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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

ヤギ部屋作り

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 物置に置いていた使い古しの黒マルチやポリなどを産業廃棄物処分場へ持参したが、今日はその物置を片付けて、ヤギが住めれるような段取りをした。

 物置にあった、寒冷紗、ムシロ、クン炭、トマトの支柱、ナスビやピーマンの支柱等は、家の納屋に収納することにした。

 物置の東側4分の1(1坪半)をヤギ小屋にしたが、そんなに狭くはない。ヤギになったつもりで歩き回ってみたが、これだけあれば十分。ここに閉じ込めておくのは夜間と雨の日だけだから。

 広すぎても、敷き藁の入れ替え(糞の持ち出し)に手間取る。

 この場所がこんな形で生かされるとは想像もしなかった。最初はここでもニワトリを飼う予定だった。ニワトリの入れ替え(ヒヨコの導入)をすると、半年間は卵が切れるので、10羽ほどここに入れ、ヒヨコがまた卵を産み始めるまで飼うつもりだった。結局それはせず、本来の物置として利用していた。

 ここに物置を建ててもらう時、どれくらいの広さにしようか随分迷ったが、6坪という大きさは適切だった。これだけあれば、自分の農業ではたいていの資材や農具が納まる。

 今回、物置の4分の1がヤギ小屋になるが、残りの4分の3あれば、日常よく使う物は納まる。めったに使わないものを家の納屋に移した。

 下が「土」というのも、ヤギを飼う上で好都合。湿気るので、パレットを置いてその上に資材やクン炭を置いていた。
 1~2日して地べたが乾いたら、もう少し「土」を補充して高くしようと思う。その上に枯れ草や落ち葉を敷き詰めてヤギ床にする。

 モグラや野ネズミが出没するが、ヤギに問題がないかどうか、また聞いておこう。

 なお、物置がごちゃごちゃして片付けれていない。白い大きなポリに入っているのは、収穫、出荷時の濡れた新聞紙。たまると、これが結構スペースをとる。

 とにかく、このスペースがあってよかった。ヤギ小屋を新たに作る必要があるなら自分は飼えない。簡素な小屋でいいといっても、大工仕事は特に苦手。今回は画像のような「メッシュ」で区切り、後は支柱を打って完了。メッシュは2枚なので、メッシュを動かして出入りさせるつもり。

 これで終わったわけではない。
(1)山の土を補充する。
(2)枯れ草、落ち葉を敷く。
(3)支柱を打ってメッシュを止める。
(4)水、塩少々、米ぬかをそれぞれバケツに入れて設置。
(5)導入日に首輪のサイズを確認して、もう一つ買いに行く。

 このスペースは冬は8時には朝陽があたり始めて暖かい。夏は朝陽があまりあたらず西日があたるが、南側にキーウイの棚があるので、西日は防げる。また3面とも金網であり、空気の流通はよい。これは生き物にとって大切なことである。
 
 北側に竹薮があるので、北風は防げるし、雨もほとんど降りこまない。かなり雨漏りがしていた天井のトタン板を去年交換しておいてよかった。

 問題は猟犬と野犬であるが、ここに来られる猟師さんで、犬連れなのは1人だけ。そしてその犬はかなり老犬であまり動かないから大丈夫と思う。心配なのは近所の飼い犬。小さい犬だが放し飼いにしている。地域の人が何回言ってもつないでくれない。今日、その人に出会ったので、とにかく2ヶ月間ほどは、ヤギに近付けないでほしいとお願いした。

 目標飼育年数・・・15年。

 ニワトリの場合
 初回の導入・・・ハトくらいの大きさになった時、鶏舎の地下からタヌキに入られて一晩のうちに全滅。

 2回目の導入・・・丸4年が経過して淘汰する時、17羽(36羽導入)しか残っていなかった。

 6回目の現在・・・5月26日に丸4年が来るが、まだ2羽(オス1羽客死、メス1羽)しか死んでいない。後1年飼うか、4年で淘汰するか、ちょっと迷っている。

 ニワトリは飼い続けているうちに飼い方が上達していった。しかしヤギは失敗できないし、長く飼い続けないと多くを学べない。

   


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 ヤギ部屋を掃除していたら、ブロックの地際に「テントウムシ」がたくさん越冬していた。暖かい物置の中を選んだのだろう。しかし、このテントウムシの名前がわからず、果たして益虫のテントウムシなのか、害虫のテントウムシなのか、それとも益虫でも害虫でもないテントウムシなのか判断がつかなかった。益虫のテントウムシは「ナナホシテントウ」だけと思い、このテントウムシはスコップですくい、水攻めにした。



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(今日の夕飯)
ニンジンとダイコンの煮物・・・アゲ
エビフライ・・・市販の惣菜
ホウレンソウの煮びたし


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雨の日のひとりごと

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 今日は小雨が降ったり止んだりの一日だった。ニワトリのエサやりにだけ行った。

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(今日の夕飯)
大豆の煮豆・・・昨日の残り
ホウレンソウのおひたし



 フォーリーブスの青山孝史さんが肝臓ガンで亡くなった。57才。自分もいつそんな運命が待ち構えているかわからない。
  近未来にそんな運命が待ち構えていたら、まだ心の準備ができていない。しかし20年後だったら75才だから仕方がない。人生は後20年。

 何にもたいしたことができず、
 
 人生を通して、年収300万円を超えたことがなく、

 農業でも、収入は低空飛行だった。

 
 特定の専門作物を持つといっても、それには、
(1)100万円ほどの初期投資がかかる。
(2)できるという、ある程度のめどが立たなければできない。
(3)売り先も考える必要がある。

 
 途中から農業形態を変えていくのも難しい。

 変更できるまで、2年間ほどは並行してする必要がある。
 それ以上期間がかかるなら、経済的に続かない。

 うまくいかなかったからと言って、元の農業形態に戻るわけにはいかない。元の農業形態に展望がないから変更を試みたわけだから。

 農業形態の変更で、それまで書き続けてきたミニコミ(あめんぼ通信)が不必要になる現実は避けたかった。
 

 結果こそ現実である。

 今はそのワンパックも減って(顧客獲得のための営業活動をここ数年していないから)、半農半ブログの状態に近い。

 それでもワンパックは止めるわけにはいかないし、これ以上減ったら、増やすための営業も考える。

 ワンパックで多少とも稼ぎ続けながら、65才からの年金に引き継ぎたい。

 年金も80万ほどしかもらえない(一応、厚生年金の期間もあるので、国民年金だけより少し多い)が、定額なので、今より安定する。

 自分の場合は、農業経費をこれ以上少なくするのは難しい。それでも少なくするには、田んぼ見学費とガソリン代を削るくらいしかない。

 農業収入は少なくても、あまりストレスをためないでおれるのは、
(1)自然の中でする仕事だから
(2)土に触れる仕事だから
(3)農業の仕事の中に楽しみがあるから
(4)人に使われない仕事だから

 収入は少なくても、現在失業中の人に比べたら、はるかに恵まれている。

 失業中の人が自給自足的な生活ができたら、こんなに素晴らしいことはないのに、今の社会ではそれができない。
 理由は、
(1)田舎の方が都会よりかなり物価が高い。

(2)田舎の土地はすでに資産ではなく負債(田んぼはまず売れないし、農業をしなくても、草枯らし等の田んぼの管理はする必要があるし、できなければ、人に依頼してでもする必要がある。ただし、隣も草ぼうぼうなら問題はない)

(3)害獣のために、20~30年前に比べて、作ることが相当手間取るようになった。

(4)種をまいて作ることに比べたら、手っ取り早くスーパーで購入した方がはるかに安くつく(自給野菜だけの場合)。

(5)野菜を売ろうと思えば、売り先を探す必要がある。自分で売り先を見つけることができなければ、農協や市場に出荷せざるを得ない。その場合は外観や寸法や重量という商品としての規格も要求される。だから意に反して農薬の散布も必要になるし、品揃えが必要なので、1種類をある程度多量に作る必要がある。

 こう見てくると独立自営農民になることは、農家出身、非農家出身にかかわらず、高度な資格試験なみに難しい。

 それでも農業に転身を試みるしか、失業中の人には活路がないと思う。

 
 このたび自分はヤギを導入することになった。ヤギは売上に関係するわけではないが、楽しみの一つにしたいと思う。
(1)草刈効果
(2)癒し効果
(3)液肥があるので、あまり必要ないがヤギ糞の肥料効果
(4)将来的にはヤギ乳が飲める楽しみ
(5)景観効果
(6)地域の人に対するインパクト効果
(7)しようと思えば観光になる効果
(8)お産に立ち会える効果

 ヤギ導入とともに、去年、一昨年以上に、田んぼで過ごす時間が長くなると思う。

 
 ワンパック宅配は、農業の理想型だと思う。
(1)1人でできる。

(2)どんな限界集落でもできる。

(3)直接販売だから先方の信用が得られる。

(4)外観やサイズは問題にならないから、安全性が追求できる。

(5)値段は自分でつけれる。

(6)野菜だけでなく、果樹、炭、ハーブ、花、加工品など、何でも入れることができる。

(7)農閑期が2~3ヶ月とれる。

(8)気に入ってもらえれば、口コミで広がる。

(9)翌月の発送日や、翌月お届けできる野菜を紙に書いて入れる必要があるが、田んぼの様子などを書いているうちに、長年の間に書くことがおもしろくなる。

(10)送るパック数が多くなれば、交渉次第で宅急便の送料が安くなる。

(11)ただ、1人だと1回に送れるパック数は7パックほど。月、水、金と送っても、週に20パックほど。月間では20パック×4週=80パック。3月と4月は野菜の端境期で送れないから年間に10ヶ月。つまり、80パック×10ヶ月=800パックが年間の送付数の上限。
 野菜の中身2400円+送料800円=3200円がワンパックの基本価格。
 800パック×2400円=192万円。年間経費の平均が72万円とすると、192万円-72万円=120万円の手取りになる。しかし、これはあくまで最大限の収入になった場合の計算。これより下がることはあっても上がることはない。
 現実にはよく稼げても、年間手取り70~100万の世界である。
 
 つまり、
(1)送るパック数が多くないと、送料は安くならない。

(2)年間経費平均が72万ほどで納まるようになったのはここ数年のこと。

(3)顧客の出入が多く、発送個数は安定しないと思う。最大送れても、1人だと1回に7~8パック。顧客獲得の営業を常時続けていないと、顧客数は減る。

 それでも、失業者よりかなり恵まれている。

 
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ヤギ グッズの購入

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 ヤギが来るまで後1週間。そして明日、明後日は雨のマーク。だから今日、物置を片付ける必要があった。

 2時間ほどかかった。

 黒マルチ、壊れたバケツ、ポリ、錆び付いたトタン等を軽四に載せて、産業廃棄物処理業者まで持参した。吉井川の土手を河口に向かって走ると、我が家から20分ほどで行ける。
 毎年1回3月頃に、1年間分の廃棄物をまとめて持参している。今日は3500円。毎年これくらいかかる。

 産業廃棄物を出すまいと思ったら、「買わないこと」、「田んぼに持ち込まないこと」に尽きるが、何やかやと「土に戻らないもの」を購入してしまう。その筆頭は「黒マルチ」。


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 今は産業廃棄物の処理が難しくなり、到着するとすぐに、こんな張り紙を張られた。今日は受け取るが、次回からの持ち込みは、本社で「産業廃棄物の法律に基づく契約書」を交わしてからでないと、受け取れませんと言われた。本社は我が家から1時間ほどの所。


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 その帰途、ホームセンターに寄り「ヤギのグッズ」を購入した。左から、
土中へ打ち込む鉄柱・・・498円×2コ=996円
首輪と鎖をつなぐ金物・・168円×2コ=336円
ペット用首輪・・・・・・・・1380円×1コ=1380円
鎖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・298円×4m=1192円

合計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3904円

 首輪はとりあえず1コだけにした。首の太さがわからなかったから。店員さんに、大きくなったら、もう一回り大きいものと買いかえる必要があると言われた。

 鎖は2メートル×2コである。長さにちょっと迷ったが、2メートル以上はいらないと思った。

 土中に打ち込む鉄柱には大いに迷った。1日に2回(午前と午後)打ち込んだり、引き抜いたりする予定なので、打ち込みやすく、引き抜きやすく、なおかつ、ヤギが引っ張っても簡単には抜けないものという、3つの視点が必要だった。自分ではどれを選んだらいいのか判断できず、店員さんにしつこく説明して選んでもらった。

 ただこの鉄柱も、ヤギが大きくなると使えないかも知れない。

 ヤギグッズ、高いと思われますか。他の物は安いのに、首輪だけが高いと思った。ペット用品だから高いのだろう。


 
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 吉井川の河口に近い河川敷はブドウの作付が多い。ブドウはこんな設備や棚が作れないとできない。そして1年に1回、1作しか収穫できない、気の長い作物である。1作だから失敗は許されない。台風がタイミング悪く来たら致命的になる。設備費も100万は軽く超えるだろう。棚作りは器用でないとできない。ビニール張りも簡単ではない。右下の画像では「加温設備」が見える。。時期をはずして生らすのだろうから、旬の作付以上に、ブドウに精通していないと難しいだろう。

 とにかく、こんな作物は自分には絶対無理。難しすぎる。しかし、岡山ニューファーマーズ(新規就農制度を利用した農業参入)では、トマトか、このブドウを選択する人が多い。産地の維持、産地の後継者育成の観点からの支援だから、この2種類を勧められることが多い。やってのけれる人には、いい制度かも知れない。
 
 ボクはどんな果樹も作れそうにない。稲作も無理。ニワトリも30羽だから飼える。野菜でも、特定の専門作物を持とうと、何回もシミュレーションだけはしたが、実現までにはいかなかった。
 
 第一次産業は好きで、適性もあると思うが、能力が伴わなかった。能力さえあれば、現在のような少量多種類作付のワンパック宅配ではなく、専門作物を持つ方向に切り替えていただろう。

 15年ほど経過すれば、している形態の中でも、より好きな方向にシフトしていく。自分の場合はワンパック宅配の中のミニコミ部門だった。
 
 一口に農業と言っても、いろんな農業形態があるから、まず、たくさんの農業形態を「知る」ことである。
  

    
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 河川敷には牧草も蒔いてあった。

 
 
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(今日の夕飯)
煮豆・・・ダイコン、サトイモ
刺し身・・・タイ
コロッケ・・・市販の惣菜



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農家補助金をチェックするインターネットサイト

 欧州で、農家補助金額をチェックするインターネットサイト(FSC)が立ち上がったのは3年前。

 以来、330万件に及ぶ「検索」が行われた。このサイトは欧州連合(EU)内の農家の個人名と受け取った農業補助金の額をたちどころに示す。

 試みに「ジョン」と入力すると、3951の農家名が得られ、それぞれについてEUから支払われた補助金額が細かく明示される。国によっては農家の住所まで特定される。
 加盟27カ国で7兆円の共通農業政策(CAP)予算の中身を、支払い先から丸裸にしてしまおうというのが運営元の狙いだ。

 創設者であるジャック・サーストン代表に話を聞いた。
 「誰がどれだけ補助金をもらっているのかを知ることは納税者の権利。大口受益者に対する支払い削減や、予算の透明性確保などCAP見直し議論の中で、農家補助金をチェックするFSCの活動が現実に影響を与え始めている。

 納税者が農業補助金の使い道を知りたいのは当然だ。農民組織の中にいろいろと意見はあるが、情報を隠すべきではないと考える。

 国民が使い道に激しいチェックを要求する一方で、農業保護そのものを否定する意見は、欧州内では大きくはない。手厚い農業保護を支える論理の背景に、農業が果たしているさまざまな機能への支持があるとみる。(以上農業新聞1月27日、変わる欧州農政)



スイスの農家Aさんが受け取る補助金

Aさんは18ヘクタールで20頭の乳牛と100本のリンゴ園を経営

農地面積支払い・・・1ヘクタールあたり91800円
傾斜地追加払い・・・傾斜地の場合、1ヘクタール38250円追加支払いされる。
草食家畜飼養支払い・・・1頭あたり17000円
家畜山岳地飼養支払い・・・山岳地帯の分類によって1頭あたりの支払額が変動。
山岳地支払い・・・山岳地帯の草地管理として1ヘクタールあたり31450円。
環境補償支払い(大型果実)・・・1本あたり1275円。
環境補償支払い(無肥料、刈り取り制限)・・・1ヘクタール分127500円
家畜日常放牧支払い・・・原則として毎日放牧、1頭15300円

合計307万7千円。(農業新聞1月28日)

 誰にいくら補助金が支払われたか、どういう項目に対してどれくらいの補助金が支払われたか、細かく情報公開されている。

 ひるがえって、日本の場合はどうだろうか。それぞれの補助金の一括した金額がわかるだけである。

特に、
(1)農業法人
(2)集落営農法人
(3)担い手農家
 に対する補助金はEUなみに公開する必要があると思う。不正の温床になったり、不必要なものにまで補助金が出されたり、あまりに高額だったりする。

