あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

栗生楽泉園  上山茂子さん(1)




女我れ針持てぬ身や寒月夜




きりなく雪麻痺の瞼のとぢがたく




すずらん活け癩一生の乳房抱く




土筆つくし土割り雲へ毬上ぐ癩の子等




碑の文字の指頭に深し救癩日



(眼球内容除去のため入室)
眼帯の中の火の玉末枯るる





義眼入れ夕凍の日を負ひゐたり




開眼の神のメス受く雪の果




眼の癒えて新居に似たり花菜に灯




山菜の青を豊かに終の地ぞ




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栗生楽泉園  後藤房枝さん(4)




征きし兄の未完の楽譜曝しけり




雀の餌撒くをためらふしづり雪

(しづり雪とは季語。木や竹の枝葉などに降り積もった雪が散り落ちること)




見えぬ眼をいつしか忘じ昼寝覚




障子貼ってもらふに猫も畏まる




絵葉書の蝶抜け舞へり春の夢




花吹雪生家を出でし日の如く




療友に韓人露人月見草




二人掛け余る切株小鳥来る




郭公の谺す森の伝言板




湯豆腐に白根の風を聴きてをり




水餅の水替へて聴く山の音



後藤房江さんの略歴
大正9年横浜生まれ。昭和17年夏、23才で栗生楽泉園入園。信心篤く園内になる日蓮宗栗生妙法会御堂の堂主を7年勤める。46年4月「高原俳句会」と「濱」に同時入会。大野林火に師事すること10余年。大野没後は松崎鉄之助を師とし俳句を学ぶ。視力を失った後も俳句に生かされ平成4年初の個人句集『蕗童子』を上梓。平成12年「傘寿」(80歳)の年に第二句集『雪女郎』を出版。平成4年俳句協会会員。


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栗生楽泉園  後藤房枝さん(3)



声出して生く身たしかむ寒こだま




独活うど食むや土間の口まで深山の香




軒燕巣立ちしその夜母の夢




雪礫もう故郷へ帰れぬ身




花の夜の目の見ゆる夢ばかりかな




炊き上る豆飯に鳩しきり鳴く




痛み止め効き来て薔薇のよく匂ふ




花火音眼の見えねども空仰ぐ




奥山の奥まで落葉月夜なる




妻に謝す歌あり雪に逝きにける




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栗生楽泉園  後藤房枝さん(2)



鶏頭蒔くひたすら生きること思ひ




朴の花望郷台に匂ひけり




卒業即戦死の兄の遺影守る




花筏家郷の運河満ちをらむ




見舞ひくれし人先に逝き雪降れり




雪明り兄の手擦れの歎異抄




凍晴の杖に結ひたる鈴一つ




花種を吊るせしままに逝きにけり




白樺に声かけて結ふ大根稲架




残る視力白菊に寄せ息慎む




荷を解くを待てずにまろぶ故郷の柚子




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栗生楽泉園  後藤房枝さん(1)



母の倍生きて何せし花菜漬




初しぐれ形見となりし黒茶碗




リス跳んで旧道さらに深む秋




訪ひがたき生家を車窓秋の暮




人迎ふ声透きとほる枯月夜




友逝きて壁に頭のあとほととぎす




七夕や逢へねばうから幼きまま




わが胸に生く幾人と夜の端居




紙魚光る父の遍路の朱印帳




張り替へて今日銀婚の白障子




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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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