例して農業者は減り続け、比例して休耕田や荒地は増え続け、風景も田んぼも人の心も壊れてしまった。
2030年 農業の旅→

昨日は快晴だったのに、今日はもう朝から雨。雨が多くて困る。
雨でも、村道をふさいだ電柵は開けに行く必要があるし、ニワトリとヤギも朝の食事を待っている。
昨日セットした巣箱を見回った。普通に器用だったら、とっくに巣箱を設置してミツバチを楽しんでいたと思う。
どんな世界でもそうだが、農業の現場でも能力を試されることが多い。
自分のできることを続けるしかない。
ノートパソコン返却修理
ちょうど1ヶ月かかって3月20日に届いたDELLのノートパソコンであるが、翌日の21日にO先生に初期設定等をお願いしたら、何回してもインターネットにつながらない。パソコン自体に問題があったようで、届いた翌日に返却修理となった。2年前に同じくDELLで購入した子供のパソコンも同じ不具合があったので、こんなことが連続して2回も続いたことになる。4年間使ってきたDELLのノートパソコンがとても気に入っていたので同じメーカーにしたが、今回の不具合は身体にこたえた。
ニワトリの突付き
今まで飼い続けてきた茶色の羽のニワトリに飽きて、違った羽装のニワトリを飼いたいと思って「岡崎おーはん」という黒白の品種に変えたが、どうもこの品種は「尻突付き」が多いような気がする。
突付かれて尻の羽が抜けた鳥が多く、今度は背中の羽まで突付かれて出血したニワトリも目立つ。
痛々しくて目をそむけたくなる。
青菜が足らなかったのが原因かも知れないと、青菜を増やしているが、今のところ効果は見えない。
山の鳥と同じような自然の状態に近づけようと、山の腐葉土を入れる回数を増やしたが、これも今のところ効果は見えない。
こうなるともう、どうしていいのかわからない。通常のニワトリの1.2倍ほどで少し大きいが、羽数は30羽なので、面積あたりの羽数も多くはないはず。
18年飼ってきた茶色のニワトリ(3~4年×5回転ほど)には、こんなにひどい「突付き」は見たことがない。
品種が異なり、最近交配してできた新しい品種だから、まださほど改良されていないのだろうか。それともこの品種の特性だろうか。
飼い方は従来とほとんど同じであり、山の腐葉土投入の回数は増やしているにもかかわらず、突付きによる羽の落脱と出血が目立つ。
購入エサを少し多めに与えながら様子をみてみるしかないが、あまりに痛々しいニワトリは隔離する必要があるかも知れない。
2030年 農業の旅→
日本ミツバチの巣箱の設置を「スロー人」さんに来てしてもらった。
竹薮沿いに3箇所設置した。
(1)平らな所に、ブロックを2個置く
(2)その上に黄色のコンテナを置く
(3)コンテナの上に巣箱(待ち受け箱)を置く
(4)巣箱の上に重しを置いて倒れないようにする
(5)コンテナ、巣箱、重し(レンガ)を紐で結ぶ
(6)隣にキンリョウヘン(ミツバチを呼ぶ花)を置く
キンリョウヘンは花が咲いたら花を1~2本切り、水を入れたビン等に入れ、ネットをかぶせて、巣穴近くに置く。ネットをかぶせておかないとミツバチがたかった時にしおれてしまうらしい。
竹薮沿いに3個、画像の柿の木の下に1個、池の土手の北側の山に1個、合計5個の巣箱(待ち受け箱)を設置した。雨避けに畜産用の波板(熱を伝えない)を乗せて完了であるが、波板は1個しかなかったので、ここだけ設置した。
ミツバチを捕まえれるチャンスは4月中旬~5月上旬の2週間が最も高いらしい。
捕まえた当日に巣箱を動かして、定まった場所に設置するのは構わないが、2日以上過ぎると動かせないらしい。
今日設置した5箇所は、そこが定位置で、捕まえたら当日に、上下の箱の間に箱を2段入れて合計4段にする。
捕まえれる確立は1割で、キンリョウヘンがあれば2割にアップするらしい。だから、うまくいけば巣箱5個のうち1個は捕まえれる可能性がある。
キンリョウヘンは1鉢が3000~4000円するようだ。必要なのは葉ではなく花。株分けは9月と言われた。
巣箱(待ち受け箱)の巣穴付近には「蜜蝋(みつろう)」をガスバーナー(1500円ほど)で溶かして塗っておく。
竹薮沿いにはツバキがたくさんあるが、ツバキの花は良い蜜源らしい。山の中にはいっぱい蜜源になる木があり、シイタケの原木に使うクヌギも良い蜜源らしい。クヌギは落葉樹で、今、芽吹いた所である。
電柵を設置する時に、じゃまになった竹藪沿いのツバキをたくさん切ったが、ミツバチのためには惜しかった。しかし竹薮沿いの通路を電柵のために広くしておいたので、今回の巣箱設置には役立った。
農閑期にする山仕事は、将来的にミツバチの巣箱設置を視野に入れて進める必要があると思った。
巣箱は日陰(樹木で陰になるような場所)で、前方が開けている場所に設置する。
6年前から始めたスロー人さんは、インターネットを参考にしながら独力で巣箱作り、巣箱設置、蜜の取り方を学ばれたようだ。
ボクはすべて依存。楽しみたいのはミツバチの箱のある風景と、ミツバチが箱から出入する風景。ミツバチの起承転結の苦手部分(巣箱作り等)は全てパスする。楽しみ方は人それぞれ。
ヤギの放牧場が完成した。
2030年 農業の旅→

鳩山政権が導入した農家への戸別所得補償制度では、飼料用米に10アールあたり8万円という高い助成がつく。食用米から転換しやすいことから、コメ余りを防ぎつつ飼料の自給率向上を進める狙いがある。それなのに、全国にコメの流通網を持つ全国農業協同組合連合会(全農)グループが、コメ農家のやる気をそぐような説明をしている、と〇〇さんは怒っているのだ。パネリストの山田正彦農水副大臣がすぐにマイクをつかみ、「全農外し」を勧めた。「全農を通すと流通コストが高くつく懸念がある。近くの畜産農家と直接取引すれば、コメ農家の手取りもかなりある」
世界一の飼料穀物輸入国である日本において、全農グループは「飼料メジャー」の顔を持つ。米国に世界最大の穀物集積施設を持ち、穀類買い入れから輸送、配合飼料への加工、販売まで掌握し、全農の収入源となっている。山田氏は全農の流通網の一端に風穴を開けようとしている。
政権交代前から民主党は「脱・農協」を唱え、小沢一朗幹事長は、「農協の中央団体は官僚化、既得権益化しており、相手にする必要はない」が持論だ。戸別所得補償も農協を通さずに農家に助成金を渡す狙いが込められている。
民主党は農協の自民党支援を批判しているが、農協が政治的にどう振る舞うかにかかわらず、鳩山政権が進める「脱・農協」の取り組みは変わりそうもない。
(以上、朝日新聞3月21日、一部抜粋)
父の代からの農協の組合員であるが、農業を始めて20年間、農協とはほとんど関わりなくやってきた。
以前は農薬や肥料や農業資材は、「農協しか扱っていなかった」が、規制緩和があったのか、自分が農業をスタートした数年後にはホームセンター等で肥料や農業資材の販売も始まり、競争が始まった。
ニワトリのエサも、近くにできた農業資材店の「コメリ」で買うようになった。
20年、ほとんど関わりなくやってきたが、今年から、農協の「直売所」へ出荷させてもらおうと思う。
ただ、特定の直売所だけに依存すると、遠慮も出てくるので、他の直売所にも出したい。
2030年 農業の旅→

お彼岸の3連休であるが、農家はいつも忙しい。農閑期であるが、毎年、農繁期のような農閑期を過ごしている。
種蒔きもまだ始めてなく、出荷もしていないが、それでもすることがいっぱいある。
彼岸の墓参りに来る人が多いが、山べりの道からヤギを見て「か~わいい」という声が聞こえた。2頭というのは1頭よりインパクトがある。大型種を1頭飼うより、あまり大きくない品種を2頭飼う方が扱いやすいし、草を食べる量も同じと思う。
広い放牧場ができても3頭は飼えない。今後も「つなぎ飼い」と併用するので、2頭と3頭では手間が大きく違ってくる。
留めていなかった竹を針金で縛り、2メートルの補強杭を木槌で打ち込み、杭と針金で縛った。
木槌は、自分の場合はよく使う農具であり、大、中、小の3本の木槌が活躍している。ヤギの杭を打つ時に毎日使っているのは中の木槌である。
次回で完成と書いたが、今日1日で放牧場は大体完成した。放牧して様子を見てみようと思う。問題になりそうな点は、
(1)石垣を壊す可能性が高い→竹を並べて防ぐ
(2)捕まえる時→好物の「塩」で捕まえる
パソコンが届いた
今日、DELLのノートパソコンが届いた。今回は払い込みをしてから届くまでに1ヶ月もかかった。現在使っているパソコンはしばしば「うなり音」をあげるが、なんとか持ちこたえてくれた。
前回は、亡くなられたA先生に購入してもらい、今回はO先生に購入してもらった。
4年間、このパソコン(DELLのインスパイロン1300)にはまことに世話になった。ブログ以外の機能はほとんど使えないが、ブログだけ使えればよい。