 一定金額以上の補助金を受け取った法人・個人の氏名はインターネットで即座に確認できるような整備が必要である。なぜなら、膨大な補助金が農業分野に下りているのだから。

 そのために必要なことは、
(1)自民党 農水省 農協の三位一体の打破
(2)農協に対する公認会計士監査の導入
(3)いわゆる農林族議員の問題

 

 昨日、佐伯町のリンゴ園からの帰途は「田土の棚田」を通って帰った。和気町へ抜けるには、この道が最も近い。そしてここは、まさに天空の棚田。下りながら写した16枚の画像で、雄大な田土の棚田をご満喫下さい。
 

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 岡山県では久米南町周辺の4箇所が「日本の棚田百選」に選ばれているが、田土の棚田が百選から漏れたのが不思議。

 佐伯のファミリーパーク(リンゴ園)に行くには、吉井川沿いの374号線を北上するが、天神山城跡や天石門神社がある「岩戸」を右折すると田土の棚田を見ながら佐伯ファミリーパークに行ける。高低差が600メートルほどある。太い一本道(途中から細くなる)なので、棚田を楽しみながら、道に迷わずにファミリーパークまで行ける。春夏秋冬楽しめる棚田である。

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(今日の夕飯)
サケ
焼きうどん・・・キャベツ、ホウレンソウ、豚肉

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2月5日導入、2頭

 2月5日(木曜日)大安、オスとメスの2頭を頂けることになった。ものすごくうれしい。話を聞くまで、オスが飼えるだろうかと随分迷い続けていたが、「案ずるより産むが易し」だった。
 同じ母ヤギから生まれたのではないので、近親交配にならないし、オスもとても優しいと言われた。この二つの話で、即、決めることができた。

 実際、1頭と2頭では、全然、インパクトが違う。1頭だと単なる趣味のレベルで終わる。2頭だとアピールできる。


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  ヤギの里は、我が家からちょうど1時間。行く道は3通りあるが、今日は1月12日の炭焼きイベントで教えてもらった道を行った。道中で見た棚田がきれいだったので、今日また写そうと思った。


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 この道は深い山の中の道で、途中、こんな動物が道に横たわっていた。ヌートリアが車に轢かれたのだろうと、車を止めて見ると、何とイノシシの子供。腕の半分ほどの大きさだったから、てっきりヌートリアかと思った。
 
 子供イノシシでも、口元の牙は鋭い。これの20倍ほどの大きさになり、田畑に夜な夜な出没してくるのだから、たまったものではない。


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 険しい道を抜けると、ぱっと視界が開ける。こんな看板があった。ここは、書かれている通りの「天空の里」である。


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 到着した地点はここ、佐伯町のリンゴ園。ヤギに関する質問事項を説明してもらってから、さっそく対面。いつ見てもかわいい。

  
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 これはオスヤギ。話を聞かせてもらってから見ると、とても優しく見えた。そしてメスに比べてちょっと大きいくらいだった。
 今日は、先日より少し冷静に観察できた。


 エサについて・・・米ヌカを缶詰缶にいっぱいほどやるだけでよい。それと塩を1週間に1回一握りほど与える。飲み水も用意する。

 角・・・角はない系統

 爪切り・・・つないで放すのだから、爪切りは不必要

 生まれ月・・・11月5日と11月6日(母親は異なる)。頂くのは2月5日だから、生まれてちょうど3ヶ月の子ヤギ。

 有毒の草や木・・・アセビ、ミツマタ、シキビ(今度訪問した時、そういうものが近くにあるかどうか確認してあげると言われた)。

 ヤギのブラッシング・・・とても喜ぶ。人間用の髪のブラシでもよいし、フケを取るゴムのブラシでもよいと言われた。

 ヤギの乳・・・今は草刈目的でも、いずれミルクが欲しくなる。今年の12月交配、来年5月出産(5ヶ月、150日)が可能だと言われた。
 新しい地で寂しがるから、梅雨時分まではいっしょにおらし、その後は交配希望日まで離して飼えばよいと言われた。

 猟犬・・・田畑や野山につないで飼うのなら、今の時期は「猟犬」に注意すること。2月末までは狩猟期間なので、猟師さんが見えたら、犬を放さないようにお願いするか、その間は小屋に入れるように言われた。

 
 今年は農業歴20年目に入る節目の年であり、ヤギを迎えれる記念すべき年になりそうである。今まで以上に拘束されそうだが、ニワトリで経験しているから、口のある生き物でも問題はない。

 それより、ヤギの来訪が自分の農業人生を変えてくれそうな予感。

 当地で、実家より幸せにしてみせる。

 毎日、画像をアップするつもり。

 春には、葉タバコ跡地でヤギといっしょに山桜やツツジの花見も。

 初のボランティア活動として、4月に、幼稚園か小学生の子供を招待してもよい。 

 
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(今日の夕飯)
サバの煮物
卵焼き
ホウレンソウのおひたし



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愛なくしてヤギは育成できない

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 明日はヤギの生産者に、ヤギの育て方を教えてもらいに行く。2冊読んだから、だいぶシミュレーションできるようになったが、まだ疑問点が少しある。
 
 ヤギの飼養法は、
 舎飼い法・・・(1)全くの舎飼い
         (2)半舎飼い(遊び場を作る)
 
 放牧法・・・・ (3)牧場や山野で自由放牧
         (4)縄や鎖でつないで放牧(つなぎ)
 の4方法があるが、(4)で飼育する予定。夜だけ(1)にする。つなぐ場所も1日に2~3回移動させる。

 飼養所要時間は1日30分以内を予定。

 エサは濃厚飼料はやらず、山野草だけにしたい。

 野犬が問題らしい。犬を放し飼いしている近所の人に、ヤギに近づけないよう頼んでおく必要がある。

 イノシシやシカは攻撃してこないらしい。

 ヤギ飼養の大事な点は愛するにある。愛なくしてヤギは育成できない。何回もこのことが本に書いてあった。

 糞はウサギの糞のように球状で、暗黒色または濃褐色で、一粒ずつばらばらである。

 『ヤギはスマートで、ひょうきんで愛嬌者、しかもツンとすまして仙人然としたヤギ。山に隠れて静かな生活を送っている聖者を思わせるような清澄な目を持っているヤギ。そうかと思うと、ちょっと人を小馬鹿にしたような振舞をするなかなか小馬鹿にできぬ貴公子然たるヤギ』・・・著者のこの表現がとても気に入った。

 
 乳用ヤギが初めて我が国にもたらされたのは、嘉永年間にアメリカのペリー提督が連れてきて、小笠原島に放し飼いしたことに始まったと言われている。その後、明治維新の後、我が国に移住する外国人が家庭用に連れてきて、飼養するようになって、ようやく国内で「乳用ヤギ」を知るようになった。

 ヤギは山野を駆け回って、木の芽、葉、皮、草類を好んで食べ、柔らかい草よりもむしろ繊維の硬いものを好み、潅木の芽や葉は最も嗜好に適したものである。

 メス・オスともに体臭があり、メスの体臭はほとんど気づかない程度のものであるが、オスの体臭は強く、とくに繁殖期には強烈な異臭を放つ。寿命はメス・オスとも15才あるいはそれ以上を保つ。

 牛、鹿、羊、ヤギのような草食反芻動物は、肉食猛獣の目をかすめて大急ぎで多量の食物を取り入れ、安全な場所に逃れて、それを再び口に戻して静かにかむ必要から、反芻が発達した。

 ザーネン種は明治39年に初めて輸入され、現在、国内のほとんどがこのザーネン種またはその雑種である。

 ヤギが好む木類
カキ、クリ、クワ、ナラ、クヌギ、カシ、マツ、スギ、ポプラ、サクラ、ミカン、ツバキ、フジ等

 ヤギが好む草類
クズ、ススキ、ヨモギ、クマザサ、タンポポ、イタドリ、アカザ等

 元来、快活で人に慣れやすいが、一面には粗野な性質のところがあるので、日常の取り扱いが乱暴であると粗暴になり、人に親しまなくなって、かえって人を嫌うようになる。「ヤギを飼ううえで大事な点は愛するにある」と言っていることは、こうした点からである。・・・毎日、戸外に連れ出し、餌場を頻繁に変えることが、最大の愛だと自分は思う。

 毛の抜けかえの季節には脱毛する。

 ヤギは頭部、頚部、背部、臀部、胸部、後肢の順に、ワラなどでこする。この場合、ヤギの外観を美しくするのが目的ではなく、人の入浴のような効果を期待するものであるから、最初は被毛に逆らってこすると効果的である。

 剪定バサミを使って削蹄をする。前もって蹄をよく掃除して、蹄の縁が地面によく踏着するように伸びた部分を切り取る。

 オスはいつでも種付けが可能ではあるが、9月下旬~12月までが最も精力旺盛で、受胎率がよい。

 種付けしてから、150日前後には分娩するから、ヤギ舎の見やすい場所に種付月日と、その翌日から起算して150日目の月日を、分娩予定日として記しておくと、いろいろ便利である。

 初産の場合は一子のことが多く、二産以後の産次から、二子を分娩するのが普通である。

 泌乳期間は長いものは1ヵ年、短いもので5~6ヶ月である。

 乳用ヤギは、その体重の12倍、すなわち一乳期(8ヶ月)の間に、880~1000キロくらい分泌する。

 ヤギの有毒植物は、アセビ、オニツツジ、ミツマタ等。・・・多分、ヤギは選別して食べると思う。
   
    
 
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今日の麦



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昨日運んだ籾殻


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きれいになった池の土手

 
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(今日の夕飯)
ハクサイの煮物・・・卵
ホウレンソウのおひたし
アジのフライ・・・市販の惣菜


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籾殻(すくも)運び

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 3時頃から籾殻運びをした。3時というのは理由があって、それまで大阪国際女子マラソンを見ていた。8年ぶりの、渋井の復活優勝。もう29才。21才の時、初マラソンの世界記録で華々しくデビュー。
 北京オリンピックの選考会で敗れた時、もう渋井は終わったかなあと思っていたが、競技人生をあきらめなかったようだ。

 6時過ぎまで4回、集落内の稲作農家から毎年もらっている籾殻をピストン輸送した。3月上旬までに2回、籾殻クン炭を作る予定。

   

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 今日は朝から、集落総出の池の土手の草刈と、集落共有の田んぼの草刈があった。上の画像の一段下がった田んぼが共有田である。7月に1回と1月に1回刈るが、半年も間隔があけば、草は80センチほど伸びる。
 3アールほどあるが、皆で刈ると数分で終わった。草が乾いたら焼いて、春になったらヤギにこの田んぼの草を食べてもらおうと思う。

 なお、この田んぼの傍らにある水路は6月15日~9月20日頃までの、稲に水が必要な期間だけ、池の水が落とされる(流れる)。

 草刈が終わって、池の土手が随分きれいになった。昔、どこの家にも牛を飼っていた頃には、池の土手の一区画ごとに値段がついて、それぞれ購入していたらしい。草は牛の大切な食糧だった。


 ヤギに関してまた、気持ちの「ぶれ」が生じている。オスとメスの2頭もらうつもりだったが、ヤギもオスは凶暴らしい。子ヤギから飼うから別段問題ないと思うが、オスの場合、大きくなってからは、急用で他の人に世話を頼む場合、怖がられるという。実際、メスでも大きいとちょっと近寄りづらい。

 それと、同じ親から生まれたオスとメスの場合は交配はさせない方がいいらしい。去勢したオスなら問題ないが、そうでない場合は、いっしょに飼うことはできないかも知れない。

 現時点では、メス1頭だけになるかも知れない。

 
 水洗トイレの据付は終わったが、こんな機会でもないと、なかなかできないので、いろんな事を業者さんに頼んだ。
(1)ひびが何ヶ所も入って、大きな地震でもあればやばいと思ったブロック塀の取り壊しと新しい塀の設置
(2)錆び付いていた車庫のシャッターの覆いの交換
(3)玄関先と離れのひさしの錆び落としとペンキ塗り
(4)簡易水道の洗い場の交換
(5)風呂場のブラインドの交換
(6)古くなった雨トイの交換
 水洗トイレを含め、これらのすべての見積もりをしてもらったが、りっぱな試算表(見積書)と工事請負契約書を渡された。

 そして、追加で何ヶ所か大工仕事をしてもらったのに、見積もり通りの金額だった。下水管をつなぐ時に、見積もりした工事とは違う工事が入ったらしいが、見積もりの時の不注意だから、見積もり金額通りでよいと言われた。
 こんな親切な業者は始めてだった。見積もり金額も随分安いと思った。

 不景気だが、口コミだけで、仕事が途絶えることはないと言われたが、この人だったらそうだろうと思った。

 「しがらみ」は考えずに、とにかく複数の業者に見積書を出してもらい、個々の業者の話をよく聞き、見積金額と実際の金額が違ってくる場合、どれくらい違うことがあるのか、よく確認することが必要だと思う。

 見積書のていねいさ、見積金額と実際の金額が違わず同一価格。こんな業者には、なかなか出会えない。

 こういう業者に出会うと、何年かして、また依頼仕事が発生した時、あの時の業者に頼もうという気になるし、頼まれなくても「口コミ」で紹介するようになる。



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 今日のニワトリ。来月にはヤギも加わるが、口のある生き物がいると、1泊は外泊できても、2泊は難しい。この19年間で2泊したのは、5年前、和歌山県 東牟婁郡 那智勝浦町の色川集落を訪問した1回だけである。

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(今日の夕飯)
五目御飯・・・ニンジン、ヤーコン、アゲ、鶏肉
シシャモ
すまし汁・・・豆腐、エノキダケ


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農業における「2007年問題」

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 今日は、池の上の「葉タバコ跡地」の草刈をした。


 不景気で働くところがなく、それなら農業でもと考える人もいるかも知れないが、農業を始めるには、元々の農家であっても、スタート時にある程度の投資が必要になるし、野菜が大きくなるまで3ヶ月ほど待たなければならない。

 野菜は収穫期には収穫する必要がある。待ってはくれない。収穫せずに放置しておくと、次が大きくならないし、作物体に負担がかかってしまう。
 
 作る事はできても、それを売ろうとすると、さて、どこへどう売ったらよいのだろうと考える。
(1)農協や市場・・・重量、サイズ、外観等の規格がある。
(2)朝市や道の駅・・・既存の農業者がいて、すでに飽和状態の可能性がある。
(3)直接販売(軽四での引き売り)
 すぐに売ろうと思えば、現実には(3)しかないと思う。

  収穫したものを売ろうと思えば、ある程度の品揃えもいるし、売れなかっても、保存はできないので廃棄になる可能性もある。

 野菜を作るには、野菜作りに適した田んぼがいる。
 
 作ったことがなければ最初は誰かに教えてもらう必要がある。
 農具の他に、種代や苗代もばかにならない。 
 収穫期に害獣に食べられたら、泣き寝入り。
 収穫できたらすぐ売らなければ商品価値がなくなる。
 売り先を探すのも難しい。
 
 このように、農業を始めることは難しいので、スタート時だけでも、何らかの行政支援を頼みたいが、この国は「担い手農家」だけに支援を集中させようとしている。その他の兼業農家や自給自足農家などは支援されない。もちろんこれは、政権が変わっても変わらないだろう。
 
 植物工場、集落営農、担い手農家等を支援すれば、確かに自給率は現在の水準を維持できるかも知れないが、里山保全や環境保全にはほとんど役立たない。
 
 集落営農も補助金がなければ、機能しないように思う。
(1)稲作主体の集落営農なら、10ヘクタール規模でも、年間300万円ほどの所得にしかならないらしい。
(2)稲作、麦、大豆という輪作体系でも、麦や大豆の国際価格には太刀打ちできない。
(3)野菜では、集落営農より特定の個人が全権を委任されてする方が生産性が上がるように思う。

 里山保全や環境保全や景観保全には、兼業農家や自給自足農家を、もっともっと増やす必要がある。

 2009年度に創設される国の「地域雇用創出推進費」について、岡山県内市町村には49億5千4百万円配分される見通しであることが総務省の試算で分かったらしいが、雇用されなくても、自給自足できれば、多くの人は後者を望むだろう。

 雇用支援ではなく、自給自足支援を、今しなければならないのに、この国は何をしているのだろう。今しなければ、
(1)企業の2007年問題(団塊世代の退職による技術やノウハウの継承問題)と同じ問題(現在67才~72才の農業を知っている最後の世代が、この5年ほどの間に一線を退いてしまう)が農業を襲う。

 だから今こそ「青年集落協力隊」を、日本全国の限界集落に各2人ほど送り込んで、
 村の農業
 村の産業
 村の歴史
 村の風土
 村の生活術
 村の水
 などを村の住人に教えてもらい、かわりに、村のお年寄りの手足となって、
 買い物代行
 病院等への送り迎え
 農業補助
 道や畦草刈り代行
 休耕田の耕運
 竹林や雑木林の手入れ
 水路の補修補助
 のような活動をする。

