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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

鳥インフルエンザ

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 豊橋で鳥インフルエンザ・・・ウイルスが検出されたのは、32万羽のウズラを飼養する農場のうち、採卵用18万羽を飼養する施設のウズラ。

 半径10キロ以内の家禽類約406万羽の移動を禁止する措置を取った。10キロ以内には養鶏、ウズラ農家ら、65戸がいる。 

 殺処分の対象になるのは、ウイルスが検出された農場で飼養していた18万羽に加え、同じ敷地内にある施設で飼養している10万羽の計28万羽。

 同一敷地内で28万羽を飼うシステムは、効率的かも知れないが、リスク管理の面からいえば、適したシステムとは思えない。そして、そのリスクを少しでも避けようと、各種抗生物質や抗菌剤がより多く投与されるのではなかろうか。

 全部が殺処分されるのだから、動物虐待である。こういう多数飼いに対する反省が、鳥インフルエンザを契機に出てきてもよさそうに思うが、そんな論述は全く見かけない。
 発生農家には、家畜伝染病予防法で、殺処分された家畜の評価額の一部に対して手当金が支払われる。

 機械ではなく「生き物」なのに、ニワトリがまるで「卵を産む機械」に見える。

 

09年度予算決着

 
 農林水産関係予算は2兆5605億円。この予算のうち、緑の雇用(自給自足支援)として年間60万円(5万円×12ヶ月)を支援するとしたら、
千人支援なら6億円
1万人支援なら60億円
10万人支援なら600億円
30万人支援なら1800億円

 減反政策に投じている費用は年間約2千億円。



畜酪対策
 

 08年度の畜酪対策の総額は2609億円。予想を超える配合飼料価格の高騰を受けて、かつてない規模の予算が組まれた。

 これに対し、農水省によると09年度に使える財源は実質1300億円程度しかない見通しだ。これまでに貯金した財源を08年度に相当使ったためだ。

 
 酪農も養豚も飼う頭数が多すぎると思う。最初から輸入飼料頼みになっている。
 せめて7~8割は飼料が自給できる頭数に抑える必要があると思う。

 補助金の支給が続くなら、今後も、輸入飼料価格に一喜一憂する飼い方から脱出できない。



新規就農支援

 
 岡山県でも山口県でも、県内就農を前提に2年間、月15万円の経費を助成する就農・定住円滑化対策事業があるので活用してほしい。

 月15万を助成するコースにぜひ「有機農業コース」を入れて欲しいと思う。有機農業のある15万円コースを聞いたことがない。全てスペシャリスト型である。



市場経済、統制経済

 
 最近、マルクス主義や社会主義を再評価しようという意見もある。強欲資本主義が破綻したから、次は統制経済ということだろうか。だが統制経済がどのように腐敗し、破綻するかを知るには旧共産圏諸国を見る必要はない。社会保険庁による年金記録の紛失、改ざんなどの不祥事は、官僚による統制経済が現実に実行されると、どのような結果を生むかを示している。
 市場経済も失敗を何度も繰り返してきた。その失敗が、いかにひどくとも、市場経済を放棄することはできまい。保護主義の誘惑に抵抗し、市場の不公正や欠陥を直しながら、何とか自由な経済を維持する。道は、ほかにない。(小林慶一郎、朝日新聞2月28日)

 強欲資本主義の市場経済には、ケチケチ作戦(使わない作戦)のローカリズム(自給自足主義)で戦う方法がある。

 2兆円の定額給付金で「使え、使え(内需の拡大)」と鼓舞する政権には、貯蓄で応えよう。

 朝日新聞には市場経済のエコノミストばかり登場し、マルクス主義のエコノミストはまだ1人しか登場していない。

 

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 左のビール麦はあまり食われていないが、右の小麦はヒヨドリとシカにかなり食われている。
 麦は3月に入ると急に大きくなる。3月のお彼岸頃にはヒヨドリはいなくなるが、シカは常駐している。ただ、3月には山の中に新芽が芽吹くので、田んぼの被害は少なくなるはず。それを期待するしかない。


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 梅が散り始めた。



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過去 現在 未来

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 日本の農家1戸の平均耕作面積は1.7ヘクタール、米国は84ヘクタール、オーストラリアは380ヘクタール。品質や安全性を強調しても、せめて5~10ヘクタールまで拡大しないと、コスト面では輸入品に歯が立たない・・・。

 もっともらしい意見に見えるが、果たしてそうだろうか。日本には日本に適した農業があると思う。

 5~10ヘクタールに規模拡大しても歯は立たないと思う。

  農業を始めてイメージした時、ハウスを持ち、野菜か花の専門作物を考えた。

 そして、専門農家を見学させてもらったが、どうもしっくりこなかった。

 自分にできるだろうかと不安になった。

 ハウス栽培なら、初期投資に大きな金額が必要なことも躊躇する原因になった。

 貸してくれるらしかったが、借りたら返せるだろうかと思った。

 それでも、ハウス栽培はできるだろうと、かすかな自信のようなものでもあれば、そちらに進んだかもしれない。

 なんらかの作物の専門農家になることに、どうしても自信がもてなかった。

 その後しばらくたって、ワンパック宅配という農業形態を知ったが、その時に初めて、これなら自分にもできるだろうと感じた。

 そして、これなら借金せずに、手持ちの資金でスタートできると思った。

 それは単なる家庭菜園の延長に見え、できた野菜を10種類ほど箱詰めして送ればよい方法だったから。

 いろんな農業形態があるが、自分にできるかどうかは、多くの農業形態を知れば、その中に一つくらいはあるものである。

 
 ワンパックの顧客が安定しなかった8年目、9年目の頃、並行して何か専門作物が持てないか、いろいろ模索した。

 しかし自分の専門作物は、家庭菜園ヘルパーであったり、百姓塾であったり、ドラム缶炭焼きであったり、ハーブであったりして、野菜それ自体に専門作物を持つという方向にいかなかった。

 ただ、専門作物として考えた野菜もある。下記の5作物である。
(1)エンサイ
(2)ツルムラサキ
(3)青シソ
(4)シュンギク
(5)不結球レタス
 これらの野菜のどれかを、ワンパックと並行して専門作物にしたいとイメージしたが、売り先の確保が壁になった。

 販路を探すには、電話営業など、時間とエネルギーがかかる。仮に販路ができても、継続的な取引になるかどうかはまたハードルがある。

 それでもハーブは専門作物になった。8年目に入った時、ハーブの勉強も始めたから、今もワンパックを継続できている。野菜の個人客は徐々に目減りし、現在は個人客2に対して、イタリア料理店8くらいの割合である。

 ただ、ハーブの専門作物といっても、ハーブは雑草のように、摘めば摘むほど脇芽が出てくる葉物であり、面積も少しで足りたので、多量に作る専門作物というイメージはない。

 何か他にもっと儲かる農業形態があれば、そちらに変わっただろうと思うが、見つけることができなかった。

 野菜の専門作物、果樹の専門作物はイメージしてみるだけで、一歩を踏み出すことはできなかった。

 専門作物を持つには、
(1)初期にある程度の設備投資が必要
(2)やってのけれる自信もかすかにイメージできること
(3)直販で売れなければ、残りは農協や市場出荷になる
(4)農協や市場出荷となると、規格や外観が求められる

 結局、細々とワンパック宅配を続けてきた。

 スタートして12年間ほどは、無我夢中だった。

 13年目の終わりに、それまでワンパックに入れて送っていたあめんぼ通信をまとめて、1冊の小冊子にした。

 その後、14年目、15年目と毎年1冊の小冊子にした。

 農業的には「中だるみ」の期間だったが、いつか「商業出版デビュー」をしようと、夜にはこつこつ書いた。農閑期は一冊にまとめることに費やした。

 自分なりに勝負をかけた4冊目だったが、商業出版に挫折。その時にブログとブログランキングの存在を知った。それまではブログという言葉だけで、どこを探せばそのブログが出てくるのかわからなかった。ブログの面白さを知ったのはブログランキングのブログに出会ってからである。

 続けているうちに、ブログにはまっている自分に気づいた。

 今はブログを書くことが農業の励みになっている。

 農業にはいろんな農業があるのに、農業の評価は「いくら稼いでいるか」の評価基準だけである。

 たくさん稼いでいれば、優れた農業
 たくさん稼いでいれば、自給率にも貢献している農業
 たくさん稼いでいれば、他の人の手本になる
 たくさん稼いでいれば、見学者も多い
 たくさん稼いでいれば、講師に呼ばれることもある

 しかし、稼げない人もいる。
 稼げない農業しかできない人もいる。

 自分もあまり稼げていない。

 しかし、40アールほどの田畑を維持し続けながら

 農の風景をかもしだして
 野菜やハーブの家庭菜園的育て方を表示し
 ニワトリとヤギで昔ながらの農業を提示し
 周辺の水路の管理をして
 カエルやトンボの成育環境を守り
 田んぼ周辺の生物多様性を保持し
 除草剤は使わず
 周辺の道の草刈をして
 農薬と化学肥料は最低限にして
 できるだけ自然の状態で
 田畑周辺をキープし続けようと思う

 これが自分の農業

 いろんな農業者がいて、この国の農業が保たれる。


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ヤギ小屋作り

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  今日はUさんの援農で、新たな「ヤギ小屋」を作ってもらった。メス、オスともに生後5~6ヶ月頃になると発情し始める。このため、メスとオスを分ける必要がある。
 11月6日が誕生日だから、遅くとも4月中旬頃までには離さざるをえない。かわいそうだけれど仕方がない。

 竹で囲んだこの場所は3坪近い広さがある。今のヤギ小屋の2倍である。

 真ん中の画像で、左の黄色の容器を置いている場所にパレットを敷いて、その上に1畳のコンパネを置き、屋根はトタンで、周囲は同じように竹で囲み、寝る場所を作る予定である。

  
  
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 これだけのことでも、自分はできない。Uさんは農業高校の林業科出身で、持ち物からしてすごい。右の画像の左利き用の「片刃」はネーム入りで、作ってからすでに40年以上になる代物らしい。これらを入れる袋も、左の画像のように動物の毛皮である。

 こういう農具(山仕事農具)を持ち、それを長く大切に使うという発想が自分にはない。必要に迫られた時に安そうな物を買い、それを使い捨てにするというのが自分のパターンになっている。

 Uさんには時々、援農してもらっている。4年前の4月には、残っていたニワトリを全て淘汰して現在のニワトリを導入したが、その時に淘汰を手伝ってもらったのもUさんである。ちょうど定年を迎えられた時だったので、あれからもう4年が来る。

 農業高校出身なので、ニワトリの解体など「朝飯前」のようで、当時学んだことはいまだに記憶によく残っていると言われる。

 4年前には残っていたニワトリは21羽だったが、Uさんが、スーツを着ていても服を汚さずにできると言われたことと、包丁を使う時は「のこぎり」のような使い方をするのではなく、バイオリンを弾くように、一気に頚動脈を切り、ニワトリが苦しまずに死ねるようにと話されたことを、今でも鮮明に覚えている。

 実際、Uさんは「立ったままの姿勢」で、全く返り血も浴びず、10羽を淘汰されたのだった。自分はと言えば、片足を地面につけて、ニワトリを押さえつけるようにして頚動脈を切ったものの、11羽の淘汰が終わる頃には、かなりの返り血を浴びた。

 全羽淘汰に先立って、古いニワトリでしわくても、とりあえず料理して食べてみようということで、前もって2羽を解体していたが、その時にも、りっぱな包丁と鮮やかな手つきで、内臓の名称を一つ一つ説明してもらいながら、肉にしてもらった。

 肉はしわくてダシにしかならず、残りの21羽は淘汰した後、柿の木の下に「土葬」した。

 今回のはまだ29羽残っているが、つなぎの意味で10羽を残し、4羽を友人にあげ、残りの15羽は、ヤギをもらった「リンゴ園」に引き取ってもらう予定である。

 つなぎの10羽は、新しいヤギ小屋の隣のキーウイの木の下に1坪半ほどのスペースを確保して飼うつもりである。

 竹の切り時としては10月、11月がよく、今の時期の竹は長く持たないが、とりあえず作ろうということになった。

 心強いのは、Uさんが生まれた時からすでにヤギがいて、卒業して家を出て行くまでの20年間ほどヤギを飼っていて、子供の時から「種付け」や「乳しぼり」の経験が豊富であるということ。メス2頭をずっと飼われていたらしい。

 このたびも、ブログでヤギを見て、ヤギを見学に来られて、とんとん拍子でヤギ小屋作りまでお願いすることになった。

 竹は4本で、この高さ(1メートル)があればヤギが飛び出ることはない。この上には屋根など設けず、隣接して1畳ほどのコンパネを置き、その上だけ雨避けのトタンを載せる。
 これなら日当たりも問題なく、風通しも問題ない。ニワトリもヤギも冬の寒さより夏の暑さに弱い。このスペースは、夏はキーウイの葉で日陰になる。

 
 Uさんには今後、
(1)草焼き。
(2)あぜ岸に彼岸花球根の植え付けとミントの植え付け。
(3)カブトムシの育て方と囲い。
(4)3月末の温床作り(地上温床か地下温床)。
(5)ビワの袋掛け。
(6)イチジクのカラス避け。
 等の援農をお願いしようと思う。

 今週は雨続きで農作業がほとんどできなかった。農閑期といってももうすぐ3月。ぼやぼやしていたらすぐ桜の季節になる。
(1)確定申告。
(2)まだ通信販売の種の注文もしていない。
(3)3月中旬のジャガイモ予定地の耕運。
(4)3月お彼岸頃までにニワトリの注文。オウハンプリマスロックにするか岡山地ドリにするか、まだ迷っている。
(5)クン炭作り(3月5日頃までに)。
(6)田んぼ周辺の細い水路の泥あげ(ヘビが動き出す啓蟄までに)。
(7)家の傍らにある掘り池(防火用水)の泥あげ。
 
 ぜんぜん前に進んでいない。
 
 
 
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足にご注目

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ビワ・・・・・・・大好き
キンカン・・・ 好き
ドングリ・・・・普通
月桂樹・・・・ まあまあ
ツバキ・・・・・あまり好まない

 長崎市は、深刻なシカによる食害を受けているビワを守るために、長崎半島をぐるりと囲んだ全長約27キロのワイヤメッシュ柵の設置を終えた。(農業新聞2月25日)

 今日の農業新聞に出ていた記事で、ふと、ヤギにビワを与えて見ようと思った。
 
 やっぱり、大好物だった。シカの好物ならヤギも好物だと思った。今までにない「食いっぷり」だった。
 
 ビワはビワの葉茶とか、薬草にも使われる。2本植えているが、実(み)はまだ口にしていない。すでに大きな木になっているが、「袋掛け」をしないと食べれないらしい。放任栽培にしている。