パソコンでもう一つ助かっているのは「困った時のグーグル頼み」が頭の中にインプットできて、たいていはグーグルで回答を引き出せている。
依存症に近いが、夢中になれるものを見つけてくれたのもパソコンである。
メタン菌液肥
一昨日、今日とメタン菌液肥をそれぞれ5荷、4荷担いだ。 1荷は18リットル×2=36リットルほど。水ではなく米ヌカやナタネカスが入っているので20リットル×2=40リットルは重くて担げない。いっぱい担げば25リットル×2=50リットルである。
メタン菌液肥を指導してくださったKさんはもう古希が近いのに、平然と40リットル超を担いでいる。
メタン菌液肥を施すと数日間は、あたり一面臭う。今日は彼岸の墓参りの客にもかなり臭っただろうと思う。一昔前によく田んぼに施していた人糞尿の臭いに近い。
オンドリとヤギ
オンドリは怒ったり威嚇したりする時に鳴き、ヤギは何か要求のある時にやさしい声で鳴く。やさしい声だからすぐに聞いてあげたくなる。オンドリは凶暴で油断ができない。2羽の動向に常に注意を払いながら動かないと、手痛い一撃をくらう。エサやり、水かえ、草やり、卵集めの時、1日に何回も攻撃を受ける。つい同レベルになって蹴っ飛ばす。
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ヤギ放牧場作りの3回目。Uさんが援農に来てくださった日しか進展していないが、次回で完成し、ヤギが放せそうである。
こんなに早くできるとは思わなかった。
囲う場所は自分が決めたが、完成図は想像することができなかった。
ヤギがとても喜んでくれると思う。
メッシュ(1メートル×2メートル)を何枚使い、杭(1メートル40センチ)を何本使い、補強の杭(2メートル)を何本使ったかは、最終的に完成してから報告します。
今日は主に扉作りに費やした。扉の開閉部分にはゴムか自転車のチューブのようなものを使えばいいと、ゴムのようなものを傘釘で留めてくれたが、開け閉めしているうちに完成後30分も経たないうちに、2箇所の扉のゴムが切れてしまい、やりなおしとなった。やりなおしはミツバチの巣箱用に購入していた蝶番を使った。
3箇所に設けた扉の本体はUさんが手づくりしてくれたものである。
扉を閉める部分は1箇所は「かんぬき錠」にして、残りの2箇所はマイカ線(紐のようなもの)で簡単に留めることにした。
今日の作業中も、小学校3、4年レベルの理科のような力学が出てきたが、こういう所が自分はチンプンカンプンで、一つ一つUさんに尋ねながら進めた。
(1)2メートルの補強杭はどのように打ち込んだらいいか→打ち込む部分に少し穴を掘り、そこに杭の先を固定すると打ち込みやすい。
(2)コーナーは直角ではなく、3本の矢のような向きに補強杭を打つ。
(3)補強杭は、よく歩く場所はじゃまになるので、しゃくし定規にする必要はない。
放牧場の中には、これから花が盛りになる「レンギョウ」と「ユキヤナギ」を植えているが、ヤギが好んで食べるようであれば、放牧場の外に植え替えようと思う。
アジサイも植えているが、これは好物でよく食べるので、今月中には植え替える必要がある。
放牧場の中には他に、山菜の「シシウド(山うど)」が自生しているが、これもヤギの好物だと思うので、一部は植え替えようと思う。
この後は、鳥取県方式のヤギ小屋(1メートル四角の小屋)を2つ作って設置すれば、全てが完了する。
ヤギを飼い始めて数ヶ月過ぎても、放牧場のことなど脳裏に浮かんではいなかった。数ヶ月が過ぎてから、ヤギ小屋に隣接して放牧場があれば、ヤギが喜ぶだろうなあと意識し始めた。
最初はオスヤギの小屋に隣接する2アールほどの田んぼを放牧場にする予定だったが、10月7日の台風の日の夜にイノシシに激しく襲撃され、耕作適地はすべて電柵で囲うことにしたので、一転、現在の場所が浮上してきた。
2メートルほどの高低差と大きな岩があり、起伏にも富んでいるので、この場所の方がヤギは喜ぶ。
太い笹が生えていた場所をヤギの放牧場に開墾したことで、まわりの風景が一変し、牧歌的な風景を作り出せた。
これこそヤギのおかげ。本当に「里山」らしくなった。
ただ、自分ではこうしたいと思っても、Uさんの援農なしでは実現しなかった。
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今日はずっとヤギの傍らで農作業をした。片方は人間として生まれ、片方はヤギとして生まれたが、今こうやって同じ時間を共有している。だんだんと、いい相棒になってきた。
昨日の続きのジャガイモを伏せ、一昨年購入していた化成肥料を少しふり、クン炭を適当にふり、手でジャガイモに土をかぶせ、その上からメタン菌液肥をふった。
化成肥料は、去年は全く使わなかったが、一昨年購入していたのが、ほとんど手付かずで残っており、それを使った。
去年の秋、直売所用に「菜っ葉」をたくさん作ったが、下葉の多くが黄変するのを見て、これは「窒素分」が足らないのではと感じた。
主に使っている「メタン菌液肥」は、米ヌカが主体なので「リン酸」は足りているだろうし、クン炭や木灰(木を焼いた灰)は元肥に必ず使うので、「カリ」も十分に足りていると思った。
そうなると、残るは窒素。窒素分をどう補充するか。
我が家の鶏糞は、濃厚飼料(購入飼料)も与えているが、量的にはエサの3分の1ほどであり、コゴメ、米ヌカ、青菜(野菜クズと雑草)が3分の2ほど。だから鶏糞に窒素分が少なく、肥料効果も低い。
去年の秋から、直売所で同業者の出荷物を目にするにつけ、自分の野菜のみすぼらしさを感じた。基本的に肥料(特に窒素肥料)が少ないと感じた。
「硫安」か「尿素」という窒素肥料を補充しようと考えた。
硫安だけは子供の頃から知っている、古くて懐かしい肥料である。
化成肥料と農薬を使えば,GAP(農作物生産工程の明示)が必要になってくる。
化成肥料をどの作物に何キロ使ったかという細かいGAPは難しい(多種類だし、いちいちキロ数など量れない)が、年間に購入した合計金額は容易に明示できる。
使っても、年間に5千円以内だろう。
ワンパック宅配では「競争」はなかったが、直売所では同業者との「競争」が常につきまとう。肥料が不足気味の貧相な野菜では買ってもらえない。
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2回目のクン炭を焼いた。前回焼いたのは2月18日だから1ヶ月ぶり。この間、雨がよく降り、クン炭を焼くタイミングがとれなかった。
クン炭は、低温期に5時間ほどかけて焼いた方が「歩留まり」がよい。今日はいつもと同じ籾殻の量だったが、AM9時~PM1時の4時間で焼けた。
クン炭は楽しい農作業であり、「クン炭」を焼く風景もいい。一昔前は稲の「苗代」に使っていたので、稲秋が終わると、どこの家でも「門先」で焼いていた。
クン炭は「5日間ほど」は戸外に放置(火事の危険性大)しておくことを肝に銘じて置いてください。
夕方、ジャガイモのダンシャクとメイクを植えた。明日は残りの「オオシロ」と「アンデス赤」を植える予定である。「オオシロ」という品種は酪農家にもらったもので、ジャガイモにこういう品種があるのを知らなかった。
ジャガイモは例年の2倍植える。セット野菜なら「顧客数」によって植え付けは決まってくるが、直売所にも出荷するなら、たくさん植えても問題はないし、クズ芋はニワトリが喜ぶ。ただ、病気が必ずといっていいほど発生し、無農薬なら収量は半減するので、たくさん植えるとばからしい。だから定植数はおのずと限界がある。
ジャガイモ、タマネギ、ナンキン、トウガンという4種類の在庫作物(長期保存作物)と、ナスビ、ピーマン、オクラという3種類の果菜類と、エンサイ、ツルムラサキ、青シソという3種類の葉菜類を組み合わせて、春夏作の出荷を計画する。
ナスビ、ピーマン・・・・・収穫時間10分
青シソ・・・・・・・・・・・・・・収穫時間10分
エンサイ・・・・・・・・・・・・・収穫時間15分
ツルムラサキ・・・・・・・・収穫時間15分
オクラ・・・・・・・・・・・・・・・収穫時間15分
ハーブティ用ハーブ・・収穫時間15分
収穫時間合計1時間20分+予備10分=1時間30分
これらの作付面積の合計は6アールほどである。
これらは、「水の要求量」も多く、井戸水の量との関係もあり、「収穫時間」と「水の量」の両側面から6アールほどが限度である。
キュウリとニガウリは得意でないので、少量だけ作る。
春夏作の収穫期間は10月末頃まで続き、秋冬作は作付できないが、ナンキンとトウガンだけは、8月末頃で収穫が終わり、秋冬作にまたがらないので、たくさん植えたいが、これも病気(ウドンコ病)が多いので、無農薬なら、たくさん植えるとばからしい。今年は農薬使用も視野に入れている。