 集落営農に莫大な補助金を投じるなら、青年集落協力隊の2人に、1人年間60万円の給料を出す条件で、大規模に募集(年令制限を設けずに)をする。これこそ「緑の雇用」であり、ロスジェネ世代を中心にした250万人の「緑の雇用」が実現する。金額的にも「雇用創出費」より「緑の雇用」の方がはるかに安くつく。

 この事業が緊急に導入されなければ、この国の農業はまもなく壊滅する。そしてイノシシやシカやサルが我が物顔で横行する害獣の里山と化すだろう。


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「路上生活術」、「自給自足生活術」

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 1万以上の羽数で飼う「ケージ飼い」は、家畜に対する虐待であり、ニワトリのアウシュビッツ。土の上に返してあげてください。

 ニワトリが土の上に復帰できた時、人間も土の上に復帰できる。資本主義はニワトリと人間を、徹底して土から離していった経済システムである。


   
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 青ホウレンソウも赤ホウレンソウも、少しシカにやられている。べた掛け資材をかぶせていたのに、それをのけて食っている。

  


路上生活術」をまとめ冊子に・・・大阪市で無料配布

 炊き出しはどこで? 病気になったらどうすれば? ホームレスの人たちが路上生活を生き抜く「生活術」をまとめた無料冊子『路上脱出ガイド(大阪編)』が完成した。
 発行元のビッグイシュー基金は「ガイドの情報を基に行動を起こし、路上生活を脱出してもらいたい」と大阪市で配布を始めた。
 ガイドは炊き出しの場所や宿泊施設の紹介、自立支援センターの案内などが記載されている。ホームレスの人たちから寄せられた情報を盛り込み、約3ヶ月で完成させた。(1月23日農業新聞)

 「路上生活ガイド」のような、「限界集落自給自足生活術」のような本があればいいのにと思う。
 
 不況で農林水産業の求人が全国で1800人を超えているようだが、雇用ではいずれ近いうちに切られてしまう。雇用ではなく自給をどうしても目指す必要がある。
 
 農業をビジネスにするには、特別の才能や、元手がいるし、意に反して農薬や化学肥料を使わざるをえない(規格や外観のため)こともある。

 それに対して、自給自足が主体なら、能力などほとんどいらない。ただその場合、人生のランニングコストが年間100万以内であることが絶対に必要である。理由は、
(1)年間のライフライン代は5万円×12ヶ月=60万円ほど。
(2)国民年金をもらえても年間に60~70万円ほど。
(3)ワンパック宅配(直接なので規格や外観は問われないが、都会の顧客をさがす営業力が必要)でも、手取り(売上-経費)はせいぜい70~90万にしかならない。 
 
 だから、年間100万以内で生活ができる「術」のない人は、田舎で自給自足というのは難しい。
 
 逆に言えば、年間100万を何とかして稼げばいいのだから、考えようによっては楽である。
 
 100万円の稼ぎ方は農業でなくても、何でもいいと思う。
 
 しかし、限界集落に住んで年間100万円を稼ぎ出すのは、農業でも、農業以外でも大変である。
  

 自分が
自給自足の生活ができていないので、あまり説得力がないかもしれない。自分の場合、
(1)酒、タバコ代はゼロ。小遣いは散髪代くらい。
(2)遠くへ出かけない。地元の吉井川水系で活動。
(3)パソコン関連だけは削れない。
(4)田んぼに楽しみを見だせるようになった。
(5)今年はヤギが楽しみ。
(6)棚田めぐりや限界集落めぐりが自分の観光。
(7)農業のランニングコスト(農業経費)を、年間60~70万以内に抑える。
 しかし、初期投資にはかなりかかる(農業用軽四85万、物置・トリ小屋41万、管理機9万、エンジンポンプとホース7万、中古トラクタ?、井戸27万)

 つまり、
 人生のランニングコスト(年間の生活費)=年間のライフライン料金=国民年金収入(65才以降)=ワンパック宅配手取り収入(65才まで)=農業のランニングコスト(農業経費)がすべて60万~100万の金額の中で回転していかないと、農業で自給自足は難しい。

 この金額が小さければ小さいほど、人生の自由度が大きい。
 

就農

 不況で相談者急増・・・くれぐれも騙されないように。かなり売上のある大農家でさえ、ほとんど後継者がいない(後をつがない)のが今の農業の現実である。
 岡山県が研修費15万円などを支給する新規就農研修事業では、500万~1千万円の自己資金や本人以外の労働力を求められるケースが多い。

 本人以外の労働力とは配偶者がいて、配偶者もともに農業をするという意味。
 ボクは農業は1人でするものだと思っている。家族をまきこむと共倒れの危険性がある。
 1ヶ月15万円×2年間=360万の支援があっても、その2倍ほどの自己資金の用意も必要とされる。

 こういう農業は、県や農協が「セット」した産地維持のための農業に、うまく乗っかれる人(やってのけれる人)でないと難しい。かなりの冒険。


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昨日から水洗便所になった

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 下水道につなぐ、トイレの改修が終わり、昨日の夕方から、我が家も水洗便所になった。快適になったという気持ちはあまり起きず、トイレを使うたびに、水代がばかにならないと思う。これでまた月間5~6千円の下水道代がライフラインに加わり、必要最低限の固定費がアップする。

 田んぼであった近所の人に、単独浄化槽は年間どれくらいの費用がかかっていたのですかと聞くと、
年1回の掃除・・・2万4千円
毎月1回の薬代・・・月に約2千円で、年間で2万4千円。
トイレに使う水代は4人で月に約千円、年間で1万2千円。
全部を合計すると、年間に6万円。

 つまり、水洗便所のランニングコストは単独浄化槽でも下水道でもあまり変わらないことになる。

 我が家の場合は、汲み取り式トイレから水洗便所になったわけだが、集落の3分の2ほどの家は、下水道がつながる以前から、単独浄化槽(トイレのみ)、もしくは合併浄化槽(トイレ、台所、風呂、洗濯水)にしていた。

 それでも下水道が集落にくると、単独、合併浄化槽とも下水道につなぐことが要求され、接続代が30万円ほどかかったらしい。

 下水道がきたばっかりに、接続代の30万円ほどと、1軒当たり負担金19万5千円を支払わされるのだから、すでに単独、合併浄化槽を設置していた家にとっては、腑に落ちない出費だったかも知れない。

 まだ下水道代の請求がきていないので、我が家で月間にどれくらいの下水道料金がかかるのかわからないが、少なくとも年間に6万円ほどは新たな出費を迫られるだろう。

 下水道は田舎の方が先にできて、当地でも駅周辺の住宅密集地ではまだ下水道ができていない。県の財政の逼迫でもう下水道どころではないと思う。下水道の施設は、当地域の333戸(1200人)で14億9千2百万の事業であり、1戸あたり450万ほどの工事費がかかっていることになる。

 下水道施設の工事費がこんなにかかるのだったら、個人で設置する合併浄化槽の方がはるかに安くつくのではなかろうか。

 加えて、下水道は集落内の貧富の差に関係なく接続を迫られる。個人のその時の財政事情など考慮されないし、選択の自由もない。

 住宅密集地よりも人家のまばらな地域から先に下水道ができるのも、おかしな話である。田舎で自給自足どころか、田舎の方が高負担になってしまう。農業をするために田舎へ行くなら、「下水道が来ることのない地域」を選択しないと、高いライフライン料金の支払いに追われだすと、農業どころではなくなる。

 トイレに使う水は、小便で6リットル、大便で8リットルと、確かそう聞いたが、こんなに水を無駄使いしていいのだろうか。家人も使うトイレはそのつど水を流さざるをえないが、自分だけが使用するトイレで小の場合、そのつどは流さなくなると思う。

 水洗便所は2つにした。4人家族なので1つでは足らない。母屋に1つと、離れの私室に1つ。離れの私室は自分しか使わない。母屋の便座は標準装備にしたが、私室のは最低ランクにした。

 地球温暖化で最も問題になるのは、
(1)水不足
(2)ゲリラ豪雨と日照り
 なのに、水洗便所は水の使い過ぎである。

 トイレ、台所、風呂、洗濯水を下水道で処理しても、田畑に大量に撒かれる農薬や化学肥料や除草剤は雨と共に川へ流れ込む。これらの問題を無視して、家庭排水だけを取り上げても問題の解決にならないと思う。

 我が家には集落内の12軒ほどで使っている「簡易水道(山水)」もある。水代はもちろん無料。門先にあり、13リットル容器に入れて毎日田んぼに持参する。ニワトリの飲み水と、自分の飲み水(ペットボトルの水筒)と、収穫後の野菜の「打ち水」にはこの簡易水道の水を使っている。

 簡易水道は「いざという時」、命の水になるだろう。

 「岡山市で地盤沈下30センチ。下水道管の損傷が原因か。路面・住宅に亀裂」という記事が今日の朝日新聞に載っていた。
 日本全国、津々浦々の地下に張り巡らされた「下水道菅」は、現在、耐用年数が経過して新たに「やりなおし」の時期がきているのに、財政にゆとりがなく、問題が生じるまで放任になっているらしい。この問題に関して、声高に問題視している識者もいる。

 下水道はすでに、抜本的見直しを迫られているシステムだと思う。
 


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雄ヤギの去勢手術

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 今年はまだ、梅の花が固いつぼみのまま。炭焼きイベントまでにちらほら咲いてほしい。

 
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 メンドリは全く問題がないのに、オンドリは手ごわい。だから、誰にでもエサやりは任せれない。急用で家人に頼むわけにもいかない。
 
 ヤギのオスもニワトリと同じだろう。今日、ヤギの本を読んでいたら、ヤギの「去勢」のことが出ていた。
 
 去勢には、陰のうを切って行なう「観血法」と、リングなどを用いて行う「無血法」とがあるが、素人の安直な施術は避け、獣医師の手にゆだねることである。去勢をする時期は生後2週間くらいの時が最もよい。と書いてあった。

 ・・・去勢しているのかどうか、まだ確認していない。

 去勢すると、
(1)性質が温順になり、飼育が容易になる。
(2)オスヤギ特有のにおいが失われる。
(3)メスヤギと同居させておくことができる。
(4)太りやすく、肉質が柔らかく美味になる。

 もう一冊の本には、「牛の去勢肥育とは異なり、雄ヤギの肥育は去勢しないままに行うのが一般的だ。しかし、肉質向上と雄ヤギ特有の臭いをのぞくためには、去勢雄を用いた方がよい」と書いてあった。

 
 45年ほど前、我が家の門先で、「牛の去勢手術」をしている現場を何回か見た。父を入れて3人がかりだった。ムシロの上に牛を寝かせつけて(押さえつけて)、獣医さんが睾丸の除去手術をしていた。かなり出血していた。見ないようにしようと思っても、自然と目に入ってくる。気になるのに目をそむけて家の中に走って入った。むごたらしい現場だった。終わってしまうまで家から外に出れなかった。
 前足2本と、後ろ足2本は、それぞれ太い木の棒に縛りつけられていたようだ。
 
 当時は何をしているのかよく理解できなかった。何のためにしているのかもよく理解できなかった。でも何となくわかった。

 しかし、今ふり返ってみたら、こんな光景を何回か見たということは、貴重な経験である。

 去勢手術をしていたということは、雄牛を飼っていたのだろう。

 
 話が牛にちょっとそれたが、ヤギはメス・オスともに生後5~6ヶ月頃になると発情し始める。このためメスとオスを分けて育成する必要がある。

 オスは生後1年半以後からいつでも種付けが可能ではあるが、9月下旬~12月までが最も精力旺盛で、受胎率がよい。この期間は性質が荒々しくなり、オスヤギ独特の強烈な臭気がある。

 近親交配は、親子・兄妹などのように血縁がきわめて近い間の交配をする場合で、特別の目的以外は絶対に避けなければならない。(以上、本より)

 
 「闘鶏」や「闘牛」はあっても、「闘ヤギ」というのは聞かない。だから、オスでもヤギは比較的優しいのではないかと思う。ただ、生後5~6ヶ月頃から、メスとオスは分けて育成する必要があると書いてある。

 去勢していないなら、やはりメスとオスはいっしょには飼えないようだ。

 後2週間(2月8日まで)の間に、2冊の本を何回も読み返し、疑問点は箇条書きにして、ヤギの飼い方を生産者にもっとくわしく聞く必要がある。

 他にも、何人かに聞きに行った方がよい。

 ヤギに比べて、ニワトリの導入のなんと簡単なことか。ニワトリに関しては知っておかなければならない前知識は少なかった。中島正さんの「自然卵養鶏」の本一冊を読めば十分だった。

 ヤギは自分のためだけに飼うつもりはない。
(1)ヤギがニワトリとともに自給自足の要になることを証明したい。
(2)牛耕がトラクターに取って代わった時、牛の歴史的使命は終わった。
(3)ヤギ画像で、犬や猫のような癒し効果を。
(4)飼い方を疑似体験してもらう。
 


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黒マルチの片付け

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 サツマイモの黒マルチを片付けた。敷くほど時間はかからないが、片付けるのも結構時間がかかる。
 2月中に、壊れたタゴや缶、燃やせないポリ類といっしょに産業廃棄物処理業者に持参する。毎年2~3千円の費用がかかっている。
 黒マルチは、
(1)購入費用
(2)廃棄処分料
(3)敷く手間
(4)はがす手間
(5)景観
(6)収量
(7)収穫時の手間
 等をトータルで考えて、黒マルチを利用するか、利用しないかを判断している。
 
 環境や景観的には使わない方がよいが、自分は、
(1)使う方が楽か、使わない方が楽か
(2)経済的にはどちらにメリットがあるか
 を考え、現段階では、環境より経済を優先している。今以上にカネにならなかったり、時間がかかったりしたら困る。


 

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 2月8日に予定している炭焼きイベントに備えて、今から、枯れ草刈りや片付けを始めている。それまでにヤギももらいに行くので、銀ちゃんラムちゃんをつなぐ予定の場所も枯れ草刈りをしている。
 
 ヤギを飼う場合、田んぼのすぐ傍らが山であることは、とても有利。山には常緑の木の葉も多い。
 
 池の土手に上がってすぐの左側は、ちょっと広場になっていて、10畳ほどの広さがある。ここもヤギをつなぐ候補地。つなぐ場所は日替わりメニューで、毎朝、物置小屋から出してどこかにつなぐ。畦草は枯れているが、田んぼの中は肥えているので、冬雑草も少しは伸びていて、これもヤギの食糧になる。

 炭焼き場は上の画像のように、トリ小屋の上の田んぼである。ここ6年ほど、一度も焼いていない。すでに、2つのドラム缶窯の地際から太い笹が生えている。

 今からちょうど10年前、美星町であった「簡単、木炭、もう焼けたん」というドラム缶方式の炭焼きイベントに1泊2日で出かけてから、炭焼きにはまったが、炭焼きの起承転結の中に、自分の不得意なことがあり、やがて、熱は冷め、全く焼かなくなった。
(1)二つのドラム缶方式のどちらも、自分で窯を設置することができず、友人に作ってもらった。
(2)炭材の炭化が始まる時、窯を完全密閉するが、それがどうもうまくできなかった。
(3)原材料を用意する時、鋸やチェーンソーを使うが、それらの取り扱いがうまくできなかった。
(4)ワンパックに少し入れるくらいで、他の売り方がわからなかった。
(5)生活の中で日常的に炭を使うことができなかった。友人のNさんは、煮炊きや暖房など、生活の中で毎日炭を使っている。

 自分では炭焼きがうまくできなくても、炭焼きのイベントに行くのは好きで、焼きあがった木炭や竹炭を見るのは感動の一瞬である。
 
 今度の炭焼きで使う窯は先日のイベントで使った窯であり、持ち主が持参してくれる。
 
 今度の窯は自分でも容易に組立ができ、密閉も簡単そうだが、「原材料の調達」という問題は、窯が異なっても変わらない。

 炭焼きが楽しいのは、太古の人類から受け継いだDNAが、「火」や「煙」を見ることによって呼び覚まされ、癒されるからだと思う。

 今、火を見る機会は少ないが、ボクが子供の頃には、
(1)どんど(たき火)の火
(2)クド(カマド)の火
(3)風呂焚きの火
 というふうに、毎日、自然の火を見ていた。

 火は人の心を引き込む(癒す)。


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(今日の夕飯)
ダイコンの煮物・・・シイタケ、ゴボウ天
ホウレンソウのおひたし


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雇用創出ではなく自給自足型農業支援を

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 「麦踏み」は根の張りを促し、倒伏防止や春の収穫量を高める重要な作業と、農業新聞に出ていた。まだしていないが、今が適期らしい。
 こういうことは「対照区」を設けて比較する必要があると思う。シラサギ小麦もビール麦も半分だけ、麦踏みをするつもり。


 集落営農組織は、もよりの駅から岡山駅まで30分という通勤圏である当地のような田舎では、組織されないだろう。理由は、
(1)ほとんどの現役世代はサラリーマンで、収入を農業に全く依存していない。
(2)稲作以外に、産地化できるような作物がない。
(3)稲作だけだったら、集落営農にしたら、個人でするよりもっと採算が悪くなると思う。