 キンカンはよく成るが、あまり食べないので、実がついたままにしていたが、ヤギにやったら、葉よりも実を好んで食べた。

 ヤギは草もよく食べるが、木の葉や細い枝もよく食べる。草を与えるより木を与える方が簡単である。

 米ヌカをニワトリとヤギに与え始めて今日で20日目。1袋(多分13~15キロほど)がなくなった。
ニワトリには・・・コゴメ・米ヌカ・青菜・水
ヤギには・・・・・・木の葉・米ヌカ・青菜・水

 米ヌカは純粋に国産であり、ニワトリやヤギのエサ以外に、踏込み温床に使ったり、堆肥に混ぜたり、メタン菌液肥に使ったり、あらゆる肥料に使えて重宝である。1袋が100円、もしくはコイン精米では無料でもらえる。


 家から出る生ごみを全てリサイクルしているわけではない。例えば、ネギの根、ダイコンの皮、ニンジンの皮、サトイモの皮、ホウレンソウの根、ハッサクの皮、キーウイの皮、卵の殻、お茶の出がらし等、ニワトリにやらない物もあるので、これらは果樹の根元に捨てている。



日本全国の田舎の縮図

 日本は1971年に、BHCやDDT、アルドリンなど残留性の高い有機塩素系農薬の販売を禁止、埋設を進めた。2002年には残留性有機汚染物質の適性管理などを求めるストックホルム条約を批准。これを受け農水省は04年度から、都道府県が農薬を掘り起こし、高温焼却などで無害化する際の支援策を開始・・・。(農業新聞9月6日)

 1971年とは、自分が17才の時。この頃までは、きつい農薬が使われていたのだろうと思う。

 田んぼに残留していないことを願う・・・。

 小学生の頃、梅雨で増水した川には、おびただしい量の魚が死んで川面を埋め尽くしていた。それは顔をそむけたくなる光景だった。

 子供心に、何かおかしい、何が原因でこうなったのだろうかと思った。

 当時は今よりも数段きつい農薬が田植え後の田んぼに使われ、その後、雨と共に川に流れ込み、魚が死んだのだろう。

 その後、川は三面コンクリートに改修され、魚陰もなくなり、蛍もほとんど出なくなった。

 川で釣りをする光景も見られなくなった。

 それからまもなく、ダムの上流に牧場が誘致され、雨と共に糞尿が流れ、ダムも池も川も全く魚や蛍の住める場所ではなくなった。

 牧場に開発されてから、山の保水力は失われ、何度か洪水の被害にあい、池の改修、川を広くする改修が繰り返し行われた。

 道路も舗装や道幅を広くする改修が繰り返し行われた。

 土建業天国の時代だった。

 町議会議員の半分以上を土建業の社長が占有していた時代である。

 30年ほど続いたインフラ整備は今度こそ終わり、地域も静かになるだろうと思っていた。

 ところがそうはさせなかった。まだあったのだ。無知の涙。

 下水道がやってきた。これが最後のインフラ?。しかしそれは初めての身ゼニを伴い、我が家の経済に厳しい大ナタだった。

 この一連の流れは、日本全国の田舎の縮図である。


 雨上がりの風景
 

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新しい分野への投資

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 愛想をふりまいてくれるのに、背中に触ろうとすると逃げる。まだまだ先は長い。

 ヤギにこんなに時間を費やせるのも、今は農閑期だから。 

 日中は新聞を読んで過ごしている。3紙に目を通そうとすると2時間ほどかかる。「時間」と「購読料」に大きな投資をしているが、ブログのためには仕方がない。書き続けるためには、それと同じくらいの時間を読み続けないと、頭の中がすぐに空っぽになる。
 
 ただ、新聞の切り抜きがたまって、整理がつかない。切抜きしても、その後あまり読んでいない。増え続けて今以上に乱雑になると困るので、切抜きしても、2~3日うちにもう一度読んで、捨てるようになった。

 それでも今までに溜め込んだ切り抜きがダンボール箱にまだいっぱいある。せっかく切り抜きしたのだから、もう1回は読んで捨てようと思うが、いつになったら空っぽになるかわからない。

 高い購読料を払っているのだから「元は取ろう」と思うが、つくづく、切り抜きは数日内で捨ててしまわないと、たまる一方で整理がつかなくなると思う。


新しい分野への投資
 
 世界市場はこの景気後退を契機に、質的な変化を始めているのである。当面の景気対策はもちろん必要だが、それは従来の産業構造を守るためではない。国も企業も地方経済も、新しい分野への投資を進めて生き方を変えるために、お金を注ぎ込むときだ。百年に一度の好機である。(作家、高村薫)

 あまり顧みられなかった農業も新しい分野の一つと思う。
 農業は今まで、規模拡大や機械化ばかり論じられてきたが、21世紀は、非効率、手作業、時間をかけて楽しむ、ふぞろい、規模縮小、少量多種類、遊び、癒し、小動物、景観、春夏秋冬、旬の物にバックさせる世紀だと思う。

 20世紀後半は、あまりに人間疎外の農業だったと思う。第2次、第3次産業と同じく効率や採算だけを追い求め続けてきた。

 土に触れる喜び、土への回帰、人間性の復活が、農業に求められている。

 多くを持たず、多くを望まず、日常がささやかにまわっていけば、それだけで十分と思っているのに、働き続け、長時間仕事を続けなければ必要最低限の生活もまわっていかないのが日本という国である。

 この国の中で人間性を取り戻すには、今後どういう生き方をしていけばよいのだろう。

 


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雇用創出でなく自給自足創出を

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 ドイツの畜産農家は、家畜糞尿の還元可能な耕作地の面積に応じて、飼える規模が制限されている。

 日本でもこういう制限をすれば、家畜頭数が現在の10分の1以下になると思う。

 現在の飼い方は、飼う頭数があまりに多すぎる。

 これではエサの自給もできない。50年前はほとんど自給のエサだった。

 エサが自給できないなら、購入することになるが、その購入エサの大半は輸入エサである。

 その輸入エサが値上がりしたら、値上がり分を保障せよと補助金を要求する。これでは本末転倒である。

 こういう酪農形態に補助金を出していたら、事態は改善されない。エサが自給できるくらいに頭数を減らすべきだと思う。

 もちろん頭数が多いのだから、糞尿も自家所有地ではさばけない。

 ドイツのように、自家所有の田んぼに糞尿を還元できるだけの頭数に減らす必要がある。そして還元した土地で自給飼料やその他の作物を作ればよい。

 酪農も養豚も養鶏も、こういう地域内循環をする必要がある。

 これは当然と思うのだが、ビジネスの観点からは無視される。大規模、効率、採算だけが重視され、家畜福祉も、エサの自給もなく、糞尿の対策も発生する。このような20世紀型飼育方法は改善される必要がある。

 小規模移動放牧は、転作田や耕作放棄地などを電気牧柵で囲んで小規模な放牧地をつくる。牛を数頭放牧し、草がなくなれば別の放牧地へ移動する。飼料価格の高騰などを背景に、小規模移動放牧は農家の注目を集めるが、水質への影響を心配する地域住民に理解が得られない場合があった。

 1ヘクタールにつき牛2頭ほどの放牧なら、周辺の水系に与える影響は、営農活動や野生動物による影響とほぼ同じ。

 ヤギは牛に比べて随分と小型(10分の1ほど)だから、面積的には1ヘクタールの10分の1ほどの10アールで2頭飼える計算になるが、30アールほど用意できる。
自分の田んぼ・・・・・・・・・・・・・・5アール
葉タバコ跡地・・・・・・・・・・・・・10アール
池に上がる道、池の土手・・・・ 5アール
他人の休耕田・・・・・・・・・・・・10アール



雇用創出でなく自給自足創出を


 農業にはビジネス型と自給自足型の2通りあるので、自分がどちらに向いているか、どちらに興味があるか、ここの判断を誤っていはいけないと思う。

 21世紀の農業は、「規模拡大、機械化」から、「規模縮小、手作業」に移っていくと思う。

 規模縮小、手作業の利点は、
(1)気候や害獣に対してのリスクが小さい
(2)初期投資金額があまり大きくならない
(3)いつでもリタイアできる
(4)癒し系である
(5)環境にやさしい
(6)専門作物を持たず多種類作るので楽しい
(7)大規模単作より、病害虫が少ない。

 欠点は、あまりカネにならないこと。しかし、大規模、機械化農業のように失敗して借金を背負うことはない。

 この農業形態で、年間100万の手取りを目標にして頑張ったらいいと思う。

 たった100万などと思わないで下さい。

 将来、国民年金がもらえたとしても、年間で70万円ほど。
 アルバイトを1日7時間しても時間給850円で6000円ほど。月に15日間働いたとして9万円、1年間で108万円。

 だから100万円という数字は、少ない金額ではない。

 雇用には期待しない方がいいと思う。

 何とか自給自足型農業で生きていけるような道を模索してみる。 

 寝る場所と食べる事だけは確保できる限界集落や小規模有機農業の研修先が全国的にはかなりあると思う。

 緑の雇用では、一般企業の雇用と何ら変わらない。短期間で使い捨てにされるだろうし、将来、あまり役にも立たないと思う。

 緑の雇用創出には何百億という支援をしても、緑の自給自足創出には全く支援はなさそうである。

 しかし、自給自足創出こそ、21世紀の新たな成長産業になる「いしずえ」となる。理由は、
(1)地域の環境への貢献
(2)地域の景観(農業風景)への貢献
(3)地域の人に与える貢献(地域の道普請や祭事)
(4)グリーンツーリズムの拠点として貢献
(5)地域の生物多様性維持に貢献
(6)次の世代へ農業をつなげる貢献
(7)地域の水路や道路や集会所を維持する貢献
(8)地域の高齢者の休耕田の世話や、目になる貢献

 農業はあくまで小規模の個人営農が基本である。集落営農でもなく、農業法人でもなく、まして認定農業者でもない。
 人間の自由と尊厳を回復する道は、農業で独立自営の道を模索することだと思う。

 そのための大規模な援助こそ必要である。2009年度の農林関係予算は2兆5605億円で決着。毎年これくらいの予算が計上されていたと思うが、なぜ農業は「ジリ貧」を続けてしまったのだろう。

 淘汰されるべき農業が生き続け、創出すべき家庭菜園型(自給自足型)農業が全く顧みられていない。

 緑の雇用創出ではなく、緑の自給自足創出こそ大切。

 ロストジョネレーション世代に自給自足型農業支援を。

 自給自足型農業支援(年間60万円)を10万人に支給すれば年600億円。農林予算の40分の1。 


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里山の手入れ

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 今日もヤギに遊んでもらった。

    
   
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 まだ雨が降っていなかった午前中、落ち葉集めをした。たまにする落ち葉集めは楽しい。
 池の上の雑木林はクヌギの木が多く、落ち葉もほとんどクヌギの葉。落ち葉は果樹の根元に敷いた。

 
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 農業では「里山」という言葉がよく出てくるが、田んぼのすぐそばに山や池があると、なごみになる。
 山があれば、
(1)落ち葉集めが簡単。
(2)春の育苗の時、ポットに入れる腐葉土がすぐ手に入る。
(3)シイタケの原木を置くのに都合がよい。
(4)竹の子やワラビが生える。
(5)土手草や葉タバコ跡地の草は、敷き藁代わりに使える。 

 ただ、なかなか手入れはできなくて、必要な所だけ最小限、手を入れている。
 
 50年ほど前までは、
(1)落ち葉は台所や風呂の焚き付け。
(2)下刈りは、台所や風呂で使う。
(3)太い木は「割り木」にして、台所のクドで使う。
 という風に、山の中のいろんなものが、日々の生活の中で必需品だった。だから山がよく手入れされていた。炭焼きをしていた戦前はもっと山がきれいにされていただろう。
 
 父の話によれば、稲秋が終わると、村の人は競争のように山に入り、なめるくらい山をきれいにしていたらしい。

 ボクが子供の頃には、山の中の道に太い松の木が切り出されていたり、下刈り(小木や低木を束ねたもの)が道の脇に積み重ねられていた。

 池の土手草は、今は放置しているが、ずっと以前は、土手は区画されていて、牛のために草を購入していたらしい。
 
 古き良き時代だったと思う。たった50年ほど前のことである。
 車もなく、国民年金や国民健康保険を支払う必要もなく、プロパンガスや灯油もなく、上水道もまだ来ていなかった。電話もなく、冷蔵庫もなく、テレビもなく、掃除機や洗濯機もなく、炊飯器もなく、「クド」でご飯やおかずを炊き、お風呂は五右衛門風呂だった。
 稲はカマで刈り、はざかけして、脱穀し、ムシロで天日乾燥だった。田植えは手で植えていた。
 家の玄関先や軒下で牛やニワトリが飼われていた。

 ほとんど自給自足的な生活をして、支払いといえば「電気代」くらいだった。祖父母の子供の頃には、その電気もなく「ランプ」だったと聞いた。

 
 その頃の「貧しさ」と現代の「貧しさ」は質が異なる。

 昔の貧しさはまだ救いようがあった。

 現代の貧しさは救いようがない。どうすることもできない。自給自足しようとすると、かえって2~3倍も高くついてしまう。買った方が安くつく。買うためにはカネがいる。このシステムの中に閉じ込められた現代人は、まさに「カネが全て」になった。

 そして、いったん「稼げない」というサイクルの中に落ちてしまうと、凡人はほとんど脱出できない。

最低限のゆとり
最低限の食事
最低限の軽四一台
最低限の交際
最低限の行動範囲

 それもなかなか許されない社会である。

 
農山村の景観維持

 自分が元気な間は、40~50アールほどの、この田んぼ周辺の景観は維持できる。
(1)何らかの作物を植えること
(2)田んぼ周辺の草刈を年に4~5回すること
(3)秋冬作で麦を作ること
(4)できれば、ヒマワリ、アマランサス、コスモス、ソバのような景観作物を1アールほどずつ植える
(5)果樹も花がきれいなものがあるが、花木を植えておくと時期に楽しめる。アジサイ等
(6)ニワトリやヤギを田んぼの一角で遊ばせる
 等が考えられる。



 WTO貿易審査会合で、日本は農業分野で依然、高関税の品目が多く存在することや、補助金の支給水準が高いことに懸念が示されたと新聞に書いてあったが、それなのに何故、自給率が低いのだろうか。

 農業の方針を間違えていると思う。
 
(1)もう何十年も、大規模、機械化のワンパターン。
(2)飼料や肥料を輸入に依存し、地域内循環をしてこなかった。
(3)補助金の投入場所の誤り。


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農水省 天下り先

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 JAバンクグループの個人貯金残高は約83兆円(08年9月末)で、メガバンクを上回る。

