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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

菊池恵楓園  荒谷軟波さん(2)



もろもろの鉢の植木にあけ芽吹き春としなれば癒えたかりけり




干蒲団かい抱きつつ取り入るる片足飛びの伊藤君あはれ





越し方のしじの思ひに眠られぬ霜夜は疵の痛みおぼゆる




白飯を渡さるるとの前ぶれに子供の如く待つ身淋しも




つくづくと吾子のゆくへを思ふときながらへがたき吾身くやしも




遠くそだつ吾子のたよりのありければ病養ふ心動くも




味噌汁に身のあたたまりゆくときし露営つづくる吾子を思ふも




秘めて住む吾に届けるはらからの妻の手紙を受けておびゆる




むしろ二枚持ちて這ひゆく路作り朝顔の種子を蒔きて安らぐ




日に三度飯待つのみの吾がうつつ心がなしも生のたづきの



荒谷軟波(哲六)さんの略歴
明治26年生まれ。大正後期に身延深敬園九州分院から九州療養所入所。『檜の影」所属。昭和18年没。『菴羅樹』(昭和26年)『ハンセン療養所歌人全集』(昭和63年)

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菊池恵楓園  荒谷軟波さん(1)



(出郷の思出)
暗にまぎれ墓場に向ふ母と吾れ父の墓前にひざまづきけり




(帰省の思出)
刻刻に吾が故郷の山近づけり胸とどろきつ駅に着きけり




路を問ふ吾を吾子と気づきます母そはの眼に涙光るも




手の悪しき吾にしあれば母人は握飯して与へ給へり




(句友太田花桜氏を看護りして)
云へざれば空に字を書く友なれやうらがなしくもせんすべもなし




(大阪の育児院にあづけし子供に逢うべく脱柵せしが、目的を果さずして帰り所定の処罰を受け監房に入る)
つむりよりおしつけらるる思ひしてひとやに二夜過しぬるかな




かさこそと幹打ち落つる落ち葉ありまどろみかねし監房の夜半




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菊池恵楓園  水野民子さん(2)



病む夫と励まし合うてホ句の秋




木犀の匂ふ窓辺に眼を洗ふ




年を越す病夫の為の冬構へ




ひたすらに夫をみとりて年暮るる




白足袋やかなしきことの次々に




春愁の帯きりりっとしめにけり




向日葵に強く生きんと思ひけり




夫逝きて気弱くなりぬ沈丁花




さびしさの日ましにつのる置炬燵




踊り好きの夫の初盆踊らばや




水野民子さんの略歴
九州療養所 夫水野竹声とともに療養所を最後の安住の地と定め、俳諧に病者の生きる道を見出し句作に精進。「草の花」「ホトトギス」「阿蘇」など俳誌に投句。昭和14年、夫の遺志を継ぎ『句集露草』を夫婦句集として出版。合同句集に『檜の蔭の聖父』(昭和10年)『草の花句集』第二集(昭和26年)


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菊池恵楓園  水野民子さん(1)



母ぬぎし田植の蓑の雫かな




来る人も来る人も菊ほめにけり




鈴つけし猫従いて来る萩の径




落葉掃く音のしてゐる濃霧かな




雲雀ひばりの子育てゐるなり子供寮




毛糸編む春の光りや小春緑




席題の紙貼ってある桜かな




離れ住む子を負うてゐし春の夢




筆とればみとり疲れや花の雨




蠅打って眠る病人見守りぬ



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菊池恵楓園  水野竹声さん(2)



療院に育ちて今や入学す




仰向いて歩く盲や花吹雪




さえずりの見えてたのしきベットかな




出来上がり来し銀喉管や春灯




誰か又逝きしもの音こだま返る




往診の所長と語るホ句の春




春惜むいくばくもなき餘命とぞ




話しつつ眠る盲や蚊帳の月




晩涼や明日断つ足をいつくしみ




緬羊のひろごる天を雁渡る




句友らが来ぬ夜はさびし秋蛾舞ふ




水野竹声さんの略歴
九州療養所 九州生まれ。町の造船所で働くなかハンセン病に罹り職を失い天涯孤独の身に。昭和3年、九州療養所入所。民子と結婚。昭和5年、故・河村所長の恩愛に触れ「草の花」俳句会に入会。宮崎草餅の指導のもと夫婦で句作に専念する。昭和9年、病が進み咽喉が冒され、「喉切り3年」と呼ばれる気管切開手術を受ける。病床に呻吟しつつ俳句を続けるが、『句集露草』(水野竹声・民子夫婦句集・昭和14)の発刊を見ることなく昭和12年永眠。民子夫人、夫の遺志を継ぎ同句集を発刊。合同句集『檜の蔭の聖父』(昭和10)。

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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