差引手取り100万円を目標にするなら、比較的楽しく農業をすることができる。
自分は農業能力が低いので、これだけの目標でも「旬の時期にはかなりハード」にやっている。
差引手取り150万円以上が目標なら、「農業における能力」が必要になってくると思うし、「作り方」も変わってくると思う。
農業で差引手取り200万以上稼ぐ人は、自分からみれば「ものすごい能力」に見える。真似ができない。
差引手取り150万以上必要なら、凡人には、農業の継続は難しいと思える。
最近の朝日新聞は「反民主党的」に感じる。朝、新聞を開く時には、できるだけ純粋に、偏向した目で見たり読んだりしないようにとストイックになるが、ここ2週間ほど、何か「論調がおかしい」と感じる。おかしいを通り越して「腹立たしく」なるので、「社説」や「政策ウオッチ」は読み飛ばすことが多い。
具体的にどの記事がというと「自分の独断と偏見」になってしまうが、ぱらぱらと新聞をめくって大見出しを見ながらの全体の構成から、そう感じる。
半ページの大きさの「広告」も、あまりに多すぎる。今日は9枚だった。
今日のオピニオン(耕論)は「民主党と労働組合」であり、朝日新聞「報道と人権委員会」の記事は「検察・メディア関係は」だった。こういう記事の場合、どちら側の「論客」を多く登場させるか(3人では平等と思わない)、あるいはどちら側の主張を字数多くのせるか、そして配置など、「操作」のニュアンスは、読む人も直感的に感じるものである。
やっと変えれた政権だから、その一点だけで支持したい。
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蜂の巣箱のセッティングを電話でお願いした。蜂に関しても、ヤギと同じように新たな出会いがあり、その出会いのおかげで一歩前に踏み出せそうな気がする。
来て頂くまでに用意しておくものを尋ねた。
(1)ブロック・・・巣箱をのせる
(2)黄色のコンテナ(ビール箱)・・・巣箱をのせる
(3)マイカ線・・・巣箱を止める
(4)キンリョウヘン・・・ミツバチが寄ってくる花(ラン)
(5)蜜蝋・・・巣箱にぬる(もらったものがある)
(6)ガスバーナー(1500円ほど)・・・巣箱を焼く
(7)波板(ベニヤ板でもよい)・・・巣箱の雨避け
何から何までお世話になる。こういうことは特に苦手。
とにかく、今月中に設置して、4月、5月の2ヶ月間でなんとか1群は捕まえたい。
捕まえれなければ、次のステージに進めないし、何も学べない。
1年間、蜂浪人をして来年の4月、5月を待たなければならない。
捕まえることができたら、蜜源探しや、蜜源作りの行動も起こせる。
毎日1回は巣箱をチェックして、時々、状況をブログにのせれる。
ミツバチの大量死問題から、全国の多くの市町村でミツバチプロジェクトが立ち上がりつつあるようだ。今日の農業新聞には巣箱のオーナー制や、はちみつトラスト制度のことが載っていた。
ミツバチの起承転結には、
(1)巣箱作り
(2)巣箱のセッティング
(3)巣箱の日々のチェック
(4)蜜源探し、蜜源作り
(5)天敵の蜂の防除
(6)蜜の取り方
(7)蜜の売り方
ニワトリでも
(1)トリ小屋作り
(2)日々のエサやりと青菜やり
(3)エサ集め、エサ作り、エサの購入
(4)卵の売り方
(5)淘汰の方法→自分でするか、他人に依存するか
ミツバチもニワトリもいろんな工程があり、工程の中に、得意、不得意が混在する。
ニワトリに関して言えば、
トリ小屋作り・・・近所の大工さんに依頼。トリ小屋が自分で作れないなら、ニワトリは増やせない。
エサ集め・・・料理店等からもらう。これがうまい人はエサ代を安く上げることができる。羽数が少ないので自分の場合は無理。
エサ作り・・・稲や麦やダイズであるが、現実には難しい。
卵の売り方・・・継続的に購入してくれる直接の販路はなかなか見つからない。直売所なら少しは売れると思う。売るとすれば10個で350円ほど。400円なら自分は買えないし、300円なら売りたくない。
淘汰の方法・・・自分で淘汰できる数は30羽ほどだろう。1日に淘汰できる数は10羽くらいと思う。
ミツバチに関しては、(3)の巣箱の日々のチェック、(4)の蜜源探し、蜜源作りはできても、それ以外はどれも不得意。
援農してもらっているUさんの指導を受けながら、「巣箱作り」を試みたが、2人で半日で終わらなかった。大部分はできたが、細部(巣の入り口や、巣箱を掃除する時の引き戸等)が難しくて完成せず、結局、「詰め」ができず、2人で半日を費やし、木材の原材料代等を考えると、木工作家が提示してくれた巣箱を購入した方がはるかに安くつくと思った。
巣箱4段(5000円)、待ち受け2段(2000円)で、採算が合いますかと尋ねたら、しばらくはこの価格でいってみると言われた。
世間相場では巣箱4段で2万円ほどらしいが、これでは自分は手が出ない。1万円なら2つほどが限度である。
5000円という金額を提示された時、これなら将来的に巣箱10~20個くらいは増やせると思った。1年に2個ずつ増やしていっても、1年で1万円で納まるから。
友人なのに、金額のことを細かく言いたくないが、他人に紹介する場合、巣箱4段が8千円~1万円以上すれば、あまり購入してくれないだろうと思った。
5000~6000円なら、買い手はいくらでも見つかるし、購入した人が毎年のように購入し続けてくれるだろうと思った。
巣箱作りの段階はまだ小さな一歩に過ぎない。この巣箱で1群でも捕まえないと、次のステージに進めない。1年間の蜂浪人を余儀なくされたら、熱が冷めてしまう。
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後継者はいなくても、いつでもすぐに引き継ぎができるようにしている。大型農具は乗用トラクターだけだし、技術的な指向はしてこなかったので、引き継ぐ人に能力がなくても全然大丈夫。「田んぼという外気」に慣れるまでが引き継ぎ期間である。
できうるならば、ニワトリとヤギと電柵は3つ同時に止めたい。出荷農業にも、家庭菜園にもすでに電柵は必須となった。村道のゲート開閉という朝夕の負担は、ニワトリとヤギが負担を相殺してくれている。
農業はすでに、希望してもなかなかできない「特権階級」になっている。
農業に転身することの難しさと、農業を継続することの難しさに直面するだろう。
だからこそ、元手をかけず、技術指向をせず、旬に忠実に、農具(減価償却資産)を少なくし、規模を大きくせず、生物多様性農業(少量多品目生産、家畜も飼ってリサイクルする)をして、ごくシンプルな農業(減価償却費を除いた農業経費が年間50~60万以下)をめざす。
ジャガイモ、植え付け準備
午後、雨が止んでいた時にキクイモを掘りあげ、ヤギを外に出した。そのうちにまた雨が降り始めたので、ヤギを小屋に戻し、電柵のゲートを閉め、家に帰ると車庫でジャガイモを適当な大きさに切り、明日か明後日には植えれるようにした。
世の中にパソコンがなければ、4年に1度ほどのパソコンの買換えも発生しないし、かなりの時間を費やしてパソコンを習ったり、覚えたりする必要もない。
携帯電話がなければ、携帯電話を買う必要もない。
下水道が来なければ、毎月の下水道料金を支払う必要もなければ、下水道新設時の各戸負担金として20万円ほど徴収されることもないし、トイレの改修費として100万ほどの出費を迫られることもない。
イノシシやシカが出没しなければ、3年前と今回で合わせて16万円ほどの出費を迫られることもなければ、柵線の下の草刈やゲートの開閉に多大な時間を費やすこともない。
ニワトリとヤギがいなければ、毎朝、もしくは朝夕の30分ほどの拘束はない。それでもニワトリのいない農業は考えられない。ニワトリ小屋は野菜クズや雑草の「捨て場」だから。ヤギは一昔前の農業を見直す実験と考えている。これからの時代に「癒し」もしくは「ヤギ乳」として要求されるかどうかはわからない。
ハウスがなければ1~2ヶ月の農閑期がもてる。農閑期のある農業をすれば、農閑期に何かを成し遂げることもできる。しかし、農閑期のアルバイトはなかなか難しい。
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昨日はまだ蕾だったのに、今日の暖かさで一気に咲いたサクランボの花。確か、ミツバチのいい蜜源だったはず。
サクランボの実は鳥に食べられてしまうが、桜のような花が楽しめる。しかも桜より2週間ほど早い。
「桜切るバカ、梅切らぬバカ」と言われるが、夏にサクランボの枝を切って何回かヤギに与えた。サクランボも桜と同類?
