今日は小雨が降ったり止んだりの一日だった。ニワトリのエサやりにだけ行った。
(今日の夕飯)
大豆の煮豆・・・昨日の残り
ホウレンソウのおひたし
フォーリーブスの青山孝史さんが肝臓ガンで亡くなった。57才。自分もいつそんな運命が待ち構えているかわからない。
近未来にそんな運命が待ち構えていたら、まだ心の準備ができていない。しかし20年後だったら75才だから仕方がない。人生は後20年。
何にもたいしたことができず、
人生を通して、年収300万円を超えたことがなく、
農業でも、収入は低空飛行だった。
特定の専門作物を持つといっても、それには、
(1)100万円ほどの初期投資がかかる。
(2)できるという、ある程度のめどが立たなければできない。
(3)売り先も考える必要がある。
途中から農業形態を変えていくのも難しい。
変更できるまで、2年間ほどは並行してする必要がある。
それ以上期間がかかるなら、経済的に続かない。
うまくいかなかったからと言って、元の農業形態に戻るわけにはいかない。元の農業形態に展望がないから変更を試みたわけだから。
農業形態の変更で、それまで書き続けてきたミニコミ(あめんぼ通信)が不必要になる現実は避けたかった。
結果こそ現実である。
今はそのワンパックも減って(顧客獲得のための営業活動をここ数年していないから)、半農半ブログの状態に近い。
それでもワンパックは止めるわけにはいかないし、これ以上減ったら、増やすための営業も考える。
ワンパックで多少とも稼ぎ続けながら、65才からの年金に引き継ぎたい。
年金も80万ほどしかもらえない(一応、厚生年金の期間もあるので、国民年金だけより少し多い)が、定額なので、今より安定する。
自分の場合は、農業経費をこれ以上少なくするのは難しい。それでも少なくするには、田んぼ見学費とガソリン代を削るくらいしかない。
農業収入は少なくても、あまりストレスをためないでおれるのは、
(1)自然の中でする仕事だから
(2)土に触れる仕事だから
(3)農業の仕事の中に楽しみがあるから
(4)人に使われない仕事だから
収入は少なくても、現在失業中の人に比べたら、はるかに恵まれている。
失業中の人が自給自足的な生活ができたら、こんなに素晴らしいことはないのに、今の社会ではそれができない。
理由は、
(1)田舎の方が都会よりかなり物価が高い。
(2)田舎の土地はすでに資産ではなく負債(田んぼはまず売れないし、農業をしなくても、草枯らし等の田んぼの管理はする必要があるし、できなければ、人に依頼してでもする必要がある。ただし、隣も草ぼうぼうなら問題はない)
(3)害獣のために、20~30年前に比べて、作ることが相当手間取るようになった。
(4)種をまいて作ることに比べたら、手っ取り早くスーパーで購入した方がはるかに安くつく(自給野菜だけの場合)。
(5)野菜を売ろうと思えば、売り先を探す必要がある。自分で売り先を見つけることができなければ、農協や市場に出荷せざるを得ない。その場合は外観や寸法や重量という商品としての規格も要求される。だから意に反して農薬の散布も必要になるし、品揃えが必要なので、1種類をある程度多量に作る必要がある。
こう見てくると独立自営農民になることは、農家出身、非農家出身にかかわらず、高度な資格試験なみに難しい。
それでも農業に転身を試みるしか、失業中の人には活路がないと思う。
このたび自分はヤギを導入することになった。ヤギは売上に関係するわけではないが、楽しみの一つにしたいと思う。
(1)草刈効果
(2)癒し効果
(3)液肥があるので、あまり必要ないがヤギ糞の肥料効果
(4)将来的にはヤギ乳が飲める楽しみ
(5)景観効果
(6)地域の人に対するインパクト効果
(7)しようと思えば観光になる効果
(8)お産に立ち会える効果
ヤギ導入とともに、去年、一昨年以上に、田んぼで過ごす時間が長くなると思う。
ワンパック宅配は、農業の理想型だと思う。
(1)1人でできる。
(2)どんな限界集落でもできる。
(3)直接販売だから先方の信用が得られる。
(4)外観やサイズは問題にならないから、安全性が追求できる。
(5)値段は自分でつけれる。
(6)野菜だけでなく、果樹、炭、ハーブ、花、加工品など、何でも入れることができる。
(7)農閑期が2~3ヶ月とれる。
(8)気に入ってもらえれば、口コミで広がる。
(9)翌月の発送日や、翌月お届けできる野菜を紙に書いて入れる必要があるが、田んぼの様子などを書いているうちに、長年の間に書くことがおもしろくなる。
(10)送るパック数が多くなれば、交渉次第で宅急便の送料が安くなる。
(11)ただ、1人だと1回に送れるパック数は7パックほど。月、水、金と送っても、週に20パックほど。月間では20パック×4週=80パック。3月と4月は野菜の端境期で送れないから年間に10ヶ月。つまり、80パック×10ヶ月=800パックが年間の送付数の上限。
野菜の中身2400円+送料800円=3200円がワンパックの基本価格。
800パック×2400円=192万円。年間経費の平均が72万円とすると、192万円-72万円=120万円の手取りになる。しかし、これはあくまで最大限の収入になった場合の計算。これより下がることはあっても上がることはない。
現実にはよく稼げても、年間手取り70~100万の世界である。
つまり、
(1)送るパック数が多くないと、送料は安くならない。
(2)年間経費平均が72万ほどで納まるようになったのはここ数年のこと。
(3)顧客の出入が多く、発送個数は安定しないと思う。最大送れても、1人だと1回に7~8パック。顧客獲得の営業を常時続けていないと、顧客数は減る。
それでも、失業者よりかなり恵まれている。
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明日はヤギの生産者に、ヤギの育て方を教えてもらいに行く。2冊読んだから、だいぶシミュレーションできるようになったが、まだ疑問点が少しある。
ヤギの飼養法は、
舎飼い法・・・(1)全くの舎飼い
(2)半舎飼い(遊び場を作る)
放牧法・・・・ (3)牧場や山野で自由放牧
(4)縄や鎖でつないで放牧(つなぎ)
の4方法があるが、(4)で飼育する予定。夜だけ(1)にする。つなぐ場所も1日に2~3回移動させる。
飼養所要時間は1日30分以内を予定。
エサは濃厚飼料はやらず、山野草だけにしたい。
野犬が問題らしい。犬を放し飼いしている近所の人に、ヤギに近づけないよう頼んでおく必要がある。
イノシシやシカは攻撃してこないらしい。
ヤギ飼養の大事な点は愛するにある。愛なくしてヤギは育成できない。何回もこのことが本に書いてあった。
糞はウサギの糞のように球状で、暗黒色または濃褐色で、一粒ずつばらばらである。
『ヤギはスマートで、ひょうきんで愛嬌者、しかもツンとすまして仙人然としたヤギ。山に隠れて静かな生活を送っている聖者を思わせるような清澄な目を持っているヤギ。そうかと思うと、ちょっと人を小馬鹿にしたような振舞をするなかなか小馬鹿にできぬ貴公子然たるヤギ』・・・著者のこの表現がとても気に入った。
乳用ヤギが初めて我が国にもたらされたのは、嘉永年間にアメリカのペリー提督が連れてきて、小笠原島に放し飼いしたことに始まったと言われている。その後、明治維新の後、我が国に移住する外国人が家庭用に連れてきて、飼養するようになって、ようやく国内で「乳用ヤギ」を知るようになった。
ヤギは山野を駆け回って、木の芽、葉、皮、草類を好んで食べ、柔らかい草よりもむしろ繊維の硬いものを好み、潅木の芽や葉は最も嗜好に適したものである。
メス・オスともに体臭があり、メスの体臭はほとんど気づかない程度のものであるが、オスの体臭は強く、とくに繁殖期には強烈な異臭を放つ。寿命はメス・オスとも15才あるいはそれ以上を保つ。
牛、鹿、羊、ヤギのような草食反芻動物は、肉食猛獣の目をかすめて大急ぎで多量の食物を取り入れ、安全な場所に逃れて、それを再び口に戻して静かにかむ必要から、反芻が発達した。
ザーネン種は明治39年に初めて輸入され、現在、国内のほとんどがこのザーネン種またはその雑種である。
ヤギが好む木類
カキ、クリ、クワ、ナラ、クヌギ、カシ、マツ、スギ、ポプラ、サクラ、ミカン、ツバキ、フジ等
ヤギが好む草類
クズ、ススキ、ヨモギ、クマザサ、タンポポ、イタドリ、アカザ等
元来、快活で人に慣れやすいが、一面には粗野な性質のところがあるので、日常の取り扱いが乱暴であると粗暴になり、人に親しまなくなって、かえって人を嫌うようになる。「ヤギを飼ううえで大事な点は愛するにある」と言っていることは、こうした点からである。・・・毎日、戸外に連れ出し、餌場を頻繁に変えることが、最大の愛だと自分は思う。
毛の抜けかえの季節には脱毛する。
ヤギは頭部、頚部、背部、臀部、胸部、後肢の順に、ワラなどでこする。この場合、ヤギの外観を美しくするのが目的ではなく、人の入浴のような効果を期待するものであるから、最初は被毛に逆らってこすると効果的である。
剪定バサミを使って削蹄をする。前もって蹄をよく掃除して、蹄の縁が地面によく踏着するように伸びた部分を切り取る。
オスはいつでも種付けが可能ではあるが、9月下旬~12月までが最も精力旺盛で、受胎率がよい。
種付けしてから、150日前後には分娩するから、ヤギ舎の見やすい場所に種付月日と、その翌日から起算して150日目の月日を、分娩予定日として記しておくと、いろいろ便利である。
初産の場合は一子のことが多く、二産以後の産次から、二子を分娩するのが普通である。
泌乳期間は長いものは1ヵ年、短いもので5~6ヶ月である。
乳用ヤギは、その体重の12倍、すなわち一乳期(8ヶ月)の間に、880~1000キロくらい分泌する。
ヤギの有毒植物は、アセビ、オニツツジ、ミツマタ等。・・・多分、ヤギは選別して食べると思う。
今日の麦
昨日運んだ籾殻
きれいになった池の土手
(今日の夕飯)
ハクサイの煮物・・・卵
ホウレンソウのおひたし
アジのフライ・・・市販の惣菜
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今日は、池の上の「葉タバコ跡地」の草刈をした。