 それなら、集落営農組織はいったい何の目的なのか。過疎地でこれ以上耕作放棄地が出ると困るような地域が集落営農組織を立ちあげている。このような組織では、元々採算が悪い小さな急勾配の田んぼが多いから、補助金がないとやっていけない。

 しかし、平均年齢の高い高齢化した集落が、なぜ守られる必要があるのだろう。同じするならロスジェネ世代に「青年集落協力隊」として移住支援をした方がよい。

 
 農業分野での新たな雇用創出が叫ばれているが、雇用ではなく、なぜ自給自足型を支援しようとしないのか。
 雇用に関して、たった3~4年ほどの雇用なら、あまりに無責任である。雇用が切れた後は、どうやって生活したらいいのか。そんな雇用創出ならしない方がよい。
 
 それよりか「自給自足型」を支援するなら、首切りもないし、環境保全にも役立つし、地域の景観も維持されるし、飢饉襲来など、いざという時の防波堤の役目もしてくれるのが自給自足型の農業形態だと思う。

 例えば、自給自足農園が、1~2人の居候さん(自給自足の見習い人さん)を受け入れれば、それはりっぱな「雇用創出」である。こんな自給自足農園をいっぱい増やすことが、10年後の日本には必要なのに、農業法人での雇用だとか、森林整備事業だとか、あいもかわらず、商工業的発想だけで、農業を捉えている。

 2兆円の定額給付金のような、余分のカネがあるなら、1軒あたり60万円の自給自足型農業移住支援にあてて欲しいと思う。
 
 将来、国民年金保険料をもらえるとしても60~70万ほどである。だから、提示した60万円支援というのは、それくらいの金額の範囲内で「自給自足ができなければならないという数字である。ワンパック宅配でも100万円ほどの世界だから、60万円というのは少ない数字ではない。

 雇用創出といっても、雇用創出してくれる企業に支援金を出したり、あまり緊急を要しない、あるいはほとんど無意味な雇用創出事業を作りだすのであれば、自給自足型農業者支援を打ち出した方がよい。

 雇用創出は意味があるが、自給自足型農業支援はまるで「生活保護」といっしょと考えられるかも知れない。しかし、資本主義自体がすでに行き詰っている。格差は広がり続けるし、常に雇用の不安定がつきまとう。

 資本主義は経済至上主義であり、人間性のかけらもない、人間疎外の経済システムである。
     
 
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(今日の夕飯)
サンマ・・・ダイコンおろし
ホウレンソウのおひたし


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農業の疑似体験ができるブログを

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 秋冬野菜も残り少なくなった。というより、元々たくさん作っていない。それなのに忙しい。

 今日は、先日の炭焼きイベントの方たちが田んぼ見学に来られた。瀬戸内沿岸部を走る岡山ブルーラインの「道の駅」を視察に行かれる途中で立ち寄られた。

 あいにく小雨が降っていたが、見学者には田んぼと山を一巡して説明することにしている。野菜、ハーブ、ニワトリ、以前のドラム缶炭焼き窯、シイタケ原木、森林セラピー、葉タバコ跡地。最後に井戸とメタン菌液肥。

 今日見学に来られた方に、ヤギを頂く予定なので、ヤギ小屋も見てもらった。ヤギ小屋といっても物置の中ですが。

 ここ数日、ヤギのことを考えることが多い。

 多分、2月5日~2月7日の間にもらいに行くつもり。2月8日に田んぼでイベントをするので、その時ヤギをお披露目したい。

 名前もすでに付けた。銀ちゃん、ラムちゃんです。名だたるペットブログ「アメショッス」の猫名を拝借することにした。銀ちゃん、ラムちゃんのような「有名ヤギ」になって欲しいと期待する親心です。生後2ヶ月余りのオスとメスをいただける予定。

 メスヤギが出産できる期間は9才頃までで、寿命は14~15年らしい。猫と同じくらいのようである。

 まさか自分の方がヤギより早く死ぬことはないと思うが、15年後は70才。もしかして、もうこの世にいないかも。

 飼うことが心配になったり、逆に高揚したり、まるで少年のようにヤギの来訪を待っている。

 それまでに準備することは、
(1)犬用の首輪と鎖(ロープ)と支柱をホームセンターで購入する。
(2)物置をかたづける。
(3)物置の4分の1を、コンパネのようなもので仕切る。
(4)土を補充して、少し高くする。
(5)落ち葉や枯れ草を敷く。

 物置の東側の4分の1は当初、ニワトリを飼う予定にしていたので、冬の日当たりがよく、夏はキーウイが陰をして西日が当たらないので涼しい。

 あと20年ほどの人生だから、後半の農業人生は、もっと楽しくしたい。

 猫はわざわざ飼わなくても、猫ブログで十分疑似体験ができる。ボクはある意味、それを理想としている。農業をしなくても(できなくても)、ニワトリを飼っているような、野菜を作っているような、ハーブを実際に作っているような「疑似体験」ができるようなブログにしたい。
 もし農業の疑似体験ができるようなハイレベルのブログをアップできたら、ものすごく役立つと思う。

 簡単に、安易にヤギを導入するのではない。牛と豚と鶏の3種類は我が家で飼っていたので、鮮明な記憶が残っている。特に豚は何回も「お産」を見たことがある。しかし、
(1)豚は単なる換金動物
(2)牛は牛耕の必要性がなくなった時、その歴史的使命も終わった
。60年ほど前までは、耕運のためにどうしても牛が必要だった。ミルクだけならヤギの方がはるかに実用的。
(3)鶏30羽は、農業をする上で必須動物と思う。
(4)ウサギは、これも草だけで飼えるが、今は仲買人がいない。だから肉にするくらいしか飼育メリットがない。
(5)ヤギは、今後10数年の間に必ず、日本農業史に復活する。

 45年前、ウサギやヤギを飼っている家もあったが、集落内では少なかった。逆に、牛と鶏は長く、集落の多くの家で飼われていた。豚は疾風のごとく集落にやってきて、たった5年ほどのうちに疾風のごとく集落から去っていった。

 45年前、ニワトリの卵は1個が5円とか10円の時代だった。アイスクリーム1個が10円の時代だったから、卵の値段がいかに高かったかわかると思う。だから、食べることは倹約して売っていた。あの当時は「鳥買いさん」がたくさんおられて、「ニワトリを売らんかな」と、我が家にもしばしば「鳥買いさん」が来られていた記憶がある。だから当時は、卵を産み出して1年ほどでニワトリを回転させていたのだと思う。産まない(すねた)ニワトリを見分ける眼力をプロの鳥買いさんは持っていて、長く飼っていても若鶏に見せようとする海千山千の百姓の魂胆などすぐに見抜いただろう。

 今はかなり入れ込んでいる状態だが、ヤギがどういう変化を自分にもたらしてくれるか、わからない。ただ、
「1日20分のヤギとの時間を惜しむ者は、農業の楽しみを放棄することと同じ
 」ということを、「1日30分の散歩を惜しむ者は、病床の10年を持つ」という英国のことわざにひっかけて、考えてみた。

 どんな限界集落に、たった一人で住んでいても、都市へワンパック宅配、ニワトリ30羽、ヤギ1~2頭、その他、ハーブ、シイタケ、炭焼き、果樹も少量作り、ワンパックに入れるという、楽しい100万円型農業を提示したい。
 たった100万円と思われるかも知れませんが、農業で100万円稼ぐには涙ぐましい努力を伴う。

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 このヤギさんたちのうち2頭です。
 
      
 
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(今日の夕飯)
ハクサイの煮物・・・ゴボウ天
ブリの照り焼き


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集落共有の田んぼ

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 朝は霜が降りているので、出荷のない日は10時頃まで新聞を読んでいるが、昨日からトイレの業者さんが来られ、家にいても落ち着かないので、9時には田んぼに出た。
 今日は小春日和の一日だった。
(1)キーウイの一部剪定
(2)枯れ草刈り
(3)タマネギの草取り
(4)私有地と池の土手との境界線の草刈
(5)春夏作の黒マルチをはがす
等の農作業をした。

 1月25日の日曜日に集落総出の土手の草刈があるので、境界線の草刈をしておく必要があった。上の左の画像の中ほどに、草ぼうぼうの田んぼが見えると思いますが、これは集落共有の田んぼである。田舎にはこんな田んぼもある。昔は、この田んぼの収入を「お大師講」や「お伊勢講」に使ったのではないかと思う。
 子供の頃のうっすらと残る経験で、年に何回か集落の何軒かが寄り集まって、お膳を食べていた。そのお膳には、アゲ半切れ、サトイモ、竹輪、コンニャクの「煮しめ」があった。それに白い味噌汁とご飯だったと思う。
 
 もうとっくにそんな行事はすたれてしまったが、「お祷屋」の風習はまだ残っている。「祷組」とも言う。これも村の何軒かが寄って、神社へお参りし、お膳などを食べる。秋のお祭り(10月18日、19日)にしている。
 昔は田植えや稲刈りなど、隣近所や親戚と共同でする農作業も多かったが、今は地域内で「共有」するものは少ない。
 土手の草刈等の出仕事で顔を合わすくらいで、平生は顔を合わすことも少ない。


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 この物置の東側の4分の1(1坪半)をヤギ小屋の予定にしているが、物置との境界の柵をどうやって作ろうか、早くも悩んでいる。大工仕事は苦手。

 18年前、物置と鳥小屋をどこに建てようか、どれくらいのサイズにしようか、どういう形のものにしようか、大いに迷った。途中での改造は自分にはできないので、とにかく将来を見越して、形、サイズ、場所を決めてから、大工さんに頼む必要があった。

 形・・・中島正さんの「自然卵養鶏」の本に出ている通りの形にした。

 サイズ・・・ニワトリは最大40羽までと思ったので、坪に8羽×5坪=40羽だから5坪にしようと思ったが、大工さんが5坪のサイズはないと言われるので4坪半にした。
 物置を6坪にするのは、あまり迷わなかった。

 場所・・・これが一番迷ったが、18年後の今でも、これ以上の場所はないと思っている。

 物置の一部を金網にしているのは、ヒヨコから卵を産み始めるまでの6ヶ月間、卵が切れないように、少し物置で飼おうと思って、一部を金網にしていたが、結局、物置ではニワトリは一度も飼わなかった。


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 鳥小屋の場所は、水はけがよく、物置からあまり遠くない場所を考えると、ここしかなかった。
 鳥小屋が自分で作れない以上、ニワトリはもう増やせないと思った。ニワトリを飼う他の能力がいくら高くても、鳥小屋を作るという第一のハードルが高いなら、ニワトリはたくさんは飼えない。鳥小屋を作ってもらうようでは、とても採算は合わないから。
 大事なのは冬場の日当たりであるが、この場所は冬も一日中、鶏舎に日が当たる。


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 鶏舎の床の有機物は、1年に1~2回持ち出すくらいで、あまり入れ替えない。この鶏糞は主に「果樹の寒肥」に用いている。

 トイレの改修が終わったら、早めにヤギをいただきに行こうと思っている。ブログで毎日ヤギをアップできると思うと、楽しみである。


 阪神大震災から、今日でもう14年が来る。14年も過ぎたと思えないくらい、つい昨日の出来事のような気がする。あの震災の後遺症をいまだに引きずりながら生きている人がたくさんいる。
 ふり返ってみると、阪神大震災は、農業歴5年の頃である。すでに京阪神にワンパックを送っていた。震源地に近い長田区にも何軒かワンパックを送っていたが、あの地震以後は、止められる顧客が多くなった。


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(今日の夕飯)
ダイコンなます・・・ニンジン、アゲ
豚肉の生姜焼き、ウインナー


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ラストランの先にあるはずの何か

 巨大農業経営体「1万程度育成」・・・研究機関が提言
  それによると、農地の3分の1にあたる約150万ヘクタールを経済特区にし、100ヘクタール規模の超大型の農業経営体を育てることを柱に据えている。

 あいもかわらず20世紀型の農業を推奨している。決していい結果にならない。農業は、
(1)規模縮小
(2)雇用の形ではない個人の独立自営農民
(3)多種類を作る
(4)大きな投資をせず、癒しのための自給型農業をめざす
 21世紀型の農業は、「現役世代」でも「定年帰農型」の農業をめざすのがよい。定年帰農型の農業で何とかして100万円を稼ぐ方法を模索する。
農業に転身することは「起業」と同じ。


小規模なら放牧は安心


 1ヘクタール(100アール)あたり2頭ならば、周辺の水系に与える影響は、営農活動や野生動物による影響とほぼ同じだった。(農業新聞1月15日)

(1)牛1頭は1日に糞尿を26.7キロ排せつ(年間1トン)
(2)牧草を栽培する場合、10アールあたり年間6トンの堆肥を投入
(3)水稲の場合、10アールあたり年間2トンの堆肥を投入

 つまり、小規模移動放牧は、一般的な営農活動に比べても、農地に与える負荷は少ない。

 放牧を検討している場合は、地域住民への説明資料として活用し、安心して放牧に取り組んでほしい。

 
 ヤギの放牧(支柱につないで放す)でも、池の上の葉タバコ跡地に放牧するには、地域の水の世話人さんに了解をもらう必要があるだろう。

 ヤギは「飲み水」を与える必要はないらしいから、糞尿もたいした量ではないと思う。2頭以上は飼う予定はないし、図体も大きくないので、雨と共に池に流れ込んでも、池の水にはほとんど影響を与えないと思う。

 ヤギは「田んぼの草」より「木の葉」を好むらしいので、池の上の「葉タバコ跡地」もぜひ活用したい。

 水稲には年間2トンの堆肥を投入というのは、化学肥料に換算してのことだろう。それにしても、水稲より牧草の方が3倍も堆肥(肥料)が多く必要なのか。


冬に栽培して春に畑にすき込む緑肥(農業新聞1月15日)

(1)レンゲ
(2)菜の花
(3)えん麦
(4)ソルゴー
(5)ヘアリーベッチ(畝間に生えて雑草抑制マルチの役割を果たすマメ科の緑肥

 レンゲは稲作にはいいが、畑作にはむかないと思う。菜の花は「アブラナ科」なので作りたくない。えん麦は麦の一種だから現在蒔いている。ソルゴーは蒔いたことはないが、麦を蒔くからいらない。
 「ヘアリーベッチ」はトライしたいと思う。


鳥インフルエンザウイルスの消毒薬

 日本エコロジアとテクノマイニングは、鳥インフルエンザウイルスを除去できる消毒薬「BV4」を開発した。同社によると、複数の脂肪酸を組み合わせたもので、安全性が高く、空中に安心して散布できるのが特徴だ。即効性については、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターが、10分間で1億個のウイルスを検出限界まで除去できることを確認している。(農業新聞1月15日)

 今まで使われてきている各種消毒薬や各種抗菌剤も安全性がうたわれてきたはずだから、「BV4」もそれらと同類と思う。

 ケージに閉じ込めて、身動きできなくしているのだから、ウイルス抵抗力も少ない。そういう類の薬を全く使わなくても、当方のニワトリは元気である。

 鶏糞が化学肥料より安全性が低いと考えるのは、このような化学薬品があまりに多量に使われていると思うからである。鳥インフルエンザの出現以後、この傾向はますます強まっているのではなかろうか。こんな卵は「生で卵かけご飯」などしてはいけない。

 

 今日の山陽新聞にマラソンの高橋尚子のインタビュー記事が出ていた。

 「自分に何ができ、何が求められ、自分しかできないことは何なのか。これからはそれを探す時期」。3月には感謝の思いを込めて名古屋国際を走る。「(人生)設計をしていても、別の道ができる時がある。ひとつの道にこだわると、それを見落とす。次の扉(名古屋国際)まで頑張ることができたら、違う道ができるかもしれない」。ラストランの先にあるはずの何かを、今は楽しみにしている。


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トイレの改修

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  先日の炭焼きイベントに行く途中で見た集落。始めて通る道、始めて見る風景、ひなびた村、こんな所に集落がある。

 田舎にすんでいても、ひなびた田舎が好きである。滅びようとしている村に郷愁を感じる。遠方ならそんなに来れないが、ここは地元の吉井川水系だからまた来れる。

 左の画像のように道端に太い笹で編んだ堆肥枠があった。右は谷間の棚田。一人だったら、こんなひなびた村で誰かに出会ったら、ちょっと声をかけて見る。そうしたら、村の話を聞かせてもらえるかもしれないし、若かりし頃の話を聞かせてもらえるかもしれない。今まさに滅びようとしている村の風景をいとおしく思う。

 こんな吉井川水系の限界集落を折に触れて訪ねたい。遠くまで出かけなくても、コンビニ弁当と缶コーヒーで、日がな一日楽しめる。

 

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 巣箱の右の方に入っているニワトリは、例のニワトリ。トサカを見ればすぐわかる。傷は癒えて、トサカも少し伸びているように見える。ただ、あれだけの傷を受けたのだから、しばらく卵は産まないだろう。


