花の下眼を失わぬ幸にいる
紅葉手に瞼に故郷の秋描く
男手の針を看護婦捨ておけず
指と足断っても野心断ち切れず
点字まだ読める舌あり挫けまい
入浴の支度に義肢の手間が要り
会いに来た子等が笑いを置いて行き
あばら骨見せて死線を越えた笑み
人形抱き母となれない子守唄
下積みの日を忘れまい竹箒
引っ越しに義肢も手ごろの荷を運び
田畑夏泉さんの略歴
松丘保養園 大正9年5月秋田県生れ。昭和23年北柳吟社入会。『浮雲』第三集(昭和45年)『浮雲』第四集(昭和55年)に採録。
紅葉手に瞼に故郷の秋描く
男手の針を看護婦捨ておけず
指と足断っても野心断ち切れず
点字まだ読める舌あり挫けまい
入浴の支度に義肢の手間が要り
会いに来た子等が笑いを置いて行き
あばら骨見せて死線を越えた笑み
人形抱き母となれない子守唄
下積みの日を忘れまい竹箒
引っ越しに義肢も手ごろの荷を運び
田畑夏泉さんの略歴
松丘保養園 大正9年5月秋田県生れ。昭和23年北柳吟社入会。『浮雲』第三集(昭和45年)『浮雲』第四集(昭和55年)に採録。