不景気で働くところがなく、それなら農業でもと考える人もいるかも知れないが、農業を始めるには、元々の農家であっても、スタート時にある程度の投資が必要になるし、野菜が大きくなるまで3ヶ月ほど待たなければならない。
野菜は収穫期には収穫する必要がある。待ってはくれない。収穫せずに放置しておくと、次が大きくならないし、作物体に負担がかかってしまう。
作る事はできても、それを売ろうとすると、さて、どこへどう売ったらよいのだろうと考える。
(1)農協や市場・・・重量、サイズ、外観等の規格がある。
(2)朝市や道の駅・・・既存の農業者がいて、すでに飽和状態の可能性がある。
(3)直接販売(軽四での引き売り)
すぐに売ろうと思えば、現実には(3)しかないと思う。
収穫したものを売ろうと思えば、ある程度の品揃えもいるし、売れなかっても、保存はできないので廃棄になる可能性もある。
野菜を作るには、野菜作りに適した田んぼがいる。
作ったことがなければ最初は誰かに教えてもらう必要がある。
農具の他に、種代や苗代もばかにならない。
収穫期に害獣に食べられたら、泣き寝入り。
収穫できたらすぐ売らなければ商品価値がなくなる。
売り先を探すのも難しい。
このように、農業を始めることは難しいので、スタート時だけでも、何らかの行政支援を頼みたいが、この国は「担い手農家」だけに支援を集中させようとしている。その他の兼業農家や自給自足農家などは支援されない。もちろんこれは、政権が変わっても変わらないだろう。
植物工場、集落営農、担い手農家等を支援すれば、確かに自給率は現在の水準を維持できるかも知れないが、里山保全や環境保全にはほとんど役立たない。
集落営農も補助金がなければ、機能しないように思う。
(1)稲作主体の集落営農なら、10ヘクタール規模でも、年間300万円ほどの所得にしかならないらしい。
(2)稲作、麦、大豆という輪作体系でも、麦や大豆の国際価格には太刀打ちできない。
(3)野菜では、集落営農より特定の個人が全権を委任されてする方が生産性が上がるように思う。
里山保全や環境保全や景観保全には、兼業農家や自給自足農家を、もっともっと増やす必要がある。
2009年度に創設される国の「地域雇用創出推進費」について、岡山県内市町村には49億5千4百万円配分される見通しであることが総務省の試算で分かったらしいが、雇用されなくても、自給自足できれば、多くの人は後者を望むだろう。
雇用支援ではなく、自給自足支援を、今しなければならないのに、この国は何をしているのだろう。今しなければ、
(1)企業の2007年問題(団塊世代の退職による技術やノウハウの継承問題)と同じ問題(現在67才~72才の農業を知っている最後の世代が、この5年ほどの間に一線を退いてしまう)が農業を襲う。
だから今こそ「青年集落協力隊」を、日本全国の限界集落に各2人ほど送り込んで、
村の農業
村の産業
村の歴史
村の風土
村の生活術
村の水
などを村の住人に教えてもらい、かわりに、村のお年寄りの手足となって、
買い物代行
病院等への送り迎え
農業補助
道や畦草刈り代行
休耕田の耕運
竹林や雑木林の手入れ
水路の補修補助
のような活動をする。
集落営農に莫大な補助金を投じるなら、青年集落協力隊の2人に、1人年間60万円の給料を出す条件で、大規模に募集(年令制限を設けずに)をする。これこそ「緑の雇用」であり、ロスジェネ世代を中心にした250万人の「緑の雇用」が実現する。金額的にも「雇用創出費」より「緑の雇用」の方がはるかに安くつく。
この事業が緊急に導入されなければ、この国の農業はまもなく壊滅する。そしてイノシシやシカやサルが我が物顔で横行する害獣の里山と化すだろう。
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1万以上の羽数で飼う「ケージ飼い」は、家畜に対する虐待であり、ニワトリのアウシュビッツ。土の上に返してあげてください。
ニワトリが土の上に復帰できた時、人間も土の上に復帰できる。資本主義はニワトリと人間を、徹底して土から離していった経済システムである。
青ホウレンソウも赤ホウレンソウも、少しシカにやられている。べた掛け資材をかぶせていたのに、それをのけて食っている。
「路上生活術」をまとめ冊子に・・・大阪市で無料配布
炊き出しはどこで? 病気になったらどうすれば? ホームレスの人たちが路上生活を生き抜く「生活術」をまとめた無料冊子『路上脱出ガイド(大阪編)』が完成した。
発行元のビッグイシュー基金は「ガイドの情報を基に行動を起こし、路上生活を脱出してもらいたい」と大阪市で配布を始めた。
ガイドは炊き出しの場所や宿泊施設の紹介、自立支援センターの案内などが記載されている。ホームレスの人たちから寄せられた情報を盛り込み、約3ヶ月で完成させた。(1月23日農業新聞)
「路上生活ガイド」のような、「限界集落自給自足生活術」のような本があればいいのにと思う。
不況で農林水産業の求人が全国で1800人を超えているようだが、雇用ではいずれ近いうちに切られてしまう。雇用ではなく自給をどうしても目指す必要がある。
農業をビジネスにするには、特別の才能や、元手がいるし、意に反して農薬や化学肥料を使わざるをえない(規格や外観のため)こともある。
それに対して、自給自足が主体なら、能力などほとんどいらない。ただその場合、人生のランニングコストが年間100万以内であることが絶対に必要である。理由は、
(1)年間のライフライン代は5万円×12ヶ月=60万円ほど。
(2)国民年金をもらえても年間に60~70万円ほど。
(3)ワンパック宅配(直接なので規格や外観は問われないが、都会の顧客をさがす営業力が必要)でも、手取り(売上-経費)はせいぜい70~90万にしかならない。
だから、年間100万以内で生活ができる「術」のない人は、田舎で自給自足というのは難しい。
逆に言えば、年間100万を何とかして稼げばいいのだから、考えようによっては楽である。
100万円の稼ぎ方は農業でなくても、何でもいいと思う。
しかし、限界集落に住んで年間100万円を稼ぎ出すのは、農業でも、農業以外でも大変である。
自分が自給自足の生活ができていないので、あまり説得力がないかもしれない。自分の場合、
(1)酒、タバコ代はゼロ。小遣いは散髪代くらい。
(2)遠くへ出かけない。地元の吉井川水系で活動。
(3)パソコン関連だけは削れない。
(4)田んぼに楽しみを見だせるようになった。
(5)今年はヤギが楽しみ。
(6)棚田めぐりや限界集落めぐりが自分の観光。
(7)農業のランニングコスト(農業経費)を、年間60~70万以内に抑える。
しかし、初期投資にはかなりかかる(農業用軽四85万、物置・トリ小屋41万、管理機9万、エンジンポンプとホース7万、中古トラクタ?、井戸27万)
つまり、
人生のランニングコスト(年間の生活費)=年間のライフライン料金=国民年金収入(65才以降)=ワンパック宅配手取り収入(65才まで)=農業のランニングコスト(農業経費)がすべて60万~100万の金額の中で回転していかないと、農業で自給自足は難しい。
この金額が小さければ小さいほど、人生の自由度が大きい。
就農
不況で相談者急増・・・くれぐれも騙されないように。かなり売上のある大農家でさえ、ほとんど後継者がいない(後をつがない)のが今の農業の現実である。
岡山県が研修費15万円などを支給する新規就農研修事業では、500万~1千万円の自己資金や本人以外の労働力を求められるケースが多い。
本人以外の労働力とは配偶者がいて、配偶者もともに農業をするという意味。
ボクは農業は1人でするものだと思っている。家族をまきこむと共倒れの危険性がある。
1ヶ月15万円×2年間=360万の支援があっても、その2倍ほどの自己資金の用意も必要とされる。
こういう農業は、県や農協が「セット」した産地維持のための農業に、うまく乗っかれる人(やってのけれる人)でないと難しい。かなりの冒険。
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サツマイモの黒マルチを片付けた。敷くほど時間はかからないが、片付けるのも結構時間がかかる。
2月中に、壊れたタゴや缶、燃やせないポリ類といっしょに産業廃棄物処理業者に持参する。毎年2~3千円の費用がかかっている。
黒マルチは、
(1)購入費用
(2)廃棄処分料
(3)敷く手間
(4)はがす手間
(5)景観
(6)収量
(7)収穫時の手間
等をトータルで考えて、黒マルチを利用するか、利用しないかを判断している。
環境や景観的には使わない方がよいが、自分は、
(1)使う方が楽か、使わない方が楽か
(2)経済的にはどちらにメリットがあるか
を考え、現段階では、環境より経済を優先している。今以上にカネにならなかったり、時間がかかったりしたら困る。

2月8日に予定している炭焼きイベントに備えて、今から、枯れ草刈りや片付けを始めている。それまでにヤギももらいに行くので、銀ちゃんラムちゃんをつなぐ予定の場所も枯れ草刈りをしている。
ヤギを飼う場合、田んぼのすぐ傍らが山であることは、とても有利。山には常緑の木の葉も多い。
池の土手に上がってすぐの左側は、ちょっと広場になっていて、10畳ほどの広さがある。ここもヤギをつなぐ候補地。つなぐ場所は日替わりメニューで、毎朝、物置小屋から出してどこかにつなぐ。畦草は枯れているが、田んぼの中は肥えているので、冬雑草も少しは伸びていて、これもヤギの食糧になる。
炭焼き場は上の画像のように、トリ小屋の上の田んぼである。ここ6年ほど、一度も焼いていない。すでに、2つのドラム缶窯の地際から太い笹が生えている。
今からちょうど10年前、美星町であった「簡単、木炭、もう焼けたん」というドラム缶方式の炭焼きイベントに1泊2日で出かけてから、炭焼きにはまったが、炭焼きの起承転結の中に、自分の不得意なことがあり、やがて、熱は冷め、全く焼かなくなった。
(1)二つのドラム缶方式のどちらも、自分で窯を設置することができず、友人に作ってもらった。