 
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 こういうのが田んぼの道端にあれば「モグラ」の仕業。よく見かける。イノシシやシカだけでなくモグラや野ネズミも大きな被害をもたらす。
 
  
 
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(今日の夕飯)
ハクサイの煮物・・・卵
コンニャクと鶏肉の煮物


 明日16日(金)から25日(日)までの10日間、下水道の業者さんが来られる。とうとう我が家のトイレも水洗便所になる。トイレ2個で100万円超の出費。

 当地では去年2月に下水道が完成した。3年以内に家庭排水を下水道に接続しなければならないが、集落の7割ほどの家は、できてすぐの去年の春に接続を終えたようだった。
 
  義務ではあるが、集落の全部の家がするわけではないと思う。高齢の一人暮らしだったり、お金がなかったりすると、「しないで押し通す」家も1~2割はあるだろうと思う。
 我が家の場合はしないわけにはいかず、猶予期間は後2年あるが、タイミング的にこの冬にすることになった。

 当地の下水道事業は14億9280万円の総事業費がかかっている。333戸(1200人)だから、1戸あたり450万円ほどかかっていることになる。これでは市の財政が逼迫する。新聞によると下水道事業の見直しを迫られているようだ。

 下水道事業は、市の財政を圧迫するだけでなく、個人の経済も圧迫する。

 つまり、下水道の受益者分担金は1戸あたり19万5千円+トイレ改修工事100万円超+毎月の下水道料金。

 毎月の固定的な支出であるライフライン料金が下水道料金だけアップする。


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1~2年内の大きな目標3つ

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 巨木の渋柿。まだカラスが食べないから、食べ頃でないのかと思っていたら、今日、渡り鳥の「ヒヨドリ」がたくさんたかっているのを見た。
 ヒヨドリはキイーキイーと甲高い声で鳴くからすぐにわかる。環境異変なのか最近は、ヒヨドリが来ない年と来る年がある。

 ヒヨドリはおいしいものから順番に食べるので、渋柿を食べつくすと、今度は畑の野菜が狙われる。今年は害獣よけに早々とべた掛け資材をかぶせているが、キャベツや一部のロケットはまだなので、近日中にかぶせる必要がある。
 
 


今後1~2年内の大きな目標が3つある。


(1)野菜のワンパック、ハーブ、炭焼き、ニワトリという4種類の「有畜小農複合自給」型農業で、手取り100万を稼いで、限界集落でも暮らせる、一つのマニュアルを例示する。
(2)ロスジェネ世代と限界集落の仲立ちをすること。

(3)ヤギを導入して地域へ広める。

 まず(3)から説明したい。30羽養鶏(メス30羽、オス2羽)はブログで発信し続けているから、飼い方はわかってもらえたと思う。
 
 ヤギもまず自分で飼うことによって、いろんな事が情報発信できると思う。できればヤギを集落に広めたいと思う。
 
 気持ちがぶれているが、やはり2匹(オスとメス)導入しようと思う。いずれ1匹は近所の人に「草刈」に使ってもらおうと思う。下の画像のような感じに。(鳥ネット→八頭総合事務所→和牛とヤギの放牧で検索し、ご紹介させて頂きました)

平成20年7月6日、智頭町芦津でヤギのモデル放牧を開始しました。
 当日は日曜日、地区のみなさんが準備をしてくださいました。将来の担い手不足という中山間地域共通の課題を考え、放牧による農地保全に取り組んでみることになりました。まず取り組みやすいヤギの放牧を行ってみることとし、将来的には和牛放牧も考えられています。
 芦津地区は智頭町の中心地から東へ約10km、紅葉の名所芦津渓谷や茅葺き屋根の山菜料理店、きれいな水を使った豆腐製造・販売店があり県内外から訪れる人も多い場所で、放牧による地域の魅力向上にも期待されています。
皆さんの期待を受ける2頭のヤギ放牧するほ場。草丈約1m。メスヤギオスヤギ



平成20年7月3日、若桜町吉川の休耕田で、ヤギのモデル放牧を開始しました。吉川地区では昨年度、八頭総合事務所次世代改革若手職員サブチームが試験放牧を行っており、「今年もヤギを飼って農地保全したい」と考えられた地元の方が管理をされます。
 放牧されたのは、試験放牧中の昨年11月に吉川で生まれたメスヤギのさくらちゃんと、もう1頭のメスヤギです。大きくなって帰ってきたさくらちゃんと再会し、地元の方もうれしそうです。
大きくなって吉川にもどってきたさくらちゃん、平口さんと再会です。少し年上のメスやぎ。名前はこれから決めます。地元で作っていただいた小屋。早速気に入った様子です。山が開けた高台にあり気持ちの良い場所です。



平成20年6月16日、八頭町福井の遊休農地でヤギのモデル放牧がスタートしました。ヤギの世話をされるのは、広島県出身の小林浩子さん。空き家だった民家を借り農業体験イベントなどの活動を行っておられ、ヤギの放牧も地域活性化に一役買うことが期待されます。また、今回の放牧地は小学校に近く、ヤギの活躍が子ども達に見てもらえそうです。
 やってきたのは黒ヤギのお母さん(2歳)と女の子(0歳)で、名前はこれからつけていただきます。今回は、くいを地中に埋め込んでロープでつなぎ、簡単に場所移動ができる方法で放牧しています。
ヤギ到着2頭の黒ヤギ小林さんとヤギ放牧に使う道具



 平成20年6月24日、鳥取市福部町浜湯山の梨園で、ヤギのモデル放牧を開始しました。
 ヤギの管理をされるのは、二十世紀梨農家の橋本さん。急傾斜地の果樹園に放牧し、草を食べてもらってきれいにすることに加え、イノシシによる果樹園の被害を抑制する効果も期待しています。
 橋本さんは鳥取砂丘の近くで観光果樹園も経営されており、梨狩りシーズンには人気者になってくれるかもしれません。
 放牧されたのは白やぎのオスと、茶色いやぎのメスの2頭。到着直後から食欲旺盛で、雑草をどんどん食べていました。梨の葉も食べそうな勢いなので、梨の木には届かないくらいの長さに調整して、果樹棚の下のアンカーにつないでいます。
放牧する梨園早速草を食べていました
橋本さんとメスヤギひげが立派なオスヤギ

  

 当面は草刈目的だけで、いつか「ヤギ乳」に進めればいいなと思う。


 (1)の野菜のワンパック、ハーブ、炭焼き、ニワトリの4種類に関しては、
☆ニワトリ・・・小屋さえ建てれたら、飼うのは簡単。32羽を超えない方がよいが、それより少なくても味気ない。長年飼ってみて、メス30羽、オス2羽の導入が最もいいと思う。現在のニワトリは6回目の導入。
☆ハーブ・・・ハーブティ用ハーブ6種類、料理用ハーブ6種類、合わせて12種類でハーブの9割はカバーできる。(右の帯のカテゴリーのハーブを参考にしてください)
☆炭焼き・・・1月12日の炭焼きイベントで使った窯なら、焼き始め~焼き上がりまで合計5時間。9時にスタートすれば3時には終わる。窯の上で、ハーブティや湯で卵、焼き芋等も楽しめる。
☆野菜のワンパック・・・家庭菜園の延長のようなワンパック。

 限界集落に移住しても、年間の手取りが100万円になれば、1人だったら、何とか生きていけると思う。特別の能力でもない限り、農業では、よく稼げても100万ほどだと思う。これ以上稼がないと生活がまわらないと思うなら、農業はできないと思う。

 
 下の画像の多くは休耕田になっている。休耕田は、草ぼうぼうになってから1年に1~2回、草刈をするか、1年に3~4回、トラクターで耕運して草が大きくならないようにする。しかし高齢になると、田んぼの管理だけでも重労働である。
 ヤギがどこまで好き嫌いなく草を食べてくれるかわからないが、下の画像の1.5ヘクタール(150アール)ほどの田んぼをヤギが草刈してくれたらと思う。

 冬には草は伸びないが、山には常緑の木も多いので、2匹なら冬でもエサに困らないと思う。

   
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  ヤギが自分の農業にうまくはまれば、観光農園やイベントをして「ビジネス」にしたいと思う。ビジネスにできる環境も整っているので、後は自分の「営業力」次第である。
(1)簡易トイレは8年ほど前から設置済み。
(2)野菜、ハーブ、ニワトリとバラエティに富む。
(3)1月12日の窯なら炭焼きもできる。
(4)池の上の山は葉タバコ跡地であり、森林セラピーもできる。
(5)池の東側の山には県下10ヶ所にある「美しい森施設」があり、キャンプ場、ログハウス、宿泊施設もある。

 専門作物を持つことができず、家庭菜園の延長のような野菜しか作れなくても、農業は100人100様。「100万なら稼げる」という自分なりの手法を早く確立できたら、どんな限界集落でも「独立自営農民」として生きていける。
 
  そして、100万稼ぐ方法をマニュアル化できれば、ロスジェネ世代にアピールできるし、限界集落との仲立ちができる。

 ほどほどの田舎や、都市近郊の田舎で、まだ集落が機能している所では、冠婚葬祭や、村の行事や、村の出仕事の付き合いが多いし、よそ者扱いもされるだろう。限界集落なら、10年ほどの間に、移住してきた人の時代がやってくると思う。

 都市にとどまり続けても、いいことにはならないし、

 企業組織は非人間的な扱いしかしないし、

 これからは第一次産業の時代だと思う。

 きちんとした組織に勤めていれば辞めるのは惜しいし、

 考えようによっては、非正社員は逆にチャンス。

 限界集落に移住して、なんとか生活がまわせるなら、

 サラリーマンよりはるかに充実した生活がおくれると思う。


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死の行軍

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  昨日はヤギのことで気分が高揚していたのに、今日は逆に、手間を取られたりすることはないだろうかと心配気味になった。

 ニワトリの時は飼いたい一心だったのに、ヤギに対するこの不安は何だろう。この差が、ニワトリは18年間飼ってきたが、ヤギはこの間、飼うことができなかった原因である。

 確かに45年ほど前まで、ニワトリとヤギは「自給」の要だった。あの当時は時間というものがゆったりと流れていた。だから、ヤギの乳をゆっくり搾ることもできただろう。

 ところが45年後の現在は、時間のスピードが当時とは比べ物にならないくらい早い。いつも時間に追い立てられるような生活をして、精神的なゆとりをなくしている。

 それでも、ニワトリは現在の時間スピードに遅れていない。ニワトリに時間を取られているという意識はあまりない。

 確かに1日1回は、餌やり、水代え、青菜やり、集卵と4仕事あるが、10分ほどしかかかっていない。わざわざそのために田んぼに来るのではなく、農業の傍ら飼っているので、無駄な時間はない。

 無駄よりも、卵のおかえし、糞のおかえし、クズ野菜を掃除してくれる、家の食べ残りも無駄にならないという4拍子のお礼をくれる。

 ひるがえって、ヤギはというと、機械での草刈と、ヤギでの草刈とどちらが時間を節約できて、どちらが経済的かという比較に集約されている。

 こんな風に考える自分は明らかに余裕がない。

 ニワトリは1日1回、10分の世話ですむが、ヤギは1日2回、(10分×2回=20分)の世話がいる。つまり、朝、どこかの草刈場に連れて行ってつなぎ、夕方、その草刈場から連れて帰り物置に入れる。
 
 20分もあれば、草刈機を使えばかなりの草が刈れる。

 でもこういう風に考えてはいけないのだ。

 ヤギを草刈場に連れて行く10分間を楽しみ、連れて帰る10分間を楽しみ、ヤギのいる風景を楽しむ。これが農業の楽しみなのに、すぐ「経済的判断」だけを自分は持ち込んでしまう。

 しかし、こういう風に考えざるをえないくらい、世の中は世知辛くなったし、世の中は変わってしまった。だから、大多数の人はヤギが飼えなくなったのである。口で言うか言わないかの違いで、大半の人が経済的判断だけを優先せざるをえなくなった。

 それなのになぜ・・・?。それは草刈が少し負担になってきているから。だから、機械の草刈とヤギの草刈を天秤にかけた。

 それでも、ここまできたらもう引き返せない。とりあえず、1年間だけでもヤギを飼ってみよう。

 そして今日は、飼うとしたら、どこで飼うか、いろいろ思案した。雨降りでない日は、田んぼか、
隣接する山すそのどこかにつないで、1日中戸外で過ごさせるつもりだが、夜間と雨の日は小屋の中で過ごさせてあげる必要がある。

 その小屋であるが、
 

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(1)左の画像の物置の中の一部分(1坪半)をヤギ小屋にする。
(2)物置の北側に畳1畳分ほどのヤギ小屋を作る。
(3)物置の東側に畳1畳分ほどのヤギ小屋を作る。
(4)真ん中の画像の、左側の棚と右側の棚の間のスペース(2坪)をヤギ小屋にする。

 以上の4箇所を候補にして考えた。なぜ物置周辺にしたかというと、ヤギは人間との触れ合いが必要だから。逆にニワトリは、人間が近くにいると落ち着かないので、人間が近くをあまり行き来しない静かな環境がよい。

 45年前まで、集落のほとんどの家で黒い役牛を飼っていたが、牛の小屋は必ず、玄関横の、家人の目が最も頻繁に行きかう場所にあった。それくらい、牛に目をかけていた(注意をはらっていた)。
 ヤギもそうする必要があると、幼い頃の見聞が教えてくれた。

 だから、小屋の候補地は上記の4ヶ所にすぐに決まった。しかし自分は、 カナヅチ、クギ、ノコの扱いが極度に不得意。だから大工仕事は一切しない。となると既存の物置(これも区切るという大工操作があるが・・・)を利用するしかない。大工さんに依頼してヤギ小屋を作ってもらうというような「設備投資」は今回はしたくない。それをすると、「草刈機の草刈」に比べて「ヤギの草刈」の方がはるかに高くついてしまい、本末転倒になる。

 だから、候補地を準備したのは「心のはからい」であって、意識下では、物置の中にせざるを得ないということは決まっていた。

 物置は6坪(鳥小屋は4坪半)あるが、4分の1の「1坪半」をヤギ小屋にしようというのはすぐに決まった。これ以上広くても狭くてもよくないと思った。理由は、

 広くすると「糞出し」に手間がかかるし、ヤギの下敷き(ワラなど)がたくさん必要になる。

 狭くすると、雨天続きの梅雨に戸外に出すことができず、これ以上狭いとストレスになる。

 今日は朝からヤギの本を2冊読んだ。1冊はもう10年以上も前に知人にもらったヤギの本である。それくらい以前から「ヤギを飼ってみたい」という意識はあった。

 これだけでは物足りず、
(1)鳥取県、八頭総合事務所に電話して、ヤギのレンタル事業について詳しく聞いた。
(2)農業仲間のAに聞いた。
(3)同じくBに聞いた。
(4)同じくCに聞いた。

 それぞれの人の話は、本とは別にまた大いに参考になった。

 ヤギは16~17年生きるが、出産可能期間は9才頃まで。

 首輪や鎖は犬用のものでよく、ホームセンター等に売っている。

 レンタルはなぜ岡山県にないの?、岡山県のことは岡山県の畜産試験場か県庁の農林水産部にお聞き下さいと言われた。

 「鳥ネット→八頭総合事務所→和牛とヤギの放牧」でグーグルで検索(電話した時に見るように勧められた)すると、放牧の様子が画像にアップされていた
 飼ってもいないうちから聞きまわらなくても、飼い始めてから、飼いながら、考えればいいだろうに・・・。確かにニワトリはそのようにできた。しかし、ヤギはそういうわけにはいかなかった。

 今年は農業歴20年目に入り55才。残りが20年とすると75才。今年は農業の「中間点」だと思う。75才までできれば40年も農業ができたことになる。今後どういう現実が押し寄せてこようとも、自給野菜だけは作り続けるだろう。

 ワンパック宅配は65才頃まで。

 ニワトリは多分、自給野菜とセットで続くと思う。

 ヤギはとりあえず1年は飼ってみよう。

 今まで何度か、ワンパックと並行して1~2種類の専門作物を持とうとしたが、持てなかった(持つ能力がなかった)。
 年齢的にももう、初めての新たなことには手を出さず、半農半ブログの生活を充実させるつもりでいた。だから「新たな農業チャレンジ」としてはヤギが最後の挑戦になるだろう。

 時は2015年、江戸の三大飢饉をしのぐ凶作に見舞われ、人々は自然を求めて民族大移動を始める。その過酷な死の行軍にヤギが現れ、その身を呈して、多くの人々の命をミルクと肉で救った。

 豚は役に立たなかった・・・

 牛も大き過ぎて役に立たなかった・・・

 ただ、30羽のニワトリだけは、最後までその地位が揺らぐことはなかった。鳥インフルエンザなどものともせず、ヤギと共に行軍に加わり、卵と肉で、多くの人々の命を救い続けた。


