豊橋で鳥インフルエンザ・・・ウイルスが検出されたのは、32万羽のウズラを飼養する農場のうち、採卵用18万羽を飼養する施設のウズラ。
半径10キロ以内の家禽類約406万羽の移動を禁止する措置を取った。10キロ以内には養鶏、ウズラ農家ら、65戸がいる。
殺処分の対象になるのは、ウイルスが検出された農場で飼養していた18万羽に加え、同じ敷地内にある施設で飼養している10万羽の計28万羽。
同一敷地内で28万羽を飼うシステムは、効率的かも知れないが、リスク管理の面からいえば、適したシステムとは思えない。そして、そのリスクを少しでも避けようと、各種抗生物質や抗菌剤がより多く投与されるのではなかろうか。
全部が殺処分されるのだから、動物虐待である。こういう多数飼いに対する反省が、鳥インフルエンザを契機に出てきてもよさそうに思うが、そんな論述は全く見かけない。
発生農家には、家畜伝染病予防法で、殺処分された家畜の評価額の一部に対して手当金が支払われる。
機械ではなく「生き物」なのに、ニワトリがまるで「卵を産む機械」に見える。
09年度予算決着
農林水産関係予算は2兆5605億円。この予算のうち、緑の雇用(自給自足支援)として年間60万円(5万円×12ヶ月)を支援するとしたら、
千人支援なら6億円
1万人支援なら60億円
10万人支援なら600億円
30万人支援なら1800億円
減反政策に投じている費用は年間約2千億円。
畜酪対策
08年度の畜酪対策の総額は2609億円。予想を超える配合飼料価格の高騰を受けて、かつてない規模の予算が組まれた。
これに対し、農水省によると09年度に使える財源は実質1300億円程度しかない見通しだ。これまでに貯金した財源を08年度に相当使ったためだ。
酪農も養豚も飼う頭数が多すぎると思う。最初から輸入飼料頼みになっている。
せめて7~8割は飼料が自給できる頭数に抑える必要があると思う。
補助金の支給が続くなら、今後も、輸入飼料価格に一喜一憂する飼い方から脱出できない。
新規就農支援
岡山県でも山口県でも、県内就農を前提に2年間、月15万円の経費を助成する就農・定住円滑化対策事業があるので活用してほしい。
月15万を助成するコースにぜひ「有機農業コース」を入れて欲しいと思う。有機農業のある15万円コースを聞いたことがない。全てスペシャリスト型である。
市場経済、統制経済
最近、マルクス主義や社会主義を再評価しようという意見もある。強欲資本主義が破綻したから、次は統制経済ということだろうか。だが統制経済がどのように腐敗し、破綻するかを知るには旧共産圏諸国を見る必要はない。社会保険庁による年金記録の紛失、改ざんなどの不祥事は、官僚による統制経済が現実に実行されると、どのような結果を生むかを示している。
市場経済も失敗を何度も繰り返してきた。その失敗が、いかにひどくとも、市場経済を放棄することはできまい。保護主義の誘惑に抵抗し、市場の不公正や欠陥を直しながら、何とか自由な経済を維持する。道は、ほかにない。(小林慶一郎、朝日新聞2月28日)
強欲資本主義の市場経済には、ケチケチ作戦(使わない作戦)のローカリズム(自給自足主義)で戦う方法がある。
2兆円の定額給付金で「使え、使え(内需の拡大)」と鼓舞する政権には、貯蓄で応えよう。
朝日新聞には市場経済のエコノミストばかり登場し、マルクス主義のエコノミストはまだ1人しか登場していない。
左のビール麦はあまり食われていないが、右の小麦はヒヨドリとシカにかなり食われている。
麦は3月に入ると急に大きくなる。3月のお彼岸頃にはヒヨドリはいなくなるが、シカは常駐している。ただ、3月には山の中に新芽が芽吹くので、田んぼの被害は少なくなるはず。それを期待するしかない。
梅が散り始めた。
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