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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

松丘保養園  渡辺白虎さん



点字本伏せると指に来る寒さ




残された倖せ指で読む光り




貧乏のどん底にいる肩の凝り




肩揉みの手を休ませるいい話




新薬が過去の視力を惜しませる




母の背があたたかかった子守唄




子を連れた客へ羊羹うすく切り




春の泥廊下で猫が叱られる




猫貰う約束へ名もつけてくれ




点字打つ夜更け隣に気を遣い




駅弁の訛り故郷近くなり




秋灯火妻も何やら読む気配



渡辺白虎さんの略歴
明治36年7月福島県生れ。昭和5年11月北柳吟社入会。『浮雲』第一集(昭和15年)、『浮雲』第二集(昭和35年)、『浮雲』第三集(昭和45年)、『浮雲』第四集(昭和55年)出詠。


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松丘保養園  遠藤芳富さん(2)



聖堂へ来た野良猫を叱りかね




咳一つ深夜の壁にはねかえり




口先のように吾が足はかどらず




バラ匂う庭へ看護婦肩を貸し




舗装路へ僕の杖音君の音




春はよいもの万物がよみがえり




聖書読む窓辺に春の陽が届き




油欲しいと義足の軋む音




歩けない人より幸な義肢を撫で




代読も一緒に笑う子の便り




故郷の川の音する水枕



遠藤芳富さんの略歴
大正9年3月山形県生れ。昭和24年北柳吟社入会。『浮雲』第二集(昭和35年)『浮雲』第三集(昭和45年)『浮雲』第四集(昭和55年)に採録。



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松丘保養園  遠藤芳富さん(1)



風船の行方を惜しむ療の子等




歪む手に豆腐のやわさ持て余し




飴玉は五十の頬を喜ばせ




足二本国に捧げて忘れられ




指先に光り集めて読む点字




眼を病んで音の世界に強く生き




女医許すたった一切れ餅が焼け




病棟の無事を見守るような星




医者までが病人じみて梅雨つづき




死ねば要る金を瞼の裏へ置き




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松丘保養園  荒尾苔華さん



故郷で見た時とはちがう月の色




面会の子の顔にふれ髪にふれ




石鹸が逃げる一節だけの指




うすれゆく視力へ母の写真出し




母のある倖せ母に愚痴を言い




療養所第二の故郷とは悲し




腹の立つ時に見上げる空があり




生きてゆく努力へ妻という味方




腕時計こうもゆるんだ病み上り




呑めば出る元気を妻に案じられ



荒尾苔華さんの略歴
明治39年宮城県生れ。昭和16年9月北柳吟社入会。『浮雲』第二集(昭和35年)、『浮雲』第三集(昭和45年)、『浮雲』第四集(昭和55年)に採録


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松丘保養園  田畑夏泉さん



花の下眼を失わぬ幸にいる




紅葉手に瞼に故郷の秋描く




男手の針を看護婦捨ておけず




指と足断っても野心断ち切れず




点字まだ読める舌あり挫けまい





入浴の支度に義肢の手間が要り




会いに来た子等が笑いを置いて行き




あばら骨見せて死線を越えた笑み




人形抱き母となれない子守唄




下積みの日を忘れまい竹箒




引っ越しに義肢も手ごろの荷を運び



田畑夏泉さんの略歴
松丘保養園 大正9年5月秋田県生れ。昭和23年北柳吟社入会。『浮雲』第三集(昭和45年)『浮雲』第四集(昭和55年)に採録。


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在65才、農業歴29年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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