あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

栗生楽泉園  武内慎之助さん


妻の手


妻はこんきよく洗濯している

わたしのシャツ ズボン

知覚のない手に石鹸袋をくくりつけてもらい

洗濯する盲妻の姿 私にも見えない

あわの中からきこえる音だけ

軽症の頃の妻は

ふっくらとした柔かい手をしていた

包丁のさばき 針仕事も上手だった

いまでは十本の指がみんな曲がり

それでも妻は

ほがらかに愚痴をこぼさない


洗濯の音がさわやかにきこえる

私は田舎廻りの役者にすぎない

高原の野外劇場に抱えられてより二十有余年

真剣に舞台に取り組んで来た

ヘレンケラーの三重苦の稽古した

数々の芝居の美しさも稽古した


知覚のない両手に点字書を抱えて

舌端で読む稽古を続けながら

今はレプラの盲目の果てを

静かに稽古している

夏の夜も

秋の夜も

冬の白夜も

昨日も今日も

懸命になって台詞の稽古をしてゆく


洗濯の音がさわやかに聞える







岩の家


私に人間であって人間ではないという日が来た

仮面をかぶって鬼になった


深い谷底に岩の家

それは鬼の家 私の家です

大きな立札が掲げてある

人間ならどなたでも歓迎します

けれど誰も来ない


なぜだろう?

私は気配を殺している

私は人間に嫌われ恐れられている

私を見たら人間は石を投げるだろう

私は感情を押える

感情がこわれる

希望もなくなってしまう

岩屋の柱にぶつかり苦しみもだえ

私は人間になりたい

人の言葉でこの鬼の心を伝えたい


人間が来た

大きなずた袋

弾のない短銃

靴をはいて

私の住居を覘く はじめは好奇の眼で

やがて私をみつけふるえていた

人間はしゃにむに逃げて行った 
 


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初物 エンサイ


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初収獲したエンサイは、太い茎は固いので捨て、他はざく切りする。熱したフライパンにゴマ油を入れ、ニンニク1片の薄切り、エンサイの順に炒め、オイスターソース、酒、醬油、胡椒で味付けして出来上がり。「おうちで簡単中華☆空心菜のオイスター炒め」を参考にした。

前日のおかずが残っていたので、一品だけ作った。






甘いハーブティ

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左からステビア、レモンタイム、アップルミント、レモンバーベナで、沸騰したら火を止めて入れ、3分蒸らして出来上がり。ステビアだけ引き続き30分ほど浸しておくと、より甘いハーブティになる。

冷めたら冷蔵庫で保存し、麦茶代わりに飲む。

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邑久光明園  原よし志さん


もつれ蝶

癩者の肉体は着ている衣より早く損ね変貌し、一夜の中に昨夜の面影を失うこともたびたびである。そして、その肉体の変化につれて、お互の友情にも微妙なる動きがある。


会う度に縺れあい

縺れあう度に深まる友情であったが

なぜか

いつのまにか

顔をそむけるようになった


たまたま訪れた日

花園には

薔薇が咲き

香りが甘くただよっていても

二人のへだたりは

どうすることもできなかった


二人は

あじさい色のしじまの底に

深く深く沈んで行くのだった


かつて「チューレリイ宮の噴水が欲しいね」と

読みあった小説の風景を

いっしょに描いたのも

とうとうむかしの思い出になってしまった


ぼくはやわらかな午後の風をうけて

もつれた蝶が

遠くへとんで行くのをながめながら

時間について考えた






私は絵本を繙げる

背にうす冷えを感じつつも、窓外の陽射し春めきて、小鳥の声もいとたかいと思う日の平日、幼き小学生の慰問をうけて。


梅の花がこぼれる日向の縁で

私は

絵本を繙げる

絵本の中に誰がいる

子供の顔に何がある

山のあなたの空遠く

私を去って行ったあの瞳

子供の動かぬ瞳をみているだけで

私は悲しい

風もないのに梅の花がこぼれる

絵本を涙でよごしてはいけない

私は絵本をみるのをよして

お母様をお迎えに行こう






寒灯に想う


霜の降る音に心をすまして

寒夜部屋に詩すれば

ともしびが淡くながれて

青い息を吐く


寒灯戦きて吾れを呼ぶ

生きるは悲し

詩するは苦しと

心寒く透き

寒灯の光芒は

腐肉をさらして

たえず息づく



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カレー


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ジャガイモとピーマンを初収獲した。それをカレーに使った。



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ジャガイモは乱切り、タマネギはスライス、ウインナー3個は小口切りし、まずウインナーとニンニク1片のみじん切りを炒め、ジャガイモとタマネギを入れて炒め、適量の水を入れ、煮立ったら弱火にして5分ほど煮て、ピーマンとグリンピースを入れ、さらに5分ほど煮てカレールーを3個入れ、10分ほど煮込んで出来上がり。

ウインナーでも十分おいしかった。ジャガイモ(キタアカリ)の「えぐみ」を心配したが、今回は感じなかった。しかし、キタアカリ(早生)という品種はどうも「えぐみ」が多いような気がして、この春から8割はメイクイン(晩生)に切り替えた。



  
ポテトサラダ   
    
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残りのジャガイモは薄切りして蒸し、ボールに入れてつぶし、水にさらしたタマネギの水気をしぼりながら入れ、塩もみしたキュウリの水気をしぼりながら入れ、昨日のゆで卵1個をつぶしながら入れ、マヨネーズ、酢、塩、胡椒、砂糖少々で味付けして出来上がり。

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邑久光明園  藤本トシさん


闘病


お正月の餅 白い餅

幾年かのあいだ

私には羨望の的であった餅

母の涙であり

父の太息であった餅

あの頃は私にとって

毒の象徴であった

眼を伏せて耐えている

病む子の姿に父も母も

とうとう死ぬまで

口にし得なかった

白い餅

私は今それを

父 母の霊前に

供えようとしている

・・・・・・・・・・・・・・・

治ると信じ

治そうと努力して

親も子も

ひたすらであったものを

歪んでしまった手で

探りながら器に盛る

白い餅 正月の餅






冬ばら


来る日もくる日も

ぽつねんと見つめていた

灰色━━

今日もやっぱり

涸渇のなかを

覗いていたら

さっと

みどりの色彩が

流れた

それから白と

少しばかりの黄と・・・

瞬間 もらった

たった一本の花が

執拗な寂漠を

ちぎって

盲眼の底に

匂った






羽根の音


あれは・・・赤い羽根

そうよ━━きっと

こだまをよんだ

音のなかに

ふうわりと 乙女の夢が

乗っていたから・・・

今のは・・・白い羽根

そうよ━━きっと

しじまをぬいた

音のなかに

離れ住む親と子の

ひたすらな

祈りの聖火が

燃えていたから・・・

崖下の日だまりに

いつまでも杖を止めて

聞いている

音・・・

白い羽根 赤い羽根

・・・・・・・・・・・・・・・

ふと気付くと

私の過去が

いつのまにか

羽根の片隅にすがって

大空を飄々と舞っていた






春雪


私は

いそいで探りよって

窓を開けた

雪が

浅春の別れを

舞っていると言うから

優雅な幻をだいて

じっと聞く

舞姫のうた

それはかなしいまでの

静寂・・・

そのしずけさのなかに

永遠のきずなを

さがしていたら

さーっと風に乗ってきて

雪が

私の唇に

捨身を現じた



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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