(2)炭材の炭化が始まる時、窯を完全密閉するが、それがどうもうまくできなかった。
(3)原材料を用意する時、鋸やチェーンソーを使うが、それらの取り扱いがうまくできなかった。
(4)ワンパックに少し入れるくらいで、他の売り方がわからなかった。
(5)生活の中で日常的に炭を使うことができなかった。友人のNさんは、煮炊きや暖房など、生活の中で毎日炭を使っている。
自分では炭焼きがうまくできなくても、炭焼きのイベントに行くのは好きで、焼きあがった木炭や竹炭を見るのは感動の一瞬である。
今度の炭焼きで使う窯は先日のイベントで使った窯であり、持ち主が持参してくれる。
今度の窯は自分でも容易に組立ができ、密閉も簡単そうだが、「原材料の調達」という問題は、窯が異なっても変わらない。
炭焼きが楽しいのは、太古の人類から受け継いだDNAが、「火」や「煙」を見ることによって呼び覚まされ、癒されるからだと思う。
今、火を見る機会は少ないが、ボクが子供の頃には、
(1)どんど(たき火)の火
(2)クド(カマド)の火
(3)風呂焚きの火
というふうに、毎日、自然の火を見ていた。
火は人の心を引き込む(癒す)。
(今日の夕飯)
ダイコンの煮物・・・シイタケ、ゴボウ天
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「麦踏み」は根の張りを促し、倒伏防止や春の収穫量を高める重要な作業と、農業新聞に出ていた。まだしていないが、今が適期らしい。
こういうことは「対照区」を設けて比較する必要があると思う。シラサギ小麦もビール麦も半分だけ、麦踏みをするつもり。
集落営農組織は、もよりの駅から岡山駅まで30分という通勤圏である当地のような田舎では、組織されないだろう。理由は、
(1)ほとんどの現役世代はサラリーマンで、収入を農業に全く依存していない。
(2)稲作以外に、産地化できるような作物がない。
(3)稲作だけだったら、集落営農にしたら、個人でするよりもっと採算が悪くなると思う。
それなら、集落営農組織はいったい何の目的なのか。過疎地でこれ以上耕作放棄地が出ると困るような地域が集落営農組織を立ちあげている。このような組織では、元々採算が悪い小さな急勾配の田んぼが多いから、補助金がないとやっていけない。
しかし、平均年齢の高い高齢化した集落が、なぜ守られる必要があるのだろう。同じするならロスジェネ世代に「青年集落協力隊」として移住支援をした方がよい。
農業分野での新たな雇用創出が叫ばれているが、雇用ではなく、なぜ自給自足型を支援しようとしないのか。
雇用に関して、たった3~4年ほどの雇用なら、あまりに無責任である。雇用が切れた後は、どうやって生活したらいいのか。そんな雇用創出ならしない方がよい。
それよりか「自給自足型」を支援するなら、首切りもないし、環境保全にも役立つし、地域の景観も維持されるし、飢饉襲来など、いざという時の防波堤の役目もしてくれるのが自給自足型の農業形態だと思う。
例えば、自給自足農園が、1~2人の居候さん(自給自足の見習い人さん)を受け入れれば、それはりっぱな「雇用創出」である。こんな自給自足農園をいっぱい増やすことが、10年後の日本には必要なのに、農業法人での雇用だとか、森林整備事業だとか、あいもかわらず、商工業的発想だけで、農業を捉えている。
2兆円の定額給付金のような、余分のカネがあるなら、1軒あたり60万円の自給自足型農業移住支援にあてて欲しいと思う。
将来、国民年金保険料をもらえるとしても60~70万ほどである。だから、提示した60万円支援というのは、それくらいの金額の範囲内で「自給自足ができなければならないという数字である。ワンパック宅配でも100万円ほどの世界だから、60万円というのは少ない数字ではない。
雇用創出といっても、雇用創出してくれる企業に支援金を出したり、あまり緊急を要しない、あるいはほとんど無意味な雇用創出事業を作りだすのであれば、自給自足型農業者支援を打ち出した方がよい。
雇用創出は意味があるが、自給自足型農業支援はまるで「生活保護」といっしょと考えられるかも知れない。しかし、資本主義自体がすでに行き詰っている。格差は広がり続けるし、常に雇用の不安定がつきまとう。
資本主義は経済至上主義であり、人間性のかけらもない、人間疎外の経済システムである。
(今日の夕飯)
サンマ・・・ダイコンおろし
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巨大農業経営体「1万程度育成」・・・研究機関が提言
それによると、農地の3分の1にあたる約150万ヘクタールを経済特区にし、100ヘクタール規模の超大型の農業経営体を育てることを柱に据えている。
あいもかわらず20世紀型の農業を推奨している。決していい結果にならない。農業は、
(1)規模縮小
(2)雇用の形ではない個人の独立自営農民
(3)多種類を作る
(4)大きな投資をせず、癒しのための自給型農業をめざす
21世紀型の農業は、「現役世代」でも「定年帰農型」の農業をめざすのがよい。定年帰農型の農業で何とかして100万円を稼ぐ方法を模索する。 農業に転身することは「起業」と同じ。
小規模なら放牧は安心
1ヘクタール(100アール)あたり2頭ならば、周辺の水系に与える影響は、営農活動や野生動物による影響とほぼ同じだった。(農業新聞1月15日)
(1)牛1頭は1日に糞尿を26.7キロ排せつ(年間1トン)
(2)牧草を栽培する場合、10アールあたり年間6トンの堆肥を投入
(3)水稲の場合、10アールあたり年間2トンの堆肥を投入
つまり、小規模移動放牧は、一般的な営農活動に比べても、農地に与える負荷は少ない。
放牧を検討している場合は、地域住民への説明資料として活用し、安心して放牧に取り組んでほしい。
ヤギの放牧(支柱につないで放す)でも、池の上の葉タバコ跡地に放牧するには、地域の水の世話人さんに了解をもらう必要があるだろう。
ヤギは「飲み水」を与える必要はないらしいから、糞尿もたいした量ではないと思う。2頭以上は飼う予定はないし、図体も大きくないので、雨と共に池に流れ込んでも、池の水にはほとんど影響を与えないと思う。
ヤギは「田んぼの草」より「木の葉」を好むらしいので、池の上の「葉タバコ跡地」もぜひ活用したい。
水稲には年間2トンの堆肥を投入というのは、化学肥料に換算してのことだろう。それにしても、水稲より牧草の方が3倍も堆肥(肥料)が多く必要なのか。
冬に栽培して春に畑にすき込む緑肥(農業新聞1月15日)
(1)レンゲ
(2)菜の花
(3)えん麦
(4)ソルゴー
(5)ヘアリーベッチ(畝間に生えて雑草抑制マルチの役割を果たすマメ科の緑肥
レンゲは稲作にはいいが、畑作にはむかないと思う。菜の花は「アブラナ科」なので作りたくない。えん麦は麦の一種だから現在蒔いている。ソルゴーは蒔いたことはないが、麦を蒔くからいらない。
「ヘアリーベッチ」はトライしたいと思う。
鳥インフルエンザウイルスの消毒薬
日本エコロジアとテクノマイニングは、鳥インフルエンザウイルスを除去できる消毒薬「BV4」を開発した。同社によると、複数の脂肪酸を組み合わせたもので、安全性が高く、空中に安心して散布できるのが特徴だ。即効性については、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターが、10分間で1億個のウイルスを検出限界まで除去できることを確認している。(農業新聞1月15日)
今まで使われてきている各種消毒薬や各種抗菌剤も安全性がうたわれてきたはずだから、「BV4」もそれらと同類と思う。
ケージに閉じ込めて、身動きできなくしているのだから、ウイルス抵抗力も少ない。そういう類の薬を全く使わなくても、当方のニワトリは元気である。
鶏糞が化学肥料より安全性が低いと考えるのは、このような化学薬品があまりに多量に使われていると思うからである。鳥インフルエンザの出現以後、この傾向はますます強まっているのではなかろうか。こんな卵は「生で卵かけご飯」などしてはいけない。
今日の山陽新聞にマラソンの高橋尚子のインタビュー記事が出ていた。
「自分に何ができ、何が求められ、自分しかできないことは何なのか。これからはそれを探す時期」。3月には感謝の思いを込めて名古屋国際を走る。「(人生)設計をしていても、別の道ができる時がある。ひとつの道にこだわると、それを見落とす。次の扉(名古屋国際)まで頑張ることができたら、違う道ができるかもしれない」。ラストランの先にあるはずの何かを、今は楽しみにしている。
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先日の炭焼きイベントに行く途中で見た集落。始めて通る道、始めて見る風景、ひなびた村、こんな所に集落がある。
田舎にすんでいても、ひなびた田舎が好きである。滅びようとしている村に郷愁を感じる。遠方ならそんなに来れないが、ここは地元の吉井川水系だからまた来れる。
左の画像のように道端に太い笹で編んだ堆肥枠があった。右は谷間の棚田。一人だったら、こんなひなびた村で誰かに出会ったら、ちょっと声をかけて見る。そうしたら、村の話を聞かせてもらえるかもしれないし、若かりし頃の話を聞かせてもらえるかもしれない。今まさに滅びようとしている村の風景をいとおしく思う。
こんな吉井川水系の限界集落を折に触れて訪ねたい。遠くまで出かけなくても、コンビニ弁当と缶コーヒーで、日がな一日楽しめる。
巣箱の右の方に入っているニワトリは、例のニワトリ。トサカを見ればすぐわかる。傷は癒えて、トサカも少し伸びているように見える。ただ、あれだけの傷を受けたのだから、しばらく卵は産まないだろう。
こういうのが田んぼの道端にあれば「モグラ」の仕業。よく見かける。イノシシやシカだけでなくモグラや野ネズミも大きな被害をもたらす。
(今日の夕飯)
ハクサイの煮物・・・卵
コンニャクと鶏肉の煮物
明日16日(金)から25日(日)までの10日間、下水道の業者さんが来られる。とうとう我が家のトイレも水洗便所になる。トイレ2個で100万円超の出費。