 農協や信用農業協同組合連合会(信連)で運用しきれない資金は農林中金に流れ、その運用益から08年3月期には約3千億円が農協や信連などに還元された。

 全国800を超える農協の経常利益をすべて合計しても約2200億円。収益還元はジリ貧の農協の生命線になっている。

 農林中金は投資を有価証券に集中し、その利益で農業を支えるという「積極策」が金融危機で頓挫し、新経営陣は強い逆風の中で出直しを図る。

 農林中金は20日、初の生え抜きトップ就任と1.9兆円という空前の増資を正式発表した。

 農水省は大物次官OBの指定席だった農林中金、日本中央競馬会(JRA)、旧農林漁業金融公庫の「御三家」の首脳ポストをすべて失う。

 しかし「副理事長」には元次官をあてたい意向であり、既に生え抜きトップが誕生したJRAも副理事長は次官OB。

 天下りには農業団体や世論などの反発も強く、6月の選任まで調整が続きそうだ。(以上朝日新聞2月21日)


 こういう構図では、農水省、自民党、農協が三位一体と言われても仕方がない。

 改革には、以下の3点が必要と思う。
(1)関係業界への天下りを禁止する。
(2)JAへの公認会計士監査の導入
(3)農業補助金の透明化



上下水道 借金大国揺るがす「爆弾」

日本の水道普及率は、
上水道・・・97%
下水道・・・72%

 上水道は厚生労働省、下水道は国土交通省が所管し、基本的に地方自治体が運営する。

 上水道の施設の総資産額は約40兆円。この巨大な社会基盤(インフラ)が疲労している。06年の広島の送水トンネルの崩落、07年の福岡の漏水などは経年劣化が原因とされる。
 厚生労働省の研究会は、施設の更新費用が現状の5、6千億円から10年後には8千億円前後になると試算する。借金大国のどこからその金をひねり出すのか。国の借金体質をまず直さないと、いつか水道から水が飲めなくなるかもしれない。

 下水道も同じだ。これまでに90兆円が投資されたが、経年劣化が進み、89年以降、毎年4千件以上の管路施設の老朽化による道路陥没が起きている。国土交通省の予測では、改築更新費は20年頃に事業費ベースで1兆円規模になる。
(以上朝日新聞2月21日、丹波宇一郎)


 上水道もあるが、当地では、山から湧き出る清水の「簡易水道」もまだ健在である。簡易水道は門先にあり、毎日13リットル容器に水を入れて、ニワトリの水、ヤギの水、野菜を収穫後の打ち水(ジョロで散水)の3つに利用している。現在はニワトリとヤギの飲み水だけなので5~6リットルもあれば足りる。
 また、ペットボトルに入れて田んぼで飲み水にしている。上水道は生で飲む気がしないが、簡易水道は生で飲んでも平気。ただ、雨が降ると多少濁る。
 門先の他に風呂場にも引いている。
 だから、上水道が仮に止まったとしても問題ない。簡易水道は「命の水」だと思っている。

 
 いま、地方自治体の財政を下水道という公共事業が食いつぶそうとしている。倉敷市も例外ではない。下水道と聞けば文明国のあかしのように思いがちだが、実際はコストの面だけでも深刻な問題をはらんでいる。少なくとも大都市以外では、下水道計画を抜本的に見直すべきだと考える(倉敷市オンブズマンのMさん) 

 当地の下水道は昨年の1月に完成したが、333戸(1200人)に対して、総事業費は14億9280万円。1戸あたり約450万円。

 1戸あたりの下水道システムの設備費があまりにも高過ぎる。これでは財政がパンクするのはあたり前。

 負担額は
国・・・50%
県・・・15%
市・・・35%
 この内、受益者分担金は5%で、19万5千円だった。

 泣き言を言うようだけれど、下水道が来たせいで、19万5千円の出費の他に、水洗便所への改修費用が2箇所(田舎ではたいてい2箇所)で100万円超。そして毎月の下水道代が新たに6千円ほどかかるので、年間に7万円ほどの新たな出費増。

 農業収入では払えない。

 上水道設備にも下水道設備にも「設備の耐用年数」があり、設備の改築費は、当然のごとく「上下水道の利用料金」にはねかえってくるだろう。

 電話代、電気代、プロパンガス代、灯油代、上水道代、下水道代等のライフラインの支払いだけで「家計破産」もありえる。

 生きていくための必要最低限の「固定的経費」があまりに高過ぎる。これでは自給自足ができない。外貨収入(外で稼いでくる)がどうしても必要である。

 次の世代はこの支出に耐えられるだろうか。

 今、お隣の中国の農家で爆発的に増えている「メタンガス発生装置」は、
(1)設備の構築料金が極めて安価
(2)半永久的に利用できる
(3)家庭排水と人糞をメタンガス発生装置に送り、発生したガスを台所やハウスで活用し、その廃液は作物のすぐれた肥料として利用している。
(4)つまり、莫大な費用でシステムを構築して化学処理するのではなく、少ない費用で家庭内循環をさせている。
(5)下水道が原子力発電なら、メタンガス発生装置は小さな太陽光発電と言えないだろうか。


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農業補助金は先進国の平均をはるかにしのぐ高い水準

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 毎日見ているので、よくわからないが、もらってきた時より、だいぶ大きくなったような気がする。


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 2月18日で出荷が終わった。この秋は、ハクサイとカブを失敗し、ネギもよくなかった。そのため2月末まで送ることができなかった。
 
 ハーブも、チャービルがよくなく、ミント類とディルの霜除けが遅れて傷んだ。ロケットも数日暖かい日が続くと上の画像のように「トウ立ち」している。トウ立ちしても、トウが立った茎以外は十分使えるので出荷した。
 
 

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 レタスの育苗とニンニク。このレタスは、去年の晩秋にエンドウ類と同じ日に蒔いたが、霜にもまけず、草に守られて元気である。3月中下旬に定植すると、4月末には収穫が始まる(種類はチマサンチュ)。


 
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 小梅の花が満開。

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 ハーブのロケットがそばにあるのにロケットは食べず、ヒヨドリはキャベツを突付いている。鹿もヤギもロケットをあまり好まない。 

  
     
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 昨夜はそんなに雨が降ったように思わなかったが、麦の畝間にこれだけ水がたまっている。この田んぼはお墓の下にあり、水はけがよくない。
 
 右の田んぼはそんなに湿気ないので、畝間に水はたまっていない。



世界貿易機関(WTO)の審査報告

 世界貿易機関(WTO)は18日、日本の貿易政策を検証した審査報告書を公表した。昨年9月の世界的な金融危機以降、日本は保護主義的な貿易措置を導入していないと評価。
 農業補助金については、先進国を中心とした経済協力開発機構(OECD)の加盟30カ国の平均をはるかにしのぐ高い水準とし、日本は米や小麦、大麦向けの補助金総額を、03年度で1850億円拠出したとWTO事務局に報告しているが、米の補助金額については明らかにしていないと明記している。
 WTOは定期的に全加盟国・地域の貿易政策を審査しており、日本に対する審査は2年に1度行われる。(農業新聞2月19日)

 
 WT0のラミー事務局長は18日、難航している新多角的貿易交渉(ドーハラウンド)について、鉱工業品、サービス分野の貿易自由化が進めば「日本に多大な利益をもたらす」と強調。
 日本は見返りに農業分野で、高関税を維持できる「重要品目」の数を原則4%に抑えることなどを盛り込んだ大筋合意案を受け入れ、農業市場開放を進めるべきだとの認識を示した。(山陽新聞2月20日)



農業ブーム


 大型書店が「農業ブームは間違いなし!」の看板を掲げたコーナーを設けて、農業入門書などを山積みしている。本のタイトルは「農業で1000万円稼ぐ法」「米で起業する」「農業成功マニュアル」など積極的。

 農業を特集した男性情報誌「ブルータス」には、おしゃれな農園、色鮮やかなサラダ、野菜畑のレストラン、ランボルギーニのトラクターなどの写真が並んで誘惑する。

 近刊の週刊誌にも「大地と共に暮らす『就農族』という新しい生き方」との記事が掲載されている。
(以上農業新聞2月19日)

 
 騙される人は情報不足だと思う。しかし「農業」という言葉は癒し系なので騙されやすいのも確か。
 
 不況で働く場所がなく、農業でもということになりやすいが、最初の1~2年の間に大きな投資をしないことが鉄則。投資すると元が取れないことも多いし、農業では回収に時間がかかり過ぎる。

 投資資金だけでなく、運転資金(毎月の農業経費と生活費)もかなりかかる。

 繰り返しになるが、以下の事項をよく覚えておいてください。20年前に比べて、農業の現場が相当悪化している。 
(1)農作物の価格高騰は期待薄。
(2)農業市場開放で農作物はもっと安くなる。
(3)もし価格が高騰すれば盗難が多発する。 
(4)売り先が不安定。農協や市場を通せばサイズや外観の基準がある。
(5)農業で稼げるのは、よくて年間100万ほど。
(6)資材、燃料、飼料、肥料を外部から購入すると、価格が一定しない。 
(7)200万を初期投資すれば、仮に20年農業を継続できたとしても、年間の経費は10万円もかかっている。
(8)害獣のおびただしい進出。 
(9)気象の悪化。
(10)周辺に休耕田が多く荒地化(害虫の発生源)。
 
 それでも農業しかないと思う。
 



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昭和30年代が最後だった集落の家畜

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 動物を飼うことが、こんなに楽しいことだとは思わなかった。ニワトリにこんな楽しみはない。ニワトリは「鳥」なので、知能指数が哺乳類に比べてかなり低く、人間に「なつく」ようなことはない。エサやりに入れば、足元にまぶれついてくるが、それは自分にたいしてではなく、エサを我先に食べようとする行為である。

 ヤギは、牛や犬に比べると、あまり「お利巧」でないかも知れない。その理由は、もう2週間が来たのに顎(あご)以外はほとんど触らせてもらえないから。警戒心が強い。牛や犬でもこうなのだろうか。

 上の画像2枚から見ると、小屋に入ってきたことを歓迎しているように見えるが、これは、朝一番の画像ではない。朝一番のときはこんな歓迎はなく、エサを持って中に入ったら、初めて近寄ってくる。近寄ってくるのに警戒していて、顎以外にふれようものなら、すぐに逃げる。そしてまた、エサを求めて近寄ってくる。この繰り返し。

 それでも、1日ごとに距離は縮まっていると感じる。

 15年飼うとすると、まだ2週間。じたばたせずに、先方が心を許すまで長期戦で構える必要がある。その方が、打ち解けて来た時の感動が大きいかもしれない。

 牛や豚は大きいので、意のままにならないことも多いと思うが、ヤギは成長しても60キロほどだと思うので、動物に「引っ張られる」ことはないと思う。

 動物を飼うことは、手間がかかるし負担と感じる向きも多いと思うが、ニワトリに関しては全くそんなことはない。30羽ほどなら、①エサやり、②青菜やり、③水の入れ替え、④集卵の4行為で、1日15分も費やせば足りる。
 
 トリ小屋作りが大変と思うかもしれないが、簡易な雨避けさえあれば、随分と粗放的な飼い方ができる。ちょっと器用な人であれば日曜大工で十分できる。1坪(2畳)に8羽が基準。
 
 ケージでなく、土の上で飼うなら、鳥インフルエンザは怖がる必要はないと思う。土は母なる大地であり、あらゆる動物の健康の基本である。

 牛、豚、鶏は、45年ほど前まで我が家でも飼っていたが、ヤギは飼っていなかった。しかし、集落ではヤギを飼っている家が何軒かあった。

 牛や鶏は、小学校低学年の頃までは、集落のたいていの家で飼っていたが、豚は一時のブームが去ると、すぐにいなくなった。

 ヤギがあまり飼われなかったのは、牛や鶏と違ってカネにならなかったから。まさにヤギは「自給」の産物だったわけである。

 中学校に入学した頃から経済成長が始まり、集落の若い人は農業ではなくサラリーマンを選択していった。小学校高学年~中学入学までの2~3年の間に、集落から牛が消え、鶏が消え、葉タバコ栽培が消えていった。それはまさに突然の消滅だった。

 小学校低学年だった頃、家で毎日目にしていた牛や豚や鶏は、自分の貴重な経験になっている。だから今、これらの動物に関して「論じる」ことができる。

 牛や豚の1頭飼いは、今の世の中では難しい。しかし、鶏を30羽ほどなら、いつでも簡単に飼える。

 1世代前は、鶏を飼う目的は、肉と卵、半々だった。牛肉や豚肉は高く、庶民の口にはほとんど入らなかったから、肉といえば家で飼っている鶏だった。
 月に1~2羽つぶして食べると、30羽飼っても2年ほどでいなくなる。つまり鶏を1~2年で回転させていた。それができたのは、鳥の仲買人がたくさんいて、鳥の売買もさかんで、導入もヒヨコでなく、3ヶ月雛、中雛で導入すると、2~3ヶ月で卵を産み始める。

 世の中が食糧危機になった時、昭和30年代前半頃までの20~30羽養鶏が容易に復活すると思う。そして、肉と卵で大活躍するだろう。家から出る残飯や家庭菜園の残り物が全て、鶏の腹を通して循環する。そして、肉や卵だけでなく、有益な肥料(鶏糞)も提供してくれる。

 鶏はリサイクルの要なのである。

 ヤギはどうだろうか。
(1)ヤギの草刈
(2)ヤギの乳
(3)ヤギの肉
(4)ヤギのペット

 鶏とともにヤギも復活するはず。

 牛と豚は復活しない。牛と豚は昭和30年代の末で、歴史的使命は終わった。多頭飼いの「ビジネス」としてしか認識されないだろう。

 昭和30年代までの牛は、
(1)牛耕・・・トラクター代わり
(2)換金・・・バクロウと呼ばれる仲買人が多くいた
(3)牛糞の肥料
(4)草は、食べに連れ出すのではなく刈ってきて与えた 

 現在、休耕田の草刈目的で、牛が活躍しているようだが、ヤギの方がはるかに活躍するだろう。
 理由は、
(1)牛は、踏みつけて、田んぼの畦(あぜ)を壊してしまう。
(2)放牧に電柵が必要。
(3)牛は巨体なので、過放牧だと牛糞が水路を汚す。
(4)草をヤギほどきれいに食べない。ヤギは地際の草まできれいに食べる。

 ヤギは、
(1)簡単に移動させることができる。
(2)支柱と鎖でつないで、どこの草でも与えれる。
(3)糞はウサギの糞みたいにコロコロしていて少量。
(4)おしっこの量も少ないと思う(水をあまり飲まない)。