それでも、桜のように大木になったら困るので、やはり切らないと。
例年、彼岸前にする集落の墓掃除が今日あり、来客もあったりして、春ジャガイモの植え付けができなかった。明日の午後からまた雨の予報。どうしよう、まだ遅れる。
画像は放牧場の中の大岩であるが、その昔、ここが「石切場」であった形跡を、今日、はっきり見つけた。
大岩のすぐ下にある水平の石にも、線がくっきりと残っている。しかもその隣には、切った石の数々。
この岩だけでなく、鳥小屋の上の道の「のり面」にある石にも、はっきりと切った形跡がのこっている岩がある。
350年ほど前、備前岡山藩、初代藩主、池田光政の時代に、竹薮の中に大きな寺があったらしい。竹薮の中にはりっぱな石垣と土塀跡も残っている。そして当地一帯の田んぼの名前は「大門田」。つまり大きな「寺の門」があったようだ。
「町史」にも、お寺のことが載っているらしい。
この石は、近くの石垣に使われている石とは石質が違うので、時代は大分異なると思う。
切った石はどこにどのように使われたかわからないが、何百年か前に、確かにここで「作業」をしていた人が何人かいたのだ。その息吹を感じて、とてもうれしかった。
近くでみていると、ほんのちょっと前だったような気がする。
ああ、話がしたい。何百年か前、ここに生きた証を刻んだ人たちと。
来月にはこの2つの石は、ヤギのお気に入りの遊び場になるだろう。
放牧場の外の、水路のそばの、ちょっと湿って見える所、ここをビオトープにする予定であるが、池のすぐ下でもあるし、池の水も関係してくるので、地域の常設「水路や道路の世話人」さんに話しをして、許可をもらう必要があると思った。
池の水を使うには、稲作の場合、10アールにつき3500円の支払いがいるので、野菜に使わせてもらう場合も、常設さんの了解をもらい、お金を支払う必要がある。
理由は、この池には岡山三大河川の一つである吉井川から「ポンプアップ」する設備があるので、ポンプアップ代金である。
ポンプアップする設備ができたのは、池の上流の山が切り開かれて保水力がなくなったから。
これでは何のための「ため池」か。
美しい水とは到底いえない。
ボクが子供の頃には休耕田など全くなく、それどころか山のねきの半日陰の猫の額のような狭い田んぼにまで、すべて稲が作付されていたが、ポンプアップ設備などなくても十分に水は(水喧嘩はよく耳にしたが)供給されていた。
この池と、その上のダムと、その上の池の3つで、当地一帯の稲作の水は賄えていたのに、40年ほど前、ダムの上の山が牛の放牧場に切り拓かれてしまった。
ポンプアップ設備ができたのはいつのことかよくわからない(農業がひらめいた35才の時まで、農業にも地域のことにも全く無関心だった)。
今は42軒ほどの集落で8軒しか稲作をしていないのに、水が足らなくてポンプアップすることがあるようである。だから水代がかかってくる。
自分の場合は、井戸ができてからは、池の水はほとんど使っていない。ニワトリの飲み水もたいていは家の簡易水道(山水)の水を容器に入れて持参している。ヤギはあまり水を飲まない。
了解がもらえなかったら、ビオトープは作れないが、この周辺をきれいに掃除して、落ち水がすべて左の水路の方に流れるようにだけはしようと思う。
2030年 農業の旅→
元自民党幹事長の野中広務さんは、鳩山政権が新年度予算案の土地改良事業費を約2千億円に半減させたことに、「土地改良に何の恨みがあるのか」と怒りをぶつけた。
(朝日新聞3月12日)
ボクは逆に、野中広務さんに反論したい。土地改良に何のメリットがあるのかと。
土地改良とは圃場整備のことだと思う。
(1)圃場整備は農家の負担も伴う。
(2)圃場整備しても、田んぼの資産価値はそれほど上がらない。
(3)日本の風土に適した田んぼの広さや、その地域特有の田んぼ風景を壊してまで、田んぼを広くする価値がどこにあるのだろうか。大型機械の導入に便利だとか、大規模経営に適するなど、田んぼを経済的尺度でしか見ていない。圃場整備は明らかに、田舎の田んぼ風景を壊してしまったと思う。
(4)古の人たちが丹精こめて作り上げてきた土や、守り続けてきた風景を、なぜ近世の一時期だけの「経済的理由」で、改良しなければならないのか。
(5)圃場整備のために「客土」したり、大型重機を田んぼに入れて土を踏み固めることは、それまで育んできた土を台無しにしてしまう。
(6)圃場整備と並行するように減反政策も始まった。これによってますます、圃場整備された田んぼ以外は休耕田にすることが加速された。
(7)圃場整備された大区画の田んぼより、小さな曲がりくねった田んぼがたくさんある方が見ていて楽しい。大区画の田んぼなど何の面白みもない。
(8)圃場整備によって子供の頃から慣れ親しんできた田んぼがなくなり、田んぼの大きさや場所が変わると、、ある種の喪失感に襲われる。
価値観が全然異なるのだろう。
畑作物のカドミウム
米以外の穀類や野菜などの畑作物については規制がない。
旧鉱山や精錬工場近くの畑などで局地的に検出されたとみられる。
鉱石の精錬過程で出た排水や降灰が土壌汚染の原因と指摘され、高濃度に含む食品を長期間食べ続けると腎臓の障害を起こし、イタイイタイ病の原因となる。
環境土壌学の浅見輝男・茨城大名誉教授によると、汚染原因はカドミウムを排水や大気中に出す鉱山や精錬工場が代表的だが、カドミウムを含有するリン鉱石を使った肥料も考えられ、土壌汚染は人為的な側面が強いという。
(以上朝日新聞3月5日)
降雪被害
9日~11日にかけての中国地方の降雪被害は2億円を超えた。島根県ではパイプハウスの全壊・半壊が1.34ヘクタール。岡山県ではブドウ棚の倒壊が11.98ヘクタールもあったようだ。
ハウスは大型台風による被害もあるが、降雪による被害もある。投下資本が大きいのにリスクも大きい。
当地周辺でも過去にハウスの倒壊というのをしばしば目にしてきた。こういうリスクを抱えるのは第一次産業だけだと思う。
こういう現実を見聞きするにつけ、ハウスがなくてよかったと思う。
(1)ハウスは投下資本の割には、見返りの収入が少ないように思う。
(2)農閑期が少なくなる。
(3)風景を壊す作用も大きい
大型農具をもっていないから、農具事故の心配は少ない。
ハウスがないから、台風や大雪の心配は少ない。
2030年 農業の旅→
ビオトープ(水辺)を作るための「アカマツ」をもらってきた。「アカマツ」は水の中でも、なかなか腐らないらしい。
池の土手の底から、かなり水漏れしているので、ヤギ放牧場の隣にビオトープを作る予定である。池の水がビオトープに入り、ビオトープから自動的にまた水路に流れていくようにする。
1畳半ほどの広さで、深さは掘れる所まで。単に掘るだけでいいと思ったが、アカマツを使えばきちんしたビオトープが作れると言われるので、Uさんが「レジャー林業」をされている山へもらいにいってきた。施行予定は7月か8月の1ヶ月間。
この1ヶ月ほどでヤギが食べた木の葉。結構よく食べる。ヤギ舎の近くに、食べた木の枝の捨て場を確保する必要があるのと、たまったら定期的に焼く必要もある。
4月中旬以降は雑草が勢いよく伸びるので、雑草主体にするつもり。
ミツバチの季節になった。捕まえる(巣箱を気に入ってもらう)チャンスは、3月下旬~5月末頃までの2ヶ月間ほどしかない。
いっしょに「ミツバチの大量死問題」を考えてみませんか。
購入した巣箱は、
4段巣箱・・・・・・・・・ 5千円×2つ=1万円
蜂の待ち受け箱・・・2千円×3つ=6千円
合計で1万6千円。
「待ち受け箱」は無しで、4段巣箱1つだけでもいいようです。この春、家の近くにでもセットしてみませんか。
原材料代や箱を作る手間など考えたら、購入した方が安くつく場合があります。自分で作るにしても、1つはサンプルがいるような気がします。
もしこの春、巣箱を置いてみようという方がおられましたら、当方までメール(コメントでなくメール)をお願い致します。友人の木工作家を紹介します。
時々コメントをくださる「スロー人」さんは、我が家から25分ほどの、日本ミツバチに詳しいキャリア6年のアマチュア養蜂家です。巣箱のセッティングをお願いしようと思っています。
家畜福祉の止まり木。ニワトリは天井近くの止まり木を好む。
止まり木よりはるかに大事な家畜福祉は「青菜をたらふく与えること」。
ケージ飼いのニワトリは、
(1)ほとんど身動きできない
(2)青菜を食べさせてもらえない
(3)交尾もできない
(4)太陽を知らない
(5)3~4ヶ月で土から離される
市場に出回っている卵の99.9%はケージ飼いの卵である。残酷な飼い方だと思う。
小学校の高学年の頃、集落で1軒だけ、ケージで30羽ほどのニワトリを飼っていた。年が近いその家の子供が、ケージで飼うと清潔だし、どのニワトリがどれだけ産んだかよくわかると話したが、ボクはただ、動けなくてかわいそうと思った。