当地では去年2月に下水道が完成した。3年以内に家庭排水を下水道に接続しなければならないが、集落の7割ほどの家は、できてすぐの去年の春に接続を終えたようだった。
義務ではあるが、集落の全部の家がするわけではないと思う。高齢の一人暮らしだったり、お金がなかったりすると、「しないで押し通す」家も1~2割はあるだろうと思う。
我が家の場合はしないわけにはいかず、猶予期間は後2年あるが、タイミング的にこの冬にすることになった。
当地の下水道事業は14億9280万円の総事業費がかかっている。333戸(1200人)だから、1戸あたり450万円ほどかかっていることになる。これでは市の財政が逼迫する。新聞によると下水道事業の見直しを迫られているようだ。
下水道事業は、市の財政を圧迫するだけでなく、個人の経済も圧迫する。
つまり、下水道の受益者分担金は1戸あたり19万5千円+トイレ改修工事100万円超+毎月の下水道料金。
毎月の固定的な支出であるライフライン料金が下水道料金だけアップする。
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昨日はヤギのことで気分が高揚していたのに、今日は逆に、手間を取られたりすることはないだろうかと心配気味になった。
ニワトリの時は飼いたい一心だったのに、ヤギに対するこの不安は何だろう。この差が、ニワトリは18年間飼ってきたが、ヤギはこの間、飼うことができなかった原因である。
確かに45年ほど前まで、ニワトリとヤギは「自給」の要だった。あの当時は時間というものがゆったりと流れていた。だから、ヤギの乳をゆっくり搾ることもできただろう。
ところが45年後の現在は、時間のスピードが当時とは比べ物にならないくらい早い。いつも時間に追い立てられるような生活をして、精神的なゆとりをなくしている。
それでも、ニワトリは現在の時間スピードに遅れていない。ニワトリに時間を取られているという意識はあまりない。
確かに1日1回は、餌やり、水代え、青菜やり、集卵と4仕事あるが、10分ほどしかかかっていない。わざわざそのために田んぼに来るのではなく、農業の傍ら飼っているので、無駄な時間はない。
無駄よりも、卵のおかえし、糞のおかえし、クズ野菜を掃除してくれる、家の食べ残りも無駄にならないという4拍子のお礼をくれる。
ひるがえって、ヤギはというと、機械での草刈と、ヤギでの草刈とどちらが時間を節約できて、どちらが経済的かという比較に集約されている。
こんな風に考える自分は明らかに余裕がない。
ニワトリは1日1回、10分の世話ですむが、ヤギは1日2回、(10分×2回=20分)の世話がいる。つまり、朝、どこかの草刈場に連れて行ってつなぎ、夕方、その草刈場から連れて帰り物置に入れる。
20分もあれば、草刈機を使えばかなりの草が刈れる。
でもこういう風に考えてはいけないのだ。
ヤギを草刈場に連れて行く10分間を楽しみ、連れて帰る10分間を楽しみ、ヤギのいる風景を楽しむ。これが農業の楽しみなのに、すぐ「経済的判断」だけを自分は持ち込んでしまう。
しかし、こういう風に考えざるをえないくらい、世の中は世知辛くなったし、世の中は変わってしまった。だから、大多数の人はヤギが飼えなくなったのである。口で言うか言わないかの違いで、大半の人が経済的判断だけを優先せざるをえなくなった。
それなのになぜ・・・?。それは草刈が少し負担になってきているから。だから、機械の草刈とヤギの草刈を天秤にかけた。
それでも、ここまできたらもう引き返せない。とりあえず、1年間だけでもヤギを飼ってみよう。
そして今日は、飼うとしたら、どこで飼うか、いろいろ思案した。雨降りでない日は、田んぼか、隣接する山すそのどこかにつないで、1日中戸外で過ごさせるつもりだが、夜間と雨の日は小屋の中で過ごさせてあげる必要がある。
その小屋であるが、


(1)左の画像の物置の中の一部分(1坪半)をヤギ小屋にする。
(2)物置の北側に畳1畳分ほどのヤギ小屋を作る。
(3)物置の東側に畳1畳分ほどのヤギ小屋を作る。
(4)真ん中の画像の、左側の棚と右側の棚の間のスペース(2坪)をヤギ小屋にする。
以上の4箇所を候補にして考えた。なぜ物置周辺にしたかというと、ヤギは人間との触れ合いが必要だから。逆にニワトリは、人間が近くにいると落ち着かないので、人間が近くをあまり行き来しない静かな環境がよい。
45年前まで、集落のほとんどの家で黒い役牛を飼っていたが、牛の小屋は必ず、玄関横の、家人の目が最も頻繁に行きかう場所にあった。それくらい、牛に目をかけていた(注意をはらっていた)。
ヤギもそうする必要があると、幼い頃の見聞が教えてくれた。
だから、小屋の候補地は上記の4ヶ所にすぐに決まった。しかし自分は、 カナヅチ、クギ、ノコの扱いが極度に不得意。だから大工仕事は一切しない。となると既存の物置(これも区切るという大工操作があるが・・・)を利用するしかない。大工さんに依頼してヤギ小屋を作ってもらうというような「設備投資」は今回はしたくない。それをすると、「草刈機の草刈」に比べて「ヤギの草刈」の方がはるかに高くついてしまい、本末転倒になる。
だから、候補地を準備したのは「心のはからい」であって、意識下では、物置の中にせざるを得ないということは決まっていた。
物置は6坪(鳥小屋は4坪半)あるが、4分の1の「1坪半」をヤギ小屋にしようというのはすぐに決まった。これ以上広くても狭くてもよくないと思った。理由は、
広くすると「糞出し」に手間がかかるし、ヤギの下敷き(ワラなど)がたくさん必要になる。
狭くすると、雨天続きの梅雨に戸外に出すことができず、これ以上狭いとストレスになる。
今日は朝からヤギの本を2冊読んだ。1冊はもう10年以上も前に知人にもらったヤギの本である。それくらい以前から「ヤギを飼ってみたい」という意識はあった。
これだけでは物足りず、
(1)鳥取県、八頭総合事務所に電話して、ヤギのレンタル事業について詳しく聞いた。
(2)農業仲間のAに聞いた。
(3)同じくBに聞いた。
(4)同じくCに聞いた。
それぞれの人の話は、本とは別にまた大いに参考になった。
ヤギは16~17年生きるが、出産可能期間は9才頃まで。
首輪や鎖は犬用のものでよく、ホームセンター等に売っている。
レンタルはなぜ岡山県にないの?、岡山県のことは岡山県の畜産試験場か県庁の農林水産部にお聞き下さいと言われた。
「鳥ネット→八頭総合事務所→和牛とヤギの放牧」でグーグルで検索(電話した時に見るように勧められた)すると、放牧の様子が画像にアップされていた
飼ってもいないうちから聞きまわらなくても、飼い始めてから、飼いながら、考えればいいだろうに・・・。確かにニワトリはそのようにできた。しかし、ヤギはそういうわけにはいかなかった。
今年は農業歴20年目に入り55才。残りが20年とすると75才。今年は農業の「中間点」だと思う。75才までできれば40年も農業ができたことになる。今後どういう現実が押し寄せてこようとも、自給野菜だけは作り続けるだろう。
ワンパック宅配は65才頃まで。
ニワトリは多分、自給野菜とセットで続くと思う。
ヤギはとりあえず1年は飼ってみよう。
今まで何度か、ワンパックと並行して1~2種類の専門作物を持とうとしたが、持てなかった(持つ能力がなかった)。
年齢的にももう、初めての新たなことには手を出さず、半農半ブログの生活を充実させるつもりでいた。だから「新たな農業チャレンジ」としてはヤギが最後の挑戦になるだろう。
時は2015年、江戸の三大飢饉をしのぐ凶作に見舞われ、人々は自然を求めて民族大移動を始める。その過酷な死の行軍にヤギが現れ、その身を呈して、多くの人々の命をミルクと肉で救った。
豚は役に立たなかった・・・
牛も大き過ぎて役に立たなかった・・・
ただ、30羽のニワトリだけは、最後までその地位が揺らぐことはなかった。鳥インフルエンザなどものともせず、ヤギと共に行軍に加わり、卵と肉で、多くの人々の命を救い続けた。
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ニワトリ小屋は、農業をスタートした1年2ヵ月後の5月に大工さんに建ててもらったが、ヒヨコはその2ヶ月前の3月から、家の納屋の軒下で飼い始めた。「形にできる」ことは、これくらいのスピードで形になる。
今の時期は青菜(雑草)が少ないので野菜を与えるしかない。巻きの弱いキャベツや小さいダイコンを与えている。
コゴメだけ与える日と、購入飼料も少し加えて与える場合とでは、後者の方が産卵率が高い。これは顕著に現れる。購入飼料にはトウモロコシの他、大豆かすや魚粉等も少し含まれているので、コゴメという単品の飼料だけの時より違ってくる。
(今日の夕飯)
ブリ
ハクサイの煮物・・・アゲ
エビフライ・・・市販の惣菜
2008年の12月の輸入動向(東京市場)
ニンジン・・・1キロ65円→(自分の出荷価格は250円)
サトイモ・・・1キロ91円→(自分の出荷価格は400円)
タマネギ・・ 1キロ73円→(自分の出荷価格は250円)
輸入野菜はさすがに安い。この価格では国産は太刀打ちできないだろう。業務用野菜が輸入品主体になるのもわかる。
いくら企業が大規模栽培をしても、輸入野菜には太刀打ちできない。だから民間の企業はなかなか農業に進出できない。
各地で緊急就農相談
失業者、希望胸に・・・「農業なら安心」
雇用情勢が急激に悪化する中、農業が失業者の受け皿になろうという地域レベルの相談活動が動き出した。10日には岡山、福岡の両県で相談会が開かれ、昨年暮れに解雇された人が、多数詰め掛けた。全国段階の相談窓口にも問い合わせが相次いでおり、「農業で安定した就労を」と期待が高まっている。
JAグループや行政でつくる岡山県担い手対策推進本部などは10日、緊急就農相談会を岡山市で開いた。17人が県外から参加し、農業法人の求人情報や必要な準備資金、就農に向けた研修制度などの説明を受けた。(以上農業新聞1月11日)
2008年度の農業は、肥料の高騰、飼料の高騰、資材の高騰、燃料の高騰という激しい逆風だった。それなのに農業法人は求人ができる状況にあるのだろうか?