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田んぼのシンドラー

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 事態は風雲急をとげ、このヤギ2匹が無料でもらえることになった。今朝までは想像もしなかったのに。

 今日は下の画像でアップしている炭焼きに誘われていた。場所は、我が家から車で50分ほどの和気郡 佐伯町のリンゴ園であった。
 
 途中から友人の車に乗せてもらったが、その時に「ヤギを飼いたいが、誰か知った人はおられんかな」と尋ねると、今日炭焼きをする所で飼っている人がいると言われ、さっそく現地で「ヤギが欲しい」と話すと「あげる」と言ってくれた。
 ただ、生まれてまだ1ヶ月ほどであり、3ヶ月は母ヤギから離さない方がよいので、2月末にとりに来るようにと言われた。
 何かトントン拍子。
 それまでにヤギの本を1~2冊読んで、物置を半分片付けて柵をするつもり。

 
炭焼き

 今日のメインイベントはこれ。とても簡単な組立て式炭焼き窯だった。農林試験場の方が考案された窯で、当人が指導に来られていた。窯一式は外注で2万9千円。
  
 
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 歩留まりは16~20%ほど。口炊きは15~20分ほどで着火する。乾燥した木や竹なら2時間半ほどで焼きあがる。煙が透明になったら、下部と、上部の煙突がわりの煙の出口を土で密閉する。その後3時間ほど冷却して完了。9時過ぎから始めて3時頃には終わった。3窯で焼いた。
 材料さえ準備できれば、簡単に焼けそうである。

  
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 窯の上で栗や銀杏を焼いた。焼き芋もおいしくできるらしい。お茶を沸かしたりもできる。
 この窯では他に、
(1)ニワトリ等の燻製
(2)籾殻を焼く
(3)観賞炭(まつぼっくり等のお花炭)
も作れるようである。

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 昼食に焼きおにぎりとおいしい沢庵を頂いた。焼きおにぎりを食べたのは数十年ぶり。今度うちでもやってみよう。

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 山の頂上の限界集落で、今日は粉雪が舞っていた。野菜も作ってリンゴ園で売られている。夏はこのハウスでミニトマト等を作っている。
 
 山の赤土なのでサツマイモを作るととてもおいしそうだ。右の画像で、イノシシを追い払う犬の小屋が見える。


田んぼのシンドラー
 

 ここのリンゴ園は町の施設で赤字が続いていたが、現在はSさんが経営を委託されている。
 
 今日の感動的だったことは、Sさんがホームレスの人の力になりたいと話されたこと。食べることと寝る場所は確保でき、4~5人ほどならお世話をしたいと言われる。

 この話を聞いて、ボクも何かお役になれたらと思った。まさにSさんこそ、田舎へのパスポートを提示できる人だと思う。10年ほど前、大阪からこの地にIターンをされた50代後半の方です。

 
 真面目な方で、農業に興味がある人でしたら、年令は不問です。仕事は
(1)リンゴの木の剪定作業
(2)炭焼きの手伝い
(3)各種農作業
(4)農地の開拓(開墾)

 給料というほどはお支払いできませんが、食べることと寝る場所、少しの小遣い程度はお支払いできるようです。

 リンゴの加工場(町施設)も任されて、リンゴ果汁等も作られている。パンを焼く設備もある。元コックさんなので、それらには精通されているようです。
 
 ただ、当地の水や空気や風景が当人に合うかどうかはわからず、やってみないと農作業が自分に向くかどうかはわかりません。
 
 仮に1週間、1ヶ月ほどで元の町に帰られたとしても、それはあまり問題にならないと思います。なんなら私が中に入ってもかまいません。
 
 ただ、一人はパソコンに精通された方を希望されています。イベント等の情報発信をしたり、ワードやエクセルでのパンフレット作りです。

 大半は有機農業であり、少量多種類生産なので、特定の農作業を長時間するようなことはありません。Sさんの他に地元の方が3人手伝われていますが、どの方もとてもよい人です。

 もしこの地が気に入れば、当地で独立(自給自足型農業)も可能ではないかと思いました。

 ご紹介する以上は、私も責任がありますので、働く場所がなく、本当に困っている人だけが対象です。


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農業への道

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 ニワトリ小屋は、農業をスタートした1年2ヵ月後の5月に大工さんに建ててもらったが、ヒヨコはその2ヶ月前の3月から、家の納屋の軒下で飼い始めた。「形にできる」ことは、これくらいのスピードで形になる。 
 
 今の時期は青菜(雑草)が少ないので野菜を与えるしかない。巻きの弱いキャベツや小さいダイコンを与えている。

 コゴメだけ与える日と、購入飼料も少し加えて与える場合とでは、後者の方が産卵率が高い。これは顕著に現れる。購入飼料にはトウモロコシの他、大豆かすや魚粉等も少し含まれているので、コゴメという単品の飼料だけの時より違ってくる。

   
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(今日の夕飯)
ブリ
ハクサイの煮物・・・アゲ
エビフライ・・・市販の惣菜

   
  

2008年の12月の輸入動向(東京市場)

ニンジン・・・1キロ65円→(自分の出荷価格は250円)
サトイモ・・・1キロ91円→(自分の出荷価格は400円)
タマネギ・・ 1キロ73円→(自分の出荷価格は250円)
 
 輸入野菜はさすがに安い。この価格では国産は太刀打ちできないだろう。業務用野菜が輸入品主体になるのもわかる。 

 いくら企業が大規模栽培をしても、輸入野菜には太刀打ちできない。だから民間の企業はなかなか農業に進出できない。


各地で緊急就農相談

 失業者、希望胸に・・・「農業なら安心」

 雇用情勢が急激に悪化する中、農業が失業者の受け皿になろうという地域レベルの相談活動が動き出した。10日には岡山、福岡の両県で相談会が開かれ、昨年暮れに解雇された人が、多数詰め掛けた。全国段階の相談窓口にも問い合わせが相次いでおり、「農業で安定した就労を」と期待が高まっている。

 JAグループや行政でつくる岡山県担い手対策推進本部などは10日、緊急就農相談会を岡山市で開いた。17人が県外から参加し、農業法人の求人情報や必要な準備資金、就農に向けた研修制度などの説明を受けた。(以上農業新聞1月11日)

 2008年度の農業は、肥料の高騰、飼料の高騰、資材の高騰、燃料の高騰という激しい逆風だった。それなのに農業法人は求人ができる状況にあるのだろうか?

 それでも求人ならまだよい。就農に向けた研修となると準備資金がいる。自己資金ならまだしも、安易に借りると、「学校の奨学金」と同じで、将来払えなくなる可能性が高い。

 今、農業は激しい逆風であるし、「害獣問題」と「気象問題」は悪化し続けている。いくらでも海外から輸入農産物が入ってくるし、途絶えて高騰すると盗まれてしまう。

 だから、「農業で稼ぐ」というより「農業でどう自給自足していくか」が問われている。

 でも、農業で自給自足など今の世の中ではできない。しかし、農業で自給自足できる世の中に変えていかないと、非正規社員の生きていける道がない。
  
 
 貧困とは「ため」をなくした状態をいうらしい。

 カネも名誉も地位も権力もいらない。ただ、日々の生活がまわっていく最小限のパンがあればいいのに、そのパンさえ手にできない人たちが巷にあふれかえっている。

 正社員のレールからはずれた人の生きる道は、やはり農業で自給自足の道を模索する方向しかないと思う。

 「緑の雇用」では、いずれまた切られる。切られない「緑の自給」を模索しないと何も解決しない。

 人間の尊厳と自由を取り戻す道は、そんなに稼がなくても生きていける自給自足の道しかないと思う。

 とにかく、農業という土の上に戻る必要がある。

 それなら、その方法を自分が提示する必要があるが、まだ見えてこない。


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秋冬ワンパック、春夏ワンパック

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 たくさんの稲ワラをもらったので「通路」に敷いた。冬でも雑草は少しは伸びる。秋冬雑草は葉をロゼット状にして、太陽光線をたっぷり浴びるような体勢をとり、根は地中深く張って抜きづらく、春夏雑草よりたちが悪い。

 右の画像のようにタマネギの通路にも敷いた。管理機で耕運しているのは、ここに籾殻を運んで「クン炭」作りをするので、秋冬雑草を前もって退治するためである。


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 隔離していたニワトリがまだ仲間に入れない。止まり木にいるのはそのニワトリである。ただ、餌やりに入った時は負けずに食べているので、隔離する以前ほど状況はひどくない。あの時はトサカが3分の2ほど食いちぎられ、コーナーにうずくまっている状態だったから。

 トリ小屋にも稲ワラを入れた。たくさんモミがついた稲ワラがあったので、それらを入れた。


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 5月頃までにできれば「草刈目的のヤギ」を入れようと思う。田んぼ周辺に草刈をする場所が多すぎる。
 
(1)
上の画像は池に通じる道と、道の「のり面」であるが、のり面の草刈が大変。

(2)柿の木の下の田んぼは集落の共有田。だから年に2回、集落の人が総出で草刈をするが、半年もほうっておけば、草ぼうぼうになる。

(3)休耕田がすでに6~7割あり、稲を作らなくなると草の始末に苦労する。だから喜んでヤギに解放してくれるだろう。
(4)この他、管理を任されている田んぼが近くに何枚かある。

 草刈はかなり時間を取られるし、結構重労働だし、危険な作業でもあるし、1円にもならない作業である。
 
 そこで考えたのが、定期的な草刈と、ヤギに草刈を依頼するのとでは、どちらが楽で経済的だろうかということ。
 
 ヤギは柔らかいものより粗剛のものを好み、草類よりも木の葉を喜んで食べる習性がある。たとえば、ススキ、チガヤ、クマザサ。木類ではクリ、ナラ、クヌギの葉なども好物らしい。山の際なのでどちらもある。 
 

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 麦を見ることが毎日楽しみになっている。たかが麦なのに。
 麦には若さや希望を感じる。


(昨日のワンパック)
ニンジン・・・・・・250円
ネギ・・・・・・・・・150円
サトイモ・・・・・・400円
ヤーコン・・・・・・300円 (生食、炒め物)
ロケット・・・・・・250円 (生食、炒め物、おひたし)
ホウレンソウ・・250円
ダイコン・・・・・・250円
キャベツ・・・・・・150円
ブロッコリー・・・200円
シイタケ・・・・・・200円
レモンタイム・セイジ(ハーブティ用)→サービス品
ホウレンソウ(半端分)・ロケット①→サービス品
送料800円で合計3200円。

(1)単価を合計するが、春夏秋冬、ワンパック3200円を上限にしている。

(2)ロケットをもう1束、サービス品にしたのは、箱がかなり空くから(ハクサイがないため)。

(3)レモンタイムは常緑草。セイジも常緑草に近い。ミント類はべた掛け資材を二重に被覆しておけば常緑草で出荷できる。(当地の気温の場合)

 秋冬野菜はハクサイ、キャベツ、ダイコン、カブさえ失敗しなければ、他の作物の失敗は少ない。

 秋冬野菜は8月盆明けから11月中旬のタマネギ定植までの3ヶ月間が忙しいだけで、それ以後、2月末までは出荷作業だけ。

 出荷のない日の農作業は昼から出て、3時間ほどするだけ。

 ニワトリの餌用に作ったキクイモは、業務用(イタリア料理店)の注文が結構あり、結局ニワトリにはやらずに出荷した。ヤーコンよりはるかに作り安いので、今春は80~100株ほど定植するつもり。

 シュンギクは初霜にあてずに、11月中旬頃までに、べた掛け資材で二重被覆すべきだった。

 ネギは肥料切れすると黄変する。ネギはたくさん送っても問題ないし、箱のスペースをしっかり埋めてくれる。わかっていながら今年は大失敗。


春夏パックは、

タマネギ・・・・・250円
ジャガイモ・・・200円

キュウリ・・・・200円×2も有り
ナスビ・・・・・・250円×2も有り
ピーマン・・・・200円
オクラ・・・・・・150円×2も有り

ナンキン・・・・・250円
ニガウリ・・・・・150円
トウガン・・・・・400円(ソウメンナンキンでもよい)

エンサイ・・・・・・150円
ツルムラサキ・・200円

ワンパック宅配では差し引き100万円を目標に。

営業すれば個人客の40軒くらいはキープできる。

口コミの力も大きい。

農閑期はきっちり取ろう。明日への英気。

ハウスはいらない。

年間運転資金(経費総計)が60万円ほどの農業を。

業務用より個人客だけがいいと思う。

完全無農薬、無化学肥料には、こだわらずに。

ニワトリ30羽をぜひ飼おう。リサイクルの要。

1人なら40アールもあれば十分。ボクは30アール作付。

100万ほどしか稼げない。それ以上必要なら農業は無理。


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鳥取県のレンタルヤギ

 雑穀には、キビ、アワ、タカキビ等があるが、当地周辺ではほとんど見かけない。
 
 我が家では45年ほど前まで「キビ」という雑穀を作っていたようだ。というのは、毎年「寒餅」といって「キビ餅」を搗いていた。それは2月頃ではなかったかと思う。その寒餅(キビ餅)を包丁で薄く切り、ムシロに広げて屋根裏部屋で干していた。屋根裏部屋には西日がさすのでよく乾く。
 
 よく乾いた長方形の薄い寒餅のことを「オヘギ」と言っていた。そのオヘギを「練炭火鉢」の鉄球(てっきゅう)の上に置いて焼くと、すぐに焼ける。これがその時期の「おやつ」だった。
 
 オヘギは白い「モチ米」より、土色の「キビ餅」の方がおいしかった。しかしそのキビの生育姿や収穫期の姿は見たことがない。
 
 春夏系の雑穀としてニワトリの餌によさそうだが、鳥(スズメ)の被害で収量は半分ほどになってしまうらしい。



鳥取県のレンタルヤギ
 
 
 鳥取県は今年度、耕作放棄地の保全のために、ヤギを貸し出し、草を食べることで除草する「レンタルバンク」事業を始めた。レンタル料は2頭で1シーズン4千円。業者に草刈を頼むよりははるかに経済的だという。

 岡山県でもこの事業を始めないのか電話をしたら、「今のところ予定にない」と言われた。こんな事業がなぜ全国的に広がらないのだろうと考えたら「牛」がいた。岡山県では「ヤギ」より「牛」を奨励しているようだ。確かに、牛の休耕田放牧は新聞でしばしば目にする。

 現実には、牛よりヤギの方がかなりメリットがあると思う。
(1)ヤギは図体が小さいので扱い安い。

(2)牛は大きいので、慣れていないと、触るのは怖い。

(3)ヤギなら田んぼの「畦(あぜ)」が壊されないと思う。牛は巨体なので、田んぼの畦を壊してしまう。

(4)たとえば、朝、草刈地まで連れて行き、夕方、小屋に連れて帰る場合にも、ヤギなら「引っ張れる」が牛は「引っ張ろうにも引っ張れない」。

(5)牛は草刈地にくくりつけておくことは不可能だが、ヤギなら、草刈地に鉄柱などを打ち込んでくくりつけておくことが可能。

(6)ヤギなら女性でも扱えるが、牛はちょっと難しいと思う。
(7)ヤギなら小さな小屋でよいが、牛なら大きな小屋がいる。

(8)ヤギなら、朝、目的の草刈地までさっさと連れて行けるが、牛は時間がかかると思う。

(9)放牧すると「糞」や「尿」を肥料として利用できないように思えるが、放牧時間はせいぜい10時間、夜間は小屋で14時間だから、14時間もあれば肥料にする「糞」や「尿」は十分取れる。

(10)ヤギなら糞尿が雨とともに近くの川に流れ込んでも、川の生態系を汚染することはないと思うが、牛なら糞尿の量も多いので、川の生態系の汚染につながる可能性もある。

(11)ヤギの方が草の好き嫌いが少ないのでは?