放牧場の中で雑木を焼いた。現代の林業の最大の問題点は、本体の木材の利用価値はあっても、間伐材や枝打ちした枝の使い道が全くないという点である。
間伐材等は「焼く」か「その場に放置する」しかないのである。これでは林業とはいえない。逆に環境破壊である。
林業には全く未来は見えない。莫大な予算を林業に投入するなら、それは単なる無駄遣いである。
林業が復活するのは、世の中がまた「炭」や「焚き付けの落ち葉」や「下刈りや間伐材」を必要とする時である。そんな転回があるのは自然環境の大変化の時だろう。
企業が農業に参入できない理由
時間回転率、設備回転率、土地回転率、この3つの回転率が特に悪いので、農業はあまり利潤を生み出さない。
企業が農業に参入できない理由はここにある。
農業が儲かるのだったら、もうとっくに企業が個人農業を「淘汰」しているはずである。そうならなかったのは、資本主義(工業、商業)が農業に参入できない「何か」があったからである。
工業や商業と異なり、農業は最短でも収穫できるようになるまでに2ヶ月(60日)ほどかかり、その間、特定の設備(ハウスとか、その作物を作るための棚や支柱)は、その作物だけに占有され、他に利用はできない。土地も同じである。
こんなにゆっくり回転しているものに、利潤など生み出せない。米や野菜の成長スピードは500年前とそんなに変わらない。
つまり農業は、資本主義が逃げ出すほど儲からない産業なのである。多分今後もそれは続くだろう。
資本力で強引に参入しても負債を抱えたり、環境破壊をもたらすだけである。
特筆すべきは、農業は他の産業にない「環境の形成」や「環境保全」や「癒し」という独特のものを保持している点である。これも資本主義には見られない特性である。
2030年 農業の旅→

ヤギ牧場作りの2回目。Uさんが援農にきてくれた日しか、前に進まない。
それでも、杭を打ち、メッシュ(鉄柵)を針金で杭に止めるくらいはできたので、できる範囲でしておいた。
今日はそのメッシュに3本の竹を横に渡して、竹とメッシュを針金で止めた。
勾配のある箇所はどういうふうにするのか、全くイメージできなかったが、Uさんは竹を斜めに渡して止め、細く割った竹を画像のように斜めの竹に交互に組んだ。苦手なことは頭が全然動いてくれない。
次回は、4メートルごとに2メートルの杭を45度に左右から打ちこんで補強をする(と言われた)。

1年が過ぎてもまだヤギに振り回されているが、仕方がない。放牧場(約3アール)が完成したら、いままでより手が抜けると思う。
今日やっと雨があがったが、田んぼが乾くまでに1週間はかかるだろう。
ジャガイモ、ヤーコン、キクイモ・・・遅くとも春分の日までには植えたい。
レタスの定植・・・田んぼが乾き次第、至急に植えたい。
他の種蒔きは4月に入ってから。
2030年 農業の旅→
政府の行政刷新会議は、事業仕分け第2弾の対象にする公益法人選定のため、各省庁の担当者からヒアリングを始めた。
国が所管する約6600法人のうち290法人について、各省庁から業務内容や補助金を出している理由などを聴取する。
①収入の半分以上が公費からの支出で、官僚の天下りを受ける「国丸抱え法人」
②国から権限を付与され、国の「子会社化」している法人
③地方自治体から会費を得ている法人
④外部に業務を委託している「トンネル法人」
以上の4つの視点に基づいて仕分け候補を100程度選び、さらに絞り込む方針。
農水省所管の公益法人では下記の8法人
(1)全国農地保有合理化協会
(2)畜産技術協会
(3)配合飼料供給安定機構
(4)日本森林技術協会
(5)海外林業コンサルタンツ協会
(6)マリノフォーラム21
(7)都市農山漁村交流活性化機構
(8)中央果実生産出荷安定基金協会
他省庁との共管の公益法人では、下記3法人
(1)日本穀物検定協会(農水、国交)
(2)国際農林業協働協会(外務、農水)
(3)大日本蚕糸会(文科、農水)
(以上、農業新聞3月10日)
農水省関連の公益法人は徹底的に精査してもらいたい。消費税アップ論議より、こちらが先である。
改正過疎法、今日成立へ
現行法は、過疎地域に指定された市町村が発行できる過疎債の対象事業を、道路、水道整備などのハード事業に限っていた。
改正過疎法は、過疎債の対象に集落活性化を担う人材育成などのソフト事業を加えるのが特徴だ。その他、地域医療や交通手段の確保などを想定する。
(農業新聞3月10日)
水道整備とは大半は下水道事業のことだろう。過疎の山村で、道路や下水道のインフラ整備をいくらしても、過疎の山村に人はとどまれない。
(1)働く場所もない。
(2)景色(風景)だけでは食っていけない。
(3)インフラ整備がなされると、ますますライフラインの支払いが多くなり負担になる。
(4)インフラ整備はいったい誰のためにしているのか、誰の儲けになるのか。
過疎債のことがよくわからなかったので、グーグルで「過疎債とは」と検索したら、上から2番目に「この世はすべて売りか買い? 過疎債」があり、とてもわかりやすかったので、下記にコピーさせてもらった。
『税金の無駄遣いというのは既にいろんなところでいろんな人々に議論し尽くされた感がありますが、最近読んだ小説で、今さらながら税金が地方でいかに壮大にばら撒かれていたのかと痛感したので紹介します。
黒木亮の「カラ売り屋」(講談社文庫)という短編集の中の一つで「村おこし屋」です。国から地方への各種補助金や助成制度を食い物にする男の話です。
その中に出てくる出鱈目な地方への「施し」を紹介しますと、先ず「過疎債」。これは法律で過疎地として認定された自治体が発行できる債券で、引き受けるのは財政投融資。そして、金融業界で働く者にとって驚くことに、この債券は三割だけ償還すればよく、残りは国が地方交付税を交付してくれるそうです。この仕組みを使って、観光客のいないところに大きな箱モノ事業としてテーマパーク等を作って赤字を垂れ流しているわけです。
三割だけの償還でいい債券とは、少しでも金融の知識のあるものにとっては夢(悪夢?)のような話です。
また、引き受けての財投とは、大部分が郵便貯金、簡保、公的年金です。もちろん国民のお金なのですが、それが地方で費消されて、戻ってこない結果となっています。そう考えると、郵貯改革は必然のことなのですが、何故かこの国では郵貯改革は悪の根源のように言われています。自分の財産が地方で無駄に使われ、食い物にされているのに、です。小説の中では食い物にしているのは、詐欺師と商社、建設会社、田舎政治家とそれに寄生するヤクザや一般の人達となっています。
平成の大合併はピークを超えたようですが、合併特例債も強烈な仕組みです。市町村が合併すればこれを発行でき、やはり七割は国が地方交付税を交付して償還してくれるので、豪華絢爛な町役場などが日本中で建設されたようです。
その他にも「ふるさと基金」と言う名の地方交付税を積み立てたもの、これもふるさと振興事業に使われた。。。。。。
また、農林水産省が所管する中山間地域綜合整備事業、農山村地域就業機会創出緊急特別対策事業(本当に役人言葉は。。)、構造改善事業、建設省が所管する都市公園事業に指定されるとそれぞれに補助金が出るそうです。
これだけ「施し」を受けて、タダの金を手にすると二代目の極楽息子みたいなもので、ろくでもない金の使い方をすると相場は決まっているのです。』
団体経由の政策見直し明記
農水省が3月中の策定を目指して検討している新たな食糧・農業・農村基本計画の素案では、農業関係団体を経由した政策について見直す方向性を明記した。
農業関係団体を経由又は活用した施策は、これまで施策の推進の円滑化に寄与してきた一方で、政策的なメッセージ性を低下させたり、当該団体とかかわりが薄い者に対する政策効果の発現を限定させる場合もあったことから、可能な限り施策対象に直接作用するものに改善する。(農業新聞3月10日。下線は当方が引いた)
各種補助金は、農協経由より農業者個人に直接支払った方が明瞭になると思う。
2010年度農業農村整備事業について
耐用年数を超えた水利施設の修繕だけでも、年間6000億円の予算が必要だと言われている。2010年度の同事業の予算額は2129億円で、農山漁村地域整備交付金の1500億円を足しても、3629億円であることを踏まえ「60%しか準備できていない。きちんと事業の役割を果たせるのか」とただした。農相は「今の国の財政状況では難しい」と述べた。(農業新聞3月10日)
この40年間にわたって、当方のすむ田舎でも、川の改修、池の改修、道路の拡張や改修、山林の開発等が、何回も繰り返し行われてきた。子供の頃の記憶にある「古里の山河」はまさに一変してしまい、もはやその原型すらとどめていない。
記憶を返せ!
美しかった古里の山河を返せ!