それでも求人ならまだよい。就農に向けた研修となると準備資金がいる。自己資金ならまだしも、安易に借りると、「学校の奨学金」と同じで、将来払えなくなる可能性が高い。
今、農業は激しい逆風であるし、「害獣問題」と「気象問題」は悪化し続けている。いくらでも海外から輸入農産物が入ってくるし、途絶えて高騰すると盗まれてしまう。
だから、「農業で稼ぐ」というより「農業でどう自給自足していくか」が問われている。
でも、農業で自給自足など今の世の中ではできない。しかし、農業で自給自足できる世の中に変えていかないと、非正規社員の生きていける道がない。
貧困とは「ため」をなくした状態をいうらしい。
カネも名誉も地位も権力もいらない。ただ、日々の生活がまわっていく最小限のパンがあればいいのに、そのパンさえ手にできない人たちが巷にあふれかえっている。
正社員のレールからはずれた人の生きる道は、やはり農業で自給自足の道を模索する方向しかないと思う。
「緑の雇用」では、いずれまた切られる。切られない「緑の自給」を模索しないと何も解決しない。
人間の尊厳と自由を取り戻す道は、そんなに稼がなくても生きていける自給自足の道しかないと思う。
とにかく、農業という土の上に戻る必要がある。
それなら、その方法を自分が提示する必要があるが、まだ見えてこない。
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たくさんの稲ワラをもらったので「通路」に敷いた。冬でも雑草は少しは伸びる。秋冬雑草は葉をロゼット状にして、太陽光線をたっぷり浴びるような体勢をとり、根は地中深く張って抜きづらく、春夏雑草よりたちが悪い。
右の画像のようにタマネギの通路にも敷いた。管理機で耕運しているのは、ここに籾殻を運んで「クン炭」作りをするので、秋冬雑草を前もって退治するためである。
隔離していたニワトリがまだ仲間に入れない。止まり木にいるのはそのニワトリである。ただ、餌やりに入った時は負けずに食べているので、隔離する以前ほど状況はひどくない。あの時はトサカが3分の2ほど食いちぎられ、コーナーにうずくまっている状態だったから。
トリ小屋にも稲ワラを入れた。たくさんモミがついた稲ワラがあったので、それらを入れた。

5月頃までにできれば「草刈目的のヤギ」を入れようと思う。田んぼ周辺に草刈をする場所が多すぎる。
(1)上の画像は池に通じる道と、道の「のり面」であるが、のり面の草刈が大変。
(2)柿の木の下の田んぼは集落の共有田。だから年に2回、集落の人が総出で草刈をするが、半年もほうっておけば、草ぼうぼうになる。
(3)休耕田がすでに6~7割あり、稲を作らなくなると草の始末に苦労する。だから喜んでヤギに解放してくれるだろう。
(4)この他、管理を任されている田んぼが近くに何枚かある。
草刈はかなり時間を取られるし、結構重労働だし、危険な作業でもあるし、1円にもならない作業である。
そこで考えたのが、定期的な草刈と、ヤギに草刈を依頼するのとでは、どちらが楽で経済的だろうかということ。
ヤギは柔らかいものより粗剛のものを好み、草類よりも木の葉を喜んで食べる習性がある。たとえば、ススキ、チガヤ、クマザサ。木類ではクリ、ナラ、クヌギの葉なども好物らしい。山の際なのでどちらもある。
麦を見ることが毎日楽しみになっている。たかが麦なのに。
麦には若さや希望を感じる。
(昨日のワンパック)
ニンジン・・・・・・250円
ネギ・・・・・・・・・150円
サトイモ・・・・・・400円
ヤーコン・・・・・・300円 (生食、炒め物)
ロケット・・・・・・250円 (生食、炒め物、おひたし)
ホウレンソウ・・250円
ダイコン・・・・・・250円
キャベツ・・・・・・150円
ブロッコリー・・・200円
シイタケ・・・・・・200円
レモンタイム・セイジ(ハーブティ用)→サービス品
ホウレンソウ(半端分)・ロケット①→サービス品
送料800円で合計3200円。
(1)単価を合計するが、春夏秋冬、ワンパック3200円を上限にしている。
(2)ロケットをもう1束、サービス品にしたのは、箱がかなり空くから(ハクサイがないため)。
(3)レモンタイムは常緑草。セイジも常緑草に近い。ミント類はべた掛け資材を二重に被覆しておけば常緑草で出荷できる。(当地の気温の場合)
秋冬野菜はハクサイ、キャベツ、ダイコン、カブさえ失敗しなければ、他の作物の失敗は少ない。
秋冬野菜は8月盆明けから11月中旬のタマネギ定植までの3ヶ月間が忙しいだけで、それ以後、2月末までは出荷作業だけ。
出荷のない日の農作業は昼から出て、3時間ほどするだけ。
ニワトリの餌用に作ったキクイモは、業務用(イタリア料理店)の注文が結構あり、結局ニワトリにはやらずに出荷した。ヤーコンよりはるかに作り安いので、今春は80~100株ほど定植するつもり。
シュンギクは初霜にあてずに、11月中旬頃までに、べた掛け資材で二重被覆すべきだった。
ネギは肥料切れすると黄変する。ネギはたくさん送っても問題ないし、箱のスペースをしっかり埋めてくれる。わかっていながら今年は大失敗。
春夏パックは、
タマネギ・・・・・250円
ジャガイモ・・・200円
キュウリ・・・・200円×2も有り
ナスビ・・・・・・250円×2も有り
ピーマン・・・・200円
オクラ・・・・・・150円×2も有り
ナンキン・・・・・250円
ニガウリ・・・・・150円
トウガン・・・・・400円(ソウメンナンキンでもよい)
エンサイ・・・・・・150円
ツルムラサキ・・200円
ワンパック宅配では差し引き100万円を目標に。
営業すれば個人客の40軒くらいはキープできる。
口コミの力も大きい。
農閑期はきっちり取ろう。明日への英気。
ハウスはいらない。
年間運転資金(経費総計)が60万円ほどの農業を。
業務用より個人客だけがいいと思う。
完全無農薬、無化学肥料には、こだわらずに。
ニワトリ30羽をぜひ飼おう。リサイクルの要。
1人なら40アールもあれば十分。ボクは30アール作付。
100万ほどしか稼げない。それ以上必要なら農業は無理。
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雑穀には、キビ、アワ、タカキビ等があるが、当地周辺ではほとんど見かけない。
我が家では45年ほど前まで「キビ」という雑穀を作っていたようだ。というのは、毎年「寒餅」といって「キビ餅」を搗いていた。それは2月頃ではなかったかと思う。その寒餅(キビ餅)を包丁で薄く切り、ムシロに広げて屋根裏部屋で干していた。屋根裏部屋には西日がさすのでよく乾く。
よく乾いた長方形の薄い寒餅のことを「オヘギ」と言っていた。そのオヘギを「練炭火鉢」の鉄球(てっきゅう)の上に置いて焼くと、すぐに焼ける。これがその時期の「おやつ」だった。
オヘギは白い「モチ米」より、土色の「キビ餅」の方がおいしかった。しかしそのキビの生育姿や収穫期の姿は見たことがない。
春夏系の雑穀としてニワトリの餌によさそうだが、鳥(スズメ)の被害で収量は半分ほどになってしまうらしい。
鳥取県のレンタルヤギ
鳥取県は今年度、耕作放棄地の保全のために、ヤギを貸し出し、草を食べることで除草する「レンタルバンク」事業を始めた。レンタル料は2頭で1シーズン4千円。業者に草刈を頼むよりははるかに経済的だという。
岡山県でもこの事業を始めないのか電話をしたら、「今のところ予定にない」と言われた。こんな事業がなぜ全国的に広がらないのだろうと考えたら「牛」がいた。岡山県では「ヤギ」より「牛」を奨励しているようだ。確かに、牛の休耕田放牧は新聞でしばしば目にする。
現実には、牛よりヤギの方がかなりメリットがあると思う。
(1)ヤギは図体が小さいので扱い安い。
(2)牛は大きいので、慣れていないと、触るのは怖い。
(3)ヤギなら田んぼの「畦(あぜ)」が壊されないと思う。牛は巨体なので、田んぼの畦を壊してしまう。
(4)たとえば、朝、草刈地まで連れて行き、夕方、小屋に連れて帰る場合にも、ヤギなら「引っ張れる」が牛は「引っ張ろうにも引っ張れない」。
(5)牛は草刈地にくくりつけておくことは不可能だが、ヤギなら、草刈地に鉄柱などを打ち込んでくくりつけておくことが可能。
(6)ヤギなら女性でも扱えるが、牛はちょっと難しいと思う。
(7)ヤギなら小さな小屋でよいが、牛なら大きな小屋がいる。
(8)ヤギなら、朝、目的の草刈地までさっさと連れて行けるが、牛は時間がかかると思う。
(9)放牧すると「糞」や「尿」を肥料として利用できないように思えるが、放牧時間はせいぜい10時間、夜間は小屋で14時間だから、14時間もあれば肥料にする「糞」や「尿」は十分取れる。
(10)ヤギなら糞尿が雨とともに近くの川に流れ込んでも、川の生態系を汚染することはないと思うが、牛なら糞尿の量も多いので、川の生態系の汚染につながる可能性もある。
(11)ヤギの方が草の好き嫌いが少ないのでは?
