春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。
視力出てお伽の国に似て花見
草千里患者総出の蕨狩り
春眠をつぎつぎ起こし検温器
目に青葉イワシで我慢するとする
参考(「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」とは、江戸中期の俳人・山口素堂(1642~1716)の作。 目にも鮮やかな「青葉」、美しい鳴き声の「ほととぎす」、食べておいしい「初鰹」と、春から夏にかけ、江戸の人々が最も好んだものを俳句に詠んでいます。)
汗だくのナースに済まぬベッドバス
牛飼いの匂い鼻つく帰省の夜
山下紫春さんの略歴
星塚敬愛園 大正6年鹿児島生まれ。看護兵として兵役に従事。昭和15年に発病、16年に星塚敬愛園に入園。19年にモトエ姉と結婚。一時退園、郷里で農業に励み両親を助けるも病気を悪化させ22年再入園。足を切断、眼の悪化など不自由をかこつが元気な妻に支えられ、27年頃川柳会に入り句作活動。34年受洗。60年3月子供たちに見守られ召天。没後5年、平成2年『川柳集夫婦道』刊行。
帰省してまだ偏見の目が残り
温床を出て怯えてる白い杖
五月晴れですよとナース脈をとり
よく聖書読んでくれてたナース嫁ぎ
恙がなく生きて私も妻も古稀
寝て福を待つには長い闘病記
療養のおかげ句を知り神を知り
初義足春まだ浅き庭を試歩
療園が養老院に衣替え
教会へそれが私の初詣で
水と空気だけは自慢の療養所
秋晴れを散歩このまま故郷まで
兵役に漏れそれからを療養所
父の墓近ければなと菊も咲き
信仰の心にプラス十七字
療養の二字四十年背負わされ
饒舌がまた来て聖書閉じさせる
療園の夕餉は早し日脚伸ぶ
よちよちの義足励ます揚げ雲雀
診察に行くだけのもの一張羅
目が見えず、義足でも、診察に行かれる時は、きちんとした格好で
行かれたんですね。
盲妻も手足浸して海が好き
悲喜こもごも寮で銀婚式迎え
帰省して嫁に遠慮のいる故郷
初孫の写真土産に妻帰園
盲いには月は見えないけど月見
世の隅で舌読点字たのしかり
目に青葉じっと臥てろと医者の無理
母の日へ母が居たらと思うだけ
かんたんによく生きのびたなと外科医
梅雨明けの食べられそうな白い雲
便り来ぬ子からいきなりくる為替
面会に来てまで母の苦労性
婦長さん案外下手な注射針
病む妻を笑顔にさせた子の為替
視力もううすれテレビへそっぽむく
面会の孫を泣かせたサングラス
麦藁帽買ったばかりで夏を病み
初孫の写真へ見える目がほしい
ここだけは師走の風もよけて句座
文学の真似屑籠へよくたまり
2030年 農業の旅→

プロフィール
Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


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