多くの改修は「30~40年が耐用年数の改修工事」である。耐用年数のある改修工事をすれば、30~40年が経過すればまたそこで改修工事が必要になる。
こういう改修をしてはいけないと思う。60~80年の単位で循環(リサイクル)していくような方法でないと、30~40年ごとにまた膨大なカネと、膨大な工事(騒音)を伴う。
悠久の歴史を刻んできた「石組み」の川(水路)や田んぼを壊して、三面コンクリートの川や溝、そして田んぼの圃場整備をしたのは、改修ではなく破壊だった。
山を削ったから、保水力がなくなり、鉄砲水が出て、川を氾濫させ、川の改修工事や道路の改修工事、池の改修工事がまた必要になった。まさに悪循環。
石組みのままなら、30~40年の耐用年数ではなく、60~80年とあまり手を加えなくても、集落の人の出仕事(一昔前はすべてそうだった。今のように何でもかんでも行政にお任せ、依存はなかった)の補修工事くらいで循環してきたはずである。
その循環システムを壊してしまったのだから、「30~40年しかない耐用年数」という多大な出費が、今後は永遠に必要になる。
田舎の下水道も同じである。人糞尿は田んぼに戻す(作物の肥料にする)という循環(リサイクル)のシステムが壊され、下水道を通して化学処理をし、処理した残渣は産業廃棄物になる。そして下水管のようなコンクリートの構築物は50年ほどの耐用年数しかなく、また改修工事を迫られるという現実。
棚田にシバザクラ
山口県周南市鹿野地集落は、町の人との交流の場にしようと、斜面に防草シートを張り、シザクラを植えた。
同集落の棚田2.5ヘクタールの保全活動は、水田間に斜面が1ヘクタールあるうえ、傾斜も急なため、草刈が大きな負担となっていた。(農業新聞3月10日)
2.5ヘクタールの田んぼに、斜面(のり面)が1ヘクタールもある田んぼなら「圃場整備した田んぼ」だろう。
車で走っている時などに、山間の圃場整備された田んぼを目にすることがある。平地の圃場整備なら、あぜ岸は小さくてすむが、山間だとどうしても高低差があるので、田んぼと田んぼの間に斜面(のり面)ができる。
そんな斜面(のり面)は草刈が本当に大変である。
平地の圃場整備ならともかく、山間のこんな田んぼを圃場整備して、カネを取られて、しかも従来より草刈が数段手間になり、しかも田んぼの「資産価値」は全く上がらず、逆に下がっている状況を考えると、むなしくなる。
山間の田んぼはこういうことが生じるから、圃場整備はすべきではない。風景も台無しだ。いにしえから続いてきた山間の田んぼ風景は、圃場整備で一変してしまう。風景を壊されることは、自分を育んで来たアイデンティティを壊されることと同じである。
2030年 農業の旅→

今日も雨。雨ばかりでうんざりする。しかも今日は「みぞれ」だった。
朝、ニワトリのエサやりを終えて入り口から出ようとしたら、何かに驚いたニワトリが急に飛び跳ねて、その弾みで1羽が入り口の外に飛び出した。このニワトリを導入して3回目であり、前2回は何とかつかまえて小屋に戻すことができたが、今日は雨合羽を着ていたこともあり、機敏に動けず、追っかけていると竹薮に逃げ込んだので、仕方がないとあきらめて家に帰ったが、夕方行くと、濡れ鼠になって小屋の外でうろちょろしていた。あらためて動物の帰趨本能を感じた。今度は捕まえた。
最近は1日15個ほど産んでいるので、1羽が逃亡しても惜しい。
朝日新聞には小泉政権時代のブレーンだった「竹中平蔵氏」が論客として時々登場する。3月9日の朝日新聞にも見開き1ページの大紙面(企画・製作、朝日新聞社広告局)をさいて竹中平蔵さんとMKタクシーの創業者である青木定雄さんの鼎談が載っていた。
これは現政権に対する「あてつけ」ではないかと勘ぐりたくなった。
また、最近の朝日新聞のトップ見出しや社説を読んでいると、かなり右よりのスタンスを感じる。
当日のトップニュースに何を持ってくるか、社説に何を書くかは、朝日新聞経営者層の数十人による円卓会議で毎日決められるのだろうが、かなり鮮明な「反民主党」の雰囲気を最近は感じている。
政治とカネの問題なら、自民党政権の時代も同じである。08年の経団連関連の献金は自民党に27億円、民主党に1億円だった。
昨日の朝日新聞のトップニュースは「連合系、民主に11億円」だった。労組側からの資金提供は3年間で計11億円超に上ったという。それでも経団連の1年間分の27億円に比べたら、随分少ないのではなかろうか。
虐待された動物に弁護士
スイスで7日、虐待された動物のために弁護士を選任する制度導入の是非を問う国民投票が行われ、賛成30%、反対70%で否決された。
国民投票は動物愛護団体の主導で実現。環境保護団体や緑の党などが賛成したが、政府や右派政党は「スイスには既に十分な動物保護規定がある」と反対していた。
スイスは世界で最も包括的な動物保護法規を持つことで知られ、ハムスターなど仲間と一緒にいることを好む動物は1匹だけで飼うことができず、羊やヤギを飼う場合も、同種の動物が視界内にいなければならないと定められている。(農業新聞3月9日)
スイスではヤギの1頭飼いはできないのだろうか?
緑の分権改革(関西学院大学教授、神野直彦)
従来の地域開発では道路網を張り巡らせ、ダムを建設するために、たちどころに地域の自然資源が破壊されていく。人間の生活と結びついた文化的価値のある農耕地の景観も破壊され、無残にも放棄される。生活様式も、いともたやすく破壊されてきた。そうした破壊こそが、地域開発だと信じられていたのである。
「緑の分権改革」とは、地域の自然資源と文化資源によって、地域の生活を再創造する改革である。つまり、地域に固有の自然資源に対応した生活様式を再創造し、そうした地域の生活様式を可能にする地域の産業循環を再創造することを目指している。それは従来の成長戦略とは対極にある。(農業新聞3月8日)
「経済成長」という言葉からは、環境破壊や時代錯誤しかイメージできない。「経済成長」とは逆のキーワードが論じられていいと思う。
経済成長しないと国の借金が返せないなら、農業補助金等の各種補助金を少なくすればよい。長年にわたる年間3兆円~2兆5千億円の補助金は、日本農業の衰退をとどめることに何ら貢献していない。
朝日新聞がしばしば主張している消費税アップにも反対である。消費税アップで最もしわ寄せが来るのは低所得者層である。
高所得者層は買い控えできても、低所得者層は買い控えができない状況にある。
買わずに自給自足することは、購入することに比べて数倍高くつく。家庭菜園で自給自足を楽しめたり、定年帰農を楽しめるのは高所得者層だけである。
オリンピックの応援でも、南京大虐殺をめぐる「犠牲者数」の日本と中国の言い分の違いでも、なぜいつも、日本側にばかり立つ必要があるのだろうか。例えば韓国のキムヨナ選手を応援したり、中国の見解を支持したりすることが当然あってもいいと思う。
2030年 農業の旅→
田んぼがじるく、昨日も今日も外に出さなかったが、夕方に行くと「早く外に出せ」とテンションがかなり上がっていたので、30分ほど外に出した。
目の前に麦畑が広がっているのだから、食べたくて仕方がなかったのだろう。
他に青菜がなかったので、ニワトリにも与えた。
朝方、3点セット(電柵のゲートを開け、ヤギとニワトリのえさやり)を終えるとすぐに家に戻り、確定申告の続きをした。
今年も納税額はなかった。
経費合計は864203円。この内、1月2日の交通事故による軽四修理代(120000円)と電柵代(81860円)は突発的に生じた経費だから、これらを差し引くと662343円。
年間経費は60~70万で納めたい。これを超えると実際問題として苦しい。
今年は下記の特別な支出もあった。
(1)ヤギ関連費(ヤギ小屋、杭、鎖、首輪等)62436円
(2)シール代(直売用1万枚)27300円
(3)卓上シーラー(ポリ袋を密閉する器具)28140円
これらをさらに差し引くと年間経費は544467円となり、通常的な経費に関しては節減できたと思う。
544467円の経費の内訳は、
種苗費(52975円)・・・毎年これくらいかかる。種を蒔くより苗を買った方が安くつく場合が多い。
軽四のガソリン代(46613円)・・・ヤギで忙しく、あまり出かけなかった。
肥料費(4818円)・・・去年は化成肥料は全く使わなかった。ナタネカス4袋代と消石灰1袋代の合計が4818円。
農薬費(0円)・・・一昨年購入していたのを使ったので、去年の購入はなし。
ヒヨコ代(11370円)・・・ヒヨコは1羽が250円だが消費税や送料がかかる。
飼料費(12400円)・・・年間10袋購入(1袋20キロ、平均単価1240円)。
電話代(54963円)・・・固定電話の合計金額の8割を農業経費とし、2割を家計費としている。携帯電話は持っていない。
研修費(10278円)・・・田んぼ見学の手土産、千円ほど。
地代(12523円)・・・10アールにつき5500円の地代。
修繕費(56978円)・・・乗用トラクタを7年ぶりに点検修理してもらった(47334円)。他に管理機修理(3000円)、チェーンソー修理(6644円)
農具消耗品費(81919円)・・・黒マルチ代、簡易トリ小屋作り(7羽用)、インパクトドライバー(蜂の巣箱用)、ガソリン携行缶、草刈機とエンジンポンプ用のガソリン、鎌、収穫ハサミ等
事務消耗品費(22756円)・・・インターネット代、布テープ、カットバン他
作業用衣料費(22356円)・・・軍手・軍足・作業ズボン・作業着・長靴・地下足袋。一昨年は合計で12729円。
減価償却費(106808円)・・・これだけは現金の支出を伴わない経費である。だから、現金支出を伴う今年の通常経費は544467円-106808円=437659円。今年は相当に経費節減できているが、いかんせん、交通事故修理代12万、電柵8万余り、ヤギ関連6万余り、シール代と卓上シーラーで5万5千、7年ぶりの乗用トラクター等の点検修理5万7千が、結果的に経費の過大(支出増大)につながった。