(12)観光農園としても、牛よりヤギの方が触れるメリットが高い。
ヤギ2頭で1シーズン4千円のレンタル料なら、もし岡山県で始めたら、今すぐにでも導入したい。物置の半分ほどは空いているので、夜はそこに連れ帰ればよい。朝、放牧地まで連れて行き、夕方、物置まで連れて帰るなら、時間は朝と夕の合計で20分ほどと思う。
近くに休耕田(遊休地)はいくらでもある。歩いて5分もかからない範囲に1ヘクタール(100アール)ほどある。年に1~2回の草刈をするか、もしくは、年に3~4回の耕運をして、草管理をしているのが現状である。
もし、ヤギで草管理がしてもらえるなら、喜ばれるだろう。
自分の場合だと、野菜、ハーブ、ニワトリ、炭焼き(ドラム缶方式、今は炭焼きはしていない)に加えて、もしヤギがレンタルできるなら一つの「理想型」が完成する。
ヤギが三々五々、草を食んでいる風景を提供できたなら、集落内でもインパクトが強いと思う。多分、近所の家庭菜園の70代のおばさんたちが、「ちょっとヤギを貸して」と言って、自家の休耕田につないだり、しばし、ヤギと触れ合ったりしながら、癒しの時間を味わえるかも知れない。もし、地域の3軒ほどで協力してレンタルするなら、世話は3日に1度ですむ。
ヤギのレンタル事業を岡山県でも始めて欲しい。
もしこの農閑期に時間がとれれば、「にほんの里100選」に選ばれた岡山県境の「阿波」と、鳥取県境の西谷新田(智頭町)を見学して、智頭町のレンタルヤギを見学して、当地の温泉に1泊するという、夢のようなドライブを考えている。
しかし、牛を否定しているのではない。牛は子供の頃の懐かしい動物である。我が家では45年ほど前には、黒い牛1頭、ニワトリ20羽ほど、母豚3頭(1回の出産で子豚が10匹ほど生まれる)を飼っていたが、ヤギは一度も飼っていなかった。だからヤギのことは実際はよく知らない。
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マイクロ・クレジット(小額融資)・・・既存の銀行が融資しない貧困層を対象に無担保で小額を貸し付ける制度。貧しい人々が、融資を元手に自立のために起業し、貧困から脱出することを目的とする。バングラデシュのユヌス氏らが1976年に始め、世界100カ国以上で実施されている。(朝日新聞1月6日)
ここで提案
山村に移住して自給自足的農業を希望するロスジェネ世代に、年間60万円を限度として無利子で貸付。返済はお金ではなく、作った農作物で現物支払い。たとえば、
ジャガイモで10万支払い
タマネギで10万支払い
ナンキンで10万支払い
サツマイモで10万支払い
ダイコンで10万支払い
キャベツで10万支払い
あるいは他の作物でもよい。一般に野菜は作ることより売ることの方がはるかに難しい。だから、できた野菜を「すべて買い取ってあげる」というシステムである。
これを毎年継続してもらえれば、移住者は、山村で自給自足的な生活をおくることができる。「補助金」はなくても、こんなシステムなら「緑の自立」が可能と思う。
誰が買い取るかが問題であるが、例えばスーパーで「緑の移住支援ジャガイモ、生産者○○さん」とか「緑の移住支援ナンキン、生産者○○さん」と名付けて大々的に売り出すことはできないだろうか。買い取ってくれるスーパーは社会的貢献(緑の移住支援)企業という広告になる。
ソーシャル・ビジネスのしくみ
すべての人間には利己的な面と、無私で献身的な面がある。私たちは利己的な部分だけに基づいて、ビジネスの世界を作った。無私の部分も市場に持ち込めば、資本主義は完成する。私はそれを「ソーシャル・ビジネス(SB)」と呼ぶ(バングラデシュのユヌス氏)・・・画像参照
投資家は特定の社会問題の取り組みに投資する。SBは損失も配当もない。社会に貢献する目的を持つ会社だ。貧困解消や健康、貧しい人の住宅問題、環境問題など様々な事柄に取り組める。
投資した金は、可能な期間で会社に元本を返済してもらう。利益を生むかもしれないが配当を受けない。金銭的利益ではなく満足感を得る。
会社の利益の使い道は、ビジネスの改善、拡大に使う。会社自らは利益を取らない。
従来の慈善事業への寄付の代わりに、SBへ投資する。
人間の二つの面(利己的な面と無私な面)がともに機能する資本主義を完成させる必要がある。
利益の最大化を夢見る眼鏡を外し、SBの眼鏡をかけてみてはどうか。世界が全く違って見えるだろう。(以上朝日新聞1月6日)

農業法人経営発展支援事業
農水省は2009年度、農業法人と地域の生産者や食品業者などと連携した新しいビジネスを支援する「農業法人経営発展支援事業」を行う。プラン作りの費用や市場調査、新商品の開発費などに関する費用を最大1000万円助成し、農業生産の拡大による食料供給力の向上を目指す。(農業新聞1月7日)
農業は個人でする小規模農業だから面白みや生きがいや癒しになるのであり、組織の中で一部分だけに携わる歯車的農業では、工業製品のベルトコンベアーと同じで「人間疎外」を感じるだけである。環境的にも、農業法人をいくら増やしてみたところで里山保全にはつながらない。小さな個人農業を育てていかない限り「限界集落」の問題も進展はない。
農業を企業経済と同じようにとらえる20世紀型農業では、農業問題は悪化するだけである。21世紀の農業は、20世紀とは逆に、規模を縮小し、大型機械に投資せず、肥料や飼料はできるだけ自給する方向で、できるだけ自然に近い農法で、旬に忠実に作るという逆転の発想が必要である。
ため池百選(選定へ明日初会合、地域活性化の核に)
ため池の保全や活用の機運を高めようと農水省は今年から、ため池百選の選定を始める。
ため池は全国に21万存在する。江戸時代以前に造られたものが多く、ため池にまつわる伝統行事といった文化的価値を有していたり、近年では市民の親水の場として活用されるなどしている。
ため池は地域活性化の核となる可能性があるとみており、ため池百選の選定で国民の関心を高め、維持、保全活動に一般市民も参加してもらうきっかけにしたい考えだ。(1月7日、農業新聞)
平川村 定住推進協議会
岡山県高梁市備中町の平川村定住推進協議会が、今年度から始めた地域外からの就農希望者受け入れ事業が軌道に乗り始めた。農作業体験や技術指導、地域との交流で就農を後押しし、地域農業を活性化する人材育成を進める。これまでに県内や関西方面から3家族を受け入れ、成果も上がっている。
推進協は地区内の農家や行政、JA備北の関係者でつくる。長期の準備期間を設けた支援制度は県内でも珍しい。このほど、高梁市で「田舎暮らし体験・交流事業報告会」を開き、支援対象者がメリットなどを発表した。(農業新聞1月7日)
農事組合法人・・・集落営農設立の時にこの形態が多い?
農業法人・・・・・・・株式会社の農業参入法人?
農事組合法人には「補助金」が出る。
資本主義国家の中に、自給自足主義国家や社会主義国家が共存できる経済システムは不可能だろうか。つまり一つの企業として「自給自足主義株式会社」とか「社会主義株式会社」のような企業ができて、他の企業と同じように利益を追求するという経済システムの構築は不可能だろうか。
覆っているのはロケット。今年はハクサイが送れないので、そのスペースにロケットを×2倍で送っている。ロケットは、レタスやキャベツと生食、炒め物、おひたしと、利用範囲が広いので、多くても食べれると思う。
加えてホウレンソウも入るので、菜っ葉が3束。これで箱のスペースが埋まる。
送れなくなってハクサイの偉大さを痛感している。
今は、もらったハクサイを食べている。ハクサイは新聞紙で2重に包んで軒下等に置いておけば2ヶ月近く保存できる長期保存野菜でもあり、失敗すると身体にこたえる。
ブロッコリーは頂芽が終わり、わき芽の収穫に移った。
ニンニク、及びレタスの育苗。幼苗の時のレタスは寒さに強いが、あまり寒いようだと、べた掛け資材で覆う。
今日のニワトリ
(今日の夕飯)
すき焼き・・・シラタキ、ハクサイ、ダイコン、ウインナー等
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近所の人が声かけしてくれたので、昼から稲ワラをもらいに行った。稲ワラは「草押さえ」や「ウリ科野菜の敷き藁」などに使えて、何かと重宝する。
稲ワラも、籾殻も、コゴメも、稲作農家がいてくれるから頂くことができる。
特に「コゴメ」は5軒の稲作農家からもらった。こんなに頂くとニワトリを飼う励みになる。
にほんの里 100選
今日の朝日新聞に「にほんの里 100選マップ」が出ていた。岡山県から選ばれたのは阿波(津山市)と、真鍋島(笠岡市)で、我が家からはどちらも遠い。
「にほんの里100選」に選ばれているのは県境の村が比較的多い。鳥取県で選ばれている「西谷新田」は、岡山の「阿波」と距離にして10キロも離れていないように見える。
ちょっと感激したのは、和歌山県で「口色川」が選ばれていたこと。リンクさせてもらっている「ふるさと色川」がその集落です。もし、那智勝浦の滝と温泉に行かれることがありましたら、ぜひ、そこから40分の「ふるさと色川」まで足を延ばしてみてください。勝浦の駅からバスが出ているはずです。宿泊施設も「ふるさと色川」のホームページに出ています。
なお、100選の口色川の説明には、「険しい山腹の孤立集落」という表題で「町の中心から車で40分。山懐に約60世帯130人が暮らす。3分の1は町外からの新規定住者。お茶の産地でカモシカも生息する」と書いてあった。
色川集落を初めて訪問してから、もうじき5年が来る。色川訪問記も書いています。
ボクは「棚田100選」から、岡山県の棚田めぐりをする気になった。そのうちの3箇所が久米南町周辺にまとまってあり、農家民宿に泊まって棚田めぐりをするのを楽しみにしている。
「にほんの里100選」も観光客をかなり呼べるだろう。
団塊世代のUターン意識
1月5日の山陽新聞に、岡山県出身の「団塊世代のUターン希望が低下」というアンケート結果が出ていた。それによると、定年を機にしたい、いずれしたい、迷っているを加えても27%にとどまり、前回(3年前)の40%から大きく減少した。逆に、考えていないは前回の55%から69%に増えた。
Uターンに必要な条件は、前回は36%と最も多かった「就職先の確保」が29%に減少。代わって「病院、福祉施設、交通の便などの生活環境」が18%から37%に上昇してトップとなった。
定年後の過ごし方は、「引き続き働きたい」37%、「悠々自適に過ごしたい」30%、「ボランティアや地域活動をしたい」22%の順で、前回と同じ傾向。
このアンケートでちょっと意外に思ったことは、7割ほどの人がUターンを考えていないという事実。