 3面がオール解放の金網で風通しがよく、冬期間は太陽が1日中ヤギ舎内に差し込むので糞尿の乾きも早く、まだ全く臭わない。

 ヤギは肉としての利用価値も高いらしいが、鶏と違って、4本足動物は、自分は殺す勇気がない。

 ヤギはペットとしての価値も高いと思う。犬のように散歩をさせる必要はなく、エサ代もほとんどかからない。

 我が国のヤギの飼育頭数の推移
明治41年・・・・・83352(頭)
大正元年・・・・ 101475
大正10年・・・ 141976
昭和元年・・・・179089
昭和10年・・・ 277884
昭和15年・・・ 300390
昭和41年・・・ 281260
昭和51年・・・・・94350


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自給自足主義は懐古趣味でも時代錯誤でもない

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 ヤギがいるので、田んぼに行くのが楽しい。

 今日の新聞に「どうすすめる!70歳雇用」という広告が載っていた。70歳まで働かされるのかと思った。そして年金支給年令も65歳から、順次また引き上げる魂胆でもあるのかもしれない。

 農業は生涯現役でできるが、それは「自給野菜」を作る場合であって、出荷野菜となると、65才くらいで、自分はやめたい。
 高齢になっても農業ができるのは、自分のペースで仕事ができ、自然を相手の仕事だからである。サラリーマンなら65才が限界と思う。
 

 
 花崎こう平さん(78才)・・・40才の時、北海道大助教授という安定した職を辞し、市井の哲学者として暮らし始めた。だが、発展を至高の価値とする経済成長期に背を向けたため、収入は激減。著述家の前田俊彦さんの言う「うっすら貧乏で人間らしく」を合言葉に暮らした。
 たどり着いたのは民衆思想。アイヌの漁民を20年ぶりに訪ねると、当時と変わらない暮らしぶりだった。「発展しない生活には安らぎがある。これからの生き方の指標になるでしょう」(山陽新聞2月16日)

 「発展しない生活」という考え方がいいと思う。ただ、36歳の人と56歳の人とでは立場が大分違うと思う。自分の場合は、
(1)交際を広くしない。従来の友人と年に1~3回交流できればよい。
(2)遠くても、片道50キロくらいまでを自分の行動エリアとする。主体は吉井川水系。
(3)県外の農業訪問は数年に1度行く機会があればそれで十分。
(4)今後も、ブログと農業だけでよいと思っている。


欧州では各農家への補助金をネットで公開


 欧州で農家補助金額をチェックするインターネットサイトが立ち上がったのは3年前。このサイトは欧州連合(EU)内の農家の個人名と、受け取った農業補助金の額をたちどころに示す。
 試しに「ジョン」と入力すると3951の農家名が得られ、それぞれについてEUから支払われた補助金額が細かく明示される。国によっては農家の住所まで特定される。
 加盟27カ国で7兆円の共通農業政策予算の中身を、支払い先から丸裸にしてしまおうというのうが運営元の狙いだ。(農業新聞1月27日)

 日本の場合、情報開示が決定的にできていない。認定農家、集落営農、農業法人等、補助金をもらっている場合は、EUのように公開表示される必要がある。

 この情報開示が進めば、未来の展望のない補助金や無駄な補助金を、ロストジョネレーション世代の田舎移住(自給自足支援)にまわすことができる。



 今の状況では「雇用創出」は難しい。雇用ではなく独立自営(自給自足農業)に大規模な産業構造の変換が必要と思う。

 日本のバブル崩壊後の90年代は、約10年間で公共事業を中心に総額130兆円の景気対策を打ったが、経済の低迷が続いた。ハコモノを大量生産して需要不足の穴を一時的に埋めても、それが次の経済成長に結びつかないかぎり、悪化した財政の代償をいずれは払わねばならなくなる。高齢化社会を迎えているのに社会保障予算を抑制しなければならないのも、巨額の景気対策のツケを抱えているからである。(2月17日朝日新聞)

 
 政府与党は景気悪化に歯止めをかけるため大規模な追加経済対策を打ち出す方針を固めた。財政支出15兆~20兆円、事業規模100兆円超を想定。
 追加対策は雇用面も考慮し公共事業を大幅に増やす方針・・・。

 
 2月14日の新聞に自民党の広告が載っていた。内容は、
 『あなたが参加する、2兆円の景気対策。
 定額給付金2兆円。
 それは、生活を支えるだけでなく、あなたが使うことで景気が動く、具体策です。あなたの街を元気にするために、あなたの街でお使いください。』

 広島市も広島県も「マツダ車」を購入して支援。岡山でも、倉敷市や総社市が「三菱車」を購入して支援。

 緊急雇用対策でも、年長フリーターや派遣労働者を雇入れた中小企業に1人あたり100万円(大企業には50万)を助成する。

 なぜ、企業ばかりこんなに支援するのだろうか。個人に直接支援してあげるべきだ。
(1)企業はたくさん税金を納めてくれている
(2)企業が回復すれば雇用が増える
 これでは従来の繰り返し。21世紀は、組織人が個人に戻る時代と思う。組織の歯車ではなく、1人の人間としての尊厳を回復する時代である。

 昨日も書いたが、的場昭弘さん(神奈川大教授、マルクス経済学)の、「資本主義にとって恐慌は本来、過剰生産を解消する内在的なメカニズムです」という論考と、田中優子さん(法政大教授)の「浪費勧める給付金は有益か」という論考は、とても納得できた。

 ただ、お2人が言及されなかった「自給自足」は、多分、農業から遠い場所にいて、イメージできなかったのだと思う。

 自給自足主義は懐古趣味でも、時代錯誤でもない。人間の自由とか、大地とか、尊厳を求める新しい流れである。 



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浪費勧める給付金は有益か

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 ヤギはしばしば後ろ足で立ち上がる。


浪費勧める給付金は有益か。

 財政が逼迫している時、「お金を使わない」ことで乗り切るのではなく、なぜ、使うことで乗り切ろうとするのか。
 
 要りもしないものを買ったりすることも、今の政府は歓迎するかもしれない。空費や浪費であろうと、金を使うことでよい社会になる、という大きな勘違いをしているからだ。
 
 刹那の空費のためではなく未来の社会に投資することこそ、改革の方法であり、税金の使い方ではないのか。(法政大教授 田中優子、山陽新聞2月15日)

 ほんとうにそう思う。カネのない時は、できるだけ使わないように、つつましい生活を送ると思う。

 借金もしない。借金したら、ぜったいに返せない。だいたい、借金したくても誰も貸してくれない。万一貸してくれても、借りたら自分は返せない。

 投資(設備投資)もしない。儲かるか儲からないかわからない未来の未知数な事に、現在のなけなしの金をつぎ込めるだろうか。

 「儲かる」ことに賭けて投資するなら、それは博打といっしょ。

 この国のやろうとしていることは全くおかしい。

 貧乏人にも金持ちにも同じように定額給付金としてばらまいて、使え使えと言っている。

 いったい誰のために使うのか。お国のために使うのか。

 いわゆる内需拡大に貢献せよということ。

 個人が使えば(買えば)、それを供給する企業が潤うから。

 企業は今、生産した物が売れなくて困っている。

 いわゆる過剰生産。

 資本主義にとって恐慌は本来、過剰生産を解消する内在的なメカニズムである。

 過剰生産を資本主義は内部で解消できなかった。
 
 物が売れないならと、だぶついた資本が金融を通じて不動産に流れ込んだ。

 今回は米国の不動産バブルがはじけたのが恐慌のきっかけだった。

 20世紀は、資本主義のトップにいる受益集団が利益を共有するために仲間を組んできた。しかしこの恐慌で、誰もが自分の利益を守ろうとするようになった。保護主義である。経済は再びブロック化していく。

 変革を求める動きが、最終的にどのような経済体制を作り出すかは単純には言えません。でも、新たな政治と社会の選択肢を求めて労働者が動く時、資本主義を超えるものが出てくる可能性がある。それはマルクスが予言した共産主義かもしれません。

 (注)資本主義にとって恐慌は本来・・・から以下は、神奈川大教授(マルクス経済学)の的場昭弘さんのオピニオン(2月16日朝日新聞)を一部抜粋させて頂きました。

 的場さんは、「長い間豊かな資本主義の夢に酔ってきた人々が、計画的に運営される世界をすぐに受け入れるかといえば、それは無理でしょう。社会主義や計画経済への嫌悪は強い」とも書かれています。



財政出動に反対

 財政出動には反対。経済効果は期待できず、現在の国の借金846兆円(1人当たり借金663万円)がもっともっと増える。

 公共事業で雇用創出などもってのほか。公共事業は浪費である。財政が逼迫している時は、ひたすら質素倹約に励むべき。

 資本(企業)が過剰生産して、だぶついているからといって、なぜ国民が買わされなければならないのか。そこまで内需に貢献する必要があるのか。

  物を買わせたい、金を使わせたいグローバル企業にとって、最大の敵は自給自足のローカル共同体なので、ボクのような質素倹約型は、企業にとって、資本にとって、国家にとって、最大の「ふとどき者?」。

 

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 夕暮れの田んぼ。この40アールほどの空間がいつも安らぎになっている。 
 

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 夕方、ニワトリの糞出しをして、落ち葉を入れた。糞は果樹の根元に「寒肥」として施した。1年に1~2回しか、糞出しをしないので、粗大有機物と混じり合って、かなりの量になる。少しずつ3日ほどかけて持ち出した。

 
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 左の画像は、落ち葉を集めるレーキと入れる袋。トリ小屋から50メートルも歩けば、いくらでも集めれる。

 右の画像は、鶏糞の一部を袋に入れて保存することにした。この袋は友人にもらったものである。

 30羽ほどの場合、カキガラは無理して与えなくても、野菜クズや雑草から、卵の殻を作る成分は十分に吸収できるようである。もう3ヶ月以上、カキガラのようなものはやっていない。


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謎のホームレス歌人

パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる


百均の「赤いきつね」と迷ひつつ月曜だけ買ふ朝日新聞


日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る


鍵持たぬ生活に慣れ年を越す今さら何を脱ぎ棄てたのか


親不孝通りと言へど親もなく親にもなれずただ立ち尽くす


ホームレス襲撃時間と派遣村並ぶ紙面に缶珈琲零す


美しき星座の下眠りゆくグレコの唄を聴くは幻


(柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ

(朝日歌壇に入選重ねる謎の歌人、朝日新聞2月16日)

  
 
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 小屋の中に入り、腰をおろし、目線を同じ高さにして、好物のホウレンソウとイタリアンパセリを手に持って与える。

 小屋に入ると一旦は逃げるが、フゴに入れた菜っ葉を手に持つと近寄ってくる。食べ始めたらすぐに顎に手をやり、なでる。

 不思議なことに顎だけはあまり嫌がらない。顎以外のところに触ろうとすると瞬時に逃げる。

 手に持った菜っ葉を食べている時も、いつでも逃げれるように、後ろ足が「引けて」いる。

 どこに目がついているのだろうと思えるくらい、額、背中、足に触ろうとすると逃げてしまう。この一歩がなかなか詰まらない。今日は11日目。

 1日3回、15分ほどずつ、目線を同じ高さにしてヤギの相手をしている。

 目標にしているお彼岸の「野良デビュー」まで、根気よく、警戒を解いていくしかない。
 
 

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 画像はニワトリのエサ。現在29羽のニワトリに、これだけのコゴメと米ヌカを与えている。15分ほどできれいに食べてしまう。この他に残り野菜や草を大量に与えている。

 ヤギには米ヌカだけを、画像の缶の7分目ほど与えている。


環境省にメールで送付 
 
 環境省が募集をしていた「緑の雇用、ヒント寄せて」に、メールでアイデアを送った。期日は今日までだったので、この1週間ほどの間に書いたブログをまとめなおして送った。
 
 莫大な農業補助金の半分を「緑の自給自足支援」にまわせば、1人、年間60万円の支援として、毎年、何十万人の「緑の雇用=緑の自給」が創出できるだろう。

 

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雇用創出=自給自足創出

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 刈っていた枯れ草を補充した。ヤギは枯れたススキや枯れたドングリの葉など、枯れた草木も食べる。
 


 田舎で持ち家だと、家賃はいらないが、長年の間に修理の必要な箇所が出てくるので、家賃を払っているのと同じ状態。
 我が家の場合、
母屋の床のやりかえ・・・歩くと抜けそうな箇所もあった
台所の床のやりかえ・・・ぐらぐらしてきた
応接間の床のやりかえ・・・ぐらぐらしてきた
大型台風でずれた瓦やその他修理・・・50万超かかった
下水道のためトイレの改修・・・大変不本意。ばからしい

 合計で500万円は超えている。もちろん農業収入では払えない。父の残した多少の遺産を使い、その後はマルミさんが出した。

 貧困とは「ため」を失った状態というが、農業なら、田んぼへ行けば、その日の食べる野菜くらいはある。しかし、食べる米はない。稲作は貧乏人はできない。大型機械がいる稲作は、それを買える人しか、現実問題として作れない。

 果樹も初期投資が大きいし、最も投資の少ない農業が、今自分がしているような、少量多種類生産である。この農業形態はリスクは小さいが、稼げる額も少ない。

 社会保険料と、電気代や上下水道代等のライフラインの支払いが、ほぼ全国一律になっている現在、東京で住もうと、限界集落で住もうと、生活にかかる最低限の金額は変わらない。物価が高く、冠婚葬祭費もかかる田舎の方が逆に高くつく。

 だからもう、どこにも逃げ場がない。

 どこも同じなら、生きていくにはやはり田舎だと思う。

 企業は人間を雑巾のような使い方しかしない。それでも企業にしがみついていないと、生きていくことさえできないという「資本主義」はおかしい。

 働く場所がなくなった個人は自給自足を始めるしかない。自給自足は農業しかない。

 「緑の雇用」と言って、雇用者に多額の補助金を出すなら、その補助金を直接個人に出すべきである。その方がはるかに個人の生きる道の創出につながるし、その方が雇用者に出す迂回補助金よりかなり安くつくと思うし、その方が地域の環境保全や景観保持に効果が期待できる。
 そして、雇用創出ではなく自給創出なら、その後また失業という「資本主義の致命的欠陥」からも逃れて、次の補助金を出さなくてすむ。

 互いに排斥しあう資本主義的社会と自給自足主義的社会を共存させることが、人間の自由と尊厳と独立をもたらす。

 資本主義はこれほど問題点が露出しているのに、資本主義システム自体を問題視する論考が少な過ぎる。単なる歴史の通過システムなのに、新たな政治経済システムの構築論がない。



事業主支援でなく、個人に直接支援すべき

緊急雇用対策を実施しています! (政府広報)