(12)観光農園としても、牛よりヤギの方が触れるメリットが高い。

 ヤギ2頭で1シーズン4千円のレンタル料なら、もし岡山県で始めたら、今すぐにでも導入したい。物置の半分ほどは空いているので、夜はそこに連れ帰ればよい。朝、放牧地まで連れて行き、夕方、物置まで連れて帰るなら、時間は朝と夕の合計で20分ほどと思う。

 近くに休耕田(遊休地)はいくらでもある。歩いて5分もかからない範囲に1ヘクタール(100アール)ほどある。年に1~2回の草刈をするか、もしくは、年に3~4回の耕運をして、草管理をしているのが現状である。

 もし、ヤギで草管理がしてもらえるなら、喜ばれるだろう。
 
 自分の場合だと、野菜、ハーブ、ニワトリ、炭焼き(ドラム缶方式、今は炭焼きはしていない)に加えて、もしヤギがレンタルできるなら一つの「理想型」が完成する。

 ヤギが三々五々、草を食んでいる風景を提供できたなら、集落内でもインパクトが強いと思う。多分、近所の家庭菜園の70代のおばさんたちが、「ちょっとヤギを貸して」と言って、自家の休耕田につないだり、しばし、ヤギと触れ合ったりしながら、癒しの時間を味わえるかも知れない。もし、地域の3軒ほどで協力してレンタルするなら、世話は3日に1度ですむ。

 ヤギのレンタル事業を岡山県でも始めて欲しい。

 もしこの農閑期に時間がとれれば、「にほんの里100選」に選ばれた岡山県境の「阿波」と、鳥取県境の西谷新田(智頭町)を見学して、智頭町のレンタルヤギを見学して、当地の温泉に1泊するという、夢のようなドライブを考えている。

 しかし、牛を否定しているのではない。牛は子供の頃の懐かしい動物である。我が家では45年ほど前には、黒い牛1頭、ニワトリ20羽ほど、母豚3頭(1回の出産で子豚が10匹ほど生まれる)を飼っていたが、ヤギは一度も飼っていなかった。だからヤギのことは実際はよく知らない。


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緑の雇用ではなく、緑の自給を提示せよ

 今日の農業新聞で、俳優の愛川欽也さんが「解雇された多くの派遣社員を、過疎化に悩む農山村の貴重な戦力として、もっと本腰を入れて呼び込んだらどうだろうか」と話されていた

 最近、こういう意見は数多く見かけるが、現在の世の中は、一昔前の「自給自足」が根こそぎ崩されている。どんな限界集落にすんでいても、固定的なライフラインの支払いと、社会保険料の支払いは免れないし、支払い金額は、大都会の東京でも、山深い奥山の集落でも、同一金額である。
 
 1月6日山陽新聞・・・広島大は急激に悪化している雇用情勢の中、少しでも地域に貢献したいとコメント。図書館での本の整理や大学病院の清掃などに従事。自給900円で交通費も支給する。雇用期間は19日から3月末までで延長はしない。(20人募る)

 1月6日農業新聞・・・山口県は解雇された非正規社員らの雇用創出のために、竹の伐採事業を始めた。竹を伐採する期間は20~30日程度で、つなぎとしての緊急的な雇用確保のため。(45人以上の雇用を創出する)
 
 これらの記事を読んで、あまりにひどいと思った。でもこれが現実なのだろう。

 
 自分が何にむいているかわからない・・・
 自分が何をしたいのかわからない・・・
 したいと思う仕事はあるが入れない・・・
 介護の仕事はあるが、自分には向いていない・・・
 どこへ行っても続かない・・・
 非農家なので農業もできない・・・
 農業を見たこともないので農業は自信がない・・・
 どうしたらいいのだろう・・・
 どうしていいかわからない・・・

 ボクもわからない。一箇所に定着するタイプではなかったし、何をやっても続かなかったし、職場はことわざ以上に転職した。

 今でもまるで稼げていない。スズメの涙ほどの収入でも、マルミさんに定期収入があるので、我が家はまわっている。
 
 解雇された非正規社員の人もそうだと思うが、「稼げない」という回転が始まると、そういうサイクルで人生が回りはじめて、もう、稼げるサイクルに復帰できないのが現実だと思う。
 
 継続して一箇所に長く勤め続けるということができなかった自分のような人間にとって、非農家出身で、まだ30代だったら、この先長い人生をどうやって生きていこうか困ってしまうだろう。
 
 これからの時代に求められているのは、雇用創出や雇用確保ではなく、そんなに稼げなくとも、生きていける社会の構築である。
 
 つまり、自給自足的な生活をしても、人間としての最低限の文化的生活ができることが必要である。そのための施策を出して欲しいと思う。

 環境省が「緑の雇用」で提案したのは、
公共施設での太陽光発電の導入
省エネ家電、次世代自動車の購入支援
環境企業への無利子融資制度の創設
自動車の共同利用の促進
貸自転車システムの整備
 等であるが、これでは何も変わらない。 
 
 今最も必要なことは、「緑の雇用」ではなく「緑の自給」ができる方法を提示することである。それこそが二酸化炭素の排出の抑制に最も効果がある。大きな施策でなく個人レベルの施策に戻さないと効果は出ない。


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今日も昼から、稲ワラをもらいに行った。

  
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(今日の夕飯)
ダイコンの煮物・・・アゲ、シイタケ
ホウレンソウのおひたし
ブロッコリー


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ソーシャル・ビジネスのしくみ

マイクロ・クレジット(小額融資)・・・既存の銀行が融資しない貧困層を対象に無担保で小額を貸し付ける制度。貧しい人々が、融資を元手に自立のために起業し、貧困から脱出することを目的とする。バングラデシュのユヌス氏らが1976年に始め、世界100カ国以上で実施されている。(朝日新聞1月6日)

ここで提案

 山村に移住して自給自足的農業を希望するロスジェネ世代に、年間60万円を限度として無利子で貸付。返済はお金ではなく、作った農作物で現物支払い。たとえば、
 ジャガイモで10万支払い
 タマネギで10万支払い
 ナンキンで10万支払い
 サツマイモで10万支払い
 ダイコンで10万支払い
 キャベツで10万支払い
 あるいは他の作物でもよい。一般に野菜は作ることより売ることの方がはるかに難しい。だから、できた野菜を「すべて買い取ってあげる」というシステムである。
 
 これを毎年継続してもらえれば、移住者は、山村で自給自足的な生活をおくることができる。「補助金」はなくても、こんなシステムなら「緑の自立」が可能と思う。
 
 誰が買い取るかが問題であるが、例えばスーパーで「緑の移住支援ジャガイモ、生産者○○さん」とか「緑の移住支援ナンキン、生産者○○さん」と名付けて大々的に売り出すことはできないだろうか。買い取ってくれるスーパーは社会的貢献(緑の移住支援)企業という広告になる。

 
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ソーシャル・ビジネスのしくみ

 すべての人間には利己的な面と、無私で献身的な面がある。私たちは利己的な部分だけに基づいて、ビジネスの世界を作った。無私の部分も市場に持ち込めば、資本主義は完成する。私はそれを「ソーシャル・ビジネス(SB)」と呼ぶ(バングラデシュのユヌス氏)・・・画像参照

 投資家は特定の社会問題の取り組みに投資する。SBは損失も配当もない。社会に貢献する目的を持つ会社だ。貧困解消や健康、貧しい人の住宅問題、環境問題など様々な事柄に取り組める。

 投資した金は、可能な期間で会社に元本を返済してもらう。利益を生むかもしれないが配当を受けない。金銭的利益ではなく満足感を得る。

 会社の利益の使い道は、ビジネスの改善、拡大に使う。会社自らは利益を取らない。

 従来の慈善事業への寄付の代わりに、SBへ投資する。

 人間の二つの面(利己的な面と無私な面)がともに機能する資本主義を完成させる必要がある。

 利益の最大化を夢見る眼鏡を外し、SBの眼鏡をかけてみてはどうか。世界が全く違って見えるだろう。(以上朝日新聞1月6日)



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農業法人経営発展支援事業

 農水省は2009年度、農業法人と地域の生産者や食品業者などと連携した新しいビジネスを支援する「農業法人経営発展支援事業」を行う。プラン作りの費用や市場調査、新商品の開発費などに関する費用を最大1000万円助成し、農業生産の拡大による食料供給力の向上を目指す。(農業新聞1月7日)

 農業は個人でする小規模農業だから面白みや生きがいや癒しになるのであり、組織の中で一部分だけに携わる歯車的農業では、工業製品のベルトコンベアーと同じで「人間疎外」を感じるだけである。環境的にも、農業法人をいくら増やしてみたところで里山保全にはつながらない。小さな個人農業を育てていかない限り「限界集落」の問題も進展はない。
 農業を企業経済と同じようにとらえる20世紀型農業では、農業問題は悪化するだけである。21世紀の農業は、20世紀とは逆に、規模を縮小し、大型機械に投資せず、肥料や飼料はできるだけ自給する方向で、できるだけ自然に近い農法で、旬に忠実に作るという逆転の発想が必要である。


ため池百選
(選定へ明日初会合、地域活性化の核に)

 ため池の保全や活用の機運を高めようと農水省は今年から、ため池百選の選定を始める。
 ため池は全国に21万存在する。江戸時代以前に造られたものが多く、ため池にまつわる伝統行事といった文化的価値を有していたり、近年では市民の親水の場として活用されるなどしている。
 ため池は地域活性化の核となる可能性があるとみており、ため池百選の選定で国民の関心を高め、維持、保全活動に一般市民も参加してもらうきっかけにしたい考えだ。(1月7日、農業新聞)


平川村 定住推進協議会

 岡山県高梁市備中町の平川村定住推進協議会が、今年度から始めた地域外からの就農希望者受け入れ事業が軌道に乗り始めた。農作業体験や技術指導、地域との交流で就農を後押しし、地域農業を活性化する人材育成を進める。これまでに県内や関西方面から3家族を受け入れ、成果も上がっている。
 推進協は地区内の農家や行政、JA備北の関係者でつくる。長期の準備期間を設けた支援制度は県内でも珍しい。このほど、高梁市で「田舎暮らし体験・交流事業報告会」を開き、支援対象者がメリットなどを発表した。(農業新聞1月7日)



農事組合法人・・・集落営農設立の時にこの形態が多い?
農業法人・・・・・・・株式会社の農業参入法人?

農事組合法人には「補助金」が出る。

 
 資本主義国家の中に、自給自足主義国家や社会主義国家が共存できる経済システムは不可能だろうか。つまり一つの企業として「自給自足主義株式会社」とか「社会主義株式会社」のような企業ができて、他の企業と同じように利益を追求するという経済システムの構築は不可能だろうか。


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 覆っているのはロケット。今年はハクサイが送れないので、そのスペースにロケットを×2倍で送っている。ロケットは、レタスやキャベツと生食、炒め物、おひたしと、利用範囲が広いので、多くても食べれると思う。
 加えてホウレンソウも入るので、菜っ葉が3束。これで箱のスペースが埋まる。
 送れなくなってハクサイの偉大さを痛感している。
 今は、もらったハクサイを食べている。ハクサイは新聞紙で2重に包んで軒下等に置いておけば2ヶ月近く保存できる長期保存野菜でもあり、失敗すると身体にこたえる。


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 ブロッコリーは頂芽が終わり、わき芽の収穫に移った。

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 ニンニク、及びレタスの育苗。幼苗の時のレタスは寒さに強いが、あまり寒いようだと、べた掛け資材で覆う。 


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今日のニワトリ

  
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(今日の夕飯)
すき焼き・・・シラタキ、ハクサイ、ダイコン、ウインナー等


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にほんの里 100選

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 近所の人が声かけしてくれたので、昼から稲ワラをもらいに行った。稲ワラは「草押さえ」や「ウリ科野菜の敷き藁」などに使えて、何かと重宝する。
 稲ワラも、籾殻も、コゴメも、稲作農家がいてくれるから頂くことができる。
 特に「コゴメ」は5軒の稲作農家からもらった。こんなに頂くとニワトリを飼う励みになる。
   
 


にほんの里 100選 
 
 今日の朝日新聞に「にほんの里 100選マップ」が出ていた。
岡山県から選ばれたのは阿波(津山市)と、真鍋島(笠岡市)で、我が家からはどちらも遠い。
 
 「にほんの里100選」に選ばれているのは県境の村が比較的多い。鳥取県で選ばれている「西谷新田」は、岡山の「阿波」と距離にして10キロも離れていないように見える。

 ちょっと感激したのは、和歌山県で「口色川」が選ばれていたこと。リンクさせてもらっている「ふるさと色川」がその集落です。もし、那智勝浦の滝と温泉に行かれることがありましたら、ぜひ、そこから40分の「ふるさと色川」まで足を延ばしてみてください。勝浦の駅からバスが出ているはずです。宿泊施設も「ふるさと色川」のホームページに出ています。

 なお、100選の口色川の説明には、「険しい山腹の孤立集落」という表題で「町の中心から車で40分。山懐に約60世帯130人が暮らす。3分の1は町外からの新規定住者。お茶の産地でカモシカも生息する」と書いてあった。
 色川集落を初めて訪問してから、もうじき5年が来る。色川訪問記も書いています。

 ボクは「棚田100選」から、岡山県の棚田めぐりをする気になった。そのうちの3箇所が久米南町周辺にまとまってあり、農家民宿に泊まって棚田めぐりをするのを楽しみにしている。
 「にほんの里100選」も観光客をかなり呼べるだろう。



団塊世代のUターン意識

 
 1月5日の山陽新聞に、岡山県出身の「団塊世代のUターン希望が低下」というアンケート結果が出ていた。それによると、定年を機にしたい、いずれしたい、迷っているを加えても27%にとどまり、前回(3年前)の40%から大きく減少した。逆に、考えていないは前回の55%から69%に増えた。
 
 Uターンに必要な条件は、前回は36%と最も多かった「就職先の確保」が29%に減少。代わって「病院、福祉施設、交通の便などの生活環境」が18%から37%に上昇してトップとなった。

 定年後の過ごし方は、「引き続き働きたい」37%、「悠々自適に過ごしたい」30%、「ボランティアや地域活動をしたい」22%の順で、前回と同じ傾向。

 このアンケートでちょっと意外に思ったことは、7割ほどの人がUターンを考えていないという事実。
 「ふるさと」、「郷愁」、「田舎」、「育った場所」という感情より、「定年後も働きたい」、「現在の居場所での友人や仲間とのつながりの方が大切」、「都会はなんといっても便利」、「出身地の貧乏たらしい生活はこりごり」等、人によって「ふるさと」の感覚は違うのかも知れないと思った。
 
 ボクは、学校にも、企業組織にも、自分の居場所を作れなかったので、故郷は自分の居場所を保持できる唯一の場所になっている。地域活動をしているわけでもなく、地域に親しい人もいないが、誰に遠慮することもなく自分の存在を誇示できる場所である。
 故郷は好きな場所でも嫌いな場所でもない、そんな感情を超越した「エルサレム」のような場所。

 
水田政策 抜本的見直し

 石破農林水産相はコメの生産調整(減反)について、「タブーを設けず、あらゆる角度から議論する」と語り、廃止も選択肢に含め検討することを表明した。
 
 減反は米価維持のため1970年代初頭から始まった。農家の意欲をそぎ、後継者難の要因の一つと指摘されてきた。WTOの交渉で日本はコメの関税を最低でも2割強下げることを求められており、その場合、減反では米価の維持の効果は期待できない。「世界の流れは農家への所得補償」(石破農水相)と見られている。ただ、所得補償の財源確保という難題がある。(朝日新聞1月6日)

 減反政策でも、奨励金とか、減反の確認作業とか、おびただしい経費がかかってきたと思う。なぜあの当時、減反政策導入ではなく「飼料米への移行推進と、食用米との差額を補償」という政策ができなかったのだろうか。
 
 当時すでに家畜の飼料はどんどん輸入されていたわけだから、「飼料の自給」という観点を持つべきだった。しかし、輸入飼料の方が圧倒的に安かったために、そういう施策は取られなかった。今頃になって「補助金」を出して奨励するなら、なぜその当時からしてこなかったのかと言いたい。
 
 大規模農家の場合は最初から、餌は購入、肥料も購入という考えであるが、有機農家の場合は、できるだけ自給餌で賄える頭数(羽数)を飼い、肥料が自給できる範囲内で作付面積を決めるという考え方である。つまり循環の思想である。
 
 農業の未来永劫を考えた場合、有機農家の方が正しい。しかし、ビジネスの観点からは、高騰するまでは大規模農家のやり方の方がはるかに経済的だった。だから、高騰したから差額を補償するなど「あまりに過保護」過ぎる。それは農業形態の選択の誤りと考えられる。



シカによる農作物被害
 

 2007年度のシカによる農作物被害面積は3万5000ヘクタール、被害金額は46億8000万円(農水省調べ)。被害金額はイノシシに及ばないが、被害面積ではイノシシの2.5倍だ。
 シカはイノシシやサルと異なり、主な生息場所である森林にも大きな被害をもたらしている。(農業新聞1月6日)

 山村へ移住する時は、害獣の被害状況をよく確認することが大切である。20年ほど前と違って現在は、害獣を防ぐことに多くの労力を取られる。時間とカネ(電気柵等)が必要な「無報酬の労働」であるが、田舎へ移住するには、どうしてもこのハードルを越える必要がある。害獣防御が「苦手」と思える人は、山村への移住は難しい。


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 麦がシカかイノシシに食われている。どちらの仕業かわからないが、かなりやられている。

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(今日の夕飯)
ハクサイの水炊き・・・チクワ、アゲ、豚肉
焼き豚、ホウレンソウのおひたし
 
 

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再度、農林関係予算について

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 春はまだまだ先だが、タンポポが咲いていた。


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(今日の夕飯)
ダイコンの煮物・・・シイタケ、アゲ
ホウレンソウのおひたし
牡蠣フライ・・・市販の惣菜