「ふるさと」、「郷愁」、「田舎」、「育った場所」という感情より、「定年後も働きたい」、「現在の居場所での友人や仲間とのつながりの方が大切」、「都会はなんといっても便利」、「出身地の貧乏たらしい生活はこりごり」等、人によって「ふるさと」の感覚は違うのかも知れないと思った。
ボクは、学校にも、企業組織にも、自分の居場所を作れなかったので、故郷は自分の居場所を保持できる唯一の場所になっている。地域活動をしているわけでもなく、地域に親しい人もいないが、誰に遠慮することもなく自分の存在を誇示できる場所である。
故郷は好きな場所でも嫌いな場所でもない、そんな感情を超越した「エルサレム」のような場所。
水田政策 抜本的見直し
石破農林水産相はコメの生産調整(減反)について、「タブーを設けず、あらゆる角度から議論する」と語り、廃止も選択肢に含め検討することを表明した。
減反は米価維持のため1970年代初頭から始まった。農家の意欲をそぎ、後継者難の要因の一つと指摘されてきた。WTOの交渉で日本はコメの関税を最低でも2割強下げることを求められており、その場合、減反では米価の維持の効果は期待できない。「世界の流れは農家への所得補償」(石破農水相)と見られている。ただ、所得補償の財源確保という難題がある。(朝日新聞1月6日)
減反政策でも、奨励金とか、減反の確認作業とか、おびただしい経費がかかってきたと思う。なぜあの当時、減反政策導入ではなく「飼料米への移行推進と、食用米との差額を補償」という政策ができなかったのだろうか。
当時すでに家畜の飼料はどんどん輸入されていたわけだから、「飼料の自給」という観点を持つべきだった。しかし、輸入飼料の方が圧倒的に安かったために、そういう施策は取られなかった。今頃になって「補助金」を出して奨励するなら、なぜその当時からしてこなかったのかと言いたい。
大規模農家の場合は最初から、餌は購入、肥料も購入という考えであるが、有機農家の場合は、できるだけ自給餌で賄える頭数(羽数)を飼い、肥料が自給できる範囲内で作付面積を決めるという考え方である。つまり循環の思想である。
農業の未来永劫を考えた場合、有機農家の方が正しい。しかし、ビジネスの観点からは、高騰するまでは大規模農家のやり方の方がはるかに経済的だった。だから、高騰したから差額を補償するなど「あまりに過保護」過ぎる。それは農業形態の選択の誤りと考えられる。
シカによる農作物被害
2007年度のシカによる農作物被害面積は3万5000ヘクタール、被害金額は46億8000万円(農水省調べ)。被害金額はイノシシに及ばないが、被害面積ではイノシシの2.5倍だ。
シカはイノシシやサルと異なり、主な生息場所である森林にも大きな被害をもたらしている。(農業新聞1月6日)
山村へ移住する時は、害獣の被害状況をよく確認することが大切である。20年ほど前と違って現在は、害獣を防ぐことに多くの労力を取られる。時間とカネ(電気柵等)が必要な「無報酬の労働」であるが、田舎へ移住するには、どうしてもこのハードルを越える必要がある。害獣防御が「苦手」と思える人は、山村への移住は難しい。
麦がシカかイノシシに食われている。どちらの仕業かわからないが、かなりやられている。
(今日の夕飯)
ハクサイの水炊き・・・チクワ、アゲ、豚肉
焼き豚、ホウレンソウのおひたし
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春はまだまだ先だが、タンポポが咲いていた。
(今日の夕飯)
ダイコンの煮物・・・シイタケ、アゲ
ホウレンソウのおひたし
牡蠣フライ・・・市販の惣菜
農林関係予算について
2009年度農林関係予算は12月22日、2兆5605億円で決着した。
毎年これぐらいの予算が計上されてきたにもかかわらず、何故、日本の農業は風前のともし火なのだろう。
予算の配分がおかしいのではなかろうか。
農業振興の効果が果たして出ているだろうか。
ビジョンのある投資になっているか。
農林関係の予算を見ても、内容がよく理解できない。
以下のように箇条書きにされているが、数値がピンとこない。
水田等有効活用促進交付金等・・・・・・・・423億円
水田・畑作経営所得安定対策のうち、
生産条件不利補正対策・・・・・・・・・・・・・1549億円
収入減少影響緩和対策・・・・・・・・・・・・・・757億円
産地確立交付金・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1466億円
地域担い手経営基盤強化総合対策事業・・81億円
農地確保・利用支援事業・・・・・・・・・・・・・・・・70億円
農地確保・利用推進対策支援事業・・・・・・・・・4億円
耕作放棄地等再生利用緊急対策・・・・・・・230億円
国産原材料供給力強化対策・・・・・・・・・・・・・・55億円
食農連携促進事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8億円
食品小売機能高度化促進事業・・・・・・・・・・・・・・3億円
地産池消モデルタウン事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・4億円
中山間地地域等直接支払い・・・・・・・・・・・・・・・234億円
農地・水・環境保全向上対策・・・・・・・・・・・・・・277億円
子供農山漁村交流プロジェクト対策事業・・・・・・・・6億円
条件不利地域における未整備森林の早期解消・・85億円
木材産業原料転換等構造改革緊急対策事業・・・・・5億円
農林関係予算の非公共事業は前年度比2.3%増の1兆5653億円になり、2004年以来5年ぶりに増加した。
大幅に削減した農林公共事業は前年度比10.1%減の9952億円と、1977年以来となる1兆円を割り込んだ。
1兆円を割り込んだといっても、まだ1兆円近くある。
農林公共事業とは、集落排水事業(下水事業)等をいうのだろうか。農林公共事業は、ほとんど農業振興に貢献していないのではなかろうか。
田舎の広域農道は、農林公共事業なのか、それとも国土交通省の道路事業なのだろうか。
広域農道と集落排水事業(下水)に莫大な金額をつぎ込んでいるから、今、国も地方も借金まみれ。
上記の箇条書きの数値を全部合計しても5257億円にしかならない。
残りの1兆円ほどの金額の説明がない。
予算は全部使いきっているのだろうか。使いきれなかったものはどうなっているのだろうか。
だいたい、農林関係予算をハコモノの農林公共事業と、非公共事業と合体した数値で表すこともおかしい。ハコモノ事業は農業振興にほとんど役立っていない。
(1)狭い田んぼをまとめて広くする圃場整備事業・・・並行して減反政策が始まった
(2)干拓事業・・・事業費と農業売上の費用対効果が悪すぎる
(3)広域農道事業・・・通行車両がごく少ない
2兆5605億円(1兆5653億円+9952億円)という数字が、常に頭に浮かんでくるように暗記しておこうと思う。
過去30年間の農林関係予算の金額の推移を知りたいが、ネットで見つからない。
いったい、農業者の何割がこの予算の恩恵を受けているだろうか。
地下水の争奪
地下水は欧州連合(EU)の水使用料の70%を占めるほか、サウジアラビアやチュニジアなどのように、水資源のほぼすべてを地下水に依存する国もあり、世界人口の約4分の1が唯一の飲料水源として頼っている。
複数の国にまたがって存在する地下水をめぐる紛争を未然に防ぎ、その保全と持続的な利用を目指そうと、国連の委員会がまとめた初の「国際地下水条約」の原案が明らかになった。(山陽新聞1月4日)
泳ぐイノシシ、島から島へ
中四国や九州地方で、海を泳ぐイノシシの目撃例が後を絶たない。愛媛県宇和島市の漁師は「この辺りでは常識」と話す。「10年ぐらい前からよく見る。島から島へ渡るという話もある」。
海を渡る理由を「飽和状態になったり、駆除で追われたりして新しいすみかや雌を求めて海に入る」。(山陽新聞1月4日)
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生活の運転資金は、できるだけ小さい方がいい。
農業の運転資金も、できるだけ小さい方がいいと思う。年間、60万円以内の運転資金に留めたい。つまり、
種苗費・・・・・・・・4万円
肥料費・・・・・・・・5千円
飼料費・・・・・・・・5千円
農具消耗品費・・5万円
ガソリン代・・・・・ 7万円
作業着代・・・・・・ 2万円
車検代・保険代・・7万円
消耗品・雑費・・・・5万円
電話代・・・・・・・・・5万円
パソコン関連費・・6万円
見学・研修費・・・・2万円
書籍代・・・・・・・・・・3万円
(減価償却費・・・・ 10万円)
生活(ライフラインと食費)の運転資金も60万円以内に、農業の運転資金も60万円以内に、そして売上-経費(運転資金)=60万円は農業で稼いで。これで、補助金が(60万円×5年間)あればいいのだが。
2兆円の定額給付金のばらまきをやめれば、66万6千人のロストジェネレーションに(60万円×5年間=300万円)の支援が可能である。
つまり、60~70万人の緑の雇用が実現する。
スタート時1~2年以内の初期投資も150万円以内(農業用軽四を含む)に留めた方がよい。これ以上の投資はすべきでない。
人生のランニングコストはできるだけ小さくしておいた方が、仕事でも選択の自由が確保できます(作家、高樹のぶ子)。
民主党は新エネルギーへの転換で、250万人の緑の雇用を見込む構想を打ち出しているが、もっと具体的にすべきである。緑の雇用が緑の「土木事業」になったらこの国は沈没する。今度こそ、ハード事業ではないソフト事業が求められる。
提案したいソフトな緑の雇用とは、
(1)集落周辺の草刈
(2)イノシシやシカやサルの防御柵
(3)棚田の田植えや稲刈りの応援
(4)集落周辺の竹や雑木の整理
(5)集落内で買い物や介護の応援
(6)ニワトリ20~30羽運動
(7)ヤギのレンタル事業
(8)簡易な方法による炭焼きの復活
(9)休耕田の耕運、荒地の復旧作業
(10)水路掃除や道普請、土手の草刈
(11)限界集落に1~2人の「若者集落協力隊員」を
集落の高齢者が、集落内の空き家の世話をし、百姓仕事を教える傍ら、重労働だったり、応援してもらいたい上記のような仕事を手伝ってもらう。つまり1日2~3時間、週に2~3日の労働で、月に5万円、年間60万円の給与を5年間。その間に「田舎暮らし術」を体得してもらう。
集落営農に補助金を出すより
ロストジェネレーションに緑の移住支援を!