『事業主の方へ

(1)雇用維持を支援します。「雇用調整助成金制度」
中小企業の場合、賃金や手当の5分の4を助成します。
①解雇せず休業や教育訓練・出向などで雇用を維持した場合です。
②対象者を拡大し、雇用期間が6ヶ月未満の雇用保険の被保険者等も対象となりました。
③生産量や雇用数などの支給要件を緩和し、利用しやすくなりました。

(2)雇入れを支援します。「特別奨励金」
年長フリーター、派遣労働者等を雇入れた中小企業に1人あたり100万円(大企業には50万円)を助成します。
①年長フリーター(25~39才)、内定を取り消された就職未決定者を正規雇用した場合。
②受け入れている派遣労働者を直接雇用した場合です。

(3)住宅の継続貸与を支援します。「離職者住居支援給付金」
社宅や寮などに離職後も引き続き労働者を居住させた場合、月額4~6万円を助成します(最大6ヶ月)。』


 事業主に雇用維持や雇用創出の支援をするより、個人に直接「田舎移住・自給自足支援」をした方が、はるかに安くつくし、結果が目に見えて表面化するし、環境にも貢献するし、個人の尊厳を保つことにつながる。
 


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 履歴書に傷がつき過ぎ、働く場所がなくなり、追い詰められて、37才直前に農業を始めた。今の不景気で、こんな選択をする人も出てくると思う。ただ、20年前に比べて、農業の現場が相当悪化している。
(1)害獣のおびただしい進出
(2)気象環境の不安定
(3)周辺に休耕田が多く荒地化(害虫の発生源)
(4)農業に詳しい世代の引退
(5)農業者の減少に伴う水利問題
(6)農業者の減少に伴う地域コミュニティの崩壊

 それでも農業しかないと思う。


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田んぼ風景・里山風景をトータルで売る

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 ヤギは高い所が好き。画像のように2本足で立ち上がる動作が多い。

 今日も、朝、昼、夕と、手に草を持って与えた。今日はためしに、ハーブの「カモミール」を与えたらよく食べた。香りが強く、癖のあるハーブなので、もし「あたったら困る」と思い、少ししか与えなかったが、カモミールを食べてくれると助かる。今、田んぼにいくらでもあるから。

 カモミールは5月に小菊のような花がまぶれついて、その花を10片ほど湯のみに入れて湯を注げば、リンゴの香りのするハーブティになるが、雑草化して困るハーブでもある。

 ヤギの「毒草」は、アセビ、コウゾ(ミツマタ)、シキビの3種類を知っているが、アセビの見分けができない。動物だから本能で毒草を見分けて食べないと思っていたが、ヤギはそれができないらしい。
 ニワトリは嫌いな草は食べない。


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 画像の麦と物置の間のスペース(キーウイの北側)に、ヤギとニワトリ兼用の小屋を作ろうと思う。

 今日の夕方、以前時々「援農」に来てくださっていたUさんがヤギを見に来られたので、そのことを話したら、作ってあげると言われるので、お願いすることにした。
 
 ヒヨコを導入する時には今のニワトリを全羽淘汰するが、今回は10羽ほど残して、ヒヨコが卵を産みだすまでの「つなぎ」として半年間だけ飼おうと思う。
 
 ヤギはメス・オスともに、生後5~6ヶ月頃になると「発情」し始める。このためメスとオスを分けて育成する必要がある。理想的には、オスは生後1年半以後から、メスは生後1年後から、7~8才くらいまで供用できる。
 これよりも早く交配すれば、受胎・分娩はするが、からだの発育が充分でないため、体格が形成されず、本来の能力を発揮することができないし、早老して供用年限が短くなる傾向がある。また、その産子の成績もよくない。理想月(年)になるのを待って交配すべきである。(ヤギ、飼い方の実際、農文協))

 このヤギ(親は異なる)の生年月日はどちらも11月6日だから、交配は12月まで避ける必要がある。3月末で生後約5ヶ月が来るので、4月中には、かわいそうだけれど分離して飼う必要がある。

 つまりもう一つ簡易な小屋が必要であり、その中で古ニワトリ10羽ほどといっしょに飼おうと思う。2坪半ほどの広さになると思う。

 キーウイの下は広いスペースがあるが、ヤギはキーウイの木や枝や葉が好物だし、ニワトリは、キーウイの根元などを掘り返す。



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 今日はまるで春のような1日だった。新聞によると、昨日の13日、ここ10年で最速の「春一番」が吹いたらしい。

 1週間前の炭焼きイベントの日は、まだちらほらしか咲いていなかった梅が、今日はもう8分咲き。後3~4日で満開になるだろう。

 梅や桜や果樹の一部は、花が咲いてから、その後に葉が茂ってくる。何か逆のような気がするが、だから花が美しい。野菜は花が先に咲くことはないと思う。 
  
  
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 野菜、ハーブ、ニワトリ、ヤギ、そして、田んぼ風景や里山風景をトータルで「売っていく」方法も考えようと思う。

 阪急交通社に電話して営業の人に来て見てもらおうと思う。ビジネスになりそうかどうかも相談したい。
 メニューは、
(1)ハーブティとゆで卵
(2)田んぼの案内
(3)森林セラピー
(4)ヤギやニワトリとの触れ合い
(5)竹細工(水鉄砲、竹トンボ、箸、置物、鑑賞炭)
(6)ハガマでご飯炊き



モグラの侵入防止策

 モグラの侵入防止には、あぜ岸に「彼岸花」か「水仙」を植えると、忌避効果があるらしい。

 当方の田んぼのあぜ岸には彼岸花が少ない。今頃の時期に鱗茎を植えつけるとよいらしい。集団でたくさん生える場所をしっているので、取ってきて植えようと思う。

 その他、アップルミントを少しあぜ岸に植えているが、スペアミント、ブラックミントも、お彼岸の株分けの時、あぜ岸に植えようと思う。


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ブログのおかげ

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 2月は1年で最も暇な時期なので、ヤギにたっぷり時間をかけることができる。特にこの1ヶ月はヤギとの親密な関係を作る上で大切だと思う。それができたら、小屋の外へ出せれるし、万一、鎖がはずれても、夜には小屋に戻ってくると思う。

 ヤギは売上に何の貢献もせず、ニワトリの卵のように生活の必需品でもない。しかし、田んぼに行けばヤギがいるという、それ自体が楽しい。

 牛や豚は巨体なので、思いつきで飼ったり、簡単に飼ったりはできない。ウサギも使い道が少ない。

 ニワトリは約4年というサイクルだが、ヤギがはたしてどれくらい生きるかわからない。2頭いるので、どちらか1頭が仮に10年生きれば自分は65才。15年生きれば70才。
 だから、ヤギの導入は最初で最後になるかもしれない



 ブログのおかげで新聞3紙をとるようになった。
 ブログのおかげでヤギを飼うようになった。
 ブログのおかげで写真に目覚めた。
 ブログのおかげでパソコンが手放せなくなった。
 ブログのおかげで目標ができた。
 ブログのおかげで生きがいが見つかった。
 ブログのおかげで他人の農業と比較しなくなった。

 ブログは星の数ほどあるけれど、毎日チェックしているのは2つだけ。ブログランキングでたまたま目にしたレストラン・飲食店ブログの「生まれる前から不眠症」と、猫ブログの「アメショっす」である。まだ飽きがこない。

 もっと面白いブログがたくさんあるだろうが、2つくらいしか読む時間が取れない。

 たまたまというのは人生で多いと思う。すべてではないかと思う。 

 たまたま入った学校
 たまたま入った会社
 たまたま知り合った友人

 人生のスタート地点である学校の選択でたいてい出鼻をくじかれる。希望しても合格できなかったり、遠方だったり、親に経済力がなく遠慮したりする。

 会社も、行きたい会社や行って見たい会社は、凡人はたいてい入れない。
 
 だから、たまたまそうなった場所で人間関係を作ったり、働いたり、勉強したりするしかない。
 
 たまたま、もしくは仕方なくでも、続けているうちに、苦にならなくなったり、夢中になったりすることもある。

 何かのきっかけで、何十年も変えれなかった習慣が3日間ほどで変えれることもある。自分の場合は、あめんぼ通信をボールペンで下書きしてワープロかパソコンで清書というやり方を13年間続けたが、ブログが、パソコンでいきなり入力していく方法に変えてくれた。下書きしていたのでは、間に合わなかった。

 今まで、何をやっても続かなかった(めまぐるしいほど転職を繰り返した)が、農業だけが続いている。

 ブログは、止めたらその時点で終わる。自分の場合は、2~4日に一度更新というリズムは作れず、毎日続けるか止めてしまうかどちらかである。
 大体、こんなにブログが続くなど、自分の中では奇跡の日々が続いており、自分で自分にびっくりしている。
 

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 ニワトリをかるんじているわけではありません。


 
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 麦は「癒し系作物」だということに初めて気づいた。


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国の借金846兆円、1人当たり663万円

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 夕方、ホウレンソウとイタリアンパセリを手に持って小屋の中に入った。だいぶ慣れて、近寄ってきてバリバリ食べ始めた。その時に片方の手でさっと「のどの下」に手をやると、食い意地の方があったのか逃げなかった。
 
 今日の成果は、あごの下を触らせてくれたこと。しかし、背中や足、額に触ろうとすると、夢中で食べていても、さっと逃げる。

 今日は、来てからちょうど1週間。これだけ接近できたら上出来。

 ホウレンソウとイタリアンパセリはどちらも好物なのが、昨日までの様子でわかっていた。ホウレンソウはシュウ酸の多い作物のはずなのに、害獣の鹿もロケットよりホウレンソウを好む。
 


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 注文していたダンボールを取りにいってきた。250枚。今までは1枚120円だったが、去年の秋に値上がりして1枚150円。だから今日の場合、250枚×30円=7500円の値上がりである。
 
 今は下落傾向にあるが、ここ数年、仕入れの紙代がアップし続けて、値上げせざるをえなかったと言われる。
 
 近くにダンボール会社は他にないし、すでに15年以上の付き合いなので、この会社で購入するしかない。今までずっと、120サイズは120円、100サイズは92円だった。現在は100サイズはほとんど使っていない。

 送料は「箱代」と「ヤマト宅急便」の合計で800円を負担してもらっているが、ぎりぎりである。「ヤマト宅急便」が値上がりしたら、送料で赤が出る可能性があった。ガソリンが異常に高い期間が半年間ほど続いたが、あの期間にアップ提示されたら、のまざるをえなかった。

 ヤマト宅急便は回数券であるが、月間送付数がピーク(70~80パック)だった6年ほど前に、値段交渉して安くしてもらった。
 

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 ダンボール置き場は、以前はコンバインの置き場だった。そのずっと以前45年ほど前は、ニワトリ小屋だった。
 
 ニワトリ小屋の右が牛小屋だった。今は物置に使っている。乗用トラクタもここに収納している。
 
 ニワトリ小屋と牛小屋だった天井は右の画像である。竹の上に木の皮のようなものを乗せ、その上に練った泥を置いて瓦を置いている。
 いつ頃建てたのか聞いていない。

 

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 昔の豚小屋が、今は軽四置き場になっている。ここで2~3頭飼っていた。少し傾斜があり、豚のおしっこが画像の隅のタンクに入るようになっていた。



農作業死亡事故(農業新聞2月12日)

 農作業死亡事故は年間400件前後で一向に減らない。負傷者も減っていないだろう。

 自分の場合、危険な作業と思うのは、草刈と乗用トラクタの運転の2つである。それでも、草刈中の事故はあまり聞かないし、乗用トラクタも、傾斜のある場所の出入はないので、横転などはあまり考えられない。

 乗用トラクタは父が買っていた物を使っているが、この20年間、故障らしいものはない。ツメの交換だけ4~5年に1回、農機具店にしてもらっている。


認定農業者数(農業新聞2月12日)

 認定農業者数・・・2008年9月末で24万4375人。
 特定農業法人・・・2008年9月末で729。
 特定農業団体・・・特定農業法人への移行が進んだことなどで、2008年9月末で1836。

 認定農業者数を、47都道府県で割ると、1県あたり5200人。この内、60才以下は果たして何人いるだろうか。


国の借金(山陽新聞2月11日)

 国の借金846兆円に。1人あたり借金663万円。
 こんなに大借金があるのになぜ、総額2兆円もの定額給付金をばらまく余裕があるのだろう。

 どうやって、この借金を払うのだろうか。踏み倒せるのだろうか。次の世代へ先送り先送りするつもりなのだろう。



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カドミウム汚染米

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 今朝はちょっと腹が減っていたようだ。米ヌカもなくなっていたし、ニンジンや草もなかった。

 腹を減り気味にしておくと、エサをのぞけた時に近寄ってくる。手に持った草を夢中で食べている時、片方の手でちょっとさわれた。

 ヤギが来てから、田んぼに行くのが楽しくなった。見ていたら、またたく間に時間が過ぎていく。ヤギは「頭突き」をすると聞いていたが、オスがメスにしばしば頭突きをする。エサを取られまいとする場面でそれが出る。



カドミウム汚染米

 
 カドミウムは、鉱山開発や精錬などにより排出され、土壌に蓄積されてきた。食品衛生法では濃度が1ppm以上の玄米は食用にすることを禁止。0.4ppm以上1ppm未満の米は国が買い上げ、工業用のりなどに加工されていたが、いわゆる事故米の問題を受け、焼却処分にする予定。
 農林水産省が、全国から集めた玄米約3万7千点のうち、食用の基準である0.4ppmを超えた米が0.25%あった。(山陽新聞2月10日)

 吉井川水系には、全国的にも知られている「柵原鉱山」があったが、カドミウム汚染米などはないのだろうか。政府は公表していないので、どこで0.25%の米が出たのかわからない。

 カドミウム汚染と言えば、神岡銅山があった神通川流域のイタイイタイ病。

   

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 6坪の物置の1坪半がヤギ小屋になったので、残りは4坪半。ニワトリ小屋と同じ大きさになった。
 4坪半でも十分納まる。場所をとるものといえば「管理機」くらい。他に置いているものは、飼料のコゴメや米ヌカ。白いポリや黒マルチ、草刈機、液肥を担ぐタゴ、出荷で濡れた新聞紙を入れるゴミ袋等である。
 今までスペースの大きかったクン炭は、家の納屋に置くことにした。エンジンポンプとホースも家の納屋に置いている。

 
 
 オーストラリアの山火事、中国の冬小麦の産地の記録的干ばつ・・・温暖化は地球規模なので、他人事と思えない。

 大雨洪水に備えて・・・田んぼの周囲の細い水路の「泥上げ」や「落ち葉の除去」をして、水路がふさがれないようにしておく。

 干ばつに供えて・・・サトイモのような水の要求量の高い作物は減らす。他は、井戸水の量と散水にかかる時間を考慮して定植本数を決めている。



マツダを支援
 

 広島市は販売不振に陥っているマツダを支援するため、2009年度に同社の小型車「デミオ」120台を公用車として購入すると発表した。費用は計約1億三千三百万。
 同県内のマツダ支援策としては、これまでに県が二百台、中国電力グループが450台、広島銀行グループが120台を購入する方針を明らかにしており、自治体、企業に動きが広がっている。(山陽新聞2月10日)