農林関係予算について

 2009年度農林関係予算は12月22日、2兆5605億円で決着した。
 
 毎年これぐらいの予算が計上されてきたにもかかわらず、何故、日本の農業は風前のともし火なのだろう。

 予算の配分がおかしいのではなかろうか。

 農業振興の効果が果たして出ているだろうか。

 ビジョンのある投資になっているか。

 農林関係の予算を見ても、内容がよく理解できない。

 以下のように箇条書きにされているが、数値がピンとこない。

水田等有効活用促進交付金等・・・・・・・・423億円

水田・畑作経営所得安定対策のうち、
生産条件不利補正対策・・・・・・・・・・・・・1549億円
収入減少影響緩和対策・・・・・・・・・・・・・・757億円
産地確立交付金・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1466億円
地域担い手経営基盤強化総合対策事業・・81億円
農地確保・利用支援事業・・・・・・・・・・・・・・・・70億円
農地確保・利用推進対策支援事業・・・・・・・・・4億円

耕作放棄地等再生利用緊急対策・・・・・・・230億円

国産原材料供給力強化対策・・・・・・・・・・・・・・55億円

食農連携促進事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8億円

食品小売機能高度化促進事業・・・・・・・・・・・・・・3億円

地産池消モデルタウン事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・4億円

中山間地地域等直接支払い・・・・・・・・・・・・・・・234億円

農地・水・環境保全向上対策・・・・・・・・・・・・・・277億円

子供農山漁村交流プロジェクト対策事業・・・・・・・・6億円

条件不利地域における未整備森林の早期解消・・85億円

木材産業原料転換等構造改革緊急対策事業・・・・・5億円

 
 農林関係予算の非公共事業は前年度比2.3%増の1兆5653億円になり、2004年以来5年ぶりに増加した。

 大幅に削減した農林公共事業は前年度比10.1%減の9952億円と、1977年以来となる1兆円を割り込んだ。

 1兆円を割り込んだといっても、まだ1兆円近くある。

 農林公共事業とは、集落排水事業(下水事業)等をいうのだろうか。農林公共事業は、ほとんど農業振興に貢献していないのではなかろうか。

 田舎の広域農道は、農林公共事業なのか、それとも国土交通省の道路事業なのだろうか。

 広域農道と集落排水事業(下水)に莫大な金額をつぎ込んでいるから、今、国も地方も借金まみれ。

 上記の箇条書きの数値を全部合計しても5257億円にしかならない。

 残りの1兆円ほどの金額の説明がない。

 予算は全部使いきっているのだろうか。使いきれなかったものはどうなっているのだろうか。

 だいたい、農林関係予算をハコモノの農林公共事業と、非公共事業と合体した数値で表すこともおかしい。ハコモノ事業は農業振興にほとんど役立っていない。
(1)狭い田んぼをまとめて広くする圃場整備事業・・・並行して減反政策が始まった
(2)干拓事業・・・事業費と農業売上の費用対効果が悪すぎる
(3)広域農道事業・・・通行車両がごく少ない 

 2兆5605億円(1兆5653億円+9952億円)という数字が、常に頭に浮かんでくるように暗記しておこうと思う。

 過去30年間の農林関係予算の金額の推移を知りたいが、ネットで見つからない。

 いったい、農業者の何割がこの予算の恩恵を受けているだろうか。

 

地下水の争奪

 地下水は欧州連合(EU)の水使用料の70%を占めるほか、サウジアラビアやチュニジアなどのように、水資源のほぼすべてを地下水に依存する国もあり、世界人口の約4分の1が唯一の飲料水源として頼っている。

 複数の国にまたがって存在する地下水をめぐる紛争を未然に防ぎ、その保全と持続的な利用を目指そうと、国連の委員会がまとめた初の「国際地下水条約」の原案が明らかになった。(山陽新聞1月4日)
 


泳ぐイノシシ、島から島へ


 中四国や九州地方で、海を泳ぐイノシシの目撃例が後を絶たない。愛媛県宇和島市の漁師は「この辺りでは常識」と話す。「10年ぐらい前からよく見る。島から島へ渡るという話もある」。
 海を渡る理由を「飽和状態になったり、駆除で追われたりして新しいすみかや雌を求めて海に入る」。(山陽新聞1月4日)

 
 

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生活の運転資金、農業の運転資金

 生活の運転資金は、できるだけ小さい方がいい。 
 
 
 農業の運転資金も、できるだけ小さい方がいいと思う。年間、60万円以内の運転資金に留めたい。つまり、
種苗費・・・・・・・・4万円
肥料費・・・・・・・・5千円
飼料費・・・・・・・・5千円
農具消耗品費・・5万円
ガソリン代・・・・・ 7万円
作業着代・・・・・・ 2万円
車検代・保険代・・7万円
消耗品・雑費・・・・5万円
電話代・・・・・・・・・5万円
パソコン関連費・・6万円
見学・研修費・・・・2万円
書籍代・・・・・・・・・・3万円
(減価償却費・・・・ 10万円)

 生活(ライフラインと食費)の運転資金も60万円以内に、農業の運転資金も60万円以内に、そして売上-経費(運転資金)=60万円は農業で稼いで。これで、補助金が(60万円×5年間)あればいいのだが。
 
 2兆円の定額給付金のばらまきをやめれば、66万6千人のロストジェネレーションに(60万円×5年間=300万円)の支援が可能である。
 つまり、60~70万人の緑の雇用が実現する。

 スタート時1~2年以内の初期投資も150万円以内(農業用軽四を含む)に留めた方がよい。これ以上の投資はすべきでない。
 
 人生のランニングコストはできるだけ小さくしておいた方が、仕事でも選択の自由が確保できます(作家、高樹のぶ子)。
 

 民主党は新エネルギーへの転換で、250万人の緑の雇用を見込む構想を打ち出しているが、もっと具体的にすべきである。緑の雇用が緑の「土木事業」になったらこの国は沈没する。今度こそ、ハード事業ではないソフト事業が求められる。
 提案したいソフトな緑の雇用とは、
(1)集落周辺の草刈
(2)イノシシやシカやサルの防御柵
(3)棚田の田植えや稲刈りの応援
(4)集落周辺の竹や雑木の整理
(5)集落内で買い物や介護の応援
(6)ニワトリ20~30羽運動
(7)ヤギのレンタル事業
(8)簡易な方法による炭焼きの復活
(9)休耕田の耕運、荒地の復旧作業
(10)水路掃除や道普請、土手の草刈
(11)限界集落に1~2人の「若者集落協力隊員」を 

 集落の高齢者が、集落内の空き家の世話をし、百姓仕事を教える傍ら、重労働だったり、応援してもらいたい上記のような仕事を手伝ってもらう。つまり
1日2~3時間、週に2~3日の労働で、月に5万円、年間60万円の給与を5年間。その間に「田舎暮らし術」を体得してもらう。
 
 集落営農に補助金を出すより
 ロストジェネレーションに緑の移住支援を!
 
 
 

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 夕方、水に濡れた新聞紙を枯れ枝といっしょに焼いた。収穫容器の底にはいつも新品の新聞紙を敷き、収穫後はジョロで打ち水をする。野菜を仕分して包むのも新聞紙である。だから、かなりの濡れた新聞紙が出荷のつどゴミとして発生する。それがある程度たまってから月に1回ほど焼いている。あまり気乗りしない作業だが仕方がない。新聞紙を焼いた灰は田んぼに入れず、家の近くの使っていない田んぼに入れる。


 今日から仕事をした。冬の農作業は生産労働は少ないが、それでも半日ほどは身体を動かした方が心身のためによい。
 仕事はやればいくらでもある。
(1)草刈、水路掃除
(2)果樹の選定や寒肥(トリ小屋の鶏糞)
(3)黒マルチの片付け(サツマイモ畑等)
(4)シイタケの原木を20本ほど新たに作る
(5)籾殻運び(クン炭作り)、稲ワラ運び


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 農業科がある近くの瀬戸南高の授業では、飼っている鶏を生徒らが絞めて、肉や内臓を食べる。(朝日新聞1月4日)
 今の農業高校でも、鶏を解体する作業はしているようだ。鶏を絞めて、それをさばいて(肉にして)、食べるという一連の作業は貴重な経験だと思う。 
 なお、鶏肉は、産卵から10週間(70日)ほどで肉にされてしまうらしい。つまり、産まれてからたった2ヶ月と10日間の命である。我が家の曾婆さん鶏は5月26日で丸4年がくる。

 ブログを公開する1時間ほど前からは、新しいことは入力せず、読み安いように行間をあけたり、誤字脱字をチェックしたり、配置を入れ替えたり、2~3回読み直したりしているが、農業もすでにそういう段階に来ている。今までやってきたことを整理したり反復したりしている。

 毎日、画像でアップしているような農業展開しか、自分にはできなかった。他人に比べて見劣りしていてもそれは仕方がない。それが自分の19年間の結果だから。
 
 
 
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(今日の夕飯)
ダイコンの煮物
赤魚
ハクサイの煮物・・・ハンバーグ少々



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家庭菜園の引き継ぎ

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 止まり木にいるのは、いつものニワトリ。



田んぼの宝物 カエル

 カエルの減少は田んぼだけではなく、地球規模で起こっています。水と陸の両方を必要とするカエルに必要な豊かな水辺環境が失われてきています。また、カエルは皮膚呼吸をするために、酸性雨や水の汚れ、オゾン層の破壊による紫外線などの影響を真っ先に受けてしまうのです(農業新聞)。

 現実にカエルが少なくなったら、「無農薬」はかなり難しくなる。

 
 サツマイモは中米メキシコ付近の乾燥地が原産地であり、1600年代に日本に渡来した。徳川吉宗の時代に青木昆陽の進言によって広く全国に伝播し、天明の飢饉では多くの人々を救済した。
 第2次世界大戦中に、多くの人の飢えを救ったのもサツマイモだった。サツマイモの特筆すべき特徴は、「茎を挿し木すれば芋が入る」ということである。ボクは農業を始める前「サツマイモは挿し木」ということをすっかり忘れていた。それくらい農業とは縁遠くなっていた。



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 当地の「ため池」はいつ頃作られたのか知らないが、画像の正面の半円形の山(城山)が、池の堤防を支えるような形に、堤防の真ん中ある。
 45年前まで、この山の南斜面の20アールほどの畑で「葉タバコ」が作られていたとは想像もできないくらい、今は元の山に戻りつつある。
 

 
   かつて、ほとんどの農家は「かやぶき屋根」だった。すっかり忘れていたが、我が家にも45年ほど前まで「かやぶき屋根」が一つだけ残っていた。当時の我が家には納屋が二つあり、一つが「かやぶき屋根だった」。
 昔はどこの集落にも、「かやぶき職人」のような人が何人かいたのだろう。
 炭焼きも昭和20年代の末頃までに、ほとんど廃れてしまったので、今は「炭焼き職人」もいない。

 そんな技術職人が今の世の中では必要とされないので、それを引き継ぐ人もいなくなった。

 在来種や固定種の種取りも、誰もしなくなった。

 家庭菜園は技術と呼べるようなものでないが、野菜は温度や気候の関係で1年に1回しか作れないものが多いので、3回の経験をするのに、3年もかかってしまう。
 だからもし、教えてくれる人が身近におれば、その人の経験年数だけを受け継ぐことができる。こんなに得することはない。
 だから、たとえ家庭菜園でも、引き継ぎがなければ、この国にとっては大きな損失になる。


(ドイツの有機畜産農家)
 
 50ヘクタールの農地で有機小麦を作り、乳牛40頭をはじめ、豚12頭、羊20頭、鶏150羽を飼育。糞尿は土に還元する。肉はハムやソーセージ、生乳はチーズに加工して敷地のレストランで提供し、地域の人たちが食べに来る。「自産地消」で経営がまわる。だから飼料高の影響など全く関係ない。(農業新聞)
 日本においては、2ヘクタール(1ヘクタールは借地、今なら借地料はほとんど無料)の土地で、黒牛(肥育牛)1頭もしくはヤギ2頭、鶏30~40羽、麦類20アール、野菜30~40アール、多種の果樹10アール、物置と畜舎2アール、牧草地130アール)で、「有畜小農複合自給」的な有機農業が、地域内(自分の農場内)で循環する。
 これくらいの規模なら夫婦2人で楽ににまわせるし、顧客さえ安定すれば手取り年収200~250万ほどにはなると思う。

 自給できる肥料の範囲内で作物を作り、
 自給できる飼料の範囲内で動物を飼う、

 この二つは特に重要と思う。

 


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農業における大きな個人差

 長さ100メートル、電車の車庫と見まがう鶏舎5棟に40万羽。エサやりも空調もコンピュータ制御で、わずか2人で管理する。

 飼料代は石油代替のバイオ燃料ブームもあり高騰。2年前、卵の生産費用の45%だったのが今は65%を占める。
 店頭に190円前後で並ぶ10個パックでは、1パックの利益が1円未満になっているという。

 「もう効率化の余地はない。だが、生きものをかかえる以上、システムを止めることもできない」。(以上、朝日新聞7月2日)

 飼料も7月頃に比較すれば、かなり安くなっているが、2006年の頃に比べればまだ高い状態が続いているようだ。

 酪農家や養鶏農家は無事に2008年を通過できたのだろうか。確かに、口のある生き物は、すぐにすぐ処分はできない。上述のように1パックの利益が1円未満で納まっていればまだしも、マイナスになると、赤字だけが増え続ける。野菜は出荷せずに「田んぼにすき込み」ができるが、生き物は、エサだけは与え続ける必要がある。

 海外の輸入飼料に依存せざるをえない状況というのは、リスクの大きな産業だと思う。

 
 肥料もそうである。

 日本の肥料メーカーは、原料となる窒素、リン酸、カリウムの大部分を輸入に依存しているため、国際価格の影響を受けやすい。
 
 稲作農家の場合、10アールあたり8千円前後の肥料代がかかっているとみられ(農業新聞)、値上げになると大幅に費用がかさむことになる。

 現在、飼料も肥料も燃料もかなり値下がりしているが、2008年夏の高騰が教訓になるかどうかはそれぞれの農業者の立場によって異なるだろう。


「辞職。のち無職、ときどき笑顔な独身日記」

『この一年は、離職という大きな転換ののち、長い停滞期となってしまいました。

職場の怠惰さや、転勤などのことを鑑みて、悩みに悩んで、30代後半という年齢を最後の転機と考え、一大決心の辞職。

いかに思慮の浅い行動であったか、のちに必死に正当化しようとする自分が、あまりにも惨めであり、後悔の念は、今も拭い去ることができずにいます。

時間は止まったまま、寝ても起きても、無職という現実。気分転換という言葉すら、すべて逃避行動と捉えてしまう、そんな卑屈な自分を責めてみたところで、何かが変わるわけでもないし、何かをしてくれる人など、いるわけがないのです。

それでも、この軌跡を目に見えるものにしておきたいと、悲観的な言葉で綴るブログを更新してきました。』

 
 書くことによって、少しでも気がまぎれればいいですね。ボクも書くことによって、落ち込んだ気分を整えたり、書くことが逃避になったりして、今は少し精神安定剤の役割もしてくれます。

 しかし、働きたいのに働く場所がないという状況は、精神衛生上よくないので、本当になにか仕事があればと思います。

 今こそ、農業が多くの失業者の受け皿にならなければならないと思う。
 既存の農業者の現状を維持するためだけの補助金とか、リタイアの単なる先送りにしかならない補助金とか、輸入価格が高騰したからその差額の補助金とか、こういう「未来の展望のない補助金」でなく、ロストジェネレーションの世代に対する、250万人の緑の移住支援(緑の雇用)という、ニューディール政策が今こそ必要だと思う。

 この先10年の間にこの政策が取られなければ、農業は壊滅する。

 
 農業も「どこまでやってのけれるか」は、相当大きな個人差があると思う。自分はいまだに、
(1)特定の野菜を4アール以上の面積で作ることは苦手で、面積の広い野菜でもせいぜい3アールほどまでしか作っていない。
(2)比較対照区を設けたり、きちんとデータを記録したり、2箇所に分散して結果を確認したりという
 、理工系の考え方の実践が今までほとんどできなかった。
(3)人の田んぼを見て、何でこれが苦もなくできるのだろうと、能力の差を強く意識させられることが多い。あまり大きいと次からは行かない。
(4)現に自分は、稲作とか果樹とか、鶏でも40羽以上とか、野菜でもハウス栽培とかは、今でもとてもできそうな気がしない。
(5)サツマイモ以外にもイノシシの被害が出たら、出荷農業は続けれるかどうか自信がない。

 農業はスタートして1~2年の間に「大きな投資」を伴うが、できるだけこの投資を抑え、投資するにしても農業用軽四、管理機、中古の乗用トラクタくらいにして、投資合計が150万円を決して超えないようにすることが大切だと思う。借りたら返せない。
 
 岡山ニューファーマーズの制度は2年間で360万円の支援制度であるが、もしこれとセットのような形で、仮に200~300万円の設備投資費用がかかるとすれば、それは360万円との「相殺費用」にはならず、あくまで単独の負債になってしまうだろう。

 農業は売上のカネが入ってみないことには、当人にいくら稼げる能力があるかどうかわからない。
 

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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