夕方、水に濡れた新聞紙を枯れ枝といっしょに焼いた。収穫容器の底にはいつも新品の新聞紙を敷き、収穫後はジョロで打ち水をする。野菜を仕分して包むのも新聞紙である。だから、かなりの濡れた新聞紙が出荷のつどゴミとして発生する。それがある程度たまってから月に1回ほど焼いている。あまり気乗りしない作業だが仕方がない。新聞紙を焼いた灰は田んぼに入れず、家の近くの使っていない田んぼに入れる。
今日から仕事をした。冬の農作業は生産労働は少ないが、それでも半日ほどは身体を動かした方が心身のためによい。
仕事はやればいくらでもある。
(1)草刈、水路掃除
(2)果樹の選定や寒肥(トリ小屋の鶏糞)
(3)黒マルチの片付け(サツマイモ畑等)
(4)シイタケの原木を20本ほど新たに作る
(5)籾殻運び(クン炭作り)、稲ワラ運び
農業科がある近くの瀬戸南高の授業では、飼っている鶏を生徒らが絞めて、肉や内臓を食べる。(朝日新聞1月4日)
今の農業高校でも、鶏を解体する作業はしているようだ。鶏を絞めて、それをさばいて(肉にして)、食べるという一連の作業は貴重な経験だと思う。
なお、鶏肉は、産卵から10週間(70日)ほどで肉にされてしまうらしい。つまり、産まれてからたった2ヶ月と10日間の命である。我が家の曾婆さん鶏は5月26日で丸4年がくる。
ブログを公開する1時間ほど前からは、新しいことは入力せず、読み安いように行間をあけたり、誤字脱字をチェックしたり、配置を入れ替えたり、2~3回読み直したりしているが、農業もすでにそういう段階に来ている。今までやってきたことを整理したり反復したりしている。
毎日、画像でアップしているような農業展開しか、自分にはできなかった。他人に比べて見劣りしていてもそれは仕方がない。それが自分の19年間の結果だから。
(今日の夕飯)
ダイコンの煮物
赤魚
ハクサイの煮物・・・ハンバーグ少々
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止まり木にいるのは、いつものニワトリ。
田んぼの宝物 カエル
カエルの減少は田んぼだけではなく、地球規模で起こっています。水と陸の両方を必要とするカエルに必要な豊かな水辺環境が失われてきています。また、カエルは皮膚呼吸をするために、酸性雨や水の汚れ、オゾン層の破壊による紫外線などの影響を真っ先に受けてしまうのです(農業新聞)。
現実にカエルが少なくなったら、「無農薬」はかなり難しくなる。
サツマイモは中米メキシコ付近の乾燥地が原産地であり、1600年代に日本に渡来した。徳川吉宗の時代に青木昆陽の進言によって広く全国に伝播し、天明の飢饉では多くの人々を救済した。
第2次世界大戦中に、多くの人の飢えを救ったのもサツマイモだった。サツマイモの特筆すべき特徴は、「茎を挿し木すれば芋が入る」ということである。ボクは農業を始める前「サツマイモは挿し木」ということをすっかり忘れていた。それくらい農業とは縁遠くなっていた。
当地の「ため池」はいつ頃作られたのか知らないが、画像の正面の半円形の山(城山)が、池の堤防を支えるような形に、堤防の真ん中ある。
45年前まで、この山の南斜面の20アールほどの畑で「葉タバコ」が作られていたとは想像もできないくらい、今は元の山に戻りつつある。
かつて、ほとんどの農家は「かやぶき屋根」だった。すっかり忘れていたが、我が家にも45年ほど前まで「かやぶき屋根」が一つだけ残っていた。当時の我が家には納屋が二つあり、一つが「かやぶき屋根だった」。
昔はどこの集落にも、「かやぶき職人」のような人が何人かいたのだろう。
炭焼きも昭和20年代の末頃までに、ほとんど廃れてしまったので、今は「炭焼き職人」もいない。
そんな技術職人が今の世の中では必要とされないので、それを引き継ぐ人もいなくなった。
在来種や固定種の種取りも、誰もしなくなった。
家庭菜園は技術と呼べるようなものでないが、野菜は温度や気候の関係で1年に1回しか作れないものが多いので、3回の経験をするのに、3年もかかってしまう。
だからもし、教えてくれる人が身近におれば、その人の経験年数だけを受け継ぐことができる。こんなに得することはない。
だから、たとえ家庭菜園でも、引き継ぎがなければ、この国にとっては大きな損失になる。
(ドイツの有機畜産農家)
50ヘクタールの農地で有機小麦を作り、乳牛40頭をはじめ、豚12頭、羊20頭、鶏150羽を飼育。糞尿は土に還元する。肉はハムやソーセージ、生乳はチーズに加工して敷地のレストランで提供し、地域の人たちが食べに来る。「自産地消」で経営がまわる。だから飼料高の影響など全く関係ない。(農業新聞)
日本においては、2ヘクタール(1ヘクタールは借地、今なら借地料はほとんど無料)の土地で、黒牛(肥育牛)1頭もしくはヤギ2頭、鶏30~40羽、麦類20アール、野菜30~40アール、多種の果樹10アール、物置と畜舎2アール、牧草地130アール)で、「有畜小農複合自給」的な有機農業が、地域内(自分の農場内)で循環する。
これくらいの規模なら夫婦2人で楽ににまわせるし、顧客さえ安定すれば手取り年収200~250万ほどにはなると思う。
自給できる肥料の範囲内で作物を作り、
自給できる飼料の範囲内で動物を飼う、
この二つは特に重要と思う。
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長さ100メートル、電車の車庫と見まがう鶏舎5棟に40万羽。エサやりも空調もコンピュータ制御で、わずか2人で管理する。
飼料代は石油代替のバイオ燃料ブームもあり高騰。2年前、卵の生産費用の45%だったのが今は65%を占める。
店頭に190円前後で並ぶ10個パックでは、1パックの利益が1円未満になっているという。
「もう効率化の余地はない。だが、生きものをかかえる以上、システムを止めることもできない」。(以上、朝日新聞7月2日)
飼料も7月頃に比較すれば、かなり安くなっているが、2006年の頃に比べればまだ高い状態が続いているようだ。
酪農家や養鶏農家は無事に2008年を通過できたのだろうか。確かに、口のある生き物は、すぐにすぐ処分はできない。上述のように1パックの利益が1円未満で納まっていればまだしも、マイナスになると、赤字だけが増え続ける。野菜は出荷せずに「田んぼにすき込み」ができるが、生き物は、エサだけは与え続ける必要がある。
海外の輸入飼料に依存せざるをえない状況というのは、リスクの大きな産業だと思う。
肥料もそうである。
日本の肥料メーカーは、原料となる窒素、リン酸、カリウムの大部分を輸入に依存しているため、国際価格の影響を受けやすい。
稲作農家の場合、10アールあたり8千円前後の肥料代がかかっているとみられ(農業新聞)、値上げになると大幅に費用がかさむことになる。
現在、飼料も肥料も燃料もかなり値下がりしているが、2008年夏の高騰が教訓になるかどうかはそれぞれの農業者の立場によって異なるだろう。
「辞職。のち無職、ときどき笑顔な独身日記」
『この一年は、離職という大きな転換ののち、長い停滞期となってしまいました。
職場の怠惰さや、転勤などのことを鑑みて、悩みに悩んで、30代後半という年齢を最後の転機と考え、一大決心の辞職。
いかに思慮の浅い行動であったか、のちに必死に正当化しようとする自分が、あまりにも惨めであり、後悔の念は、今も拭い去ることができずにいます。
時間は止まったまま、寝ても起きても、無職という現実。気分転換という言葉すら、すべて逃避行動と捉えてしまう、そんな卑屈な自分を責めてみたところで、何かが変わるわけでもないし、何かをしてくれる人など、いるわけがないのです。
それでも、この軌跡を目に見えるものにしておきたいと、悲観的な言葉で綴るブログを更新してきました。』
書くことによって、少しでも気がまぎれればいいですね。ボクも書くことによって、落ち込んだ気分を整えたり、書くことが逃避になったりして、今は少し精神安定剤の役割もしてくれます。
しかし、働きたいのに働く場所がないという状況は、精神衛生上よくないので、本当になにか仕事があればと思います。
今こそ、農業が多くの失業者の受け皿にならなければならないと思う。
既存の農業者の現状を維持するためだけの補助金とか、リタイアの単なる先送りにしかならない補助金とか、輸入価格が高騰したからその差額の補助金とか、こういう「未来の展望のない補助金」でなく、ロストジェネレーションの世代に対する、250万人の緑の移住支援(緑の雇用)という、ニューディール政策が今こそ必要だと思う。
この先10年の間にこの政策が取られなければ、農業は壊滅する。
農業も「どこまでやってのけれるか」は、相当大きな個人差があると思う。自分はいまだに、
(1)特定の野菜を4アール以上の面積で作ることは苦手で、面積の広い野菜でもせいぜい3アールほどまでしか作っていない。
(2)比較対照区を設けたり、きちんとデータを記録したり、2箇所に分散して結果を確認したりという 、理工系の考え方の実践が今までほとんどできなかった。
(3)人の田んぼを見て、何でこれが苦もなくできるのだろうと、能力の差を強く意識させられることが多い。あまり大きいと次からは行かない。
(4)現に自分は、稲作とか果樹とか、鶏でも40羽以上とか、野菜でもハウス栽培とかは、今でもとてもできそうな気がしない。
(5)サツマイモ以外にもイノシシの被害が出たら、出荷農業は続けれるかどうか自信がない。
農業はスタートして1~2年の間に「大きな投資」を伴うが、できるだけこの投資を抑え、投資するにしても農業用軽四、管理機、中古の乗用トラクタくらいにして、投資合計が150万円を決して超えないようにすることが大切だと思う。借りたら返せない。
岡山ニューファーマーズの制度は2年間で360万円の支援制度であるが、もしこれとセットのような形で、仮に200~300万円の設備投資費用がかかるとすれば、それは360万円との「相殺費用」にはならず、あくまで単独の負債になってしまうだろう。
農業は売上のカネが入ってみないことには、当人にいくら稼げる能力があるかどうかわからない。
あなたの一票が、農業ルポライターへの
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