労組擁立「組織内候補」全国に

 連合によると、傘下の労組が擁立した労組出身の地方議員は全国に少なくとも千人以上。社員の身分のまま給与をもらっているケースもある。
 組織内候補について、日本的な「企業一家」のシンボル的存在 と位置付ける。高度成長期の60年代から「会社が潤えば労働者も潤う」と労使が運命共同体になり、その代表として会社お抱えの候補者が出現したという。(朝日新聞2月11日)

 何で大企業には、こんなに至れり尽くせりなのだろうか。企業組織は神様で、そこに使われている労働者は下僕。



ブドウも食べるイノシシ(広島県 沼隈町団地組合)

 イノシシ被害は3年前から。昨年は農家が丹精した収穫間近のブドウをイノシシに食べられる被害が絶えなかった。また、加温ハウスのビニールを破ったり、団地内の道路でイノシシと軽トラックが衝突する事故も発生した。こうした被害を受け、組合は国と市の補助を伴って侵入防止柵の設置に踏み切った。(農業新聞2月6日)



サバイバル登山(服部 文祥、登山家39才)

 私は現代文明の防御機能が及ばない環境にあこがれ、ヒマラヤ登山に傾倒していった。だが、そんな先鋭的登山から、猟師やマタギのように山々を巡るサバイバル登山に惹かれていった。いわば日本土着の登山である。山に棲んでいるものや生えているものをとって、自分でさばく。たき火をおこして獲物を調理し、落ち葉を集めてその上に眠る。私は自分が間違いなく地球の生き物の1種類だと感じてうれしくなる。
 食べるために生き物の命を奪う行為は、少し前までは誰もがやっていたことだ。しかし、現代都市生活ではほとんど経験できなくなってしまった。体験を手放すと、それに伴う感情まで手放すことになる。効率と快適を追い求めることで、私たちは生きるための根源的な体験と感情を失ってしまったのではないだろうか。(2月7日朝日新聞)


 いつのまにか人間は「土の上で生きる農業」から、遠ざけられてしまった。そして、土の上に戻ること(農業を始めること)は大変なエネルギーを要するようになった。 

 ビジネス型農業者ではなく家庭菜園型(自給自足型)農業者を増やす施策を大がかりに奨励していかないと、この国の里山は崩れてしまう。
 
 認定農業者や、集落営農や、農業法人だけで、生物多様性が守れるだろうか。家庭菜園型が軽視されている。

 農業に投じている莫大な補助金の半分は、農業の多面的機能を維持する「小規模農業者」がもらうべきだ。
 
 



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グローバリズム・ナショナリズム・ローカリズム

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 ヤギは30分ほど見続けていても飽きない。ヌカと水を新しいものに入れ替え、ドングリの枝を折って入れ、草を刈って、手で持って与える。

 手に持った草はよく食べるが、片方の手で触ろうとすると、瞬間に逃げる。ちょっとのことだが、この距離が縮まらない。


グローバリズム、ナショナリズム、ローカリズム

グローバリズム・・・
ナショナリズム・・・
 両方とも、交通通信技術の発達に基づく均質化と資本主義化の産物である。ただ、均質化が国内でなされるとナショナリズムと呼び、国際的になされるとグローバリズムと呼ぶ。

 大国のグローバルな展開に、劣位の国が対抗手段としてナショナリズムを作る例が多い。

 ナショナリズムの受益層・・・中の下くらいの階級
 グローバリズムの受益層・・・上層階級

 ナショナリズムとグローバリズムの共通の敵はローカリズム。

 交通通信技術と資本主義の発達で、地域地域のローカリズムを破壊し、人々に国家という想像の共同体に愛着を持たせることがナショナリズム。
 
 グローバル企業にとっても、自給自足のローカル共同体は最大の敵である。
(以上、慶応大教授(歴史社会学)小熊英二さん)

 
 つまり、ローカリズム(自給自足的な地域主義)の再生が、ナショナリズムやグローバリズムに対抗する道と思う。

 ナショナリズムの恐怖やグローバリズムの怒涛のような経済制覇に対して、自分自身を保持するには、経済至上主義から脱却した生き方をするしかない。

 しかし、生活の隅々まで張り巡らされた高度資本主義の産物(ライフラインシステムと各種電化製品)が、自給自足の大きな壁となって立ちはだかる。

 しかし、捨てれるものから、一つずつ捨てていくしかない。



呼び込め 担い手候補
 
 各県で就農相談会が大流行だが、仮に農業に就職や就農ができても、いい結果にならないと思う。
 
 騙されたと思っても後の祭り。
 
 なけなしのカネを決してつぎ込んではいけない。行政や農協の担当者は責任などとってくれないし、現実にやっていないのだから農業の現状もわからない。

 農業に就職ならまだしも、農業に就農ならよくよく考えるべきだ。初年度にカネがかかり過ぎることと、生産物がカネになるまでに時間がかかり過ぎるという2つの大きな欠陥がある。

 大規模栽培の農業や農業法人に就職しても、そういう農業には農業の楽しみも、農業の癒しも感じることはないだろう。

 農業は未だに、規模拡大だとか、認定農家だとか、集落営農だとか、農業法人に目が向いているが、農業は大きく分けて二つの道がある。
 (1)効率や採算を重視する大規模農業
 (2)適正規模で、売上より経費節減をめざす小農。

 (2)の農業こそが農業の多面的機能を維持し、地域の景観を保持することに貢献できる。農業に喜びや癒しを感じるのも(2)の農業だけである。農業を「経済だけ」の基準で考えてはいけない。

 もっと底辺の農業に入る道を提示してあげる必要があるのに、ハードルの高い農業しか提示していない。これではごく一部の人しか進めれない。

 (1)の認定農家や集落営農や農業法人におりている「莫大な補助金」を「透明化」し、その半分を(2)の農業に振り向けることが「農業雇用」だと考える。小規模農業者の、地域の環境や景観に対する貢献度は認定農家より数段高い。

 農業補助金をもっとわかりやすく、赤裸々に表示し、半分は(2)の農業者に回す必要がある。それはロストジェネレーション世代を中心にした「60万円×5年間」の自給自足型農業支援である。これこそ農業雇用である。

 「生産性をあげるため耕作規模拡大を促し、将来性ある農家を重点的に支援する制度解決も不可欠だ」という2月2日の朝日新聞の社説は半分誤っている。「経済一辺倒 」の視点でしか見ていない。

 ニワトリで言えば、1万羽以上の飼育農家を支援するのではなく、30羽養鶏の道を奨励する必要があると考える。集中ではなく分散


 田舎暮らし術、家庭菜園塾、農業の癒し、ライフスタイルとしての農業、有畜小農、ロストジェネレーション世代の田舎移住、脱資本主義を今後のキーワードにしていく必要がある。 
    
     
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 シカ避けにパオパオをかぶせていたが、その資材を破ってホウレンソウを食べている。この冬はかなりの被害が出た。春になれば山の木に新芽が芽吹くので、被害は少なくなるだろう。
 

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麦の肥料をどうしよう

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 物置の4分の1のスペースに、ヤギが風景としてきちんと納まっていることが不思議な気がする。

 ここまでに19年の歳月がかかった。

 今まで、小型の牛のジャージー種を飼おうと思ったことは何回かある。しかし、そのサイズゆえに、どうしても踏ん切りがつかなかった。ヤギも何回か飼おうと思ったが、購入できる場所がわからなかった。遊びで農業をしているのではないから、カネにならない動物を増やしてはいけないという気持ちもあった。

 それがここに来て、急展開してヤギが入った。入れる時は気分を高めながら一気に進める必要があると思った。

 ヤギの導入にこんなに年数がかかったのは、ニワトリほど利用価値がなかったからである。ニワトリは何といっても卵を産むという存在感が大きい。生活にミルクは不必要(我が家でほとんど牛乳を飲まない)だが、卵は欠かせなかったから。

 現在でも、ヤギ乳はそんなに期待してはいない(あまり時間を取られると困る)
。最も期待しているのは「ヤギの草刈」と「ヤギのいる風景」であり、副産物としてヤギ乳がもらえるならそれもよいし、もらえなくてもよい。 


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 ヤギは清潔好きらしい。「米ヌカ」や「飲み水」の中に糞をしていたので、新しいヌカや水に入れ替えたら、またヌカを食べ始めた。
 昨日まで食べなかったニンジンを今日は食べた。キャベツはまだ食べていない。

 今の時期はニワトリやヤギに与える草が伸びていない。あるにはあるが小さいので取るのに手間がかかる。そんな時、ヤギにはドングリの木の枝を折ってやればいいので、小屋の傍らにいくらでもある。

 2月3日の山陽新聞によると、昆虫が運んだ病原菌によって「ナラ」や「シイ」「カシ」などの樹木が集団で枯れ死する「ナラ枯れ」の発生が秋田や長野、広島など少なくとも23府県に拡大していることが森林総合研究所のまとめで判明。同研究所などは、発生場所の予測手法や原因となる昆虫の防除法開発に乗り出した。

 ドングリの木は「カシ」の木。常緑でヤギの好物なのに、こんな木が「松」のようになったら困る。地球温暖化が一因との指摘もある。

 ニワトリは約4年というサイクルだが、ヤギは10~15年というサイクルであり、犬や猫と同じくらいの寿命のようである。
 
 ヤギは犬のように散歩の時間を取られるわけではないし、ペットフードのように月間の餌代が何千円とかかるわけではなく、ヌカ代はせいぜい100円ほどで足りる。

 舎飼いでなく、戸外へつなげれるようになれば、要する時間はニワトリとほとんど変わらないと思う。スキンシップをはかり、遅くとも3月のお彼岸までには、戸外で飼えるようにしたい。

 
   
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 デジカメの望遠レンズで、ムギを食べるヒヨドリを写した。麦はイノシシが好み、シカが好み、ヒヨドリも好むが、食われても踏みつけられても、たくましく成長する。

 ムギも作物に変わりはない。除草や中耕をする必要があるし、肥料も少しは入れないと収量が少ないと思う。

 ムギの肥料はどうしよう。メタン菌液肥を使うと、春の作物に使う量が足らなくなる。かといってトリ小屋の鶏糞を畝間に散布するのは時間がかかるし、その後の中耕や除草がやりづらい。去年の6月23日に2袋購入してほとんど使っていない化成肥料が残っているので、それを使おうかとも考えている。


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今日は当地で炭焼きイベント

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 今日は炭焼きイベント。イベントは用意も片付けも結構大変。いつもはお客様で行く方だが、今日はホストなのでなおさら。

 前回のメンバーが来られた。今日のメインイベントは鶏の燻製。
 
 ここ数年イベントをしていなかったが、以前に何回もやっているので、イベントセットは大体揃っている。

 簡易トイレ・・・女性も来られるので、これは必須。中古の簡易トイレを購入しておくと便利。10年ほど前に4万円ほどだった。

 七輪・・・湯をわかしたり、何かと便利。

 ハガマセット・・・これも、ご飯を炊いたり、湯を沸かしたり、今日は鶏の羽を取る時、このハガマの湯(75度が最適)に10~15秒ほど浸けると羽が簡単に抜ける。



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 今日は竹酢液も取った。竹筒に受けた。

 炭窯の上で、ギンナンとシイタケを焼いた。シイタケはこの日のために、2週間ほど前に収穫して以後収穫しなかった。1年で最も寒い時期だが、山の中は暖かいのか、ゆっくりだが大きくなる。3月下旬にはまたたくさん出るはず。



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 おにぎりを20個ほど作った。8合炊いたが、おにぎりにすると20個だった。4個残った。冷めると硬いので終わってからニワトリにやった。
 
 真ん中の古代米入りご飯は参加者が用意してくれた。



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 当地でのイベントの定番は、「ハーブティ」と「ゆで卵」。特にハーブティは何回でも作れて簡単。今日利用したハーブは、レモンタイム、スペアミント、セイジ、レモンバーム。
(1)タイム(レモンタイム)・・・常緑草
(2)ミント(スペアミント)・・・・霜で傷んでいるが使える
(3)セイジ・・・・・・・・・・・・・・・・霜で弱っているが使える
(4)レモンバーム・・・・・・・・・・霜で傷んでいるが使える
(5)レモンバーベナ・・・・・・・・今の時期は枯れている
(6)レモングラス・・・・・・・・・・・今の時期は枯れている
 

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 今度のイベントでは燻製をしようと言った「いいだしっぺ」は自分だが、いざ、イベントが近づくと、だんだんかわいそうになった。
 
 でも、ニワトリをつぶす(絞める)こと自体は、過去に何度もやっているので慣れている。出刃包丁で、首の下の頚動脈を一気に切り、血抜きをする。この時、ニワトリが暴れて返り血を浴びることがあるので、ばたつかないように、足と羽をよく押さえておく必要がある。
 
 よく切れる包丁で、時間をかけずに一気にしないと、ニワトリを苦しめることになる。
 
 2羽つぶしたが、もちろん自分の手でつぶした。最後は他人に依存したくなかった。エネルギーの99.9%は頚動脈を切る瞬間にかかる。その後の解体作業は、詳しい人がおられたので、その方にしてもらった。上の画像がそうである。
(1)75度の湯にざぶんと10秒ほど浸ける。
(2)そうしたら羽が抜きやすい。
(3)羽を抜いたら、はらわただけ除く。
(4)塩をたっぷりこすり付ける。
(5)竹に針金で縛りつけ、炭焼き用容器に入れたが、うまくいかなかった。燻製をするつもりが、途中から、丸焼きになった。
(6)5月26日で丸4年が来るニワトリだから、しわくて食べれないだろうと思ったが、硬いけどおいしいと言って何人かが食べた。
(7)残ったニワトリはオス1羽、メス28羽の合計29羽。購入時はオス2羽、メス30羽、おまけで入っていたメス1羽の合計33羽。

 5月に残り全部を淘汰してヒヨコを導入するか、もしくはもう1年飼うか、現在思案中。どんな品種にするかも迷っている。

 今回のイベントで2羽をつぶしてもいいと思ったのは、淘汰が現実的に近くなったから。1年前だったら、まだ3年しか経過していないからつぶさなかったと思う。
 
 ボクはニワトリの飼育期間中に自分でつぶして食べたりはしない。卵と肉が目的ではなく、卵だけを目的にして飼っている。今回のイベントではたまたまつぶしたが、通常すぶすのは「全羽淘汰の時」だけである。

