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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

琵琶崎待労病院  西山幸夫さん



傷の痛み安らぎていつしか眠りゆく盲ひのわれに夜昼はなし




病み崩えし姿を見なば声あげてわが古里の叔母は泣くらむ




唇につきし汚れをふいて貰ひ杖ついて夕べの食堂に出づ




萎えし手にフォークを持ちてこの朝もあへぐが如く飯をかきこむ




眼の見えぬわれも連れられし菊池川の道清清し草を吹く風




盲ひ病むわれにやさしく声かけて神をとき給ふパチフィコ神父




三十年前に来し町の食堂に友に手を取られ昼飯を食ふ




部屋を仕切りし隣の友が神経痛に灸すえてゐる臭ひしてきぬ




久久に無傷となりてわれ一人昼の湯に体をひたして居りぬ




面会に来し妹は口萎えの吾にジュースを飲ませて呉れぬ




四十年病みて無菌といふ吾れの足が針さす如に疼く




病ひ秘めて働けるまで働きし会社やめしより四十年過ぐ




癩秘めて働けるうちは働けと言ひし桜井医師みまかりぬ


西山幸夫さんの略歴
明治43年生まれ。昭和21年琵琶崎待労病院入院。のち菊池恵楓園に転園。「檜の影」所属。『檜影集』(昭和51年)『ハンセン療養所歌人全集』(昭和63年)


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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