その他の経費には、
租税公課(5600円)・・・軽四とトラクタの税金
軽四任意保険料(18140円)
パソコン教室代(13050円)
月刊誌・本代(9570円)
振込手数料(1350円)
売上は公開しなかった。今以上の経費節減は難しいので、とにかく売上を伸ばさないと話にならない。
減価償却費が10万円を超えない農業をした方がよい。毎年の減価償却費が20万円を越えるようなら、設備投資が過大過ぎると思う。自分の場合は、
物置、トリ小屋・・・・・・・・・30年で償却、年間12552円
井戸・・・・・・・・・・・・・・・・・・30年で償却、年間8450円
車庫トタン取替・・・・・・・・ 15年で償却、年間9292円
パソコン一式・・・・・・・・・・・・5年で償却、年間29228円
農業用軽四・・・・・・・・・・・・14年で償却、年間47286円
合計106808円。
農業経費と、生活のランニングコスト(小遣い+ライフラインの支払い+日用品や食料品の買い物)は、徹底的に少なくすること。
この経費が少なくできれば、「農業」と「生活」と「人生」の自由度が飛躍的に増す。
2030年 農業の旅→
雨がよく降るので、シイタケがすぐに大きくなる。ダイコンと煮たり、焼いて酢醤油で食べている。
2月27日の朝日新聞にティファールの電気蒸し器「スチームクッカー」の広告が大きく載っていた。興味があったので切り抜きしておいた。
今日の新聞には「蒸し料理」が紹介されていて、モロッコ伝統の「タジン鍋」が直径20センチほどで約3千円と書いてあった。
蒸し料理をするのはサツマイモをふかすくらいで、他の野菜を単に蒸しただけで、そのまま、あるいはポン酢などで食べたりすることはなかった。
蒸し料理は、野菜に少量の塩をふって蒸したらおいしくなるらしい。これなら「おひたし」と同じくらい簡単であり、旬の野菜はいくらでもあるので、試みてみようと思う。
普通の蒸し器と「タジン鍋」はどう違うのだろう。ちょっと気になる。
麦が伸び始めた。まだ短くてちょっと惜しいが、雑草も野菜も少ないので、ヤギとニワトリに食べさせようと思う。
そう考えた理由は、今日の農業新聞に出ていた放牧アドバイザー落合一彦氏の次のような記事から。
短草利用で栄養価の高い草を食べさせる
「特に草を伸ばす牧場が多いが、草丈があると消化率が下がる。そのため、常に短いうちに菜食させ、次々と再生してくる栄養価の高い部分を食べさせることが重要だ。スプリングフラッシュ(春先に草が勢いよく伸びる現象)を抑制するためにも、早期放牧し、草を伸ばさないこと。電気牧柵で牧区を小さく区切り、早め早めに回すことも必要。また、春の施肥も抑制するように努める。」
これを読んで、麦を早めに食べさせようと思った。
冬の間、画像の木の葉が大いにヤギの胃袋を満たしてくれた。ドングリよりこれを好むが、どんぐりほどたくさんはない。ある人が「天狗の隠れ蓑」という木だと教えてくれたのでグーグルで検索したが、そういう名前ではなかった。
画像ではちょっとわかりづらいが、数字の8の字型の牧場になった。
今日は啓蟄。啓蟄というと「ヘビ」を連想する。ヘビが冬眠から目覚める時期。当地ではハミ(マムシ)はあまり見かけないが、普通のヘビはよく見かける。
畑作物から国際基準を上回る濃度のカドミウムが検出された問題が連日、朝日新聞に大きく取り上げられているのに、農業新聞にはこの件に関しての記事が昨日も今日も全く出ていない。どうしてだろう。
環境省の調査には22都県が協力しなかった。その中には、カドミウム濃度が国内基準を超えるコメが生産された「対策地域」を抱えた11県も含まれていた。拒んだ主な理由は「風評被害」への懸念だった。
野宿者支援に取り組む生田武志さん(45才)は、中学や高校での100回を越す授業の中でいつも、いす取りゲームの話をする。「いすに座れないのは努力が足りないからじゃない。いすの数が足りないからだよね」。いすは雇用。座れない人は野宿者。論破したいのは自己責任論だ。(釜ケ崎有情、朝日新聞3月6日)
組織の中で居場所が見つけれなかったら、サラリーマンを続けるのは難しい。
辞めると次の就職がなお難しい。働き口は少なく狭き門になっている。
雇用創出はもう期待できないと思うので、自営創出しかない。
農業で自営創出というのが、この国の未来にとって最も好ましいと思うが、害獣の問題一つ考えてみても、農業収入で生活していくことは難しい。
2兆5千億円~3兆円もの補助金が第一次産業に長年下りているのに、その効果が全く現れていない。補助金のあり方を根底から見直す必要がある。
過去30年間の農業補助金(農業予算)の額が一覧で見え、項目別の補助金も一覧にして誰でもインターネット等で見えるようにしないと、何らチェックできないし、補助と効果の見直しも進まない。
個人は難しくても、農業法人や集落営農が受け取った補助金は公開されるべきだ。
EUでは、農業補助金の額と氏名はインターネットで全て公開されているというのに。
2030年 農業の旅→
ツバキの花がたくさん落ちている。踏まないように行き来する。
農業には季節のいろんな楽しみがある。
これから咲くのは山桜やツツジ、サクランボの花。
春を待つヤギ。春になったら、少しだけ自由が広がる。3アールの自由。
場所の最終確認のために、ここ3日ほど、牧場予定地をぐるぐるまわりしている。
2日前の朝、場所の一部変更を思いついて目が覚めた。
そして今日、確定した場所に杭を打ち込んでいった。
1年前には想像もしなかった場所が、ヤギ牧場に変身しようとしている。
半分は「ごそ」だった場所を開墾し、残り半分は野菜の不適地だった場所を牧場にした。
牧場はニワトリ小屋に隣接している。このあたり一帯を歩き回ることがまた楽しくなった。
19年前、物置とトリ小屋をどこに建てようか、決めあぐねて、何度も何度も歩き回って考え続けたが、それと同じことを今回もした。
当時とほとんど何も変わっていない。田んぼの様子も自分自身も。
16才の時も40年後の56才の今も、何ら変われていない。
スタートした20年前にイメージした農業からも脱皮できていない。
面積も、畑の様子も、ニワトリの数も、収入も。
多少変わったことと言えば、
12年前からハーブを作り始めた。
11年前に井戸ができた。ハーブの電話営業も始めた。
10年前、メタン菌液肥を指導してもらった。
7年前~5年前、あめんぼ通信を小冊子にした。
3年半前、ブログを始めた。
1年前、ヤギを飼い始めた。
少しは変わったか。あまり変わっていない。収入は減少している。
去年の秋から直売所出荷を始めた。
今年の春夏作から本格的に直売所出荷をする。
それでもあまり期待はしていない。
100万円の差引手取り収入を目標にしているが、
今まで通り、届かないだろう。農業はそんなもの。
それでも日々はまわっているから、多くは望んでいない。
楽しく農業ができ、ブログが続けれるだけでいい。
ツバキの花は、落下しても楽しませてくれる。
2030年 農業の旅→

雨天や曇天が続いて田んぼが乾かず、画像のレタスの定植や春ジャガイモの植え付けができない。
田んぼが乾いたらすぐにキクイモとヤーコンも植える必要がある。
籾殻が乾かず、クン炭の2回目も焼けない。
黒マルチが敷きやすく、収穫もしやすいように、畝間を広くとっているが、畝間を広く取ると、畝間の草とりが大変になり、夏季の畝間潅水も不便である。
冬の間は井戸水を利用することは少ない。必要な時には「つるべ」で汲み上げた。
井戸水を本格的に利用し始めるのは、3月中下旬の「メタン菌液肥の仕込み」からである。
井戸ができてまだ11年。井戸のおかげでメタン菌液肥が可能となった。

昨日、コイン精米機のある農機具店で米ヌカを13袋もらってきた。米ヌカは年間で55袋ほど必要になる。
(1)メタン菌液肥→月間6袋×7ヶ月=42袋
(2)ニワトリ→月間1袋×12ヶ月=12袋
(3)ヤギ→年間1袋
11月24日に35アールほどを電柵で囲んで3ヶ月余りが過ぎた。あれからイノシシもシカも入っていない。
朝、夕のゲート(柵線4本で村道を封鎖するような形)の開閉を大変負担に感じたが、いつの間にか慣れてしまった。
道に並行して柵線を張れば、ゲートの開閉という問題は生じないが、道を隔てて柵線が分断され、電柵の本体がもう一つ必要になるし、乗用トラクタでの耕運がとても不便になる。
行き止まりで誰もほとんど通らないし、池に上がる道は3本あり、この道は利用されないが、村道なので、雨の日でも朝には開けて、夕方帰る時に閉めている。
第一線を退いて家庭菜園だけになっても、ゲートの開閉からは解放されない。つまり、農業を続ける限り死ぬまで続く。
借地している道の左側の田んぼ(22アール)を返せば、道の右側の自家所有の田んぼだけ囲えばよく、ゲートの開閉という問題は終わるが、そういう選択はしないだろう。
ヤギ牧場ができても、ヤギ小屋(鳥取県方式の1メートル四角の小屋)が2つできるまでは、夕方にはここに連れ戻す。
ネット動画、新たな論壇
インターネット上で再生される動画に対し、リアルタイムでコメントをつけられる「ニコニコ動画」で、ベーシック・インカムをテーマにした生放送の討論番組が放送され、多くの視聴者を集めた。司会進行を務めたのは、批評家の東浩紀氏。インターネットを使った新しい「論壇」が生まれつつあるのか。
議題のベーシック・インカムは、昨年ごろから論壇誌で取り上げられる機会が増えているが、一般にはまだなじみがうすい。だが、それだけに視聴者のコメントも賛成、反対のステレオタイプに偏らずにすんだとも言える。番組後半にとられたアンケートでは、10~25年以内にベーシック・インカムが実現するとの回答が7割に達した。