 ただ、1世代前の人は、ニワトリは肉と卵の半々に見えただろうと思う。牛肉や豚肉は高価で、日常は口にすることができなかったので、肉と言えば、自分でつぶして食べる「飼っているニワトリ」だけだった。
 
 ボクは飼っているニワトリが肉に見えたことは1度もない。それだけ裕福な時代を生きてきたのだと思う。ただし、これからの時代を生きていく人は、食糧難の時代の到来とともに、生きているニワトリが肉に見えてくる人も多くなるだろう。
  
            

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 遠方からの人もあり、窯はまだ少し熱かったが、窯出しすることになった。午後3時半。歩留まりは2割ほど。

 この窯は、煙突からもくもくと出る煙を楽しむ「風流」はとぼしく、もっぱら実用的に炭を焼き、日常、煮炊きや暖房で炭をよく使う人向きだと思う。

     

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 この窯では、クン炭(焼きスクモ)はうまくできなかった。



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 鑑賞炭(お花炭)も作るつもりで、金柑、梅の枝、しだ、スギ、松ぼっくり、ツバキ等を用意したが、他の作業が忙しくてできなかった。


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 ムギ踏みは、今日のイベントでしてもらおうと計画した。皆ですると楽しいし、すぐ終わる。


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 今日は忙しくてヤギの相手ができなかった。皆が帰られてから、手に草を持って食べさせた。草を投げ込むのではなく、手に持って食べさせることで、少しずつ距離を縮めていきたい。

 参加者にはヤギを堪能してもらえたと思う。ヤギをくださった方には安心してもらえたと思う。

     
 


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廃校と限界集落

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 まだ触らせてもらえないが、仕切りの外から草を手に持って、おいでおいでをしたら、手に持った草をよく食べた。ご馳走だったのかも知れない。
 
 キャベツ1個とニンジン4本も入れているが、どちらもほとんど食べていない。ドングリはまだ残っていたので、今日はやらなかった。

 米ヌカはよく食べている。味噌汁のお碗で3杯ほど与えているが、朝にはからっぽになっている。

 ニワトリは人間の動きによく反応するが、ヤギはそれほどでもない。隣の物置でがたごと音をさせても、あまり気にしない。それでも側を通ったり、のぞいたりすると、たいてい視線をこっちに向けている。
 
 ヤギを物置の一部で飼うことにしたのはよかったと思う。出たり入ったり、行ったり来たりする頻度が最も多く、田んぼに着くとすぐ目に入り、田んぼから帰る時にも最後に目にする場所である。

 昔の農家の玄関横にあった牛小屋と同じである。家人の目が最も行き届く場所に牛小屋があったが、このヤギ小屋も自分の目が最も行き届く場所にある。

 逆にニワトリは人間があまりうろちょろしない、静かな空間でないと、産卵率が落ちると思う。

 ニワトリに比べたら、山羊の方が圧倒的に賢い。だから人見知りをする。

 3面が金網のせいか、あるいは草食動物のせいか、今のところ、糞は全く臭わない。




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 この画像の真ん中あたりに、赤い屋根が見えるが、これは25年以上前に廃校になった小学校である。今は神戸から来られた木工作家の工房になっている。
 
 リンゴ園の管理人と、木工作家と、もう一人オカリナ奏者の3人は、この三保高原一帯の限界集落に10年ほど前に神戸や大阪から移り住まわれた方である。2年ほど前に新聞で紹介されたので、話を聞きたくて、それぞれの方を訪ねて行った。その時に、木工作家の家がなかなかわからなかったが、ちょうどこの地点で遠方に赤い屋根が見え、小学校に違いないと思った。
 
 一昔前の小学校は、たいていこのような赤い屋根が特徴である。
 この小学校の周辺には、あまり家が見当たらない。しかしこの場所は、四方から通学してくる子供たちのちょうど中心点に位置しているはずである。昨日紹介した限界集落の子供たちは、この小学校に通ったらしいが、片道7キロはありそうである。一昔前は片道5~8キロほどある小学校へ通っていた子供も多かったようである。ちなみに自分の場合も小学校まで3キロ余りあった。

 限界集落をドライブしていると、たまにこんな廃校に出くわす。周囲に家らしい家がないのに忽然と、草木に覆われた赤い屋根の廃校を目にすることがある。

 ちょうど1年前の2月6日、広島、島根両県にまたがる標高1346メートルの恐羅漢山のスキー客が行方不明になり、無事救助された7人は、偶然見つけた山中の廃校になった小学校跡で2晩を明かし、暖をとっていた。
 
 雪が残る運動場には焦げた畳や廃材があった。7人が救助ヘリにSOSを知らせるために燃やしたものだ。
 「それが見つかったおかげで助かった」。無事下山した人たちが会見でそう話したことで、朽ちかけた学舎が突然注目を集めた。
(遭難7人、救った廃校。追憶古里 きずな再び、旧住民80人集まる計画も。朝日新聞4月3日)

 限界集落も、廃校と同じである。じっと目をつむり、風の音に耳を傾ければ、往時の繁栄が頭に浮かんでくる。

 当時より本当に豊かになったであろうか。逆ではなかろうか。大地や森や自然から切り離されて、豊かになったと言えるだろうか。

 しかし、大多数の人間はもう土や森や自然の中へ戻れない。効率や採算、管理のために、鶏や牛や豚の大半は大地から切り離され、土のない管理棟でコンピュータ管理されるようになった。人間も同じである。土から切り離され大多数の人がサラリーマンとして管理されている。


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限界集落

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 写真では、とてもほほえましく見えるが、触らせてもらえない。近づくと逃げる。首輪をつけようと追い掛け回したのも、よくなかったかもしれない。暴れて、なかなか着けさせてもらえなかった。飛びかかるようにして捕まえ、押さえつけて首輪をつけた。

 まだ小さいが、4本足だから、なかなか力がある。

 早く首輪をつけて鎖をつなぎ、戸外につなごうと思ったが、しばらくはできないと思った。

 この場所にも自分にも、かなり警戒している様子が見える。

 夕方、友人が来て、こちらから近づいてはいけない。向こうから寄って来るのを待たなければならないと聞かされた。
 「なるほど」と思った。しかしこうなると長期戦になる。

 友人が言うには、小屋に入って腰をおろし、10分ほどじい~っとすることを1日に2回ほど繰り返しておれば、そのうち慣れて近づいてくるだろうと言う。

 1週間かかるのか2週間かかるのか、もしくはそれ以上かかるのか、わからない。

 外へつなぐのはその後である。今、外へつないで、何かの拍子に逃げられたら、捕まえる事はできない。

 とにかく、今一番大事なことは、早くヤギが世話係の自分に慣れてくれること。

 1日に2回、10分ほど、小屋の中でヤギとにらめっこしながら、ヤギが心を許すのを、ひたすら待たなければならない。



限界集落
 

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  ヤギをもらった佐伯町のリンゴ園周辺は、まさに限界集落。限界集落の「限界」という言葉は適切でないということで、マスコミでは使わなくなるらしいが、これほど的確に、端的に表現したわかり易い言葉はない。「差別用語」ではないので、自分はこれからも「限界集落」という言葉を使っていこうと思う。

 つまり「限界」とは、「住むのが限界」、「住み続けるのが限界」という意味。しかし、世の中はよくしたもので、その「限界集落」を気に入って、あえて「限界集落」を選択して移住してくる都会の人も多い。

 ボクは田舎在住であるが、自分の田舎より、もっともっと山深い、奥山の集落をドライブするのが好きである。限界集落を好んで訪問していると、同じ限界集落好みの人たちや、そこの居住者に出会える。

 なぜそんな限界集落に魅かれるかと問われると、自分の故郷であり日本の故郷のように思えるから。

 この道はいつか来た道、故郷へ通じる道。

 老い先が短くなると、先祖がえりをするというが、自分や今の日本が失くしてしまったものを、もう一度ふり返ろうとしているのかも知れない。

 山深い田舎へ来ると、何かほっとする。近世以前、江戸時代の終わり頃まで、こんな山の中の集落では、幾百年と自給自足を繰り返しながら、周囲の自然をいつくしみ、徒歩で行ける範囲の小さな圏域で生活を繰り返してきたのだ。美しい日本の山河は、どんな険しい場所に住もうとも、生活に最低限事欠かないだけの、山の幸、里の幸、川や海の幸を提供してくれたのだと思う。
 明日、食べる物がない時でも、一夜明ければ、幾ばくかの口に入れる食べ物を大自然は与え続けてくれた。

 しかし現在のホームレス者は、大地から断絶したコンクリートの路上に投げ出され、たった一粒の飯も口に入れることができない。カネがなければ死だ。

 カネをもって、あるいは年金の裏づけがあって、限界集落へ移住することは、幸せな余生が送れるかも知れない。

 しかし、ロストジェネレーションの世代なら、限界集落へ移住することは無理だろうか。
 確かに、
(1)子供の就学の問題。
(2)働き口がほとんどない。
(3)家庭菜園でさえ、かなり防御しないと害獣にやられてしまう。
(4)車が必需品、道が険しく危険、冬は凍結する。
(5)近くにスーパーも役所も銀行も郵便局も宅急便もない。
 こんなことを書き連ねていると・・・やっぱり無理か。しかし今の日本では商工業の社会に留まり続けても、活路がないと思う。

 日本の資本主義はおかしい。65年前の戦争がきちんと批判されず、臭いものにフタをして戦後がスタートしたから、未だに、戦争への道を止めることができなかったこの国の民主主義の負の部分を背負っている。どんな世界でも、1代前の、もしくは2代前の生き様や有り様は現在の世代に引き継いで現れる。祖父や祖母に顔の一部が似るのと同じである。

 
 以前にも紹介しましたが、リンゴ園では今、スタッフを募集しています。独身、夫婦等の条件はありませんが、農作業なので、体力的に55才くらいまでの若い方を望まれているようです。

 もし希望される場合、下の画像の家が借家できます。

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 もう一つが下の画像です。
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 まさに限界集落です。食べることと、寝る場所は保障されますが、リンゴ園での賃金は多くは期待できないと思います。もし興味がありましたら、りんご園のマネージャーをご紹介させて頂きます。




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ヤギ 到着

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 ヤギ到着。小屋に入れてから、ドングリの木を折って与えると、すぐに食べ始めたので一安心。2頭なのが心強かったのかも知れない。

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 こんな入れ物に入れて連れ帰った。適当な入れ物がなく、これしか見つからなかった。

 これは竹で編んだカゴ。もう50年以上前に作られたものである。これを「ちょうた(ネコグルマ)」に載せ、カゴには収穫した葉タバコを入れて、家に運んでいた。
 
 自分の農業では使う機会はないので、ずっと、納屋の軒下の天井に置いていた。使っていなくても、どうもなっていない。


 生まれてちょうど3ヶ月で、まだ12~14キロほどの子ヤギであるが、親から引き離す時に、逃げ回って、ちょっと手こずった。聞かなかったが、まだお乳を飲んでいたのかもしれない。一旦つかまえると、そんなにどたばたはしなかった。
 到着してこの入れ物から出す時も、ちょっとつかまえづらかった。逃げ回って怪我でもされたら、くださった人に申し開きができない。

 

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 片道30キロほど、車で1時間ほどだが、その間、糞も、おしっこもしていなかった。白い毛がたくさん落ちていただけだった。普通なら、恐怖感から、糞やおしっこが出ると思ったが、やっぱり2頭なのが心強かったのかも知れない。
 こんな時、ニワトリならたくさん糞をする。

 
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 ドングリの木、キャベツ1個、ニンジン4本を同時に与えたが、ドングリの葉ばかりを食べ、キャベツやニンジンを食べようとしなかった。でもその方が助かる。山の木と硬い草を中心としたエサで育てる予定だから。

 3時半過ぎには田んぼに帰っていた。小屋に入れてから1時間ほど飽かずに眺めていた。見ていたら、ドングリの葉だけでなく、ボールペンより少し細いくらいの木も噛み砕いて食べている。下敷きの落ち葉や枯れた笹などもむしゃむしゃ食べていた。


 

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 その後しばらくすると、米ヌカも食べ始めた。米ヌカは農協のライスセンターで昨日購入したばかりである。1袋が100円。米ヌカはニワトリのエサにもなるし、メタン菌液肥にも使える。いろんな使い道があって重宝である。
 水は少し飲んだだけだった。

 3面が金網だが、生まれ育った所よりかなり県南なので、寒くはないだろうと思ったが、南側の金網にムシロをたてかけて寒さ避けをした。 

     
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 帰り際にまた写そうとしたら、とてもかわいいポーズでカメラ目線をしてくれた。

 外につなぐのは、もう少し慣れてからにしようと思う。


 
 今日は「田土」の棚田コースを通って北上した。先日は「帰り」を写したが、今日は「行き」を写した。帰りはヤギを乗せていたので、家までノンストップで帰った。

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 午前中は快晴だった。田土の棚田は、いつ見ても素晴らしい。雄大で、頂上付近まで棚田が延々と続く。下から見るのも、上から見るのも、どちらも楽しめる。幹線から棚田がすべて見渡せるし、その幹線の頂上に、今日ヤギをもらった佐伯町のリンゴ園がある。

 家からこの棚田の入り口まで40分ほどで行ける。こんな近くに、こんな棚田があることを知ってからまだ3年にもならない。

 今のような米価ではこの棚田は維持し続けれないと思う。中山間地の補助金が少し出ているようだが、棚田が維持できるだけの補助金は、ここのような棚田には必要だと思う。
 
 棚田の稲作は、景観や生物多様性を保持し、ここを通る人の心まで癒す。棚田は日本の原風景の一つである。失ったら、復帰させるのは困難であるし、日本人の心まで荒んでしまうだろう。


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明日はヤギさんをもらいに行く

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 ニワトリにもヤギ小屋と同じ落ち葉や枯れ草を入れた。鶏糞は1年に1~2回しか持ち出さないので、糞と適当に混じりあいながら積み重なっていく。

 ニワトリの下敷きには「籾殻」や「稲藁、麦藁」などがあるが、これらを投入するのは鶏糞を全部持ち出した時であり、通常は、草や野菜クズをたくさん持ち込むので、それらの芯や太い茎、草の食べ残し等が残って下敷きになっていく。
 
 山のそばなので、籾殻や稲藁や麦藁がなくても、落ち葉を簡単に集めて入れることができる。雨天が続いたりして、床が湿っている時などに入れることもある。

 たまに、落ち葉の下の土(腐葉土)を入れる。ニワトリは「土」も好むようであるし、腐葉土に含まれる「菌」はニワトリの腸にいいと思う。
 根菜類のクズには土がついているので、多少は田んぼ土も持ち込んでいる。

 
 明日はいよいよヤギをもらいに行く。

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 ヤギには土手に上がる竹薮沿いの道の草を食べてもらおうと思う。そして、道と田んぼの境の「のり面」の草を刈るのも結構大変なので、ヤギに応援してもらおうと思う。のり面には草よりも低木が多いので、ヤギが好むと思う。


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  池の下の田んぼには梅の木2本とハッサク等を植えている。今日見たら、梅の花が1~2輪咲いていた。炭焼きイベントの日曜日にはもっと咲くと思う。
 
 8~9年ほど前には、この2種類のドラム缶窯で十数回、竹炭を焼いた。
 
 左の窯は、11年前、岡山県美星町であった炭焼きイベントで指導を受けた窯。
 
 右の窯は、和歌山県 東牟婁郡 那智勝浦町の岡口さん指導の窯。

 自分では作れなかったので、左の窯はイベントで出合った方に、右の窯は岡口さんの友人のNさんに作ってもらった。

 「ニワトリ」や「ハーブ」のようには「炭焼き」が続かなかったのは、竹を切り出し、枝を落とし、長さを揃えて切り、竹割り器で割るという一連の行程が、あまり得意でなかったということにある。一窯焼くための材料を準備するだけで3時間ほどかかった。
 加えて、「炭焼きそのものを楽しむ」とか「炭を生活の中で使う」というゆったりとした時間の流れに従えなかった。

  
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 1年に1度、1月第4日曜日にある池の土手の草刈が終わり、ロケーションがとてもよくなった。これから5月連休頃までの3ヶ月間が、土手の最も美しい季節である。
 
 毎日見ていると、田んぼのまわりの風景が、取り立てて素晴らしいとは思えない。友人の田んぼを訪れたり、棚田めぐりをしたりすると、よその田んぼばかりが、とても美しく見える。
 
 池や低山や竹薮に囲まれたこの田んぼ周辺の風景の素晴らしさに、サラリーマンをしていたら、決して気づくことはなかっただろう。 

 
 もう少し、自分自身にゆとりを持った生活をしなければと思う。ヤギとの触れ合いがいいきっかけになってくれればと思う。

 「貧乏するにも程がある(長山靖生 著)」の著者は、『「勝ち組」、「負組」と言う二分法が蔓延したことの最大の弊害は、「経済以外の基準がないという点につきる」と嘆き、仕事を通して「生きがい」や「自分らしさ」、「人間の尊厳」を持ちたいと思ったっていいじゃないか。しかし、日本社会は今、そういう贅沢を許さない方向に進んでいる』と怒っている。
(光文社新書・756円) この書評(加藤 出)

 
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緑のふるさと協力隊事業、参加者募集

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  11月末に麦を蒔いてよかった。雨の日の麦も風情がある。
 麦がこんなに景観作物になり、目にするだけで、安らぎを与えてくれる作物とは思いもしなかった。それには、昔ながらの畝立てをして2条蒔きにしたのもよかった。物置の東に2.5アール、西に2.5アールほど。手刈りするので、合計5アールほどが限度と思うが、
(1)ニワトリのエサ
(2)敷きワラ
(3)麦の間にナンキンやトウガンを植えてもよい。
(4)刈り取った後の「ひこばえ(再生ムギ)」もヤギが喜ぶ。




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 昨日の夕方、下敷き用の落ち葉や枯れ笹をヤギ小屋に入れておいた。たくさんに見えるが、均等にばら蒔いて少し踏めば、土の上5センチほどの厚みにしかならないと思う。これで準備完了。準備に3週間ほどかかった。
(1)ヤギに早春の山草を食べさせようと、池の上の葉タバコ跡地の草刈をした。
(2)メッシュ2枚とコンパネ1枚を前もって購入した。 
(3)ヤギの飼い方の質問事項をもって、もう一度生産者を訪問した。
(4)物置に積み重ねていた黒マルチ等を産業廃棄物処分場に持参した。
(5)ヤギグッズを購入した。
(6)物置の東側の1坪半に置いていた資材を家の納屋に移した。
(7)ヤギ部屋と物置の仕切りをして、土入れをし、下敷き用の落ち葉等を入れた。

 ニワトリとヤギによって、動物を飼う相乗効果がもたらされたらいいなと思う。



鶏肉2割にサルモネラ菌
(朝日新聞2月3日)

 『国産鶏肉の約2割から、食中毒を起こすサルモネラ菌が検出された。欧州に比べ、2倍以上の汚染率だった。また、5種類以上の抗生剤が効かない耐性菌が4割を超えていた。
 サルモネラ菌は加熱すれば死滅するため、専門家は十分な加熱を呼びかけている。
 生産者は、ニワトリのワクチン接種や鶏舎の衛生管理を徹底して、食品加工の段階でも検査や監視が必要だと話している。』

 土はあらゆる物を吸収して、緩和や中和をしてくれる。それなのに、土を不衛生とみなし、ニワトリの健康にとって最も大切な土を遠ざけ、一羽ごとの管理がしやすいケージに閉じ込めてしまった。
 
 土に触れることもできず、動くこともできないニワトリは、大きなストレスからひ弱になり、病気にもかかり易い。それを防ぐために、飼料や飲み水に各種抗生物質が多投される。鳥インフルエンザの出現後は、以前に比べてより多く投入されているのではないかと思う。
 
 抗生剤が効かない耐性菌というのは、各種抗生物質のエサへの多投も一因にあるのではなかろうか。
 
 ニワトリをケージから解放し、土の上に戻し、ストレスをなくしてあげることが、各種抗生物質からの解放につながる。
 家畜の虐待を止め「家畜福祉」の概念を取り入れる時代が来ている。



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 本州の最北端、青森県下北半島東通村のシンボルは、地元農家が200年以上守り続けてきた農耕馬「寒立馬(かんだちめ)」。
 
 戦後、農作業の機械化が進むと寒立馬は活躍の場を失い、1930年代には150頭ほどいたが、1972年には9頭まで減少。その翌年から、東通村の農業の歴史を伝える存在として、村民による保護活動が始まった。
 
 厳寒の冬も牧草地で暮らすたくましい寒立馬の姿は、観光資源としても定着。人口8000人弱の小さな村に、年間12万人以上の観光客が訪れる。

 下北半島では馬、当地では牛。「ウシンガ」をつけて田を耕す黒い使役牛の姿が、かすかな記憶として残っている。



短期農山村体験活動参加者募集
(2月2日朝日新聞)

活動期間:3月10日(火)~14日(土)
応募条件:18歳~40歳までの男女
募集人員:200名(各自治体10~40名)先着順
応募締切:2月26日
参加費用:無料(交通費、宿泊費、食費は主催者にて負担します)
☎ 03-3241-6450


「緑のふるさと協力隊」隊員募集
(2月2日朝日新聞)

応募条件:18歳~40歳の男女
活動場所:全国約30市町村
活動期間:4月~3月の1年間

特定非営利活動法人(地球緑化センター)
☎ 03-3241-6450
検索→「緑のふるさと」  

 隊員が1年間、派遣先の農山村で暮らし、地域活性化のための活動に取り組む「緑のふるさと協力隊」。応募資格は自動車の免許を持つ18~40歳の男女。参加費3万円が必要なだけで、特別な技術や経験は必要ない。隊員になると、派遣先の市町村の住居(水道光熱費込み)が提供され、毎月5万円の生活費が支給される。

 この事業は自分が考えているのと、ほとんど同じ。これが1年間だけというのが残念。環境に慣れ、自分も変わっていくには「5年ほど」の年月がどうしても必要と思う。
 加えて、活動内容はもっと底辺の田舎暮らし術として、家庭菜園型農業の手ほどき、草刈機、チェーンソーの指導、堆肥や温床の作り方、30羽ほどのニワトリ飼育、こんな生きる原点のような活動にして欲しいと思う。
 
 緑のふるさと協力隊事業の活動内容は、農作業や森林整備、ジャムや味噌などの加工品作り、道の駅で特産品を売ったり、役場で事務作業を手伝ったり、地方の伝統的な祭りや学校の運動会、青年団や消防団の活動にも、地域住民の一員として参加すると書いている。

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昨日の農業新聞のニワトリ

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 物置とヤギ部屋の仕切りをどうしようかと思い、とりあえずコンパネ1枚とメッシュ(鉄柵)2枚を買っておいた。

 コンパネは必要なかった。メッシュ2枚だけでもよかった。それでもせっかく買ったので、2枚のメッシュの間にコンパネを入れ、それを出入口の開閉に使うことにした。メッシュだけより、この方がやりやすかった。
 コンパネは1枚980円、メッシュは1枚548円だから、そんなに高くはない。

 メッシュやコンパネを支える杭は「稲足(いなあし)」を使い、木槌で20~30センチほど打ち込んだ。これは45年ほど前まで、刈った稲を「はざかけ」にする時に3本足の支えに使っていたものである。確かこの木は「モロマツ」の木で、作ってからすでに50年以上経過していると思うが、びくともしていない。昔、農家だった家の納屋には、今でもたくさん残っていると思う。
 
   
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 ヤギ小屋にしてから、ここは動物を飼うにはもってこいだと改めて思った。

小屋にいる時間は夕方5時~朝10時頃までの17時間
戸外にいる時間は朝10時頃~夕方5時頃までの7時間

 戸外より小屋に閉じ込められている方が倍以上長いが、それでも、24時間舎飼いにするより、はるかにストレスは少ないはず。

 糞尿はあまり取れないと思ったが、17時間ほど舎飼いになるから、結構、糞尿(堆肥)も取れるだろう。
 
 今日夕方、落ち葉や枯れ草を大きな袋に4杯ほど集めたが、30分もかからなかったので、月に1~2回の前出し(糞出し)もそんなに手間はかからないと思う。



昨日のニワトリ

 
 昨日の農業新聞に出ていたニワトリについて、さっそく、長野県の種鶏場に電話を入れた。
(1)発送の最低単位は50羽から。
(2)オンドリもメンドリも1羽が250円。
(3)茶色の鶏を2キロとすると、この品種はそれより400グラムほどサイズが大きいらしい。

 (1)に関しては、友人に声かけして、数人で50羽になればいい。

 (2)に関しては、茶色の鶏とヒヨコの値段は変わらない。

 (3)に関しては、ずっと以前に読んだ本で、おうはんプリマスロック系の品種は、卵肉兼用種だから体躯が大きいという知識があった。
 
 従来の茶色種→2キロ×32羽=64キロ
 プリマスロック→2.4キロ×27羽=64.8キロ

 つまり、トリ小屋の大きさから考えて、茶色種ならメス30羽、オス2羽で合計32羽導入していたが、プリマスロックにするとメス25羽、オス2羽しか、計算上は導入できないことになる。

 メスの数が5羽少なくなると、当然、卵も少なくなる。もう一つ気になったのは、体躯が大きいと、その分だけ、エサをたくさん食べるという現実。

 自分の場合は、肉を目的とせず、卵だけが目的なので、採算上どうかなという気がする。

 それに、現在のニワトリは5年間飼って「淘汰」しようと思っていたので、まだ1年早い。自分なりに「天寿を全うさせてやりたい」とも思う。他の養鶏家は、卵を産み始めてから2年経過すると淘汰(ヒヨコから通算すると2年半)をする人がほとんどなので、それに比べたら通算4年飼っていることは、かなり長い。
 
 産卵率が落ちても、もう1年飼おうという気持ちと、ここで淘汰しようという気持ちと、今は半分半分。3月のお彼岸頃までに結論を出したい。


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緑の雇用 ヒント寄せて

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 このニワトリ、きれい。羽に特徴がある。「おうはんプリマスロック」という品種に似ている。

 長野県松本市にある小松種鶏場が、1月からヒナの供給を始めた。明日、電話をしてみようと思う。もし送ってもらえるようだったら、5月中旬頃に導入したい。

 ヒヨコは生まれてすぐの5日間は30度近い高温があった方がよいが。そんな設備をしなくても、5月中旬を過ぎれば、常温でも寒さで死んだりはしない。

 ニワトリには、白色、茶色、黒色、そして白と黒のまんだら模様と色々な品種がいるが、ずっと茶色のニワトリなので、今度は変えてみたい。


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 写真を写しに入ると、いつのまにかオンドリが近づいてきて、すきあらば狙おうとする。身体を動かさずに棒のように突っ立っておれば、ちょっと突付くくらいで治まるが、ちょっかいを出すと、画像のように怒り出す。

 あんまり怒らしてまた怪我でもされたら困るので、その後すぐにトリ小屋を出た。

 
   
 
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 昼からヤギ部屋に「土入れ」をして、メッシュ(鉄柵)2つを2ヶ所×2本の杭で止め、メッシュの間にコンパネを入れて、コンパネが左右に動くようにして、出入り口にした。
 明後日が雨なので、明日夕方に枯れ草を敷き詰める。


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 ヒヨドリが渋柿(すでに熟し柿になっていた)を一つ残さず食べてしまった。常駐型のカラスは渡り鳥のヒヨドリに負けてしまったようだ。何しろヒヨドリは100~200羽単位の集団で行動する。


介護、なお人手不足

 待遇面でも、ホームヘルパーの平均賃金は月約24万円(男性)。全産業平均の約37万円(同)に大きく差をつけられている。(朝日新聞1月31日)

 ・・・24万円、決して少ないとは思わない。37万円の人とは付き合いたくない。
 
 月10万も稼げれば上出来と思う人しか農業はできない。10万稼ぐのも極めて至難。


年金支給額、据え置き(09年度、3年連続)


 国民年金はひとり月66008円。厚生年金は夫婦2人世帯の標準的な額で月232592円。



緑の雇用 ヒント寄せて
(農業新聞1月31日)

 『国内の環境ビジネスの市場を100兆円に育て、220万人の雇用を生み出す景気対策「日本版グリーン・ニューディール政策」の具体化を目指し、環境省はアイデアを募っている。
 募集するアイデアは「環境保全を通じて景気浮揚や雇用創出が期待できる」ことが条件。
 省エネや二酸化炭素の削減だけでなく、生物多様性や里地里山の保全、地域の資源循環、公害防止で雇用を生む施策も対象とする』

 ・・・何度も持論を展開しているが、「緑の雇用」ではなく「緑の自給」が、結果的に、雇用を創出することになる。
 
 緑の雇用のために雇用主に補助金をばらまくなら、雇用を希望しない自給自足を望む個人に直接支援した方が、はるかに生物多様性の維持や里山保全につながる。
 
 220万人の緑の雇用には「緑の自給自足支援(年間60万×5年間)」が最も簡単で最も効果的。ロストジェネレーション世代に大募集をかけることが、この国を替える原動力となる。


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 まだ麦踏みをしていない。
 
    
 
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(今日の夕飯)
すき焼き


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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