画面に「来場者数」として表示される累計の視聴者数は約5万人。コメント総数は18万件に及んだ。回線の容量の制約で同時に最大1万人までしかアクセスできなかったが、放送中は常に1万回線を下回らなかったという。インターネットを使ったリアルタイムの議論に、確実に1万人以上が参加したことになる。(朝日新聞3月4日)
2030年 農業の旅→

岡山県は2010年度に中山間地域協働支援センターを設置し、民間から募った県独自の集落アドバイザーを育成する。センターが仲介機能を担い、アドバイザーが助言や企画の手伝いなど、過疎・高齢化に直面する地域の主体的な運営を支援する。
県は08年度から3ヵ年事業で毎年10億円をかけ、基盤整備も含めた中山間地域の振興に力を入れている。(農業新聞3月3日)
山村の集落が寂れていく原因は
(1)50年ほど前までは自給自足的な生活ができていたのに、現在は自給できるものがほとんどない。
(2)働く場所がない。
(3)家庭菜園で作ると、買うより3倍ほど高くつく。
(4)物価は都会より田舎の方が高い。田舎になればなるほど買い物は高くつく。
(5)ライフラインの上水道代、下水道代は、都会より田舎の方が全般に高いのではなかろうか。
田舎のインフラ整備とよく言われるが、インフラ整備されればされるほど、ライフラインの固定的支出(特に下水道代)が大幅アップするので、ますます田舎に住みづらくなる。
基盤整備というハコモノは、多くは道路に費やされてきた。それは過疎の山村のためではなく、土木建設業のための事業だった。
社会のあり方が変わらない限り、限界集落は増え続ける。集落アドバイザーなど意味がない。
生物多様性会議
今年10月に名古屋市で開かれる国連の生物多様性会議の名誉大使に、日本人の人気歌手MISIA(ミーシャ)さんが任命された。国連本部が1日発表した。
会議は生物多様性条約の締結国が94年から開いてきた。名古屋会議は10回目。乱獲や伐採、温暖化により絶滅の恐れがある動植物の保護策を話し合う。(朝日新聞3月3日)
第一産業である農業、林業、水産業に従事する人口が激減している。生物多様性など、サラリーマンをしていたら身に迫ってこないのではなかろうか。
もう少し、第一次産業に従事する人を増やす必要がある。
なのに日本の農業はそれに逆行している。認定農業者、担い手農家、農業法人、集落営農(特定の人に集積する、もしくは特定の人や法人に委託する)という形で、ますます農業者の絞り込みや選別を進めて補助金を集中させようとしている。稲作だけがちょっと違うようだ。
集中ではなく分散、小規模化していかないと、生物多様性にも逆行する。
工業や商業の路線(大規模化)とは逆の方向に進むことが第一次産業を守ることにつながる。農業は資本主義とは水と油であり、資本主義の逆を進むことが繁栄につながる。
同一の個人でも、一人の時にする判断と、組織(集団)の中で判断をする時とでは、違った判断を迫られると思う。
個人だったら安全性を優先させることがあっても、組織(集団)でするなら、組織の論理である経済性や効率を優先せざるをえない。
では、逆に進むことが実際問題として可能だろうか。1人につき年間80万円ほどのベーシック・インカム(基礎年金収入)があれば可能。
ニワトリ30羽・・・ゲージからの解放。土の上に戻す
少量多品種・・・生物多様性と景観効果
専門作物をもたない・・・それしかなければ農薬が必須
面積が3~4反ほど・・・小さければ農業は癒し
ハウスがない・・・台風や病害虫のリスク軽減
ベーシック・インカムは自殺や生活保護の回避になるし、自給自足的農業が可能になり、価値観の多様化が生じる。過疎問題は解消に向かい、雇用問題も個人の選択肢の問題となる。
高齢者の年金を少しは、若い人にまわすべきだ。
2030年 農業の旅→
今日からヤギの牧場作りを開始した。
牧場ができたら、ヤギからちょっと離れたい。この1年ヤギに振り回されてきたから。
「前後の見境もなく、ようヤギを入れたなあ」と、Uさんに言われた。
確かに、深い思慮もなく、ただ、ヤギを飼ってみたかった。
Uさんの援農が始まったのはヤギを飼い始めて1ヶ月が過ぎた頃からである。
ヤギ小屋(その1)、ヤギの小パドック、ヤギ小屋(その2)の作成は、Uさんの援農にうまく便乗できたから完成した。もしUさんの援農がなければ、ヤギ小屋と小パドック作りは、誰かに有料で依頼せざるを得なかっただろう。
しばらくして、もっと広い牧場を作ってあげたいと思った。これもUさんの援農が期待できたからであり、有料だったら、したくても思いとどまっている。
ヤギはニワトリと違って感情が顔に出るので、それが負担になる。放っておけなくなるから。
飼ってしまった以上、安易には手放せない。入った会社を簡単には辞めれないのと同じで、現実を受け入れざるをえない。
それなら開き直って、その現実に乗っかってみる方が楽である。
ヤギを壮大な実験と捉えたい。
2020年に本当にヤギが復活してくる家畜であるかどうかを、自分に問うてみる。
しかし10年は長い。
他に利用価値がいくつかないと挫折してしまいそうである。
(1)牧場が出来たら、旅行会社のプロの目で、里山セラピーの観光農園になるかどうか見てもらう。
(2)今後も、ヤギをブログの壁紙として利用していく。
(3)1~2年後には、ヤギ乳を飲めるようにしたい。
これからは、45アールの田んぼ全体の風景を売っていきたいが、果たしてその価値がわかってくれる人が何人いるだろう。
ヤギがいて、ニワトリがいて、いろんな果樹の花が咲いていて、多くの野菜の生育姿を目にすることができ、名の知れたハーブはたいていある。あぜ道を歩き、池の土手を歩き、雑木林の中を歩き、頬に触れる風を感じながら、里山の春の息吹を楽しむ。
田んぼには資本主義が手を伸ばせない世界がある。それは土がはぐくむ癒しであり、周囲の風景であり、自然の移り変わりであり、農の心である。
2030年 農業の旅→

農業は、資本主義(企業)の挑戦をことごとく退けてきた。
今まで40年以上にわたって、規模拡大だの機械化だの組織化だのと言われ続けてきたが、現実にはそうならず、企業の新規参入も少ない。
第1次産業は、第2次産業や第3次産業と全く異なる側面を持つ。
なにが?と言えば、それは農業が癒しになり、景観を作り、生きるために最低限必要な食糧を作る仕事であり、他の生物と共存しないと成り立たない産業だからである。これらは資本主義(企業)がもっていない行為である。
農業は規模縮小に向かうことが、癒しや景観の構築や食の安全や周囲の環境保全につながる。
つまり、資本主義とは逆に規模縮小こそが、第1次産業の復活の道なのである。この点が第2次産業や第3次産業と決定的に異なる。
農業はこの40年以上にわたって、資本主義(企業)のあくなき挑戦をことごとくはね返してきたのだ。
今後もそういう状態が続くだろう。
農業は資本主義とは相容れない。
農業は個人(家族)でする仕事である。
大資本が力ずくで農業現場に参入しようとするなら、自然は「環境破壊」を見せつけるだろう。
大規模化、企業化、集落農業の推進はもういい加減にすべきである。なぜ、経験から学ばないのか。
また、農商工連携とか6次産業化のような資本主義路線を奨励しても、農業はよい方向に向かない。
今までと同じように農業の復活に何ら寄与せず、補助金の垂れ流しになるだけである。
農業は本来、個人でする仕事なのである。農業という独立自営業の存在基盤を何としても支える必要がある。
支える唯一の道は、現役世代にも年金(年間80万円ほどの基礎年金=ベーシック・インカム)を支給することである。
ベーシック・インカムで現役帰農(自給自足的な小さな個人農業)の道を開かないと日本の農業は変われない。
ベーシック・インカムは税の体系を少し変えることによって成り立つ。今はまだ反対勢力の方が大きいが、この方向に向かわない限り、(1)雇用も、(2)環境も、(3)農業も、好転しない。
春の作付のシミュレーション
ナスビ・ピーマン・・・・・・・・・・・ 10分
青シソ・スイートバジル・・・・・・・10分
エンサイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15分
ツルムラサキ・・・・・・・・・・・・・・15分
オクラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15分
ハーブティ用ハーブ・・・・・・・・・ 15分
予備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10分
合計収穫時間・・・・・1時間半(90分)
収穫時間は早朝の1時間半以上は費やせない。なぜなら、その後の仕分や袋詰めにそれと同等の時間がかかるだろうから。
今まで「袋詰め」はなく、新聞紙で包むだけだったが、直売所出荷では袋詰めをせざるをえない。
週に1回(木曜日発送)は、ワンパック宅配を残そうと思う。15年以上の顧客(野菜の個人客)と、10年になる顧客(イタリア料理店)を簡単になくしたくない。
ワンパック宅配を含めて週に6日は出荷したい。雨の日は出荷しづらいので平均すれば週5~6日になるだろう。
収穫90分+仕分と袋詰め90分=3時間
直売所(2箇所ほど)への持参に1時間
合計4時間
農業の半分は収穫、仕分、出荷作業である。
残りの半分で農作業や家畜の世話をする。
収穫に90分しか費やせないなら、作付量は下記くらいが限度になる。
ナスビ(30本)・ピーマン(20本)
青シソ(80本)・スイートバジル(80本)
エンサイ(220本)
ツルムラサキ(200本)
オクラ(120ポット3~4本立ち)
ハーブティ用ハーブ→2アールほど
2030年 農業の旅→